ウサギのようなネコと言われているマンクスについて知りたい!

2021.02.01

ウサギのようなネコと言われているマンクスについて知りたい!

長いしっぽを持つネコは、その動きによって感情や気持ちを伝えると言われていますが、しっぽの短いネコはどうなのでしょうか? 短いしっぽを持つネコとして有名なのが、イギリスを発祥とする「マンクス」と呼ばれる猫種です。 生まれつきしっぽを持たないマンクスには、そのほかにどんな特徴があるのかも気になるところですよね! 今回はしっぽを持たない、丸みを帯びた姿がかわいらしいマンクスの魅力を、余すことなくご紹介させていただきます。

マンクスってどんな猫?

世界各国の猫種を紹介する、猫図鑑などにも掲載されている「マンクス」ですが、その歴史は古く、見た目にも特徴があることから、この品種に魅了されている方も多いことかと思います。

ですが詳しくは知らないといった方のために、マンクスがどんなネコなのかを紐解いていきましょう!

◆身体的特徴

なんといってもマンクスには、尻尾(しっぽ)が無いという身体的な特徴が一番に挙げられますよね。

これに合わせて顔や手足が丸く、胴の長さも短いので全体的にまんまるとした体型の「コビータイプ」と言われる猫種となります。

毛色に縛りはなく、ダブルコートの短毛種となりますので、見た目は日本猫とさほど変わらないので、親しみやすい印象を与えてくれるネコと言えるでしょう。

◆性格

まんまるな見た目の通り性格も内気となり、大人しい中にも神経が細やかな部分が存在するとも言われています。

ですが神経質というわけではなく、飼い主さんに対しては中実で穏やかに接しますので、人と一緒に暮らすことにも順応しやすい猫種です。

◆走り方が特徴的

基本的にネコはしっぽで体のバランスをとりますが、しっぽのないマンクスは体のバランスをとるために後ろ足が発達しました。

そのため前足よりも後ろ足が長く、走る際には飛び跳ねるように見えることから「ラビットキャット」といった愛称で呼ばれることがあります。

歩いているときは通常のネコと同じような歩き方ですが、走っている姿はウサギのように飛び跳ねますので、この特徴的な走り方も魅力の一つと言えるでしょう。

◆長毛のマンクス?「キムリック」

マンクスは短毛種のネコですが、マンクスに長毛種のネコを交配させて誕生した「キムリック」と呼ばれる猫も存在しています。

マンクスの特徴はそのままに、1960年代に偶然発生した猫種となりますので、長毛の被毛がぬいぐるみのように愛らしいことからも、人気が高いことがうかがえますよね。

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マンクスの最大の特徴はしっぽ!


マンクスはしっぽが無いことが最大の特徴と言われていますが、突然変異によって繁殖したこともあり、すべてのマンクスが完全にしっぽが無いわけではありません。

一般的にペットとして流通しているマンクスは、しっぽが完全に無いマンクスと言われていますが、ほかにはどのようなマンクスが居るのでしょうか?

◆しっぽの長さでそれぞれ呼び方がある

マンクスはしっぽの長さによって、呼び名が異なります。

しっぽの長さを4つのタイプに分類し、それぞれ以下のような名前で呼んでいます。

・ランピー…完全にしっぽが無い(しっぽの付け根部分にくぼみがある)
・ランピーライザー…しっぽの付け根部分にわずかにコブのようなものが残っている
・スタンピー…短く動かないしっぽ(折れている、もしくはねじれている)がある
・ロンギー…短めから長めのしっぽがある

マンクスはしっぽを支える「尾椎(びつい)」と呼ばれる骨が、突然変異を起こして誕生した猫種ですので、通常のネコよりもおしり周辺が敏感になっています。

とくにランピーのマンクスは、そのような傾向が強いとも言われているので、手荒に触るなどの行為は控えてあげてくださいね。

◆ランピーの交配は難しい

マンクスの歴史は突然変異から始まったこともあり、繁殖させるのが難しい猫種とも言われています。

キャットショーのような品評会に出陳されるのは、ランピーのマンクスと限られていますので、多くのブリーダーはランピーを繁殖させる目的で、マンクスの交配を行うことでしょう。

しかし、マンクスの交配には特別な知識が必要となり、思った通りのマンクスを繁殖させることは難しいのが現実です。

そこにはマンクスの遺伝子が深く関係しているので、必ずランピーの子猫を産ませたいと願ってランピー同士の交配を行ったとしても、健康な子猫は産まれてこないとも言われています。

マンクスの繁殖には、ランピーとスタンピーの交配が基本となっていますので、もしマンクスを飼育して繁殖をさせたいのであれば、正しい知識を得る必要性が高いと言えるでしょう。


マンクスの歴史

マンクスの歴史は古く、さまざまな伝承が残っているネコとしても有名です。

突然変異で誕生したマンクスには、どんな逸話が残っているのでしょうか?

