1.キャットフードの種類
1-1.総合栄養食
1-2.間食
1-3.療法食
1-4.その他の目的食
2.猫の総合栄養食の選び方
2-1.猫の年齢にあったもの
2-2.お悩み別フード
2-3.猫種別フード
キャットフードの種類
ペット商品を取り扱っている量販店などを覗くと、数多くのキャットフードが並んでいますよね。
豊富なラインナップは飼い主さんにとって、嬉しいことではありますが、大きな見た目や味の違いが少ないからこそ、選び方が難しいと感じている方も多いのではないでしょうか?
まずは基礎知識として、猫のフードにはどんな種類があるのかを見ていきましょう。
◆総合栄養食
販売されている猫のフードの中で、もっとも種類が多いのが「総合栄養食」と呼ばれるキャットフードです。
総合栄養食は、一般的に「カリカリ」と呼ばれているドライのフードにもっとも多く、猫に与えることによって、必要な栄養を摂取できるキャットフードとなります。
この総合栄養食と水を毎日与えていれば、猫はバランスの採れた食事をすることができますので、健康を維持することが可能となるのです。
総合栄養食の称号を得るには、栄養基準を満たしたものにしか与えられませんので、すべてのキャットフードが総合栄養食と認められているわけではありません。
ペットフード公正取引協議会による試験によって証明されなければ、総合栄養食として認められませんので、普段猫に与えるフードは、総合栄養食と表記のある商品を選ぶようにしましょう。
◆間食
量販店などで売られているキャットフードコーナー付近には、おやつコーナーが設置されていることが多いですよね。
ペットは家族の一員として迎え入れているご家庭では、より嗜好性の高いおやつを求めて、日々美味しそうな物を与えたいと思っている飼い主さんも多いことでしょう。
このようなご褒美感覚で愛猫に与えるおやつのことを「間食」と呼びます。
私たちも食事とは別に、小腹が空いたらおやつを食べるように、猫にも主食ではなく間食として、楽しめる食べ物があるということに驚きですよね!
ですが、このような間食に分類されているフードでは、1日に必要な栄養を補くことができないので、間食だけを与えることはおすすめできません。
猫に与える際には原則として、1日あたりのカロリー所要量の20%以内に抑える必要があります。
◆療法食
猫が毎日健康で、病気をしないためにも総合栄養食を与える必要がありますが、病気を患っている猫の場合、一般的な総合栄養食を与えてしまうと、症状が悪化してしまうことも否めません。
そのような場合には、特定の疾患に合わせて、栄養成分の比率や量が調節された「療法食」を与えることがほとんどです。
療法食は特定の病気に対して、毎日の食事からも栄養的に対応できますので、病気の猫にも安心して与えられますよね。
おもに獣医師さんの専門的な指示のもと、猫に与えることがほとんどではありますが、市販でも購入することも可能です。
ですが、独断で療法食を与えてしまうと、猫にとって必要な栄養を摂取できなくなるばかりか、ほかの病気を併発させてしまうことにも繋がるので、必ず獣医さんに相談の上、処方してもらうようにしましょう。
◆その他の目的食
総合栄養食やおやつなどの間食、療法食などに該当しないキャットフードも存在します。
特定の栄養調節やエネルギーを補うフードを「栄養補助食」、より嗜好性が高く食欲の増進を促すフードを「一般食」などと呼びます。
このような目的食は、単体で与えるだけでは栄養が不足してしまうので、総合栄養食と併用して与えなくてはいけません。
市販で売られているフードでは、缶詰やパウチなどの商品が多く販売されているので、主食以外の目的に合わせて与えるようにしてください。
猫の総合栄養食の選び方
キャットフードは猫の主食となり、猫の栄養を満たすためには総合栄養食のフードを選ぶべきではありますが、たくさんの種類が販売されているので、どれを選ぶべきか悩むところではありますよね。
愛猫に健康に居続けてもらうためには、どのような総合栄養食を選べば良いのでしょうか?
