猫にゴミ箱をイタズラされると?
猫がゴミ箱を倒す、漁るなどのいたずらをして、困ったことのある飼い主さんは少なくないでしょう。
ゴミ箱を倒されると、ゴミがそこら中に散乱してしまいます。もちろん、そのままにはできませんから、掃除をする手間が生じます。
生ゴミなどの場合は、汚れた水分や臭いが床やカーペットなどに広がり、ただ片づけるだけでなく、消臭したり除菌したりする必要もあります。
また、より深刻なのは、猫がゴミを食べてしまうことです。生ゴミを食べてお腹を壊したり、人間の食べ物を食べて中毒を起こしたりすることもありますし、ストッキングや紐、竹串などを誤飲すれば、開腹手術が必要になることもあります。
いずれも、場合によっては猫の命にかかわる事態なので、飼い主さんとしては注意が必要です。
猫がゴミ箱にいたずらする理由
そもそも猫は、なぜゴミ箱にいたずらをしてしまうのでしょうか?
◆好奇心が旺盛だから
猫は、好奇心が旺盛な動物で、袋や箱の中に顔を突っ込んだり、入り込んだりすることが大好きです。
また、ビニール袋のカサカサという音も大好きです。ゴミ袋自体や、ゴミの中のビニール、丸めた紙くずは、カサカサと音がして猫の好奇心をくすぐります。
留守番中や十分に遊んでもらえていない場合に、遊びとしてゴミ箱にいたずらをしてしまうのです。
◆いいニオイがするから
ゴミ箱から、猫にとって「いいニオイ」がしているからということもあります。
猫には、新鮮なフードを与えなければなりませんから、食べ残しを捨てることもあります。人間の食べ残しや、お惣菜のソースなどのついた食品トレーなども、猫にとっていいニオイがする元です。
特に、猫がお腹を空かせていると、そのようないいニオイに惹かれて、ゴミ箱を倒したり漁ったりします。
中でも、保護された猫の中には生きるためにゴミを漁っていた子もいるので、彼らにとっては「ゴミ=食べ物」となり、ゴミ箱からのニオイは「いいニオイ」になってしまうのです。
◆空腹だから
ゴミ箱からは猫にとっていいニオイがしていることがあります。空腹の猫は、そのニオイにつられてゴミ箱にいたずらをしてしまいます。
一度、ゴミ箱に食べられるものが入っていることを知ってしまうと、猫は賢い動物なので、繰り返しゴミ箱にいたずらをするようになります。
◆構ってほしいから
ゴミ箱を倒されたり、いたずらをされたりすると、飼い主さんは急いで片づけなくてはなりません。
いたずらをすると飼い主さんが来てくれることを覚えると、寂しかったり構ってほしかったりするときに、ゴミ箱を倒したりするようになります。
◆ストレスを感じているから
猫は、ストレスを感じると、夜鳴きをしたり粗相をしたりしますが、ゴミ箱をいたずらするのもその一つです。
猫は、ゴミ箱をいたずらすると飼い主さんが来てくれることを覚えるので、飼い主さんに何かを訴えたいときの「合図」として、いたずらをしているのかもしれません。体調などに変化がないか、よく観察してあげましょう。
猫がゴミ箱にいたずらする時の対処法
猫は、犬のようなしつけ方ができる動物ではありません。基本的には、飼い主さんの方で、いたずらをできないように対策する必要があります。
◆こまめにゴミ箱を空にする
ゴミのニオイや紙くずなどのカサカサ音が猫の興味をひきつけているので、こまめにゴミ箱を空にしましょう。いたずらも減りますし、いたずらされても片付けの手間が少なくて済みます。
◆蓋つきのゴミ箱に替える
蓋のついていないゴミ箱は、猫に限らずペットにとって「さあ、いたずらしてください」と言わんばかりの存在です。顔を突っ込んだり中に入り込んだり、倒してゴミを散乱させたりと「したい放題」にできてしまいます。
ゴミ箱は、蓋つきのものを使いましょう。リビングや寝室のように、ティッシュや紙くずなどのゴミだけなら、フラップ式の蓋でもいいでしょう。
キッチンで生ゴミを入れるものや、誤飲の恐れのあるものを捨てるゴミ箱は、フラップ式の蓋ではなく、きちんと蓋が閉まるタイプにしておきます。
ロックできるタイプや、赤ちゃんが冷蔵庫やキャビネットを開けられないようにするグッズを使うとより安全です。
◆背の高いゴミ箱に替える
猫はとても器用な動物なので、蓋つきでも顔や前足を上手に使って開けることができます。猫が顔を突っ込んだり中に入り込んだりできないよう、背伸びをしても届かない高さのものを用意しましょう。
◆重めのゴミ箱に替える
軽いゴミ箱は猫に倒されるので、少し重量のあるものを使うのもおすすめです。
◆生ごみのニオイをカットする
ニオイの出る生ごみなどは、新聞紙で包んだり冷凍したりして、ニオイをカットしましょう。
◆引き出すタイプのゴミ箱に替える
