マンチカン=短足ではない
マンチカンといえば短足のイメージが強いですが、実は長足タイプのマンチカンが圧倒的に多いのです。見た目は他の猫ちゃんとほとんど変わりませんが、性格などには特に違いは出ないようで、どちらのタイプも飼いやすいと人気です。
◆短足タイプのマンチカン
短足のマンチカンの歴史は新しく、大体今から40年近く前に突如アメリカで生まれた短足の猫が始まりといわれています。
その短足猫たちの愛らしさに魅了された人々は、さまざまな異種交配を重ね、足の短い猫を増やそうと力を入れていました。
「猫界のダックスフンド」といわれるだけあって、足の短い理由はダックスフンドやコーギーと同じです。「骨軟骨異形成」という手足が十分に発達しない病気が原因しているそうです。
ですが、ジャンプや木登りなども得意としており、特に不自由していることはありません。
◆全体の2~3割程度しか生まれない
奇形が生まれてしまったり、死産になってしまう危険性があるため、短足のマンチカン同士の交配は禁止されています。だからといって、短足と長足をかけ合わせても、必ず短足の子が生まれるわけではありません。
マンチカン=短足のイメージが強いですが、短足のマンチカンは遺伝子の突然変異で生まれるため、意外にも足が短いマンチカンは2~3割程度しか生まれないのです。
きちんとした交配で生まれた子なら、体の機能に特に問題はないので、他の品種と変わらず過ごすことができますが、希少性が高くなる分、値段も高くなります。
それでも人気の高い短足タイプのかわいいポイントは、歩き方です。猫はもともとキャットウォークといわれる、お尻を左右に振りながら歩く優雅な歩き方が特徴的ですが、マンチカンの場合、足が短いのでふりふりと動く様子がとっても愛らしいのです。
◆長足タイプのマンチカン
足長といっても短足のマンチカンと比べて足が長いだけであって、他のアメリカンショートヘアなどの通常の品種の猫と同じ長さか、もしくは少し短いくらいの「中足」と呼ばれるタイプも存在します。
マンチカンと聞くと短足の子を思い浮かべますが、実は短足タイプは全体の2割ほどで、他はすべて長足か中足タイプの子になります。
ただ、もともとが短足の猫から始まっているので、一般的に見るとやはり少し短めのようですね。ころんとした足先がかわいく、つい触れてみたくなります。
また、もちろん個体差はありますが、短足長足にかかわらず他の猫種に比べて小型な猫種のようです。体型はセミコビーといわれるタイプで、胴や尻尾が長くがっしりとした体つきをしていることが特徴です。
長足タイプは長すぎず短すぎない足と、絶妙なボディバランスがたまりません。一般的な猫種と比べた時はやっぱり足が短めなのでかわいらしさを感じます。
◆成長過程
マンチカンは成猫になっても小柄な子が多いといわれています。筋肉質なので、見た目も若干締まって見えやすいのと、足が短い分少し軽くなるようです。
短足タイプは大きくなっても足が短いままなので、子猫の期間が長いように感じます。
長足タイプは成長するにつれて手足がすらっとしていくのが特徴的ですが、胴体はコロコロとしたフォルムだったり、目はくりくりとかわいらしい印象はそのままです。
マンチカンの魅力の一つとして、子猫の時の愛らしさが残ったままという特徴があります。
マンチカンならでは!ぜひ見てみたいかわいい仕草
他の猫種に比べて手足が短いマンチカンは、見ているだけで癒されるような、かわいい仕草がたくさんあります。
◆長さが足りない!「猫パンチ」
SNSなどでもよく見かける「猫パンチ」。猫同士の喧嘩や飼い主、おもちゃなどに対してビュッと素早いパンチが特徴的ですよね。
そんな中、マンチカンは手足が短いため、ターゲットに届かないこともしばしば…。その必死な姿がなんともかわいい!とマンチカン好きの方々に大人気なのです。
マンチカンが必死に「猫パンチ」をしてくる時は、攻撃したい時以外にもかまってほしいという気持ちの場合もあります。爪を立てずに甘えるように手を伸ばしてくる場合は「遊んでほしい」というサインかもしれないので一緒に遊んであげてください。
◆上目遣いがとってもキュートな「2足立ち」
通常は4足歩行ですが、前足をあげて2足で立つことがあります。元々の骨格のつくりが後ろ足で立ちやすいようになっており、これは足が短いマンチカンならではのかわいい仕草なのです。
威嚇のためなのか、甘えるためなのかはっきりとはわかりませんが、ちょこんと立ち上がってまんまるの瞳で見つめる姿はなんともキュートです。
また、その延長で「おねだり」をすることもあります。立った状態で顔の前で手を揃えたり、手を合わせて懇願するような仕草を見せることがあります。
高いところにあるおやつやおもちゃなどを取ろうとしているときによく見られています。そんなかわいい姿でおねだりされたら飼い主さんはたまらないでしょう。
◆短い足で必死にジャンプ!