◆猫の年齢にあったもの
とくに病気もなく健康な猫ちゃんであれば、年齢にあった総合栄養食を選ぶと良いでしょう。
どの年代の猫も摂取するべきである、基本的な栄養素の種類に変わりはありませんが、年齢や体型によって必要なエネルギーや、栄養素のバランスが異なるのです。
総合栄養食はドライフードの商品が多く販売されてはいますが、子猫であればミルクタイプの総合栄養食、老猫であれば食べやすいウェットの総合栄養食を選んであげてください。
◆お悩み別フード
総合栄養食の中には、猫ちゃんに合わせたお悩み別フードも多く販売されています。
とくに多いのが肥満傾向の猫ちゃんに向けた総合栄養食や、毛玉が気になる猫ちゃんに向けた総合栄養食と言えるでしょう。
完全室内飼いの猫ちゃんが増えてきた分、キャットフードの需要も高まってきているので、飼い主さん視点からのお悩み別のフードも多いですよね。
最近では穀物不使用の、グレインフリーキャットフードも多く出回っていますので、穀物アレルギーを持っている猫ちゃんにもおすすめですよ。
◆猫種別フード
猫は血種によって特徴があったり、かかりやすい疾患があったりするので、猫種別に特化された総合栄養食が販売されています。
それぞれの猫に合わせて、より良い総合栄養食が選べるのは、今の時代ならではのような気もしますよね。
純血種の猫ちゃんは血種独特の見た目や性格に特徴があるように、フードも最適な商品を選ぶことによって、最適な健康状態へと導いてくれるようです。
猫の総合栄養食の与え方
猫の総合栄養食にはたくさんの種類がありますが、愛猫にぴったりの商品を見つけたのなら、今度はどのように与えれば良いのか気になりますよね。
猫の主食として基準を満たしている総合栄養食を与える際には、どんなことに気を付ければ良いのでしょうか?
◆給与量を守る
なによりも大切なのは、1日に与えるべき給与量をしっかりと守るということです。
総合栄養食は猫に必要な栄養が詰まっているからといって、たくさん与えればより健康になるというわけではありません。
猫の年齢や体重によって、1日に必要な摂取カロリーは決まっていますので、飼い主さんが管理してあげる必要があるのです。
健康な猫であれば体重1kgに対し、約64kcal前後が理想的とされていますので、総合栄養食のパッケージを見て、愛猫に必要な給与量を計算してあげてください。
そして猫は食事を少量に分けて食べる習性がありますので、1日に与えるべき給与量をいっぺんに与えるのではなく、何回かに分けて与えるようにしましょう。
◆新鮮な水も用意する
猫に総合栄養食を与える際には、必ず新鮮な水も用意してあげてください。
猫はあまり水を飲まない動物として知られてはいますが、そのような習性があるからといって、まったく水を飲まなくても平気というわけではありません。
総合栄養食のフードにはドライの製品が多く、水分量が少ないので、キャットフードから水分を摂取するのは難しいと言えるでしょう。
1日に猫が必要な水分量は、体重1kgに対し50ml程度と言われていますので、なるべく猫が水を飲みやすい環境を整えてあげることが大切です。
総合栄養食を効率よく吸収するためには、新鮮な水が重要となってきますので、愛猫が常に新鮮な水を飲めるように、工夫してあげるようにしましょう。
◆その他のフードは上手に使おう
飼い主さんが与えた総合栄養食フードを、しっかりと食べてくれる猫ちゃんであれば問題はありませんが、なかには嗜好性が高い子や、同じ味に飽きてしまう子も居ることかと思います。
そのようなときは、なにがなんでも飼い主さんが選んだ総合栄養食を与えようとするのではなく、別の総合栄養食を与えたり、一般食などを上手に使ったりしてみるのもおすすめです。
ウェットの商品の多い一般食は、香りも強く嗜好性が高いので、総合栄養食に混ぜて与えるだけで、猫ちゃんの食いつきがよくなることが多いです。
食事だけで満足してくれないようであれば、もちろん間食を与えても良いですし、色々なフードの使い道を、飼い主さん自身が把握しておけば、いざというときに役に立ちますよね。
どのようなフードを与えたとしても、注意すべきは1日に必要な摂取カロリーですので、しっかりと管理して愛猫が満足できるような食事を提供してあげましょう。
まとめ
生きることに欠かすことのできない毎日の食事ですが、猫に健康で居てもらうためには、栄養のバランスが調整されているキャットフードを与えることが一番です。
とくに家の中で暮らしている家猫は、食事に困ることがないので、ついつい食べ過ぎてしまうこともあり、飼い主さんが食事の管理をしてあげることが重要となってくるでしょう。
より猫本来の食事に近づけたいからといって、肉や魚を中心とした手作りの食事を与えることは、正直おすすめはできません。
猫に必要な栄養のバランスを調整することは、素人にとって容易ではないからです。
その反面、市販の総合栄養食のキャットフードは、しっかりと栄養バランスが計算されていますので、安心して猫に与えることができるのです。
大切な愛猫に長生きしてもらうためにも、1日に必要なフードの給与量を守り、喜んで食事を摂ってくれるような環境を整えてあげるようにしましょう。
– おすすめ記事 –
・【獣医師監修】猫の食物アレルギーとは?対策フードの選び方とおすすめ7選 |
・【獣医師監修】夏は猫の食中毒やフードのカビに注意!食中毒の症状、原因、予防法は? |
・【獣医師監修】猫の避妊・去勢後は餌に注意!?おすすめのキャットフード4選 |
・【獣医師監修】老猫の餌の選び方。食べない時の工夫やおすすめフード3選 |