- 1.マンチカンは短命なのか…寿命について知ろう
- 2.マンチカンはどんな病気にかかりやすいの?
- 3.愛猫との暮らしが長く続くために~健康対策を要チェック
- 4.まとめ
1-1.猫の年齢はどう考えるべき?
1-2.マンチカンの一般的な寿命は何年?
1-3.平均寿命は知識として覚えておきたい
2-1.腰の病気~椎間板ヘルニア
2-2.関節の病気~骨軟骨異形成症
2-3.お腹の病気~毛球症
3-1.対策その1:完全室内飼いを心がける
3-2.対策その2:食事のことを真剣に考える
3-3.対策その3:ワクチンをちゃんと接種させる
3-4.対策その4:肥満は病気の大敵。太らないための体重管理をする
3-5.対策その5:安全な室内環境を意識する
3-6.対策その6:病院で定期検診を受ける
【掲載:2020.03.05 更新:2023.03.27】
マンチカンは短命なのか…寿命について知ろう
まずは、マンチカンの年齢の重ね方、そして平均寿命についてお伝えします。
◆猫の年齢はどう考えるべき?
猫の成長スピードは人間と比べると数倍の速さで、毎日がアッという間です。生後1年も経った猫ちゃんは、なんと17歳前後の感覚なのだとか。
猫が7歳になると人間の年齢に換算して40代前半くらいと考えられていますが、人間なら「働き盛り」「まだまだ人生これから」という気もします。
でも、猫界でのライフステージとしては高齢期に突入する頃なのです。10歳になると50代半ば、13歳になると70歳前後くらいというイメージ、アッという間に年齢を重ねていくのですね。
年齢を重ねても外見はあまり変わらず、小さくて可愛らしいマンチカン。いつまでも幼く子供みたいに扱いたくなりますが、実際には着実に年齢を重ねて高齢化しているようです。
◆マンチカンの一般的な寿命は何年?
アニコム損保が公表している「家庭どうぶつ白書2017」によると、マンチカンの平均寿命は11.2歳というデータがあるようです。一般的な猫がだいたい15年ほどの平均寿命と言われているので、比較すると短めに感じますよね。
一般的な猫の寿命との比較から、「短命」と言われることが多いでしょう。
ただ、マンチカンという猫種が公認されたのが1990年代と歴史が浅く、少ないデータ上から算出された数値のため、あまり平均寿命に惑わされなくてもいいのかもしれませんね。
参考)家庭どうぶつ白書2017
◆平均寿命は知識として覚えておきたい
「これから猫を迎えよう!」という時には、新たに始まる楽しい幸せな日々が続くというイメージに包まれるでしょう。マンチカンとの暮らしのプラス部分だけが頭に浮かぶかもしれません。
別れのイメージを考えるのは悲しく、できることなら触れたくないマイナス部分ですよね。
でも、マンチカンとの暮らしは永遠に続く…のは、残念ながら難しいです。いつかはやってくる別れですが、あらかじめ心の準備をするには、初めに平均寿命について知っておくべきなのかもしれません。
しかし、猫種の平均寿命は、過去の統計から算出されたデータにすぎません。それよりも長く生きる子もいるのは事実です。なかには、一般的な猫の平均寿命を超えて、長生きしたマンチカンもいます。
平均的な寿命を知ったときに「思ったよりも寿命が短くて悲しい」で終わるのでなく、「うちの家族になったからには長生きさせてあげる」という意識を持った方が、愛猫を幸せに繋がります。
少しでも知識を深め、愛猫との暮らしを長く続けたいものですね。
マンチカンはどんな病気にかかりやすいの?
マンチカンがかかりやすい病気には、どんなものがあるのでしょうか?
