1.猫はプリンを食べても大丈夫?
1-1.プリンは何からできている?
1-2.プリンは与えないようにしよう
2.なぜプリンをほしがる猫がいる?
2-1.おいしそうなにおいがするから
2-2.以前もらった経験がある
3.猫がプリンをほしがるときには
3-1.おねだりされても与えない
3-2.猫用プリンを作ってあげる
4.まとめ
猫はプリンを食べても大丈夫?
プリンを日常的に食べる方は多く、スーパーやコンビニでもたくさんのメーカーから色々な種類のプリンが販売されており、甘いものがほしいと思ったときに重宝するデザートですよね。
日本の国民食とも言えるプリンですが、なぜかほしがる猫ちゃんが多いように感じます。
果たして猫は、プリンを食べても大丈夫なのでしょうか?
◆プリンは何からできている?
プリンにはたくさんの種類があり、一般的な卵が主原料となったものから、牛乳ベースのもの、カボチャやマンゴーなどの野菜や果物が使われたものなど、バリエーション豊かなことも特徴と言えますよね。
プリンの歴史は古く、もともとは小麦粉と卵と牛乳を混ぜて蒸したものが、プリンの原型となる「プディング」として親しまれていました。
現在親しまれている一般的な砂糖を使ったプリンが誕生したのは、18~19世紀頃のフランスで、日本に伝わってきたのは江戸時代後期頃と言われています。
そして一般家庭に普及したのは、戦後の20世紀後半頃とも言われているので、当たり前に食べられるようになったのは、まだまだ最近の話だということに驚きですよね。
そんな甘くて美味しいプリンですが、原材料にどんなものが使われているのかも気になるところではないでしょうか。
一般的なプリンの原材料は、以下の通りです。
・砂糖
・乳製品
・添加物
プリンの主原料となるのは卵ですが、甘味を出すための砂糖や、コクを出すために牛乳や生クリームなどの乳製品を使用しています。
そして市販のプリンの場合は、食感を良くするためにゲル化剤を使用し、発色を良くするための着色料、香りづけの香料などの添加物を使用することが多いようです。
◆プリンは与えないようにしよう
プリンの原材料を見てみると、一見猫の好きそうな物が多く入っている気もしますが、一つ一つを見ていくと、猫に食べさせるべきではないことがよく分かります。
なので飼い主さんが食べているプリンを猫がほしがったとしても、与えない方が安全と言えるでしょう。
その理由を原材料別にご紹介していきます。
卵
卵は主に動物性タンパク質でできており、猫にも必要な必須アミノ酸が含まれているので、理想的な食材と言えますよね。
ですが卵白には「アビジン」と呼ばれる酵素が含まれており、生のまま食べてしまうと猫の必須ビタミンである「ビオチン」を破壊する恐れがあります。
熱を加えればアビジンの効力は失活すると言われているので、蒸して作るプリンであればそこまで心配は要りませんが、かといって猫にプリンを与える必要性もありませんので、与えないことが賢明です。
また、猫ちゃんによっては卵アレルギーを持っている子も居ますので、そのようなリスクを負ってまで与えるべき食材ではないと言えるでしょう。
砂糖
砂糖はご存知の通り、過剰摂取してしまえば肥満に繋がりますし、糖尿病などの生活習慣病リスクが必然的に上がりますよね。
プリンは全体的に砂糖が多く使われており、苦味で甘味を引き立てる役割のカラメルソースも、砂糖の一種であるグラニュー糖を焦がして作っています。
なので体の小さな猫がもし、プリン1個をまるまる食べてしまったとしたら、相当量の砂糖を摂取したことになりますよね。
猫の味覚は甘味を感じにくく、甘ったるくなって食べることを止めることはないので、プリンに使用されるそのほかの原材料がおいしくて食べている可能性が高いと言えます。
甘いものは虫歯のリスクもありますが、猫の口腔内はアルカリ性なので虫歯になる可能性は極めて低いと考えられています。
しかし、砂糖は猫にとって不必要な食材ですので、与えないことが一番です。
乳製品
プリンは牛乳や生クリーム、脱脂粉乳などの乳製品を使用して作られています。
これらの原料は牛の生乳となり「乳糖」と呼ばれる炭水化物が含まれています。
猫はこの乳糖を分解する酵素(ラクターゼ)が少なく、上手に消化することができません。
その上、乳製品に含まれる乳糖は、熱が加わっても分解されないので、猫がプリンを食べると、お腹が緩くなって下痢をする「乳糖不耐症」を引き起こすことも。
現代では猫に牛乳を与えるべきではないとされていますので、乳製品を多く含むプリンは猫に与えるべきではないことが分かりますよね。
添加物
プリンを作る過程で入れられる添加物には、科学的に合成されて作られたものもあるので、その時点で猫にとって危険度が高いとも言えるのではないでしょうか。
市販で売られているプリンは、日持ちを長くさせるためにさまざまな添加物が使われています。
人間に影響のない範囲内で使用されている添加物も、猫への影響は未知数です。
なぜプリンをほしがる猫がいる?
