1.ペットの終活は考えるべきもの?
1-1.終活とは?
1-2.猫の老化は気づきにくい
1-3.「終活」は愛するからこそ考えておかなければならない
2.猫の終活~どんなことをすればいいの?
2-1.その1:猫との思い出や荷物を整理しておく
2-2.その2:病気になったら~最後の過ごし方を見つめる
2-3.その3:火葬や葬儀について知る
2-4.その4:供養について考えておく
2-5.その5:飼い主さんが先に亡くなったらどうするの?
3.まとめ
ペットの終活は考えるべきもの?
◆終活とは?
“終活”というワード、近頃耳にする機会が増えたと思いませんか?
人間界で言う終活は、「自分が最後の人生をしっかり生きるため」「亡くなった後に残された人のため」という気持ちで、「自分の死」について見つめ直し、自らが死に向けて準備することです。
猫は自分で終活ができないので、飼い主さんが猫のために考えてなければならないことです。猫との別れはツラいものですが、いざそのときを迎えたときに後悔のないように、前もって準備しておく「終活」が注目されています。
◆猫の老化は気づきにくい
猫の終活を考えるときに知っておきたいのが、猫の老化について。
猫の年齢の重ね方はかなり早いです。体のサイズが小さいので、いつまでも可愛らしい子猫のように思えるかもしれませんが、見た目とは裏腹に老化は進行しているでしょう。
そもそも、マイペースでのんびり屋さんの猫は、シニアになってもゴロゴロと過ごすことは珍しくありません。
そのため、飼い主さんは、猫がおじいちゃん化・おばあちゃん化しているとは気づきにくいものです。
一般的には、7歳くらいからシニアフードに切り替える時期と言われているので、その頃から健康や食事の管理は「老猫だ」と意識しておくのもいいでしょう。
また、一般的な猫の寿命は10~15歳くらいと言われています。体質や飼育される環境によって変動するので、10歳を過ぎたあたりから終活を意識しはじめるといいのかもしれません。
◆「終活」は愛するからこそ考えておかなければならない
シニアを過ぎた猫は病気にもなりやすいです。平均的な寿命を待たずに、早めに別れがやってくるかもしれません。
愛猫との別れを考えるだけで胸がギュッと涙が出そうになりますよね。実際に、急な別れでペットロスになってしまう飼い主さんも多いです。
愛猫との別れがいつかやってくることを心に準備しておくことで、「最後まで愛情を注ごう」「愛猫のためにできることは何なのか?」という気持ちで接することができます。
「終活」は、ペットを愛しているからこそ、考えておきたいことなのかもしれませんね。
猫の終活~どんなことをすればいいの?
人間の終活と違って、猫の終活は具体的にどんなことをすればいいのでしょうか。
飼い主さん個人としての考えもいろいろとあると思いますが、代表的に考えておいた方がいい点について紹介していきます。
◆その1:猫との思い出や荷物を整理しておく
愛猫が亡くなっても思い出は消えません。目をつむると愛猫が近くにいた感覚が浮かんでくるでしょう。亡くなった後、しばらくは悲しみが強すぎて、猫に関するさまざまなものが整理できずにいる飼い主さんも多いです。
愛猫のもので使わないものがあれば、終活として早めに整理しておくのもいいかもしれませんね。
また、愛猫が自分と一緒に生きていたという“しるし”として、写真は残しておきたいものですよね。
おそらく、多くの飼い主さんはスマホやデジカメで愛猫の写真を撮りまくっているかと思います。ときどき、データを見返しては「可愛いな」と癒しをもらっているのではないでしょうか。
もちろん、そのままでも支障はありませんが、データのままで怖いのがスマホやカードの破損により見られなくなることです。データがなくなってしまえば、愛猫の姿を見つめることができなくなってしまいます。
