1.猫が化粧水のついた手を舐めるのはなぜ?
1-1.香りが気になる
1-2.糖質や油分に反応している
1-3.自分のニオイを付けようとしている
1-4.濡れているのが気になる
2.猫が化粧水を舐めるのは大丈夫?
2-1.猫が舐めても大丈夫かは成分による
2-2.できるだけ舐めさせない
2-3.化粧水以外のものにも注意
3.猫の乾燥肌に化粧水を使うのはOK?
3-1.人間用の化粧水を使うのはNG
3-2.猫用に開発されたものを使う
4.まとめ
猫が化粧水のついた手を舐めるのはなぜ?
化粧水は肌に水分(潤い)を与え、皮脂の分泌を整えてくれる役割があるので、乾燥から皮膚を守ってくれるといった、スキンケアの強い味方でもありますよね。
洗顔の後に化粧水を使用し、乳液や美容液、クリームといった基礎化粧品で整えれば、乾燥を防いでお肌をぷるぷるに保ってくれることでしょう。
しかし、お肌を化粧水で整えたあとに、なぜか愛猫が近づいてきて、余った化粧水を伸ばした手のひらや手の甲を舐めてくるといった、不思議な行動をとる子は多いようです。
猫は一体、化粧水のどんな部分に反応しているというのでしょうか?
◆香りが気になる
猫は鼻が利く動物でもあるので、化粧水の香りに反応して舐める子も居るようです。
化粧水は香りを嗅いでみると、香料を使用している商品はもちろん、香料を使用していない商品も肌に直接つけるものなので、不快になるようなニオイがすることはありませんよね。
基本的に猫はすっぱいニオイ(腐敗臭)がしなければ、食べても平気だと認識しますので、一度でも舐めて危険な思いをしなければ、その香りに味を占めて繰り返し舐めてしまうのかもしれません。
中には天然由来の植物などの香料を使用している商品もあるので、キャットニップやまたたびが好きな猫ちゃんであれば、植物の自然な香りに反応している可能性も高いと言えます。
◆糖質や油分に反応している
化粧水に使用される保湿成分の中に「トレハロース」と呼ばれる成分が含まれていることがありますが、トレハロースとは天然の糖質となります。
甘味料として食品に使用されることも多いので、甘みを感じない猫ではありますが、その成分に反応している可能性も否めません。
また、乾燥を防ぐ「ヒアルロン酸」もムコ多糖類となるので、食品にも使われることからも、猫は本能的に安全だと認識していると考えられます。
化粧水によっては油分も含まれていることもあり、猫にとっては美味しい水分として認識されているのではないでしょうか。
◆自分のニオイを付けようとしている
普段から愛猫とのスキンシップを大切にしている飼い主さんであれば、猫ちゃんは飼い主さんのニオイにも親近感を覚えているはずです。
そのニオイに包まれただけで安心できるといった、嗅覚を刺激するニオイには強い癒し効果がありますよね。
お風呂上りや洗顔後に行う肌のスキンケアは、猫からしてみるといつもの飼い主さんとは違うニオイがついてしまうので、一生懸命舐めて自分のニオイをつけつつ、化粧品のニオイを消そうとしているのかもしれません。
◆濡れているのが気になる
化粧水をつけた後は肌が潤うように、皮膚の水分量が多くなります。
普段あまり水を飲まないことで知られている猫ですが、天邪鬼な一面もあり、飲み水が入った容器の水は飲まないのに、蛇口から滴り落ちる水滴や、洗面器に溜まった水であれば喜んで飲むといった子も少なくはありません。
そのような猫の生態を考えると、化粧水を舐めとるのは猫にとって水分補給の一環なのかもしれませんよね。
また、猫は自分の体に水分が付着することを嫌がるので、飼い主さんが触れたときに、少しでも濡れた感覚があるようであれば、それを嫌がって濡れている飼い主さんを舐めているとも考えられるのではないでしょうか。
猫が化粧水を舐めるのは大丈夫?
化粧水を猫が舐める理由は何となく分かったものの、猫が舐めても安全なのかを知っておきたい飼い主さんは多いことでしょう。
化粧水を敢えて愛猫に与える方は居ないと思いますが、果たして舐めても平気なものなのでしょうか?
