自分が使っている香水は大丈夫?猫に与える影響とは

2021.07.26

自分が使っている香水は大丈夫?猫に与える影響とは

香水のほのかな香りは心地よいですよね。 でも、自分が愛用している香水の愛猫へ影響を気にしている飼い主さんもいるのではないでしょうか。 今回は、香水が猫に与える影響や、注意点について詳しくお伝えします。

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【目次】
1.猫の嗅覚は意外とすごい!
2.猫の鼻…いったいどんな役割があるの?
 2-1.その1.“鼻”から情報収集をする
 2-2.その2.それ食べてOK?ニオイを嗅いで安全確認
 2-3.その3.コミュニケーションで使用
3.飼い主さんが使っている香水…猫に影響はあるの?
 3-1.原料が猫の体にはよくない
 3-2.猫の肝臓の解毒機能は…
 3-3.細かいところはいまだ未知数
4.香水を使うときにはどんな点に注意すればいい?
 4-1.香水をかけるときは別室で
 4-2.猫の体に香水をかけない
 4-3.猫が香水を舐めないように
 4-4.しっかり換気をする
 4-5.猫の手が届かないところに保管する
 4-6.家では使わない
 4-7.なるべく使わないようにする
5.香水以外でダメな“香り”はある?
 5-1.アロマ
 5-2.柔軟剤・芳香剤
 5-3.ハンドクリーム、化粧水
6.猫は好きな香りもあれば、イヤな香りもある
7.まとめ

猫の嗅覚は意外とすごい!

見上げる猫

嗅覚の優れた動物と言えば犬を思い浮かべる人も多いかと思います。

確かに、「散歩中にクンクンと地面のニオイを嗅ぐ」「警察犬としてニオイを嗅いで大活躍」など、犬の鼻の良さは世間的にも知られています。

犬種やニオイの種類によって異なりますが、人間の100万倍以上もの嗅覚です。
犬は、「酸臭」に関してはなんと人間の1億倍の感度で嗅ぎ分けることができると言われています。
いろいろなニオイを嗅ぎ分けられる“優れた鼻”の持ち主です。

でも、実は猫だって鼻の能力は優れています。
犬の嗅覚には及びませんが、猫の嗅覚は人間の20万倍以上はあると言われています。


猫の鼻…いったいどんな役割があるの?

猫の嗅覚はどんな役割があるのでしょうか。

◆その1.“鼻”から情報収集をする

人間よりも優れた嗅覚を持つ猫も、視覚はそれほどでもありません。
猫には認識できない色も多く、人間のようにカラフルにはっきり風景が見えていないようです。
普通の視力は0.1~0.2程度とかなり悪く、人間と比べると視力は発達していません。

ただ、猫の動体視力はずば抜けて優れています。
人間が気付かないような小さな動きをするものでも、瞬時に反応ができる猫。
小動物を追いかける能力が優れているのは、動体視力の良さとも深く関係がしていたのですね。

視力がよくない分、猫の日常では優れた嗅覚が活躍します。
視力はイマイチですが、鼻でニオイを嗅いでさまざまな情報源を得ているので、生活に苦労することはありません。

「敵が近づいていないだろうか」
「ここは安全な場所なのだろうか」
「獲物はどこにいるのだろうか」
など、「鼻で記憶した情報」をもとに、鼻でニオイを確認しながら生活しています。

自分のニオイを付けた場所は「自分のテリトリー」と認識し、そしてほかの猫のテリトリー入ってトラブルにならないための確認も“鼻”が大活躍です。

◆その2.それ食べてOK?ニオイを嗅いで安全確認

生きるために大事な“エサ”ですが、食べてはいけないものを食べると命に関わることがあります。
野生の猫の場合、自力で食べ物を調達するため、生命に関わるかどうかは自分の鼻次第です。
鼻でニオイを嗅ぎジャッジし、野性の勘で「食べてもOK」と思えたものだけ食べて生きています。

ペットの猫ちゃんは、飼い主さんから安全なものを食べさせてもらえるかもしれません。
でも、夏場など傷んだエサの場合、クンクン嗅いで食べないこともあります。
飼い主さんがうっかりエサを出したまま傷んだとしても、健康な猫なら自前の嗅覚でお腹を壊すのを予防してくれるでしょう。

ただ、病気などで嗅覚が衰えると、食べ物のニオイが分からなくなり、食欲も落ちると言われています。

◆その3.コミュニケーションで使用

猫は、顔見知りの相手には、鼻を近づけて挨拶のようなしぐさをします。
「鼻チュー」と言われ、猫の可愛らしいしぐさとして知られています。

これは、相手の情報を嗅覚で知り、「私はあなたの敵ではない」「あなたも私の敵ではない」とあいさつ代わりの行動です。

嫌いな相手や知らない相手とは、鼻を近づけてのコミュニケーションはしません。

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飼い主さんが使っている香水…猫に影響はあるの?