すべてをプリントアウトするのは難しいかと思うので、お気に入りの写真を選び、アルバムにしておくのもいいでしょう。ネットを通じて、絵本のように写真集が作れるサービスもあるので利用してみるのもいいかもしれませんね。
◆その2:病気になったら~最後の過ごし方を見つめる
シニア期には、猫ちゃんの体はさまざまな変化を表わしてきます。
・白髪が生え始める
・運動能力が鈍る
・今まで好きだったものに興味がなくなる
・夜鳴きする
・寝ている時間が長くなる
・目のなかが白く濁ってくる
・口臭がきつくなる
このほか、さまざまな老化現象が見られるようになるでしょう。
上記のように“単なる老化”と考えられるもの以外に、深刻な病気になることもあります。治療をすれば治るというものであればいいのですが、不治の病だと「別れが近い」ことを覚悟しなければなりません。
そこで、「もし病気になったら?」を想定し、最期のときまでの過ごし方を考えておくことも大事です。
少しでも長く生きて欲しいため、病院での治療を続ける方法もあるでしょう。ただ、手術や入院で家から離れると、愛猫は寂しい思いをするかもしれません。
逆に、無理な延命はせずに「できるだけ一緒に過ごそう」と家庭で過ごさせる選択をすることもできます。
病気の愛猫のためにできること…どれが正解なのかは分かりません。しかし、愛猫のために決断できるのは飼い主さんだけ。辛いことですが、しっかりと考えておきましょう。
◆その3:火葬や葬儀について知る
愛猫の葬儀に関する準備をするのは、終活のなかでも寂しさや悲しさと切り離しては考えられませんよね。「考えたくない」というのが正直な気持ちでしょう。
ただ、葬儀をしてしっかり見送ることによって、気持ちに区切りをつけることができます。愛猫との思い出、一緒に過ごしてくれたことに感謝しながら、気持ちを込めて送り出してあげましょう。
・火葬について考えておく
まずは、ペットの火葬について考えておきましょう。
昔は、ペットを火葬せずに自宅の空地に土葬することは珍しくありませんでした。しかし、土葬は衛生的な観点や法的にも問題があり、今ではペットも人間と同じように火葬を行うのが一般的です。
火葬は、ペット葬儀会社が火葬から葬儀まで行ってくれるパターンのほか、火葬のみを自治体に行ってもらうこともできます。
ただし、自治体に頼む場合、費用の違いはもちろん、遺骨や遺灰を返してもらえないケースが多いことを理解しておかなければなりません。せめて骨は自宅の庭に埋めたい、仏壇に置いて供養してあげたいと考えているなら、自治体以外で火葬してもらう方法を考えておくといいでしょう。
また、ペット火葬では、個別火葬か合同火葬、お任せプランなどによって料金体系が分かれているケースが多いです。
個別火葬は、費用が高いのですが、人間の火葬のときのように終わるまで待っていて、遺骨拾いも可能です。小さな骨になった後、飼い主さんの手でお骨を拾ってあげられるので本当の意味で最後まで見送ってあげられる気がしますね。
合同火葬は、他の動物達と一緒に火葬をしてもらいます。当然ですが、お骨が混じってしまうので、返骨してもらうことはできません。
おまかせプランは、この両者の中間的な感じで「個別に火葬してもらうけれど立会なし」ということです。飼い主さんは立会せずに自宅で待機します。
遺骨は「後から引き取りにいく」「送ってもらう」「霊園で納骨してもらう」などのパターンがあります。
費用面を考えると安価な合同火葬に目がいくかもしれませんが、後からの供養のことを頭にいれ、慎重に考えておきましょう。
・葬儀はするかしないかを考えておく
人間の葬儀のように手厚くお別れセレモニーをするのも供養のひとつです。民間のペット葬儀会社なら、火葬から葬儀まで送迎つきで行ってくれるプランも用意されています。
僧侶に読経してもらう、お焼香、納骨など本格的な葬儀をしたい人には、ペット葬儀を考えておくといいかもしれませんね。
◆その4:供養について考えておく
