まるで人間のよう!猫が二本足で立つ理由8つ
猫が後ろの足だけで立つ姿は姿勢が良くてまるで人間が「起立」しているかのようにも見えますよね。二本足でも立つことができるプレーリードッグ、ミーアキャットにも似ている姿勢です。
まずは、様々な場面で猫が立つ理由について分析していきます。
◆理由その1.相手を威嚇したい
猫が格闘モードになったときに、相手を威嚇するため二本足で立つことがあります。
猫たちの世界では、体を大きく見せることで「自分は強い」「自分はいつでも攻撃できるのだぞ」という相手への威嚇行動となります。相手の方が自分よりも強い雰囲気を察した相手はビックリし、戦意喪失するでしょう。
四本足で地面に立つときと比較してみると、二本足で立つときは体のサイズが大きく見えますよね。このとき、まるで熊のように前足も上方に広げるので、より「大きく」感じるでしょう。
また、後ろの二本足で立ち、前足を広げることで相手よりも素早い行動ができる体勢でもあります。
ケンカに勝つ自信があるときには、このように急に立つ行動をすることがあるようです。
◆理由その2.何かに驚いて立つ
猫は、予想外に起こる出来事に「んっ?」と思うと同時に急に立つことがあります。
特に、見知らぬ動物を見る、ふいに聞き慣れない大きな音が聞こえるなどには、無意識に反応を示すでしょう。散歩中に見知らぬ動物に出会ったとき、自分でも思いがけずに「立つ姿勢」になることもしばしば。
まずは立つことで、次のアクションを考えます。さきほど話したように、威嚇モードになるかもしれません。逆に、立つことを止めて逃げ腰になることもあるでしょう。
人間と同じように「わっ!!」と驚いたときには、体の筋肉がこわばって「立つ」という無意識反応が起こるようです。
◆理由その3.周囲を見渡す警戒のポーズ
急に相手が表れた、大きな音がしたなど、急激に「びっくりする」というほどではないものの、ちょっとした雰囲気の変化を察して警戒することは人間でもあるものですよね。
例えば、ちょっとした物音、何かが横切ったような気配、不思議なニオイを感知したとき、見慣れないものに遭遇したとき…など。
猫たちは、野生の勘で「なんだろう?」と周囲を警戒するときに立つことがあります。この時は、立ち上がってから周りを「キョロキョロ」と見渡すようなしぐさをします。
立つことで目の位置が上になり、より高いところから周囲を観察できるのです。視界が広がるだけでなく、音も聞こえやすくなり、「異変」に気づきやすくなるのでしょう。
猫が警戒心から立つのは、自分を守るための習性なのです。
◆理由その4.何かを発見!興味津々の表れ
「好奇心」から立つしぐさをすることもあります。おそらく自分が興味を示す何かがあると察知しているのでしょう。
「見たい!聞きたい!知りたい!」と興味津々となり、猫は二本足で立つしぐさを見せます。体をグイッと伸ばせば、その目的物を早くに発見することもできるでしょう。
特に、野外では草むら、ブロック塀、車、フェンスなど、猫の視界の邪魔になる障害物が多いものですよね。その向こうに目的のものがあると感じれば、目の位置を高くするために立ちます。
また、立つ姿勢になった後、次にジャンプして目的のものに向かったりすることもあります。
◆理由その5.何かが欲しいアピール!甘えているから立つことも
猫は、威嚇・驚き・警戒・好奇心から立つと紹介してきましたが、次はちょっと可愛らしい理由。飼い主さんの気を引くために猫は立つことがあります。
「オモチャで遊んで欲しいな」「おやつ食べたいな」「撫でて欲しいな」など、何かをして欲しいときに立ちあがってアピールをすることもあるようです。猫は言葉を話せないので、こうしたポーズで飼い主さんに気持ちを伝えたりするのです。「このオモチャかな?」「おやつが食べたいのかな?」と猫の気持ちに寄り添うのも楽しいですよね。
威嚇や驚いたときには、体じゅうの筋肉に力が入るので姿勢が良く「体をピンと伸ばしている」という感じです。
しかし、飼い主さんに「立つ姿」を見せるときには、どこか少し力が抜けた感じで甘えたようなポーズになったりするようです。
おねだりで立つ姿はとても可愛いく、ついつい要望に応えてあげたくなります。差支えのない範囲で思う存分甘えさせてあげましょう。
◆理由その6.何かが欲しいアピール!甘えているから立つことも
猫は立つことで可愛らしさを表現しているケースもあります。
確かに、立ち上がるとプクッとしたお腹が見えたり、前足でお願いポーズになっていたりと、可愛いポイント満載ですよね。
このときには、飼い主さんの気持ちを自分に惹きつけたいという甘えん坊モード全開のときなので、コミュニケーションやスキンシップを取ってあげてくださいね。
◆理由その7.体を伸ばしてオモチャを取りたい
猫用のオモチャやオヤツ、キャットタワー、毛布など家のなかには猫のお気に入りグッズがたくさんあるかと思います。いつもと違った場所に置かれていたりすると、探すようなスタイルで立つことがあるでしょう。
床が定位置のオモチャがテーブルの上にあったりすると、探すように立つスタイルになることがあります。体を伸ばせば取れると感じているからでしょう。
器用に後ろ足で立ち、前足を使ってヒョイっとお気に入りのオモチャを取る姿はとても可愛らしいですね。
◆理由その8.排泄するときの癖
トイレで用を足すときに、「踏ん張る」という意味で立つ猫もいます。
体から排泄物を出すという行為のとき、ほとんどの人間や動物は力が入るものですよね。特に、ウンチの方は便秘などお腹の調子によっては、いつも以上に踏ん張るのではないでしょうか。
猫たちもそれは同じで、踏ん張り具合がMAXになったときに無意識で立つようなスタイルになることもあるようです。
「思わず立っちゃった」という感じにも見えたり、トイレのフチに前足をかけて踏ん張る体勢をする場合もあります。ちょっとした癖になっている猫もいるかもしれませんね。
一生懸命に自然現象に立ち向かっている姿なので、声を掛けたりなどじゃまをせずに、そっと見守ってあげましょう。踏ん張ってしっかりとウンチを出すことが愛猫の健康にも繋がります。
◆理由その9.放心状態で立っている
威嚇や驚き、警戒、好奇心、甘え、排泄など、さまざまな理由で猫達は「立つ」という行動が見られますが、猫によっては立った後に放心状態となることもあります。
一点を見つめていたり、ボーっとしたりと、立ったまま茫然となっていることも。瞬間的に力が入り過ぎた分、ちょっと力が抜けているのかもしれませんね。
ちょっと観察していると「ハッ」と我に返って、四本足に戻るかと思います。なかには、しばらく立ったままということもあるかもしれません。
いずれにしても、体のバランスに優れた猫だからこそできるのです。
猫の「立つ」スタイルがバージョンアップすると歩く!?