◆腰の病気~椎間板ヘルニア
猫が動くために重要な軸となっている背骨と、仙椎や腰椎、頚椎などの他の骨との間でクッション的な構造になっているのが「椎間板」。通常、ゼラチン状の部分に守られている部分ですが、背骨が歪むことで椎間板が飛び出し、それが神経へ触り痛みを生じるのが椎間板ヘルニアです。
初期段階で発見できれば治療も比較的軽めで済み、猫への負担もあまりありません。でも、重度まで進むと、自力で動くのが難しくなり、排泄もできなくなるケースもあります。
一般的に猫は椎間板ヘルニアにはなりにくいと考えられているものの、マンチカンは短足という体の構造から、腰への負担が大きいため、発症のリスクがあるとも言われています。
重症化すると外科手術での治療で猫ちゃん的には大変でしょう。初期の場合には炎症薬での対応ができるので、発症したら早めに見つけてあげたいですね。
腰の負担が増える「肥満」が引き起こす疾患と言われることから、予防するには、体重管理が重要です。
◆関節の病気~骨軟骨異形成症
マンチカンのように、品種改良によって骨が少し変わった特徴になった猫種に起こりやすい遺伝性の疾患です。
本来、関節の間に存在する軟骨は、骨の曲げ伸ばしを滑らかにする役割を持っていますが、軟膏に異変が起こってスムーズな動きを妨げるのが骨軟骨異形成症と言われています。
発症すると、関節が動きにくくなり「足を引きずる」「歩きにくい様子」「ジャンプをしない」と、いつもよりも動かなくなるでしょう。炎症がひどくなると、足に腫れが見られるようになります。
この病気を発症すると根治は難しいですが、薬の服用で痛みや炎症をおさえられるので、早めに発見して対処してあげることが重要です。
また、激しい運動で発症するケースが多いので、悪化しないように室内環境を整える対策が必要となるでしょう。
◆お腹の病気~毛球症
マンチカンをはじめ、猫ちゃん達はとても綺麗好き。自分の体をペロペロと、舌を使って汚れを取り除いてセルフケアできます。
ただ、その時に自分の毛を一緒に飲み込んでしまうため、「毛球症」のリスクを抱えています。
通常、飲み込んでしまった被毛は、「うんちと共に体の外へ出す」もしくは、「お口から吐き戻す」という形でお腹のなかから出ていくものです。しかし、飲み込む毛が多いほどお腹から排出されず、胃の中に蓄積されて塊になる「毛球症」を引き起こすケースもあります。
胃の中で毛玉が大きくなると、お腹がパンパンになるだけでなく、腸閉塞でうんちが出なくなることもあり、症状はかなり重くなるでしょう。便秘や下痢、食欲がない、何度も吐く、お腹が痛そう…など、毛球症の症状が疑われるなら早めの病院受診が大切です。
マンチカンには、短毛と長毛の子がいますが、特に気をつけたいのが長毛の子です。日頃のブラッシングで体の抜け毛を取り、大量の毛を飲み込まないように予防してあげましょう。
愛猫との暮らしが長く続くために~健康対策を要チェック
私たち人間は、具合が悪ければ病院に行く、健康のために良い方法を生活に取り入れるなど、自分自身の体を自分で管理することができます。でも、猫ちゃんは自分でそれができません。
愛猫の寿命を延ばすためには、「どうすれば長生きできるか」「健康でいられるか」について知り、飼い主さん自身がそれを実践してあげることが重要なのです。
マンチカンの長生きのため、健康対策を心得ておきましょう。
◆対策その1:完全室内飼いを心がける
一日中外で生活している野生の猫と比べると、人間に飼われている猫は寿命が長いです。ただ、なかには家から外の世界を散歩できるように、ある程度自由に過ごさせているという飼い方もあるでしょう。
でも、家の外に出ると「車の事故に巻き込まれる」「他の猫から病気のウイルスをもらう」「ケンカや高所からの落下でケガをする」など、危険なリスクはいっぱい。飼い主さんの目に見えないところで、危ないことが起きやすく、守ってあげることができません。
特に、猫ちゃんの急な飛び出しによる不運な交通事故は、日常的に起こっています。小さな猫は、車の視界に入りづらく、しかも急に飛び出すとなかなか避けられません。
こうした危険から守るには、「猫を外に出さない」完全室内飼いをすることで、猫の寿命を延ばしてあげられます。
また、「うちは外には出していない」とは言っても、ドアや窓の開けっ放しでちょっとした隙に脱走しないように注意することも大事です。
◆対策その2:食事のことを真剣に考える
