1.猫が虫を食べた!
1-1.なぜ猫は虫を食べるの?
1-2.猫が虫を食べたけど大丈夫?
2.猫が食べたら危険な虫は?
2-1.ハエ
2-2.蚊
2-3.ゴキブリ
2-4.蜂
2-5.蛾
2-6.毛虫や芋虫
猫が虫を食べた!

前足でチョイチョイ、鼻でクンクン、そのまま口でパクッ…!
猫が虫を遊びの対象として見ているときに、よく見かける光景ではありますが、口に入れてしまった瞬間、ビックリしてしまう飼い主さんも多いことでしょう。
虫を食べた猫自身は、何事もなかったように虫がどこに行ったのか探す程度ですが、猫は虫を食べてしまっても大丈夫なのでしょうか。
◆なぜ猫は虫を食べるの?
まずはなぜ猫は、虫を食べてしまうのかが気になるところですよね。
普段はキャットフードやおやつなどの、十分な食事をもらっているのにも関わらず、虫を食べることがあるなら心配になってしまうことでしょう。
猫が虫を食べたがるのは、以下のような理由が考えられます。
・母猫に与えられた名残として食べた
・動くものに反応して食べた
猫が遠い昔、野生で生活していた時代には、鳥やネズミなどの小動物を捕獲できないときは、虫を餌として捕獲し、飢えを凌いでいました。
虫は自然界の貴重なタンパク源でもありますし、ドライフードを好む猫にとって、虫のパリパリとした食感は、本能的に好む傾向にあるのかもしれません。
また、子猫のときから母猫と一緒に暮らしてきた子は、狩猟方法を教えてもらうために、身近に居る虫を狩りの対象として教えられることもあり、捕獲したあとに食べてしまうこともよくあるそうです。
猫は動体視力が優れていますので、素早く動く虫は、狩りの標的になりやすいのはとても自然なことですよね。
このようなことからも、猫が虫に興味を持ち、そのまま食べてしまうことは、不思議なことではないことが分かります。
◆猫が虫を食べたけど大丈夫?
小さな虫は部屋の中にも侵入してくることがありますし、愛猫に見つからないように退治するのも大変ですよね。
万が一愛猫が虫を食べてしまった場合、猫に害はないのか、何かしらの病気を患ってしまうかなど、不安な気持ちになってしまうことでしょう。
基本的に猫が好む傾向のある虫は、食べても無害な種類の虫は多く存在しています。
ですが虫は寄生虫などの厄介な虫を媒介する存在でもあり、猫が虫を食べることによって、別の虫に寄生されてしまう可能性も否めません。
また、虫自体に毒性がある種類も存在していますので、猫が食べたら危険な種類が存在することも理解しておきましょう。
猫が食べたら危険な虫は?

私たちが生活している環境の中で、猫が食べると危険と言われている虫は、以下の通りになります。
◆ハエ
生活環境に気付くと居ることの多いハエですが、小さいながらも猫が食べることがよくある虫でもあります。
あまり衛生的にもよくないイメージの強いハエは、大腸菌をはじめとした、様々な病原菌を媒介しています。
1996年に流行したO-157も、ハエが媒介していたと言われており、大きな問題となりましたので、一匹は小さくても、猫に食べさせない方が無難であると言えるでしょう。
◆蚊
暑い季節になってくると、多く繁殖するのが蚊ですよね。
網戸をしていてもすり抜けて部屋に入ってくることもあり、蚊は猫の血も吸いますので、夏場には注意が必要な虫と言えるでしょう。
蚊はフィラリアを媒介していることもあり、猫に感染してしまうととても厄介です。
蚊を食べただけではフィラリアには感染しませんが、猫が食べられる環境が整っていれば、血を吸われてフィラリア症に感染してしまう可能性もありますので気をつけましょう。
◆ゴキブリ
できれば遭遇したくないゴキブリですが、素早く予測不能な動きをすることからも、猫がもっとも興味をひかれる虫とも言えますよね。
好む環境が不衛生な場所が多いことからも、回虫を媒介していることがほとんどです。
そして強靭な生命力を持っていることで知られていることからも、殺虫剤やホウ酸団子などを食べても生きている個体も居ます。
そのような個体を猫が食べてしまえば、猫自身に殺虫剤などの影響が出てしまうので、食べたら危険な虫として警戒するようにしてください。
◆蜂
私たちも普段警戒する虫と言えば、蜂も挙げることができますよね。
蜂は危険を感じると、お尻にある鋭い針で攻撃してきますので、猫が口に入れようとした瞬間に、口の周りなどを刺されてしまう可能性も否めません。
食べる前に運よく刺されなかったとしても、飲み込む過程で針を出されてしまうことも。
刺された場所が悪ければ呼吸困難に陥る可能性や、アナフィラキシーショックを起こすこともあるので、蜂が居たら猫を近づけないようにしましょう。
◆蛾
夜になると明かりに誘われて、どこからともなく姿を現す蛾。
玄関や窓を開けたタイミングで、部屋の中に入ってきてしまうことも多いですよね。
蛾の羽には鱗粉(りんぷん)が付いており、この部分が毒のように思われることが多いですが、全身を覆っている毒針毛こそが危険をもたらします。
このような毒針毛を持つ蛾の種類は、チャドクガをはじめとした50種程度が日本では確認されていますが、この毒針毛に触れると皮膚炎を起こすと言われているのです。
毒針毛を持った蛾を猫が食べてしまえば、皮膚の薄い口元は炎症を起こし、痛みや痒さから掻き毟ってさらに症状を悪化させてしまうことも。
◆毛虫や芋虫
蛾は猫にとって危険な虫ではありますが、実は幼虫の方が強い毒性を持っていると言われています。
蛾の幼虫は全身を毛に覆われていて、いかにも毒を持っていそうな見た目をしていますよね。
蛾だけではなく、蝶の幼虫などのように毛で覆われていない芋虫でも、外敵に襲われた際に毒を出す種類の虫も居ますので、家庭菜園や新鮮な野菜を購入したときには、毛虫や芋虫が居ないか注意してあげてください。
猫が食べたら危険な虫以外の生き物は?