◆猫が舐めても大丈夫かは成分による
猫ちゃんが肌についた化粧水を何回か舐める程度であれば、そこまで大きな害はありませんが、その行為が毎日続いているようであれば、早急に止めさせる必要があります。
化粧水は約80%程度が水でできてはいますが、残りの約20%は肌を潤すための成分や、リラックス効果のある香り成分を含んでいることが多く、少量であっても猫の体に蓄積されてしまえば、何かしらの中毒症状が出たとしてもおかしくありません。
化粧水にはアルコールや精油(エッセンシャルオイル)が含まれていることも多いので、体の小さい猫にとってそれらの成分は決して安全とは言い切れないのです。
猫が化粧水を舐めても安全なのか、舐めるとどれぐらい危険なのかといった、専門家による厳密なデータはありませんので、危険な成分が入ってなかったとしても、舐めさせないようにした方が安心できるのではないでしょうか。
◆できるだけ舐めさせない
できるだけ舐めさせないように心掛けていたとしても、いつの間にか忍び寄り、ペロペロと舐めはじめてしまう猫ちゃんは少なくありません。
猫の舌はトゲトゲしていて舐められると刺激があって痛いですが、慕ってくれていることが伝わってくるので、無下にできないといった飼い主さんも多いはずです。
しかし猫は、私たち人間と同じような解毒作用や分解作用を持ち合わせてはいないので、はっきりとしたデータが無いのであれば、より一層注意しておくに越したことはありません。
化粧水を使用したあとは必ず手を洗うなどの工夫をし、化粧水を舐めるといった行為を止めさせるようにしましょう。
◆化粧水以外のものにも注意
化粧水だけでなく乳液や美容液、そしてボディークリームや日焼け止めなどを塗ったあとにも、ニオイを嗅ぎつけて舐めとろうとしてくる猫ちゃんは多く存在します。
とくにクリーム系のスキンケア商品は、油分を多く含んでいることもあり、猫からしてみれば興味をそそられても仕方がないのかもしれません。
しかし、そのようなスキンケア商品も化粧品と同様、猫にとって危険な成分が含まれていることが非常に多く、少量であっても危険が及ぶ可能性があるのです。
皮膚に塗る商品は決して口に入れて良いものではありませんので、使用の際には周囲に愛猫が居ないことを確認し、少しでも危険が及ばないような工夫を心掛けてあげてくださいね。
猫の乾燥肌に化粧水を使うのはOK?
皮膚の保湿に有効な化粧水ですが、もし猫が乾燥肌だったり、皮膚に病気を患っていたりした場合は、保湿のために人間用の化粧水を使用しても良いものなのでしょうか?
◆人間用の化粧水を使うのはNG
猫に人間用の化粧水を使うのは、正直おすすめできません。
確実に害になるといったデータが無いものの、人間の皮膚に使用するように作られている化粧水は、あくまで人間用のものとして様々な成分が含まれているからです。
それに猫の皮膚はとてもデリケートなので、猫に使用してしまうと刺激が強いこともあり、皮膚にも悪影響を及ぼす可能性がありますよね。
皮膚に潤いを与えようと思って使用したとしても、かえって猫の皮膚を傷付けてしまう結果となってしまえば、元も子もないと言えるでしょう。
また、猫は綺麗好きなこともあり、グルーミングを怠らないので、化粧水を使用すればそのまま舐めとってしまうはずです。
舐めることだけが危険なのではなく、皮膚からも水分は吸収されますので、猫にとって有害物質が含まれていれば、それだけで中毒症状を起こす可能性があるので注意が必要となります。
◆猫用に開発されたものを使う
もし、どうしても猫に化粧水を使いたいのであれば、人間用のものを使用するのではなく、猫用(ペット用)に開発された商品を使うようにしましょう。
猫用の化粧品であれば、添加物や猫に危険な精油などが使用されていることがないので、飼い主さんも安心して愛猫に使用できますよね。
猫用の化粧品が欲しいけどどこに売っているか分からないという方は、インターネットで「化粧水」「猫用」などの単語を検索エンジンに入力して探してみてください。
様々な商品がヒットするので、愛猫の皮膚症状に合った商品を選んでみてはいかがでしょうか。
また、動物病院などでも猫用の化粧水を取り扱っていることがあるので、かかりつけの病院に相談してみるのもおすすめです。
まとめ
愛猫に舐められることは飼い主冥利に尽きますが、化粧水などを使用した後に舐められるのは、できることなら遠慮しておきたいものですよね。
人間の肌に使用するように作られている化粧水は、やはり少量であっても猫に舐めさせない方が得策と言えるのではないでしょうか。
ほぼ水分でできている化粧水ではありますが、肌に潤いを与えるために様々な成分が使用されている上に、猫にとって危険な成分が含まれていることも否めません。
安全かそうでないかのはっきりしたデータや報告が現在無いようなので、飼い主さんが責任を持って舐めさせないような対策をすることが大切です。
しかし、どんなに頑張って対策したとしても、ふとした瞬間に舐められてしまう可能性もありますので、できる限り猫に安全な成分が配合された化粧水を使用してみるのも、選択肢の一つとして考慮してみてはいかがでしょうか。
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