ラグドール被毛の神秘的な秘密とは?
ラグドールの被毛カラーは種類が多いですが、発色のパターンが大きく分けて3つ。それぞれ特徴を見ていきましょう。
◆ラグドールの3つの被毛パターン
ラグドールの見た目を左右する毛の模様のパターンは主に次の3つです。
カラーポイント
カラーポイントは、足やシッポなど末端部分がボディの薄いカラーよりも「濃く」なるのが特徴です。顔の中心部も濃く、「顔」「足」「ボディ」「耳」「シッポ」など濃いカラーの部分が、他の薄めのカラー部分よりも体温が下がっているのも特徴です。
この模様パターンは、ラグドールを象徴する模様パターンとも言えます。
ヨーロッパの方面では、カラーポイントに人気が集まっているようです。
ミテッド
ミテッドの大きな特徴が「白い靴下」。ラグドールのミテッドは、まるで真っ白な靴下を履いているようにも見える模様です。
4本足すべてにクッキリとした白い色が入っていることで、前足部分がまるで「手袋」をしているようにも見えます。それにお腹の部分も白いんですよ。
手先や足先のアクセントがチャームポイントとなり、ますます可愛らしいですね。
バイカラー
バイカラーは、体全体が二色に分かれている模様が特徴です。顔を見ると、鼻から目にかけての上側が濃いカラー、その下を「アルファベットの“V”の字」を逆にしたように、くっきりと白っぽくなっています。
日本の感覚で言うと、「漢数字の“八”の字」を逆にしているとお伝えした方がイメージしやすいかもしれませんね。
このバイカラーは、ラグドールの歴史のスタートから見られていた模様です。
◆ラグドールにはどんなカラーがあるの?
ラグドールの顔や足、お腹などにどんなカラーが混ざるかで特徴が変わっていきます。いくつかの基本となるカラーがあり、カラーポイントにどんなカラーのポイントが出ているかで、呼び名が変わります。
なかでも人気があるのが「シールポイント」と言われるカラーのラグドールです。
「シール」と聞くと、どんな色かイメージしづらいかもしれませんが、「茶色」のカラーポイントの模様パターンのラグドールのことを指しています。
そして、ブルーポイントも同じように人気があります。
「ブルー」というと、どうしても爽やかな青をイメージしがちですが、ここで言うブルーはグレー(灰色)。ちょっとヒンヤリするようなミステリアスな濃いめのグレーがラグドールの「ブルー」です。
また、これら以外に、黒っぽいこげ茶の「チョコレート」、少し赤っぽい雰囲気の茶色の「レッド」、薄い茶色の「シナモン」、かなり薄めの茶色の「クリーム」薄い灰色の「ライラック」など、毛のカラーのバリエーションが多いです。
◆生まれたては真っ白…!?
ラグドールは、カラーや模様の組み合わせで、雰囲気の違う外見ができます。
そして面白いのが、ラグドールの赤ちゃんは真っ白というところ。生まれたてでカラーや模様が入っていない状態でも、成長するに従ってアクセントとなるカラーが出現してきます。
生まれたてでどんな色になるかが未知でも、じょじょにカラーが混じると、なんだか神秘的な感じさえしますね。
ペットショップやブリーダーから迎えるときには、あまりカラーや模様が落ち着いていない状態のときに「カラーポイント」「ミテッド」「バイカラー」というように表現されるかと思います。「おそらく○○だろう」と予想のため、じっくり年数をかけて成長したら、ちょっと違っていたというケースも少なくないようです。
とは言え、小さな子猫のときから飼っているのであれば、たとえ予想以外のカラーパターンになったとしても「可愛い!」と思えること間違いないでしょう。一日一日を一緒に過ごしてきた愛猫ですから、予想と違っていたとしても飼い主さんにとっては「世界で一番カワイイ!」と思えることでしょう。
ラグドールは、成猫になるまでの期間が普通の猫よりも長めです。どんな色になるかは、最終的に数年かかるかもしれませんが、ゆっくりと成長具合を楽しんでいきましょう。
ラグドールの抜け毛は?
