1.猫にしらすを与えてもいいのか
1-1.しらすの種類
1-2.しらすの栄養
2.猫へのしらすの与え方
2-1.無塩のしらすを選ぶ
2-2.塩抜きをする
3.猫にしらすを与える際の注意点
3-1.塩分
3-2.ミネラル
3-3.多量に与えない
4.しらす入りの猫フード・おやつ
5.まとめ
猫にしらすを与えてもいいのか
一年中購入することが可能なしらすは、どのご家庭でも気軽に食べられる食材でもありますよね。
しらすは頭から尻尾まで丸ごと食べることができるので、小魚の中でも栄養が高いことでも広く知られています。
猫は魚が好きですし、その上、栄養価も高いのなら、是非愛猫にも食べさせたいと思う飼い主さんが居ても不思議ではありません。
私たちのように、大根おろしや白米と一緒に食べるのではなく、猫にはそのまま与えればいいので、人間の食べ物の中でも比較的与えやすい食材として認識されているのではないでしょうか。
しらすは猫に与えても、問題のない食べ物ではありますが、与え方や与えすぎに注意が必要な食べ物でもあります。
その理由として、しらすが市場に出回るまでのプロセスが関係していますので、愛猫にしらすを与える前に、しらすに関する知識を蓄えておきましょう!
◆しらすの種類
しらすと聞くと、真っ白の茹で上がった状態の小魚を思い浮かべる方も多いとは思いますが、もちろんあの姿は加工された後の姿なので、海を泳いでいるしらすは透き通った美しい姿をしています。
しらすとは体に色素の無い白色の稚魚の総称となり、このしらすを水揚げし、優しく水洗いされた状態のしらすを「生しらす」と呼びます。
この状態のしらすは漁師さんや地元の方でしか食すことができず、貴重なしらすとしても知られています。
この生しらすは非常に傷みやすく、数時間経過するだけで、すぐにえぐみが出てしまい、扱いが難しいことからも茹でて市場に出すことが一般的になっているのです。
最近では冷凍技術も発達したので、生しらすも市場に出回るようになりましたが、基本的に市場に出回るしらすは一度塩茹でされており、水分量が調整されたものがほとんどです。
一般的に水分含有量が85%前後のしらすを「釜揚げ」、50~60%程度に乾燥させたしらすを「しらす干し」、25~35%程度まで乾燥させたしらすを「ちりめんじゃこ」などと呼びます。
しらすを食べたときに感じる塩味は、しらすの鮮度を保つために使用されている「塩茹で」の味でもあるので、猫に与える際には注意が必要と言えますよね。
◆しらすの栄養
しらすは様々な魚の稚魚となりますので、小さくても立派な魚であることに間違いありません。
ですので、しらすにはたくさんの栄養が詰まっており、しらすを食べることによって、豊富な栄養成分を摂取することが可能となります。
たとえ一匹の大きさは小さくても、一度にたくさんの量を食べることがほとんどなので、骨を含むすべてを食べることができるしらすは、カルシウムを多く摂取することができるのです。
水分含有量が少なくなるほどカルシウム量は増えるので、丈夫な骨や歯を作るためには、必要な栄養素であると言えますよね。
また、カルシウムの吸収を助けるビタミンDや、細胞や神経を再生・修復する効果のあるビタミンB12なども含まれます。
ミネラルの宝庫でもあるしらすは、愛猫の健康のためにも、是非食べさせてあげたい食材と言えるのではないでしょうか。
猫へのしらすの与え方
しらすは栄養価がとても高いので、そのまま猫に食べさせても良いですし、いつものフードにトッピングしてあげることも可能です。
スーパーなどで売られているしらすは、添加物が入っていない状態の商品が多いものの、前述した通り塩茹でされているものがほとんどです。
このまま猫に与えてしまえば、猫の体に負担がかかってしまうので、適切な対処をした後に与えるようにしましょう。
◆無塩のしらすを選ぶ
一番簡単なのは、購入の際に無塩のしらすを選ぶことです。
無塩で添加物の入っていないしらすであれば、そのまま猫は食べることができますし、何より飼い主さんの手間が省けますよね。
◆塩抜きをする
市場に一番出回っているしらすは、塩茹でされた商品がほとんどですので、そのようなしらすを購入した場合には、しっかりと塩抜きをしてから猫に与えるようにしましょう。
塩抜きの方法はとても簡単で、沸騰をしたお湯をかけて数分放置した後に水を切るか、鍋にしらすを入れて1分程度茹でるだけです。
人間の赤ちゃんがしらすを食べる際にも、この方法で塩抜きをすることが多いので、子猫から高齢猫まで、代用することが可能です。
猫にしらすを与える際の注意点
猫にとって危険な成分が含まれていないしらすですが、上記の方法でしっかりと処理をしたつもりでも、やはり絶対的に安全であるとは言い切れません。
