猫がしっぽを立てる意味4つ!愛情表現など猫の気持ちをしっぽで知ろう

2018.11.20

猫がしっぽを立てる意味4つ!愛情表現など猫の気持ちをしっぽで知ろう

しっぽを立てるしぐさは、猫の愛らしいポイントのひとつ。物言わぬ猫は、しっぽの動きで気持ちを表現していることをご存知でしょうか。また、猫のしっぽには生活上大切な身体的機能も備わっているのです。 今回は、猫がしっぽを立てるときの意味と、しっぽの役割などについてご紹介します。猫とのコミュニケーションにも役立つしっぽの感情表現を知って、愛らしいしぐさを観察してみませんか。

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猫のしっぽはどんな器官?

猫がすりすりと足元に寄ってくるとき、しっぽをピンと立てるしぐさをしていたり、立てたしっぽを振っていたりする様子を多くの場面でみることができます。

しっぽを立てる・振る・だらりと垂らすなど、猫のしっぽは様々な表情をしています。今回は、このような猫のしっぽの役割やしっぽの構造についてご紹介します。

◆猫のしっぽの構造

猫のしっぽの形には、細くて長いものやふさふさのもの、日本猫のように短く丸まっているものなどがあります。そのため、しっぽを構成している骨や筋肉なども一概に同じではありません。

一般的な猫のしっぽは、しっぽを支えている18個~23個ほどの「尾椎」という骨で構成されています。

そして、しっぽを動かすための筋肉が4つ。この4つの筋肉があることで、しっぽを左右前後に動かせるのです。さらに、猫が細かにしっぽを動かすための8つの筋肉がついています。

◆しっぽは神経の通っている部位

猫のしっぽは脊髄に直結しています。引っ張ったり強く踏んでしまったりすると、脊髄を損傷する可能性や、内臓や後ろ足に重大な障害が残ることも。

しっぽは痛みの感度も敏感な部分です。猫のしっぽには尾骨神経があり、骨盤に近い部分で骨盤神経や陰部神経、下腹神経といった大切な神経とつながっています。

しっぽにある尾骨神経が圧迫されると、連結している各神経に影響が出て、排尿や排便、歩行などに障害が出ることがあります。

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猫がしっぽを立てる意味とは?

◆しっぽを立てる意味①甘えているときの愛情表現

猫がしっぽを垂直にピンと立てるのは「甘えているときの愛情表現」といわれています。

子猫の場合、母猫におっぱいをねだったり、おしりをなめてもらうときにしっぽをピンと立てる様子が見られます。
おとなになっても、この母猫に甘えたり撫ぜてもらったり、遊んでもらうなどしているときのしぐさで愛情表現をしているのです。

ご飯を出すときなど、後からくっついて歩いてきたり、おねだりしてすりすりするときは、みんなしっぽが垂直にピンと立てるしぐさをしていますね。

そんなしっぽを立てる状態のときは、甘えていたり、おねだりしていたり、うれしかったりしているのです。

◆しっぽを立てる意味②最上級の愛情表現

しっぽをピンと立てると同時にちょっと小刻みに揺らしたり、しっぽの先だけちょっぴり曲げて歩いてきたりするのも、愛情表現のひとつ。立てたしっぽの先だけS字のように曲げて歩いてくるときは、親愛の情を表現しているのです。

このしっぽ立てる&小刻みに揺らすのは、最上級の愛情表現といわれています。

◆しっぽを立てる意味③驚いたり怖がっているとき

立てたしっぽがぶわっと膨らんでいるときは、臨戦態勢のときです。驚いたり恐怖を感じていたりするときや、相手を威嚇しているときに、体を大きく見せて毛を逆立たせているのです。

このような「たぬきのしっぽ」をしているときは、ハッタリ行為といわれ、相手を牽制している状態。むやみに近寄って手を出したりすると、パニクっているためひっかかれたりして危険です。優しく声をかけて落ち着くのを待ちましょう。

◆しっぽを立てる意味④お怒りモードのサイン

猫がバシバシ音を立ててしっぽでものや人を叩くように振っていることがありませんか?