香水

お伝えしたように、猫の鼻は優秀です。
そのため、ニオイに関しては、人間よりもかなり敏感です。
飼い主さんが「ちょっと香りづけ」と軽く香らせたつもりでも、猫にとってはきつく感じ「むむっ!これは何のニオイだ!?」ということもあるでしょう。

猫を飼うときには、「香水はよくない」と聞いたことがある人もいるかもしれません。
猫にとって“香水”とは、どんな影響があるのでしょうか。

◆原料が猫の体にはよくない

まず、香水の原料が猫の体にはよくないものと考えられています。

香水の原料は、主に、自然の植物などから採取した「天然香料」、化学化合物から作った「合成香料」の2つに分けられます。

天然香料は、花や葉などの植物から抽出した「精油(エッセンシャルオイル)」という天然成分をもとにしています。
ひとつの花の採取量が決まっている天然香料から作られた香水の場合、価格は高くなるでしょう。

合成香料をもとにした香水は、天然香料の香りに近づけていますが、生産量を増やせるので比較的オトクに買えることが多いです。

天然香料の「精油」が猫の体に影響があると言われています。

◆猫の肝臓の解毒機能は…

猫の解毒作用が衰えていることから、猫に香水がよくないものと考えられています。

人間の肝臓は、口から摂取した有害物質やアルコールを体の外に出す“解毒作用”の働きもします。
アルコールや薬の大量摂取などで肝臓に大きな負担をかけないかぎり、口から摂取した有害物質も毒性を低くしてくれます。

この作用にはグルクロン酸という物質が深く関わっているのですが、猫は解毒機構のひとつとなる「グルクロン酸抱合」があまりできません。
少し難しい話となってしまいましたが、簡単に言うと「猫は植物由来の精油が解毒しづらい体質」ということなのです。

また、精油を希釈するときに用いるアルコールやフェノールなどの化合物も猫の体にとっては解毒が難しいと言われています。

◆細かいところはいまだ未知数

人間と猫の肝臓の解毒作用の違いから、猫には精油などは毒性が強めと考えられています。
しかし、科学的根拠や研究結果により立証できないところもあり、香水が「100%危険」とはっきりとは断定できないようです。

また、ひとまとめに「精油」と言っていますが、なかには毒性があまりないものもあります。
「精油が猫に危険に作用するか」は、科学的に解明されていない部分も多いです。

ただ、肝臓の働きや構造が人間と違うことは確かです。
そのため、「もし毒性の強いものを摂取したら…」と考えると、香水は猫には避けておきたいものと言えるのではないでしょうか。

原料や製造方法もそれぞれ違う香水。
全部が全部、猫にとってリスクあるわけではないですが、飼い主さんが注意してあげた方が安心ですね。


香水を使うときにはどんな点に注意すればいい?

香水を使う女性

香水が猫に影響があるのは、「優れた嗅覚の猫によくない」というよりも、猫の体合わない成分が入っているためです。
そのため、猫を飼っている人が香水を使うなら、なるべく猫に影響がでないような使い方をする必要があります。
どんな点に注意すればいいでしょうか。

◆1.香水をかけるときは別室で

外出のときに香水を使うという人も多いかと思います。
シュッと吹きかけるタイプの香水の場合、手首にシュッと軽くかけたつもりでも、細かい粒子がフワッと広がります。
猫の近くで香水を使うと、猫の体や顔についてしまうかもしれません。
それを猫が毛づくろいで舐めると体内に入ります。
香水を使うときには別の部屋に行きましょう。

また、猫が隣の部屋に行って不在だからと、ふだん猫が過ごす部屋で香水を使うのもよくありません。
香水の成分が床に付き、それを後からやって来た愛猫が舐めてしまうことも考えられます。