猫が二本足で立つときは、次のようなスタイルがあります。
◆人間の正座のようなスタイル
まずは、二本足を折り曲げた状態で安定させ、体をまっすぐに立つスタイル。人間で言うと、床に膝を折って座る「正座」のような感じですね。
お尻と後ろのしっぽも床についているので安定性があります。
◆完全な二本足立ち
後ろ足をピンと張り、お尻としっぽも床から離して完全な二本足で立つこともできます。人間でいう「起立」状態ですよね。
◆そのまま歩くこともできる
二本足で立ち、そのまま人間のように歩くこともできる器用な猫。後ろ足を交互に前に出して前進する姿は、とてもユニークです。
ふだん見せない猫の立った姿はシャッターチャンスとあまりの可愛さに、思わず写真におさめたくなることでしょう。
二本足で立つことって体に悪くないの?
そもそも四本足で立つ猫が、細い二本足で立っていると「足は大丈夫?」と気になるものですよね。猫の体に悪い影響はないのでしょうか。
◆猫の後ろ足はかなり発達している
立つ動作にともなって使う体の部分が「筋肉」ですが、猫は後ろの二本足の筋肉がかなり発達しています。
膝を伸ばすとき、膝を折るとき、ジャンプするとき、方向を換えるときなど、後ろ足からお尻についている筋肉が最大限に活用されます。発達した筋肉は、警戒したときや怯えたときなど、力が入ると強張った状態になります。
瞬間的に、体の強張りで筋肉がピンとなることは、猫にとって特に苦痛ではありません。それに耐えられるだけの筋肉が発達しているのです。
◆バランスの良い猫たち
猫はほかの動物に比べると、体の重力や回転などに反応する三半規管が発達しています。
三半規管の機能が悪いとふらふらするものですが、発達している器官のおかげで動きに合わせて頭や体を保とうと自動調整される優れたバランス感覚を持っています。
みなさん知っているように、猫が高いところからのジャンプ&着地が得意なのは、このバランス感覚の良さが関係しています。
猫が立つときにも、このバランス感覚は発揮され、体が倒れることなく姿勢を保つことができます。
後ろ足をまっすぐに伸ばして二本の足で歩くことができるのは、前足を動かしながらバランスを上手く調整できるからと言えるでしょう。
◆二本足で立つことが体の負担にならないの?
猫は、身体能力がかなり優れている動物で、体の構造もかなり発達しています。
むっちりとした筋肉と高機能なバランス感覚を発揮するので、立つことは猫にとってはそれほど無理なものではないようです。
威嚇や恐怖などを感じて瞬間的に立つことは、猫にとっては意味ある行動とも言えるので、体に急激に悪影響を及ぼすものとは言えないでしょう。
ただ、飼い主さんが「可愛いから」と無理やり猫に立つことを強要し、それが日常化していると少なからず足や腰に影響が出てくるかもしれません。そもそも四本足で立つ動物なので、二本足で立つときには「負担」がないわけではありません。
猫の心理とは関係なく、飼い主さんの気分で立たせるなどは控えた方がいいかもしれませんね。
◆関節炎が起こると立つことができないかも
加齢が原因となり、関節に大きな負担がかかることがあります。骨が変形し、痛みが生じているときには、「立つ」ことが難しくなるかもしれません。
年齢問わず立つときに「足引きずる」「ぎこちない」など、不自然な動きをしているときには関節炎が起こっていることもあります。
軟骨が減ると関節のクッション部分である軟骨が減り、猫の立つ動作にも影響が出るので注意してあげてくださいね。
◆肥満による間接への負担にも注意
太り過ぎると、立つことで関節への負担が大きくなります。猫は自分で立ちたいのに、肥満が原因で上手く立てずに動きを制限しストレスになることもあるでしょう。
猫が太り過ぎないように、適正な体重をキープする配慮をしてあげるといいですね。
まとめ
猫が立つことについては、さまざまな理由があります。威嚇やビックリなど、無意識に立つこともありますし、飼い主さんに対しての甘え気分がそうさせていることも。
そのときの周囲の状況によって、猫の立つ気持ちを推理すると「なるほど!」と気づく点があるかもしれませんよ。
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