上下左右に大きくしっぽを持ち上げるようにしならせながら、かなり音が出るように激しく振っているときは要注意です。
しっぽの動きが大きいほど、怒りのボルテージが高まっていることを意味します。

「シャー!」と面と向かって威嚇されるまで後何秒?といった緊迫した状況。左右に小刻で振っている段階からバシバシ叩くようになったら、「もう我慢できない!」と表現しているのです。


猫のしっぽの役割とは?

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しっぽのある動物には、しっぽの役割があります。なんの役割もないなら、退化してしまってもいいはずですね。
猫のしっぽには、生活していく上での重要な役割があります。

それでは、猫のしっぽの役割をご紹介しましょう。普段の生活でしっぽがどのように使われているのか観察するのも楽しいですよ。

◆バランスをとるために使う

猫は、高いところや狭い通路を器用に歩きます。高くて狭い平均台のような場所を、バランスを崩さず歩くのが得意です。

人間が平均台のようなところを歩くときは、両方の腕を広げてバランスを取りませんか?猫は、しっぽを使ってバランスを取っています。

こうした細い場所を歩く様子をよく観察していると、しっぽをすばやく振っていることがあります。このような場合は、バランスを崩しそうなときに人間が両腕をバタつかせているのと一緒なのです。
バランスを崩しそうなときに、しっぽをすばやく振って骨盤の位置を調整し直しています。

しっぽを使うことで、障害物がある狭い場所でもそろりとバランスを崩さずに移動したり、すばやく歩くことができるのです。

◆防寒具の役割

「猫はこたつで丸くなる」と歌われるように、猫は寒さが苦手な動物です。寒いときは体を丸めてしっぽも体にしっかり巻き付けています。

気温が20度以上のときは、だら~んとしっぽの他にも足を伸ばして寝ていたりします。
しかし、気温が15度以下になると、なるべく体温が逃げないように丸まってしっぽも防寒具の役割をするのです。

◆マーキングに使う

動物のマーキングは様々ですが、猫は臭腺という器官でにおいをつけます。猫はしっぽの付け根のおしりにある臭腺を使って、縄張りをマーキングすることがあります。

猫特有のマーキングの方法のスプレー行為は、壁などにしっぽを立てて小刻みに振ってしています。

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◆遊び道具として使う

猫と猫じゃらしで遊んでいると、猫じゃらしを操っているのが持っている人だとわかっている様子ではありませんか?動かすのを止めると目を見つめてきたり、持っている手にさわってきたり。
賢い猫は、何が動かしているのかをよくわかっているとしか思えない行動をします。

同じように、猫はよく自分のしっぽにじゃれていることがあります。しっぽにじゃれているとき、またしっぽで子猫を遊ばせているときなども、猫は自分のしっぽだとわかって使っているのです。

しかし、認知能力が未発達の子猫の場合は、しっぽを遊び道具と勘違いしていることがあります。子猫にとっては、自分の体の一部であっても「動くもの」としておもちゃにしているのです。

◆感情を表現する

猫のしっぽの役割には、感情を表現するときに使っている側面があります。人間がイライラしているときに足で貧乏ゆすりをしたり、机をペンで小刻みに突いたりするのと一緒ですね。