他にも、足が短いがゆえにジャンプが上手くいかないことなどもあります。
他の猫種はスラっと長い手足が美しく、優雅にジャンプしたりする分、足が短く必死に頑張ろうとする姿が子猫のように幼く見え、とてもかわいいのです。
見た目だけじゃない、人気の秘密
マンチカンが人気の理由は、見た目のかわいさはもちろん、その飼い猫に向いた性格にもあるのです。 マンチカンは一言で表すなら「温厚」。人間に慣れやすく穏やかな性格をしており、初めて猫を飼う人や小さなお子さんがいるご家庭、また多頭飼いのご家庭にもおすすめの猫種です。 また、寂しがり屋すぎることもなく、一人暮らしでも飼っている人がいるほど、飼いやすい猫種だといえます。人懐っこくありながら、お留守番できるほど自立心があるというのは嬉しいポイントですね。 マンチカンに限ったことではないですが、比較的男の子の方が甘えん坊で寂しがり屋だといわれています。一方で女の子の方がクールで自立心があるので、一人暮らしの人にはより女の子の方がおすすめかもしれません。 ただ、怖がりな一面も持つので、あまり大きな声で怒鳴ったり叩いたりすることはやめましょう。猫はもともと警戒心が強いので、一度不信感を抱くとその信頼を取り戻すにはなかなか時間がかかってしまいます。 飼い主さんも普段から穏やかに接することを心がけましょう。 さらにマンチカンは体を動かすことが大好きです。好奇心旺盛な性格もあり、キャットタワーやおもちゃを使って目一杯遊びたがります。 短い足でちょこちょこと走り回る姿はなんとも愛らしく、どちらかというとゆったりと一緒の時間を過ごすタイプというより、コロコロと遊びまわる姿を眺めていたい、という方におすすめです。 他の猫種に比べると、マンチカンの歴史は浅いものになります。 はじまりは1983年のアメリカのルイジアナ州です。当時音楽教師をしていた女性がたまたま、ブルドッグに追いかけられてトレーラーの下に潜り込んでいた野良猫を保護しました。 「ブラックベリー」と名付けられたその猫は、もともと足が短い子でした。足が短いことからブラックベリーはさまざまな研究に使われたそうですが、幸いにも障害はなく、一般的な猫たちと同じように健康な猫であることが判明しました。 そして、ブラックベリーは通常の足の長さの猫と交配をし、子猫を生んだのですが、なんと生まれた子猫の半分以上が足の短い子猫だったのです。その子猫たちのうち、1匹のオスの子猫が「トゥールーズ」と名付けられ、ブリーダーに引き取られたことをきっかけに短足猫種の繁殖が始まっていきました。 もともと、血の濃い者同士の交配は奇形種や死亡率が高いなどの恐れがあるとされてきたので、足が短くない猫種との交配を重ねたそうです。 そうして初めて「マンチカン」として展示されたのは1991年のニューヨークで開催されたキャットショーでした。 ここでは、短足の猫を始めてみる人がほとんどで、「とてもかわいらしい」という人もいれば「足が短いのは障害だ、公認するべきではない」という人もいました。 このキャットショー以降もマンチカンの繁殖は続けられ、1995年にはようやく公式に新しい品種として認められるようになりました。 今でこそ人気の猫種ですが、公認されてからまだ30年も経っていないので驚きです。 特に短足のマンチカンの場合、体が重すぎると足や腰にかなりの負担がかかることとなり、「椎間板ヘルニア」という病気にかかることも考えられます。