「猫がいない部屋」、なおかつ「ふだん猫が入らない部屋」のどちらも満たしていることが大事です。

◆2.猫の体に香水をかけない

香水を猫に直接吹きかけるのはダメです。
「ほんのちょっと」のつもりでも、猫の健康を害する可能性があるので注意しましょう。

◆3.猫が香水を舐めないように

もともと、香水は体につけて香りを楽しむもので、人間はその意味を知っています。
ただ、猫は「香水は舐めちゃいけないのだな」とは知りません。
猫から離れて香水を使っても落ちた水滴が床に落ち、そこを猫が舐める可能性はあります。

また、香水をつけたばかりの飼い主さんの手をペロペロと猫が舐めることで、精油が猫の体内に入るかもしれません。

あらゆる角度から、「猫が精油を舐めないように」と考えて使うようにしましょう。

◆4.しっかり換気をする

嗅覚の強い猫にとって苦手な香りもたくさんあります。
猫が舐めないにしても、漂ってきた香水の香りでストレスにならないように、使った後はしっかり換気しましょう。

◆5.猫の手が届かないところに保管する

猫の近くに香水のボトルを置いておくのもやめましょう。
猫がイタズラをして香水を落とし、その弾みで蓋が取れれば、猫が液体を直接舐めることも考えられます。
舐めた量が多いほど、猫の体にはリスクがあります。
猫がイタズラできないように、香水の保管場所には注意しましょう。

◆6.家では使わない

香水の使用を「外出時だけ」にするなら、家の外に出た後に使うといいでしょう。
猫が舐める心配もなくなります。

◆7.なるべく使わないようにする

これまで香水を頻繁に使っていた人にとって、まったく使わないようにするのは難しいかもしれません。
でも、なるべく使わないようにするのも猫の安全につながります。

また、「香水が猫にリスクがあるかもしれない」と知るだけでも、とても大事なことです。
飼い主さんが意識的になることだけでも、猫へのリスクはかなり減るのではないでしょうか。


香水以外でダメな“香り”はある?

人間がリラックス効果や美容で用いる“香り”は、香水以外にもいくつかあります。

◆アロマ

たとえば「アロマ」です。

アロマは、植物由来の精油が心や体に作用しリラックス効果を高めるものです。
すでに希釈してあり直接肌につける香水と違い、希釈していないアロマはそのままでは使えません。
アロマテラピーを楽しむときには希釈して使いますが、原液のビンの中身を猫が舐めると大変です。

◆柔軟剤・芳香剤

洗濯時に使う柔軟剤、お部屋空間に香りを漂わせる芳香剤にも、天然精油の成分が使われていることがあります。
柔軟剤と言ってもいろいろありますが、香りのきつ過ぎるタイプを使うと、嗅覚の鋭い猫には香りの漂う空間にいること自体辛いかもしれません。

また、芳香剤の場合、液体が入っているものを猫が舐めてしまうと害がある可能性も高いです。
設置場所には注意すべきでしょう。

香水と違い、芳香剤は常に香っている状態です。
香りによっては、猫のストレスにもなるので注意しましょう。

◆ハンドクリーム、化粧水

精油を成分としたハンドクリームや化粧水を塗った箇所を猫が舐めると害となることがあります。


猫は好きな香りもあれば、イヤな香りもある

猫は、人間とニオイの感じ方が異なります。
そのため、人間が「良い香り」「リラックスできる」と思えるものも、ニオイがきつく感じてストレスになるケースも多いです。

猫は、食事に関係する香りはとても喜びます。
キャットフードのニオイが香ってくると、嬉しそうに近づいてくるのではないでしょうか。

逆に、猫が嫌いと言われているのが柑橘系の香りです。

柑橘類の皮に含まれているリモネンやソラレンという成分が猫は分解できずに中毒症状を引き起こすことがあると言われています。
そのため、猫は本能的に柑橘類の香りが苦手なようです。


まとめ

日常的に何気なく使っている香水。
自分の好きな香りに包まれると、リラックスして気分が良いものですよね。

でも、香水の成分が猫にとっては毒のようなリスクがある可能性もあります。
猫の肝臓は人間と違い、有毒なものを摂取したときにうまく解毒できないことも多いです。
また、香りの強いアロマや芳香剤なども、香水と同じように心配な点も多いです。

すべての香水が猫にリスクがあるとは言い切れませんが、猫の安全のためには成分や猫への影響をきちんと理解しておく必要があります。



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中岡 早苗

中岡 早苗

可愛い猫ちゃん達に囲まれながら、猫の知識や暮らしを日々学んでいます。 学んだ情報はどんどんお伝えしていきます。楽しいネコライフをおくりましょう。


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