◆イギリスの島で偶然生まれた無尾の猫

マンクスの起源は諸説ありますが、17~18世紀頃にイギリスのアイリッシュ海に浮かぶ「マン島」‎に商人が持ち込んだネコの中から、しっぽの無い変異種が偶然産まれたことが始まりとされています。

島といった独特の閉ざされた環境により、島特有の固定種としてしっぽの無いマンクスが、定着していったと考えられているようです。

◆ノアの箱舟に乗った猫?

マンクスにまつわる伝承として、「ノアの箱舟(ノアの方舟)」にネズミを追いかけて駆け込むところを、船員がドアを閉めたことによってしっぽが切れてしまったという逸話があります。

ほかにも、難破したスペイン船に乗っていたマンクスがマン島に泳ぎ着いたといった伝説や、マン島が根城の海賊が帽子の飾りとして、マンクスのしっぽが切り取られたなどの伝説が残っているようです。


マンクスが気を付けたい病気

マンクスの交配には特別な知識が必要なように、マンクスという品種はもともと気を付けておくべき病気が存在しています。

マンクスを飼育する際には、普段からどんな病気に気を付けておくべきなのでしょうか。

◆マンクス症候群

マンクスには先天的奇形が見られる個体が産まれることがあり、その中でも約90%をランピーが占めていると言われています。

このような先天的奇形が産まれる理由として、ランピー同士の交配や、3代続けてランピーを掛け合わせるなどにより、子猫に障害が残ったり生後間もないうちに死んでしまったりなどの異常が生じるようです。

こうした遺伝性疾患のことを「マンクス症候群」と呼び、もともとの脊柱の奇形や脊髄の異常があることによって、別の障害が引き起こされる病気となります。

産まれたマンクスの子猫がマンクス症候群の可能性があるのかは、生後すぐの判断は難しく、ある程度体が成長してからでないと分からないとも言われているようです。

ランピーの場合は便秘膀胱炎などの、尿路疾患を発症しやすいとも言われているので、ランピーのマンクスを飼育する際には、この病気の知識をしっかりと蓄えておかなくてはいけません。

◆毛球症

短毛種のダブルコートということもあり、抜け毛が多く出ますので「毛球症」を予防する目的でも、毎日のブラッシングは欠かさないようにしましょう。

ネコがよく吐く動物だったとしても、吐く行為は気持ちの良いものではありませんし、うまく毛玉を吐き出せなければ、さらに重篤な症状へと繋がっていきますよね。

おしり周辺がとても敏感なマンクスにブラッシングをする際には、常に優しく手入れすることを心掛けてあげましょう。

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マンクスにはどこで会える?


繁殖が難しいマンクスは、なかなか数が増えない猫種とも言われていますが、マンクスに会いたい場合には、どこに行けば会えるのでしょうか?

◆日本ではめったに会えない

マンクスは日本での知名度がそこまで高くないので、日本で会いたいと思っても残念ながらめったに会うことはできません。

たくさんの猫種が集められている猫カフェであっても、マンクスが居るお店は珍しいとされているようです。

どうしてもしっぽの無い猫種が見たいのであれば、マンクスと血縁関係はありませんが、「ジャパニーズボブテイル」を探してみるのもおすすめです!

◆海外のブリーダーから

どうしてもマンクスに会いたい、一緒に暮らしたいという思いが強いのであれば、海外のブリーダーを頼ってみてはいかがでしょうか。

マンクスを専門に交配しているブリーダーの方がいらっしゃいますので、日本で探すよりも効率が良いと言えるでしょう。

ただし相場よりもお値段が高くなってしまうこともあるので、一生責任を持ってお世話できる自信がある方のみ、海外のブリーダーからの引き取りを検討してみてくださいね。


まとめ

歴史が古くさまざまな逸話を持つマンクスですが、ウサギのようにぴょんぴょん走り回る姿や、しっぽが無いまんまるの見た目は、多くのネコ好きを魅了させてくれる猫種と言えますよね。

ですがマンクス特有の特徴があるということは、その分遺伝性の疾患を発症しやすいとも言えるので、無責任な気持ちで飼うことのできないネコとも言えるでしょう。

日本ではなかなか出会う機会の少ないネコちゃんではありますが、機会があれば一度は生で見てみたいと思っている方も多いことかと思います。

たくさんの猫カフェが日本にはありますので、お時間のある方は是非、マンクスの居るお店を探してみてはいかがでしょうか。



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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。

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