一般的に、ラグドールのような長毛種は、ボリュームがあって抜け毛が多い印象を持つかもしれません。確かに、「ダブルコート」「長毛種」という二つの要素があるため、抜け毛は多そうですよね。
でも、ラグドールの被毛構造について知ること、そして定期的なケアをすることで、気になる抜け毛の対策ができます。
ラグドールの抜け毛に関する知識とお手入れ方法についてまとめていきます。
◆ラグドールの毛の長さと被毛構造
ラグドールの毛の長さはセミロング(ミディアムロング)で長毛種。「ちょっと短めの長毛」というイメージです。
毛質はサラサラ…といった感じで、毛同士が絡まり合うことも少ないです。それが、ラグドールのふわっふわっの撫で心地の良い被毛を作り出している秘密なんですね。
そして、ラグドールの被毛構造はダブルコート。オーバーコートの下側にアンダーコートが生えている構造です。
アンダーコートは、「冬の寒さから体を守る」という温め機能、そして「夏に通気をよくして蒸れないように」という涼しさ機能の両方を持っています。
季節ごとにアンダーダーコートの量が増減することで、その役割を発揮。冬にはボリュームアップ、夏にはボリュームダウンで、ちょっと雰囲気が変わりそうですね。
そのため、換毛期には「毛のスリム化」がスタートするので、抜け毛は避けられないでしょう。
◆毎日のケアはやはり「ブラッシング」
ボリュームのある被毛のラグドールを飼うなら、抜け毛は覚悟しておきたいところ。でも、「毎日お手入れしておこう!」と抜け毛ケアの意識をきちんと持ち、ケアしてあげるのが大事です。
ブラッシングは、単にブラシで毛をとかして絡まりを取るだけでなく、「オーバーコートの下にある毛を取り除いてあげよう」という目的があります。
そのため、抜け毛が内部で絡まないようにしつつ、毛玉を取り除くイメージが大事です。
抜け毛を取るため、毛の長さに合わせたブラシを使いましょう。
・獣毛ブラシ
ツヤを重視するなら、豚やイノシシなどの動物の毛からできている獣毛ブラシがおすすめです。天然の毛に含まれている油分が、ラグドールの毛にツヤをもたらします。
ナイロン製のブラシと比べると静電気が発生しにくく、ラグドールに「優しい」ブラシです。
・スリッカーブラシ
長毛種の毛玉対策におすすめのスリッカーブラシ。毛玉をほぐす感じでブラッシングができます。
ただ、先端がほそく肌を傷つけやすいので、強すぎないような配慮が大事です。
・ピンブラシ
ブラシの先端が丸く肌への負担が少ないのがピンブラシです。優しく使うことで、長い毛の絡まりが取り除けます。
◆さまざまなブラシを併用してみよう
ひとくちに「コーム」と言っても、猫用にさまざまなものが市販されています。ラグドールは長毛種なので、短毛種用ではあまりお手入れの効果が感じられないでしょう。
長毛種の猫のために研究されて作られている「長毛種用」のコームを選びましょう。
ただ、ひとくちに「長毛種用」と言っても、さらにバリエーションが豊富。猫との相性もあって、ブラシによっては「それはイヤ!」と拒否されるケースもあるかもしれません。
それに、飼い主さんが使いづらければ猫ちゃんも嫌がるケースが多いようです。
「実際に使った人の評判」「飼い主さんが使いやすそうか」「ネコの反応」などを見ながら、いくつかを試し、愛猫に合うものを選んでみてくださいね。
◆シャンプーの回数はどのくらいがベスト?