無意識なのでしょうが、感情がしっぽに現れてしまっているのです。


猫のしっぽから分かる様々な気持ち

◆しっぽを激しく振る意味:イライラしているとき

猫のしっぽは、感情を無意識に表しています。同じしっぽを使う犬の場合と比べてみましょう。

犬がぶんぶんとしっぽを振る行動は、「喜びの表現」または「従属すること」を意味しているといわれます。一方、猫がしっぽを振っているときは全く意味が違うのです。

犬がしっぽをぶんぶん振って喜びを表現しているのに対し、猫がぶんぶんしっぽを振っているときは、イライラしているなど不愉快なときといわれています。

しっぽの立てる様子や振り方をよく観察すると猫の気分が見て取れます。

◆しっぽをゆっくり振る意味:気分がいいとき

猫が気分のいいときやリラックスしているときには、しっぽをゆっくり振っています。

イライラしていると貧乏ゆすりを小刻みにしていたり、気分の良いときは鼻歌交じりで体をゆっくりゆすっていたりする人間と、ちょっぴり共通しているしぐさがあります。

しっぽのしぐさがサインになることが多い中で、楽しんでいる様子がわかるのがこのゆっくりしっぽを振っているときです。

◆しっぽを数回振る意味:面倒くさいというとき

名前を呼んだときに、そのままの姿勢や場所でしっぽを数回振っていることはありませんか?

猫は名前を呼んでも犬のように走ってきませんが、「なに?なに?」と好奇心いっぱいの目をして来ることも少なくありません。

猫だって動きたくないときや、面倒くさいなぁと思っているときがあります。しっぽで「呼ばれたことは聞こえているよ(いかないけどね)」という返事と気持ちを表しているのです。

うるさくまとわりつく子猫に対して、母猫がいなしているときもこのようなしっぽの振り方をしています。

◆しっぽを足の間にしまう意味:もう勘弁してくださいのサイン

けんかに負けたときの猫は、しっぽを足の間に挟んでいます。相手に身体を小さく見せることで、服従や敗北を示しているのです。

猫はどちらかというと平和主義で、元々争いを避ける傾向にあります。

それでもけんかになってしまうことがあるのですが、相手が負けを認めて勝敗が決したらそれ以上はしつこく追い回したりしません。
負けを認めるサインがこのしっぽを足の間に挟むしぐさなのです。

このサインは「もう攻撃しないでほしい」という気持ちを伝えようとしています。けんかのとき以外では、恐怖心を感じているときにもこのしぐさが見られます。

◆しっぽをダランと下げて大人しくしている意味:体調が悪いときのサイン

しっぽがダランと下がっているときは、体調が悪いときや気分が落ち込んでいるときを表現しています。

このようなしっぽをしているときは、静かに見守ってあげましょう。

◆しっぽがピンとした状態の意味:緊張しているときのサイン

特に抱っこをしているとき、しっぽがピンとした状態でさがっているのは緊張しているサインです。慣れない人に抱っこされているときに見られます。


しっぽに関するこんな行動に注意!

◆しっぽを小刻みに根元から振っていたら要注意!

猫が1秒間隔くらいで、しっぽを根元から左右に小刻みに振っていることがあります。このようなときは、イライラしていたり、ストレスを感じていると受け取ってあげましょう。

強引な抱き方をされてちょっとイラッとしてるときなどにも、「今は我慢しているけどね、いややなんだけど」というように振っていることがあります。

◆しっぽに対する自傷行為の可能性も

子猫がしっぽで遊んだり、母猫が子猫を遊ばせたりするのはよく目にする微笑ましい光景です。ただ、成猫がこのしぐさをしていたら注意してあげてください。

成猫は、自分のしっぽを認識しています。成猫が自分のしっぽを追いかけていたり、噛みついていたりするのは、遊んでいるというよりストレスが原因の可能性が考えられるのです。

徐々にこうしたしぐさが自傷行為にエスカレートしていく可能性もあります。ストレスかもしれないと認識して、猫の様子をしっかり観察して対応することが必要です。


猫がしっぽを立てるしぐさの意味のまとめ

猫のしっぽには感情を表現したり、猫の生活上で大切なバランス機能があったりします。
しっぽの様子にはいろいろな意味が込められ、よく観察することで猫の気持ちが見えてきます。嫌がっているのかどうかがわかるだけでも、猫のためになりますね。

言葉を話せない猫の気持ちを察することで、猫との生活がよりよくなる手助けにしましょう。



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にゃんこ

にゃんこ

長年一緒に暮らした長女猫(17歳)と長男猫(11歳)を看取り、今は脱走癖のある次男猫とちょっとどんくさい次女猫と暮らしています。


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