猫用スロープとは?
どんなに元気で体力の有り余った猫であっても、いずれは歳をとり、老猫になっていきます。これは自然の摂理でもあるので、永遠に若いままで生き続けさせてあげることは出来ません。
愛猫にニャン生を全うさせてあげるためにも、高齢期に差し掛かったのなら、飼い主さんが手助けをして、生活を楽にする工夫をしてあげる必要が高くなってきます。
元気に駆け上がっていた階段や、勢いよくジャンプしていた高いステップなども、老猫ともなると思う様に使用出来なくなってしまうことがほとんどでしょう。
そのようなときに活躍してくれる、老猫の介護用品とも言えるのが「スロープ」です。スロープとは傾斜や斜面を指し、緩やかな勾配によって、歩行の手助けをする役割を担います。
もちろん老猫の介護目的での使用が一般的ですが、猫が居るご家庭では様々な場面で活躍してくれます。
猫用スロープを使うメリット
スロープにはどんな使い道があるのでしょうか?
◆老猫のトイレの介助
猫が使用するトイレはほとんどの場合、猫砂が外に飛び散らないように、深めの設計で作られていることが多いです。
健康な成猫であれば難なく使用することが出来ますが、老猫ともなるとトイレの中に入るだけでも時間がかかってしまい、思う様に用が足せないことがあります。尿意や便意を催してからトイレに向かいますので、猫砂がある場所までたどり着くことが出来ずに、粗相をしてしまうことも。
でもこれは老猫とトイレの相性が悪いだけなので、猫を叱ることは出来ませんし、毎回このようなことが続いてしまえば、お互いにとって何もメリットがありません。
このような問題を避けるためにも、トイレの出入り口前にスロープを設置しておけば、老猫が苦労せずにトイレまでたどり着くことが出来るので、ストレスを軽減することが可能となります。
老猫だけでなく、体の小さな子猫のトイレの介助にも有効ですよ。
◆ソファやベッドなどに登る補助
老猫はもちろん、ジャンプが苦手な猫であったり、ジャンプした際に爪を出して家具を傷つけたりすることの多い猫には、スロープを常設してあげることをおすすめします。
運動神経が良いと思われがちな猫ですが、猫の中にはドジな子も沢山居ます。そこも個性で可愛いと思えるところなのですが、大切なソファやベッドを爪でボロボロにされてしまっては、さすがに困ってしまいますよね。
もちろん猫は家具に登るとき、自らが落下することを一番嫌がりますので、高低差があればあるほど力んで登り、しっかりと爪を出して飛び移ることでしょう。そこが猫のお気に入りの場所として、認識されてしまっているのであれば尚更ですよね。
足腰の強い猫であれば、階段やステップなどのグッズを設置するだけで構いませんが、老猫であれば、やはりスロープの方が体に負担がなく使用が出来るのでおすすめです。
◆関節への配慮
猫はとても運動神経が良く、柔軟でしなやかな動きをすることで知られていますが、すべての猫が元気で健康であるとは限りません。とくにケガをしてしまった猫、関節症を患っている猫、食べ過ぎで肥満気味な猫などは、老猫でなくとも歩行が困難になることがあるのです。
そのような猫たちは、常に関節へ負担をかけていることになるので、ジャンプはもちろん、歩くだけでも辛く感じることがあることでしょう。そのため、猫が家の中を移動する際に、どの場所を好んでいるのかを明確に知っておく必要がありますよね。
もしその場所までに高低差があるようでしたら、関節への配慮としてスロープを設置してあげましょう。そうすることでどんな事情があったとしても、自分のお気に入りの場所へ自由に行き来することが出来るので、きっと愛猫も喜んでくれるはずですよ!