火葬後の遺骨の納め先もしっかりと考えておきましょう。
・自宅に埋葬する
土葬は難しくても「骨」になった愛猫を自宅の庭に埋めるという方もいるようです。法に触れないように、所有地に埋葬するという人もいます。
自宅の庭に埋葬するなら、いつでも一緒にいられる感じがして安心かもしれませんね。
・ペット用の仏壇での供養をする
ペット用の仏壇を購入して、写真とともに置いておき「毎日拝む」という供養スタイルを選ぶこともできます。家族みんながいる部屋に置くと、愛猫が天国に行っても近くにいる感じがしますよね。
埋葬するよりも身近な感じがするので、こちらのケースを選ぶ人も多いかもしれません。
・ペット霊園で納骨する
ペット霊園で眠ってもらうというケースもあります。
霊園の納骨堂では、他の動物たちも合同ですが、それぞれのスペースにお供えものをすることもできます。
また、霊園で供養するパターンで個別のお墓を建てるということも可能です。この場合、お墓を建てる費用も必要になります。
霊園に納骨するときには、納骨堂とお墓を建てるパターンで年間費用に違いがあるので、事前にリサーチしておくといいですね。
◆その5:飼い主さんが先に亡くなったらどうするの?
猫の寿命は短いので、「飼い主さんが猫を看取る」というパターンが多いかと思います。しかし、少ないかもしれませんが逆パターンもあるでしょう。
特に、高齢になって猫を飼い始めたときには、「自分が先に亡くなったらどうしたら?」を考えておく必要があります。
また、年齢関係なく、不慮の事故で命を失ってしまう可能性はゼロではありません。自分の親や兄弟、親戚、友達にお願いしておくのもいいでしょう。
猫にとっても、ふだんから顔見知りで交流のある人なら、万が一飼い主さんがいなくなっても比較的スムーズに暮らせるかもしれません。
もし、依頼できるような家族や友達がいないなら、ペット信託を考えておくのがおススメです。
ペット信託は、生前中に信託会社に費用を預けておきます。飼い主さんが死亡すれば、その費用を愛猫の今後の生活に充ててもらえる方法です。
なにも準備せずに飼い主さんが死亡すると、ペットを守ってくれる人がいません。場合によっては、保健所に引き取られ、その後は悲しい結末になってしまうかもしれません。
ペットの終活では、「愛猫が亡くなった場合」と一緒に、「飼い主である自分が亡くなったら」も考えておきましょう。これも、ペットを最期まで守る大事な「終活」なのです。
まとめ
「終活」と聞くと、どこか寂しくマイナス的な感情が沸きあがるかもしれません。
そもそも、現在元気にそばにいてくれる愛猫を見ていると、死後のことについては、なかなか考えられない問題です。終活を実際に行おうとすると辛いものです。「まだ元気なのに…」と思うと、なかなか先に進まないかもしれませんね。
ペットの終活は、急いでやる必要はないでしょう。
ただ、どのようなパターンであっても「愛猫との別れ」は、遅かれ早かれやってきます。
そのときになると、悲しい気持ちが先に立って、葬儀のこと、お墓のことなど、冷静に考えられないものなのです。「こうすればよかった」という後悔を多くの飼い主さんが口にしています。
愛猫の終活を考えるのは、愛するからこそです。亡くなったあとも、しっかり供養してあげたいので早めに頭に入れておきたいことです。
「一人で考えるのがツラい」と言う人は、家族や友人など気持ちを共有できる人に相談しながら進めていってもいいかもしれませんね。
– おすすめ記事 –
・老猫に必要な介護用品はこれ!おむつや介護食などしっかり準備しよう |
・老猫のための部屋作りできてますか?快適な環境を整える9つのポイント! |
・【獣医師監修】老猫がごはんを食べない!流動食の与え方や強制給餌の方法、注意点は? |
・愛猫が亡くなった時飼い主はなにができる?知っておきたい準備やペット霊園のサービスについて |