上品な甘みが魅力的なプリンですが、甘味を感じる味覚が長けていない猫が、なぜプリンをほしがるのかが不思議ですよね。
猫がプリンをほしがるのには、以下のような理由が考えられます。
◆おいしそうなにおいがするから
猫は味覚が長けていない分、鋭い嗅覚を持っています。
なのでほんの少しの牛乳や生クリームのニオイを嗅ぎ分け、おいしそうな香りを感じとっているのかもしれません。
また、卵の味を元から知っている子であれば、わずかな卵の香りに反応しているのかもしれませんよね。
ほかにも香料で使用されているバニラエッセンスや洋酒の香り、フルーツのシロップ漬けなどに興味を持つ子も居るようです。
◆以前もらった経験がある
鼻の利く猫は、一度食べてみておいしかったと感じれば、同じニオイのする食べ物に、再度反応を示すものです。
たとえば以前に飼い主さんから、茶わん蒸しやグラタンを貰ったなどの経験があれば、同じ材料が使用されているプリンに興味を持ったとしても不思議ではありません。
猫は賢い上に貪欲な動物ですので、おいしい記憶は忘れることなく覚えていることが多いと言われています。
このようなことからも、人間の食べ物は猫に与えるべきではないと言われる所以になっているのかもしれませんよね。
猫がプリンをほしがるときには
飼い主さんがプリンを食べているとき、愛猫が横でほしがる表情や素振りを見せてきた際には、その誘惑に負けてしまう飼い主さんもいらっしゃることでしょう。
猫がおねだりしてきた場合には、どのようにしてその危機的状況を回避すれば良いのでしょうか?
◆おねだりされても与えない
やはり一番は飼い主さん自身が、愛猫がどんなにプリンをほしがろうとも、あげないといった強い気持ちを持つことが大事です。
プリンの原材料が猫にとって、害を及ぼす可能性が高いことを考えてみると、やはり猫のおねだりに負けることなく、与えないといった意志を貫き通すべきではないでしょうか。
人間の食べ物に慣れてしまえば、次第にキャットフードへの興味が薄れていきますし、塩分や糖分過多となって、さまざまな病気を引き起こす原因へと繋がります。
そのような結果を一時の優しさで招いてしまうことになりますので、心を鬼にして与えないことを徹底していきましょう。
◆猫用プリンを作ってあげる
猫ちゃんによっては、信頼している飼い主さんが口にしているものなので、自分も食べてみたいといった興味を示す子も居るようです。
そのようなかわいらしい猫ちゃんには、手作りのプリンを作ってあげてみてはいかがでしょうか。
作り方はとても簡単で、猫用の牛乳が市販で売られていますので、猫用の牛乳であることを確認した上で購入し、その牛乳と併せて卵も一緒に準備してください。
分量は以下の通りです。
・猫用の牛乳…100ml程度
・卵黄…1個
卵は全卵の方が固まりやすいですが、白身が心配な場合は卵黄のみで作ってみましょう!
②そのプリン液をザルなどで越しながら、耐熱容器に入れてアルミホイルなどで蓋をします。
③フライパン、または鍋に水を入れ、沸騰させてからプリン液が入った耐熱容器をその中に入れます(このとき耐熱容器の半分ぐらいが浸かる程度のお湯の量が理想です)。
④弱火~中火で5分程度温め、火を止めてそのまま粗熱が取れるまで放置します。
⑤粗熱が取れたあと、アルミの蓋を外して、固まっていれば完成です!
このような砂糖も牛乳も使わないプリンであれば、安心して猫ちゃんに食べてもらえますよ!
まとめ
愛猫が人間の食べ物をほしがったとしても、与えてはいけないことは分かってはいるものの、可哀相に思って少量であれば与えても大丈夫と考える飼い主さんは多いことでしょう。
ですが猫は一度でも味を覚えてしまえば、何度でも人間の食べ物をほしがり、主食であるキャットフードに興味を示さなくってしまうことがあります。
このような傾向になってしまった猫ちゃんの、食べ物への執着を正すことはとても難しいので、やはり初動が肝心であると言えますよね。
とくに私たちがよく口にするプリンは、食べたがる猫ちゃんはとても多いので、なぜ猫に与えることがダメなのかを改めて考え直し、あげないということを徹底するようにしましょう。
どうしても可哀相に思ってしまうのであれば、牛乳や砂糖を使わない猫用のプリンを作り、食べたい気持ちを満たしてあげることもおすすめですよ。
– おすすめ記事 –
・猫が魚肉ソーセージを欲しがる!少量なら与えても平気なものなの? |
・愛猫が青魚を食べたがる!与える際の注意点や猫に出やすい影響とは? |
・猫にお米はあげちゃダメ?与えるべきではない理由を考えてみた! |
・猫にホタテは与えても平気?正しい与え方や注意点が知りたい! |