人間が口にする食べ物を猫に与えるときには、細心の注意を払う必要がありますよね。
愛猫が生活していく中での健康を気遣っているのであれば、しらすを与えることによってのリスクにも、理解を深めておくようにしましょう。
◆塩分
なによりも注意しておきたいのは、やはりしらすの塩分量ではないでしょうか。
どんなに丁寧に塩抜きをしたとしても、塩が完全に抜け切れていなければ、体の小さな猫にとっては負担となってしまいますよね。
普段食べているフードにも塩分は含まれていますので、しらすは小さいからといって多量に食べてしまえば、それこそ塩分過多となってしまいます。
猫は泌尿器系の病気を患う率が高く、塩分を摂りすぎると、それらの機能に多大な負担をかけてしまうのです。
とくに腎臓に負担が多くかかりますので、腎臓をフル活用している猫にとっては、しらすの過剰摂取は命取りになり兼ねません。
◆ミネラル
しらすにはミネラルも豊富に含まれており、ミネラル摂取量のバランスを意識する必要がある猫にとっては、しらすの食べ過ぎはミネラルの過剰摂取にも繋がってしまいます。
ミネラルを過剰摂取してしまうと、おしっこをした際に排出されるべきミネラルが増加し、排出されなかったミネラルは、膀胱に溜まって結晶や結石化してしまいます。
下部尿路の病気を患ってしまえば、普段の生活にも大きな支障が出てしまうので、愛猫がしらすを食べたがったとしても、与える量には気を付けなければいけません。
◆多量に与えない
塩抜きしたしらすには、元々のしらすの塩味やミネラルが残っていますので、たくさんの量を与えてしまえば、猫の健康に害を与えてしまう結果となってしまいます。
ですので猫にしらすを与える際には、塩抜きされたしらすを一つまみ程度を意識し、週に1回程度フードのトッピングにするか、おやつ程度に与えるようにしましょう。
普段の食事をしらすメインにすることは、絶対に止めてください。
猫が毎日食べているフードは、栄養のバランスが計算されて作られているので、いくらしらすの栄養価が高くても、猫に必要な栄養が偏ってしまうからです。
そして与えても良い対象の猫は、健康体の成猫となります。
子猫や高齢の猫は、健康体の成猫よりもリスクがどうしても上がってしまうので、与えないといった選択をする方が賢明です。
猫に与える際には、健康体であるか、一つまみ程度の量を意識する、1週間に1回以上は与えないことを守るようにしましょう。
しらす入りの猫フード・おやつ
市販のしらすを猫に与える際には、どうしても手間がかかりますし、不安が残ってしまうようなら、ペット用のおやつがおすすめです。
とくにねこちゃん用のおやつには、しらすがトッピングされている商品も多いので、しらすが好きな子であれば、ご褒美やおやつとして常備しておいてはいかがでしょうか。
◆チャオ 焼本かつお しらす味
猫が大好きなかつおを、しらすエキスで味付けしたこちらのおやつは、魚が好きな猫ちゃんにぴったりです!
食べ応えのある本かつおに、きっと猫ちゃんも夢中になってしまうことでしょう。
◆銀のスプーン 三ツ星グルメパウチ しらす入り
銀のスプーン三ツ星グルメシリーズから出ているパウチタイプのごはんです。
フレークタイプ・ジュレタイプが選べますが、しらすがトッピングされている商品も数多くあります。
◆おさかな生活 しらす入りまぐろ
おさかなのおいしさを閉じ込めたゼリー仕立てで、腸内の善玉菌を増やすオリゴ糖が配合されています。
しらすがトッピングされているので、しらす大好きな猫ちゃんもおいしく健康維持できますよ!
◆モンプチ プチリュクスパウチ ナチュラル 成猫 まぐろのしらす添え
着色料・香料無添加、合成添加物も不使用のナチュラルパウチです。
まぐろをメインとしたお魚類に、トッピングとしてしらすが入っているので、海の幸の味を楽しめるウェットフードです。
まとめ
栄養価の高いしらすは、魚好きな猫に与えたい食材であるとも言えますが、人間の食べ物を猫に与えるには、それなりのリスクが伴うことも考えておかなければいけません。
「猫が食べられるから」「猫が好きそうだから」といった考えは、あくまで人側の意見でしかないので、そのような意識で下手に人間の食べ物を与えてしまえば、猫の寿命を縮めることに繋がってしまうのです。
しらすがどのように市場に出回っているのか、しらす自体に含まれる栄養素など、知識を蓄えることによって、猫に多量に与えるべきではない理由が自ずと見えてくることでしょう。
愛猫の健やかな生活を守れるのは、飼い主さんだけです。
正しい知識を持った上で、猫の健康に害が出ないように、しっかりと下処理をしてからしらすを与えるようにしましょう。
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