ブラッシングで「毛のからまり」を取るのはもちろん大事ですが、長毛種の場合にはときどきシャンプーで抜け毛を取り除いてあげたほうがいいでしょう。毛玉も取れるので、蒸れが起こりにくくなります。
また、猫は毛づくろいで、自分の体を綺麗にする習性があるものの、月1回くらいのシャンプーで被毛や肛門などの汚れを取り除くことができます。
清潔を保つ意味もあるので、月1の習慣にしてみてくださいね。
毛が原因で気をつけたい病気「毛球症」
ラグドールのような長毛種は、「毛」が原因で病気になりやすいです。
先ほども触れましたが、猫は毛づくろいする動物なので、舐めている間に自分の毛を飲み込んでしまうもの。
通常、飲み込んでしまった毛は、胃や腸を通じてウンチに混じって外へ出ます。ただ、飲み込む毛の量が増えたり、ストレスで胃腸の働きが弱ったりしていると、体外へ排出されずに胃のなかで「毛玉」になることも…!
ボール状に大きくなった毛玉がチクチクと胃を刺激して吐き気をもよおしたり、腸への通り道を塞ぎ便秘になったりなどの症状が表れます。「毛玉を出したい」のに出せず、しかも胃も荒れ気味となり、猫が苦しい思いするかもしれません。
ブラッシングやシャンプーで被毛のケアをするのは「見た目のツヤ」を守るのはもちろんですが、毛球症から守る意味でも大切なことです。
思わぬ盲点…!?ラグドールの肉球の毛のお手入れは?
猫は、体全体が毛におおわれているので、見逃しがちな部分が「肉球」。触っているだけでも癒されるぷにぷにのカワイイ肉球は、多くの人が好きな場所ではないでしょうか。
足の裏でふだんは隠れている部分なので、お手入れの盲点となりやすいのかもしれません。
◆肉球から毛がはみ出ているとどうなる?
猫の肉球は滑り止めの役割があります。しかし、肉球の間からも毛が生えてきて、伸びすぎた毛が肉球を隠し、逆に滑りやすくしてしまうことに繋がります。
ラグドールのように、ちょっと運動オンチな猫ちゃんは、滑り止めが効かないと、歩くときに滑ったり転んだりしてしまうかもしれません。特に、フローリングで滑りやすい住宅環境なら、注意が必要です。
ときどき、肉球部分をチェックし「伸びすぎているようならペット用のバリカンなどでカットしてあげましょう。
ハサミでカットする方法もありますが、先端が尖っていると猫が暴れたときに大変危険。伸び状況にもよりますが、ハサミを使う必要性があるときは、「先端の丸いものを使う」「猫が暴れないように誰かが保定する」など、ケガしないための方法を考えるといいですね。
◆魅力的な肉球にするお手入れ方法
肉球の間の毛をカットする以外に、肉球の滑り止め効果を考えるなら、保湿クリームでのケアがおすすめです。健康な猫ちゃんの肉球は、適度な水分で潤っていて、乾燥していないでしょう。
一方、乾燥がひどい猫ちゃんの場合、肉球がカサカサして滑り止め効果がなくなるばかりか、ひび割れして「痛い」と感じてしまうことに。
歩くときに地面につける場所なので、ラグドールに不快な思いをさせないためには、ときどき保湿ケアを考えてあげましょう。
まとめ
今回は、ラグドールの「毛」についてじっくりと迫ってみました。
模様の入る部分やポイントのカラーによって、印象がだいぶ変わるのもラグドールの魅力のひとつではないでしょうか。
色の濃い淡いで、おだやかな印象から凛々しい印象までさまざまです。成長がゆっくりなラグドールは、子猫から成猫になるまで「どんな感じで変化するか」が分からないのも面白い特徴ですよね。
また、ブラッシングやシャンプーをしてあげることで、ふわふわ&サラサラになった愛猫も快適です!
飼い主さんがラグドールの被毛について理解しケアをすることは、猫の幸せに繋がっていると言えるでしょう。
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