猫が食べたら危険な虫は多く存在しますが、虫以外にも食べたら危険な生き物が存在しています。
猫が過ごす環境の中で、どのような生き物に遭遇しやすく、注意をすべきなのでしょうか?
◆カエル
水辺にしか生息していないと思われがちのカエルですが、カエルによっては森林などにも生息することから、猫と遭遇する機会が多い生き物であるとも言えますよね。
カエルも猫の遊びや狩りの対象になることが多いので、そのまま食べてしまうこともよくあります。
ですがカエルのお腹に寄生する虫の中には、「マンソン裂頭条虫」と呼ばれる寄生虫がおり、猫に寄生すると腸に住み着き、駆除が厄介な寄生虫としても知られています。
嘔吐や下痢を繰り返し、お尻を痒がるなどの症状が出ることもありますので、愛猫の安全のためにも、外に出さないことが一番です。
◆ヘビ
ヘビもカエルと同じように、マンソン裂頭条虫をはじめとした寄生虫を媒介していますので、カエルを食べたときと同じような症状が出ることがあります。
そしてヘビ自身が毒を持っている種類も居ますし、なによりも鋭い牙で噛みつかれる危険性もあるので、できることなら猫とヘビとの遭遇は避けたいものですよね。
中には爬虫類をペットとして飼う方もいらっしゃるので、猫も一緒に暮らしている場合は注意が必要となってきます。
なかなか出会う機会はないヘビではありますが、出会ってしまったら猫が絶対に食べないといった保証もありませんので、危険なことだけは覚えておくようにしましょう。
◆ネズミ
自然界で生きている動物の中で、もっとも猫が注意をしなくてはいけないのがネズミです。
ネズミは昔から猫の狩りの標的となりやすい動物ではありますが、様々な病原菌を持ち、食べることによって色々な感染症を引き起こすことがあります。
とくにトキソプラズマの発症や、エキノコックスなどに寄生されれば、飼い主さんにも害が及ぶこともあるので大変危険です。
ほかにも殺鼠剤を食べたネズミであれば、殺鼠成分が猫に作用してしまうこともありますので、ネズミと関わることのない生活環境を整えてあげることが大切です。
猫がいる家で虫を退治する方法は?

もし家に虫が出てしまったら、猫が食べて健康を損なわないためにも、早急に退治しなくてはいけませんよね。
市販の殺虫剤は猫にも害が及ぶ危険性が高いので、猫のいるご家庭での使用はおすすめできません。
ですので虫が出た場合は、熱湯や中性洗剤をかけて退治するか、冷却式スプレーなどを利用するようにしましょう。
その際には必ず、猫が傍にいないことを確認し、猫に危害が及ばないようにすることも大切です。
飼い主さんが捕まえることができるのであれば、外に逃がしてあげる方法も良いでしょう。
退治したあとには、必ず虫の侵入経路を確認し、再度家に入ってこられないような対策を行うことも重要です。
まとめ
今回は猫がなぜ虫を食べてしまうのか、そして食べた虫の中でどの種類が危険なのかをまとめさせていただきました。
野良猫やサクラ猫(地域猫)は餌がないと虫を捕獲して食べることもありますが、家猫であっても本能的に、虫は食べることができると認識することがあるようです。
ですが、ほぼ食べても害がない虫が多いといった情報が多い中で、やはり猫が食べてしまうと危険を及ぼす虫も一定数存在するので、食べないような対策を怠るわけにはいきませんよね。
虫が原因で寄生虫に感染されたり、病気を患ったりしては猫が可哀相ですので、普段から健康を気遣ってあげているのであれば、どんな虫でも猫が口にしないように注意するようにしましょう。
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