歩くたびにかなり強い痛みを感じてしまう病気なので、しっかり予防しておくことが大切です。 肥満になると発症する確率も上がってしまうので、食事の管理は徹底しましょう。低脂肪であり、高タンパクな食事で肥満を予防しながら筋肉をつけるようにするのが理想です。 体調やその時の体重などによって食事量が変わったりすることもあるので、特にしっかりと食事管理にこだわりたい場合は、獣医師さんに相談してみるとよいでしょう。 マンチカンは短足でも長足でも駆け回ることが大好き。短めの足でちょこちょこと走る姿はとっても愛らしいので必見です。 活発でジャンプしたりすることも大好きなので、キャットタワーは必ず用意してあげてください。用意するものはなるべく背が低く安定しているものがよいです。 また、地面を駆け回ることも好きなので、なるべく床にも遊べるスペースがあるとなおよいかもしれません。 短足の子の場合、肥満になると足に負担がかかることがあるので、なるべく普段から運動させておくようにしましょう。 実はマンチカンには長毛種と短毛種の両方が存在します。 どちらのタイプの被毛も「ダブルコートタイプ」と呼ばれる二層タイプの構造になっています。オーバーコートとよばれる皮膚を保護する役目のある被毛と、アンダーコートとよばれる体温調節の役割をする二種類の被毛があり、アンダーコートの生え変わりが起きる換毛期という1年の中でも抜け毛が多い時期があります。 短毛種の場合はオーバーコートとアンダーコートともに短い毛なので、長毛種に比べるとお手入れが楽です。長毛種はよりふわっとゴージャスな見た目をしており、長く美しい毛を保つためにはこまめなブラッシングが大切です。 毎日のお手入れはもちろん、大体春と秋に訪れる換毛期にはいつも以上に抜け毛が多くなるので、1日3回くらいはこまめにブラッシングしてあげましょう。 普段のお手入れは、短毛種で1日1回、長毛種で1日2回くらいおこなうことをおすすめします。 特に長毛種の場合に起こるのが毛の絡まりです。長く細いので絡まりやすくなっていますが、決して無理に引っ張らないようにしましょう。 まずは目の粗いブラシでもつれを解き、最後の仕上げは目の細かいコームを使うのがおすすめです。 猫ちゃんとのコミュニケーションの時間にもなるので、子猫のうちから慣れさせておくようにしましょう。
足が長くても短くてもどこか幼い雰囲気が漂っていてかわいいマンチカン。これまでは短足=マンチカンというイメージが強かった方が多いのではないでしょうか? 見た目に違いはあれど、その飼い猫向きの愛くるしい性格に違いはありません。好奇心旺盛な性格でころんとした体が走り回る姿は見ているだけでも癒されます。 猫と一緒に遊びたい、猫が遊んでいるところをずっと見ていたい、という方にはぴったりの猫種だと思います。 初めて猫を飼う方にもおすすめの猫種なので、ぜひ新しい家族にお迎えしてみてはいかがでしょうか。◆温厚で人懐っこい性格
◆好奇心旺盛で元気いっぱい!
人気猫種・マンチカンの歴史
◆アメリカで見つかった短足の猫
◆キャットショーで注目を浴びる
マンチカンを飼う上で気を付けたいこと
◆食事
◆運動
◆お手入れ
マンチカンは見た目も性格もかわいい♡
– おすすめ記事 –
・マンチカンはオスとメスで性格が違う?それぞれの特徴は? |
・マンチカンはどんな猫?性格や子猫の値段、寿命、飼い方について |
・マンチカンの値段の相場は?短足は高い? |
・【マンチカン大辞典】マンチカンを飼う前に読みたい記事17選 |