人が手のひらを上にしてひっかけるような取っ手がついた引き出すタイプのものなら、猫が引き出す恐れがありません。人にとっても使い勝手が良いので、おすすめです。
引き出し型の収納ケースをゴミ箱にしてもよいでしょう。
猫がゴミ箱にいたずらしているのを見つけたら
猫がゴミ箱にいたずらをしているのを見つけたら、その場で叱ります。「ダメ」と短い言葉と低い声で叱り、その場から離して、猫を無視して片づけましょう。
ゴミ箱にいたずらをすると「いやなこと」が起きると覚えれば、段々といたずらをしなくなるでしょう。少し根気がいりますし、家族でしつけの方針を統一しておく必要があります。
ただし、叱る時に体罰を加えることは、決してしないでください。猫が怯えて臆病になったり、逆に攻撃的になったりします。
また、ケージは猫にとって安全地帯でなければならないので、嫌な場所にしないために、ケージに閉じ込めることもやめましょう。
名前を呼ばれてやってきたり、いたずらを我慢できたりと、良いことができた時には、たっぷり褒めてあげることも忘れずに。
ゴミ箱のニオイが気になる時の対処法
◆蓋つきのゴミ箱を使う
いたずら防止も兼ねて、蓋つきのゴミ箱を使いましょう。特にニオイ漏れが気になるなら、蓋と本体の間をふさぐパッキンのついているものがおすすめです。
また、バックルなどのロック機能があるものは、蓋を強力に閉じておくことができ、よりニオイ漏れを防ぐことができます。
蓋が大きいものは、開閉時のニオイ漏れが気になるので、使用用途に合った大きさのものを選びましょう。
◆1回ごとに小袋に入れて密閉する
うんちや猫砂、生ゴミを捨てる時には、1回ごとに小さな袋に入れて口を閉めて密閉してから、ゴミ箱に捨てましょう。
◆ニオイの漏れない袋を使う
ポリ袋などの普通のゴミ袋を二重三重にしても、ニオイが漏れてしまったことがあるのではないでしょうか。特に、猫のうんちやおしっこは独特の強いニオイがするので、気になっている飼い主さんも多いでしょう。
これは、結び目から漏れているのではなく、ポリ袋自体がニオイをある程度通してしまう構造だからです。
おむつやペットのうんち用に開発されたニオイの漏れないゴミ袋を利用すると、ニオイ漏れを防ぐことができます。
普通のゴミ袋よりはやや高価になってしまいますが、快適な生活のための費用としては、高くないでしょう。
◆おむつやペットの排せつ物用のゴミ箱を使う
普通のゴミ箱より密閉性が高く、蓋が二重になっている商品も多く、ニオイ漏れを防ぐことができます。専用のカートリッジはロール状の袋になっていて、使った分だけカットして口を結んで捨てるので、経済的です。
また、袋はニオイを封じ込める構造のフィルムを使っているので、ゴミを捨てる時にもニオイが気になりません。
商品によりますが、内蓋にロック機能がついていて、子供や猫のいたずらを防止できるものもあります。
◆猫砂を活用する
ゴミの液だれやニオイ防止に、猫砂を活用する方法もあります。
おしっこのニオイを封じ込めたり消臭したりする機能のある猫砂を、ゴミ箱の底に敷き詰めます。ゴミから漏れる水分を吸収して、ニオイが広がるのを防いでくれます。
猫のいるおうちにおすすめのゴミ箱「リターロッカーII」
「リターロッカーII」は、カナダ生まれの猫用トイレバケツです。もちろん、犬やウサギなどの室内ペットのトイレのお世話にもおすすめです。
本体のハンドルで袋をしっかり密閉するので、ニオイ漏れが防げます。
専用の袋は、5層構造のフィルムになっていて、うんち、おしっこのニオイや雑菌をしっかり封じ込めます。
付属のスコップがあり、うんちや猫砂をすくって片手で捨てることができ、手を汚しません。
ペットシーツを捨てることもでき、ゴミが溜まったら袋をカットして捨てるだけです。こまめにゴミを出す場合にも、必要な分だけ袋を使うので、無駄がありません。
猫1匹の場合、最長2週間ゴミを溜めておけるので、経済的です。多頭飼いや犬と一緒に飼っている場合にも、おすすめです。
まとめ
猫がゴミ箱にいたずらをすることは、飼い主さんのストレスになる以上に、猫の健康や安全にかかわることです。猫は犬のようなしつけ方ができないので、飼い主さんの方で、いたずらできないような対策を取ってあげましょう。
ロックできる蓋のついたゴミ箱に替えるのがベストですが、他にもできることはいろいろあるので、工夫してみてください。
また、ゴミ箱のニオイが気になる場合には、ペットの排せつ物を捨てるための商品を利用するのがおすすめです。
猫と快適に楽しく生活できるように、ゴミ箱にひと手間かけてみましょう。
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