猫用スロープを使う時の注意点
老猫や事情のある猫にとっては、とても利便性の高いスロープですが、使用の際にいくつか注意しておきたい点があります。
なぜかと言うと、猫の安全のために使用する目的のスロープが、予期せぬ事故を招いてしまう可能性が無いとは言い切れないからです。
愛猫に安心して使用してもらうためにも、正しく使用をしてスロープを有効活用させるようにしましょう。
◆傾斜角度を高くしすぎない
高低差のある場所まで猫が行きたがるからといって、傾斜角度が高すぎるスロープはおすすめ出来ません。
人間であればそのようなとき、必ず介護者が寄り添うか、手すりを利用して、ケガをしないように最善の注意を払うことがほとんどですよね。ただ、猫はただまっすぐ前に進んでいくだけなので、何かのはずみで足を踏み外してしまえば、そのまま床に落下してしまうことになってしまいます。
そうなってしまうと新たにケガをしてしまう恐れもありますので、勾配の激しいスロープは使用しないようにしましょう。
◆目的の場所とスロープとの間に隙間を開けない
スロープの傾斜角度を高くしすぎということと同様に、猫がケガをしないためにも、目的の場所とスロープとの間に、隙間が開かないように設置をするようにしましょう。この部分に隙間があると、猫が足を踏み外してしまい、それがきっかけで転倒してしまう恐れがあります。
一度でも怖い思いをしてしまえば、スロープに乗ること自体に恐怖心を抱くようになってしまいますので、今後使ってくれなくなってしまう可能性も。
せっかくのスロープですから、便利なグッズとして猫にも認識してもらいたいので、設置の際は必ず隙間が出来ないように設置してあげましょう。
◆粗相や嘔吐は仕方ないことを認識しておく
見慣れないペット用品や、気に入らない物があると、その上で粗相をしてしまう猫ちゃんは意外と多いですよね。その対象にスロープがなってしまうこともありますし、特に老猫がトイレでスロープを利用してしまう際に、そのままスロープに粗相をしてしまうことがあります。
スロープを使用する際は、粗相や嘔吐の可能性があることを、事前から理解した上で利用するようにしてください。どんなに注意していたとしても、一日中スロープの前で見張っていることは出来ませんし、ましてや悪気が無かった猫に対して叱ることも出来ませんよね。
スロープを購入する際は、このようなことも考慮した上で素材を選び、日常的に使いやすい商品を選ぶようにしましょう。
おすすめの猫用スロープ3選
必要性が出てきたときに購入を決めることの多い介護用品ですが、スロープは猫が老猫でなくても使用する出番が多いグッズでもあるので、どんな商品があるのかを事前に知っておいても良さそうですよね。
そして今現在スロープの購入を検討している方も、ある程度種類を把握して、選んでみると良いのかもしれません。
おすすめの猫用スロープを3選ご紹介させていただきますので、是非参考にしてみてくださいね。
◆ペットスロープ PS-02
ご家庭によって使用している猫用トイレや、家具の高さは異なりますので、既製品のスロープを購入するのにためらってしまう飼い主さんもいらっしゃることでしょう。
このペット用品であるスロープは、なんと角度が調節出来るので、14段階の高さに合わせることが可能です。使いたい場所で、理想的な高さに調整できるのはとても嬉しいですよね!
落ち着いた色合いとなっているので、どんな部屋にも設置できるデザインとなっています。
カラー:アイボリー/ブラウン
◆あまえんぼワンちゃんステップ123 スロープ
ソファやベッドなど、普段飼い主さんの居る場所に行きたがる猫ちゃんはとても多いですよね。
しかし、ジャンプが出来ない場合や、自力でそこまで登ることの出来ない猫ちゃんであれば、やはりスロープを準備しておいて、いつでも自由に行き来が出来るようにしておきたいものです。
足腰には特に降りるときに負担がかかりやすいので、このスロープを使用すれば安全に床にたどり着くことが出来ますよ!
カバーは取り外し可能で、汚れてしまったら洗うことができます。さらに、底面に滑り止め付きなので、スロープがずれてしまう心配もありません。
◆あまえんぼワンちゃんステップ123 2段/3段
高低差のある場所でスロープを使用してしまうと、かえって危険な場合もあるので、そのようなときは段差の少ない階段か、低めのステップを使用するようにしましょう。こちらのペット用品は、まだそこまで足腰が弱っていない老猫にもおすすめです。
高齢だからといって、あまり運動させないでおくと、どんどん足腰は弱っていってしまいますので、適度な運動目的で使用してみても良いでしょう。
ステップでたどり着いた先に、フードやお気に入りのグッズを用意しておくなどの工夫をして、積極的に運動をするように誘ってあげてくださいね。
まとめ
なかなか普段猫と生活をしていて、スロープの購入を検討することはありませんが、猫の平均寿命が延びたことからも高齢化が進み、どんどん長生きをしてくれる老猫が増えてくることでしょう。
飼い主にとってこれ以上嬉しいことはありませんが、老猫ともなると必ずと言っていいほど、飼い主さんによる介護が必要となってきます。出来るだけ愛猫に負担がかからないような、環境作りがとても大切となってきますよね。
特に加齢とともに足腰は自然と弱ってきてしまうので、トイレの際はスロープが必須となることが多いです。
もし今スロープの購入を考えているのなら、是非おすすめの商品を参考にして検討してみてください。
そしてどのサイズも合わなさそうという場合は、手作りのスロープなんかもおすすめですよ!自作であればサイズ調整やデザインも、好きなように仕上げることが出来るので、愛猫もきっと喜んでくれることでしょう。
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