キャットフードは年々進化していて、猫ちゃん達に栄養のあるフードを与えられるようになっています。それにより、昔と比べると猫の寿命も延びてきました。
食事は毎日のことなので、「コスパがよいものを選びたい」と質よりも量や価格で選ぶ人もいるかもしれません。ただ、「大量なのに激安」といったキャットフードは、内容的によくない原料が使われている可能性も考えられます。
家庭の事情で価格重視になることもあるかもしれませんが、購入するときには、栄養バランスや原料の質にも注目したいところです。
与えるときには「体重に合った量」を与えることで肥満防止にも繋がります。たくさん育つようにと大量にフードをあげると、内蔵への負担が大きく病気の原因にもなるでしょう。
また、人間の食べ物は、猫にとっては危険なものあります。ショック症状を起こして命を脅かすものもあるので注意しましょう。
猫の長生きのためには、「キャットフード」「食事量」「食べてはいけないもの」などの知識を深めることが大事です。
◆対策その3:ワクチンをちゃんと接種させる
ワクチン接種をすることで予防できる感染症もあります。
予防接種は、強制ではなく飼い主さんの独自の判断で受けるものです。予防接種を受けなければ感染症のリスクも高まりますが、受けることでいくつかの回避できる病気もあります。
「いつ接種したらいいんだろう?」「どんなタイプの混合ワクチンがいいのだろう?」といろんな疑問があるかもしれませんが、動物病院で相談しながら決めるといいでしょう。
◆対策その4:肥満は病気の大敵。太らないための体重管理をする
体が太ることでさまざまな病気のリスクが高まります。前述の椎間板ヘルニアも、体重増加が背骨への負担となり発症しますし、他にも「肥満」が引き起こす疾患は多いです。
太り過ぎると、本来の動きが制限されて、猫ちゃんの生活の質をも下げてしまうでしょう。
幸せにしたいと家族に迎えたのに、「動けなくて毎日が面白くない」「体が痛くてツラい」などという姿は見たくありませんよね。マンチカンが快活に動けるように、適正体重をキープしてあげましょう。
◆対策その5:安全な室内環境を意識する
マンチカンは短足ながらにも、細やかにキビキビと動けるパワフルさがあります。とても社交的なので、運動量も多いかと思います。なんにでも興味を持ち、部屋中を楽しそうに駆け回る姿も見られるでしょう。
特に、子猫時代はそのアクティブさが顕著で、運動会のようにはしゃぐ毎日かもしれません。
ただ、いくら運動神経がいいと言っても、部屋の中ではケガのリスクがあります。
足が普通の猫よりも短いことから、ジャンプや着地でケガをしないように、キャットタワーの高低や家具の配置にも気を使うことがケガの防止に繋がります。
また、探求心からいろいろな物を口の中に入れることも多いため、誤飲誤食をしないように、危ないものは猫の見えないところへ片付けるようにしましょう。
◆対策その6:病院で定期検診を受ける
病院と言えば「具合が悪くなってから行く」というイメージがありますが、定期健診という形で行くと、病気の早期発見に繋がります。
飼い主さんからの相談で検査項目を増やして病気が発覚することもあるでしょう。あるいは、かかりつけの獣医師目線で「あれ?」と気になる部分から病気が見つかるというケースもあるかもしれません。
病気は重くなるほどに治療も大変で、愛猫への負担が増えます。定期健診により、「初期」の段階で見つけてあげることで、治療もしやすく、それ以上に悪化せずに済む場合もあるでしょう。
飼い主さんの目では見つけにくい病気も見つけられるように定期健診を考えてあげるといいですね。
まとめ
猫の一生は人間が思うよりも早いスピード感で過ぎていきます。子猫から成猫、さらにはシニア猫と、ライフステージが変わると、楽しい日々の背景には心配ごとも増えてくるかもしれません。
肥満対策や健康診断、ワクチン接種など医療的な目線でのケアをはじめ、ケガをしないように室内飼いをしたり、環境を整えたりなど、飼い主さんができる対策はたくさんあります。
マンチカンは短命と言われることもあるものの、飼い主さんが健康管理をしっかりすることで回避できる病気もあります。
「愛猫に長生きしてもらいたい」という飼い主さんの愛情は、病気の早期発見や早期治療にも繋がり、それが長寿の秘訣になっていると言えるかもしれませんね。
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