猫にかまぼこ、OK?NG?猫用かまぼこがおすすめ!注意が必要な食べ物も

2022.01.01

猫にかまぼこ、OK?NG?猫用かまぼこがおすすめ!注意が必要な食べ物も

おせちや麺類の具として食卓に並ぶことも多いかまぼこですが、猫に与えてもよいのでしょうか?魚のすり身からできているかまぼこを欲しがる猫ちゃんは、少なくないと考えられます。魚のすり身自体は、猫が食べても問題はなさそうですが、加工品であるかまぼこはどうなのでしょうか?今回は、猫にかまぼこを与えてよいのかについてまとめるとともに、かまぼこ以外に注意が必要な食べ物もご紹介していきます。

猫はかまぼこを食べても大丈夫?

紅白かまぼこ

まず、猫がかまぼこを食べても大丈夫なのかについて見ていきます。

◆あまり与えない方がよい

結論から言えば、かまぼこは猫にとって、直ちに毒になるものではありませんが、あまり与えない方がよい食べ物です。
かまぼこの原材料は、魚のすり身です。魚のすり身自体は、猫が食べても問題はなさそうです。
しかし、人間用に作られている製品には、塩や砂糖などの調味料が使われています。人がおいしく感じる味付けは、猫にとっては濃すぎるとされています。
過剰な塩分は腎臓に負担をかけたり、高血圧につながったりします。また、水を多く飲むようになり、血液の水分バランスが崩れて心臓病のリスクも高まります。過剰な糖分は、肥満糖尿病の原因となる可能性があります。
猫は、もともと腎臓に負担のかかりやすい動物で、高齢猫では糖尿病を抱えている子がとても多いです。腎臓の機能は、一度失われると回復することはありません。もともと高い腎臓疾患のリスクを高めるようなものは、極力与えない方が無難でしょう。

★かまぼこに含まれる塩分

猫に必要な塩分は、食塩にして1日3g程度が上限と考えられています。このため、一般的なキャットフードでは、塩分は0.3~0.5%です。
一方、食卓に上ることの多い蒸しかまぼこの食塩相当量は100g当たり2.5g、つまり2.5%であり、キャットフードより非常に多いことが分かります。

★消化不良の可能性

練り製品と言われるかまぼこやちくわは、消化に時間がかかると言われています。
健康な子であればあまり問題にならないかもしれませんが、お腹の調子が悪い子や消化機能が低下したシニア猫は、消化不良を起こす可能性があり、注意が必要です。
嘔吐や下痢の症状が現れたら、消化不良を起こしています。

★丸呑みの危険性

猫は、人と異なり、食べ物を「咀嚼」して食べません。つまり、あまり噛まずに、丸のみに近い状態で食べているのです。
このため、かまぼこも丸呑みする可能性があり、喉に詰まらないように注意する必要があります。日頃から、早食いの子は、リスクが高くなります。

★アレルギーのリスク

かまぼこには、つなぎとして卵白や小麦粉などが含まれています。これらは、アレルギーの原因(アレルゲン)となりやすい食品です。他にも、牛乳やエビ・カニ、大豆・落花生、そば、牛乳などのアレルゲンとなりやすい原材料が使われていることがあります。
愛猫がどんな食品にアレルギーを持っているかをあらかじめ知ることは難しく、痒みや被毛のトラブルの原因を調べるとかまぼこだったという例もあるようです。
初めて食べたときに、嘔吐や下痢など消化器官の異常が少しでもあれば、注意が必要です。

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★添加物

かまぼこには、調味料や着色料、保存料などの添加物が使用されています。
添加物がアレルゲンである場合も少なくはなく、愛猫の体質によっては、アレルギー症状を引き起こす可能性があります。

◆かまぼこを与えるなら

それでも、欲しがる愛猫にはあげたくなりますし、お裾分けをして一緒に楽しみたいこともありますね。
人用の製品を与える際には、前項に挙げたようなことに留意して、下記のポイントを守って与えましょう。

□量は猫の一口分だけ
□丸呑みしないように小さく切る
□食べているときに目を離さない
□かまぼこ板を齧らないように注意する

また、頻繁に与えると、味を覚えてねだったり、飼い主さんの隙を狙って食べようとしたりすることがあるため、1ヶ月に1~2回程度に留めておきましょう。
初めて与える場合には、アレルギー症状が出た場合に備えて、かかりつけの動物病院の診察時間内に与えることをおすすめします。

◆猫に人間の食べ物は極力与えない

かまぼこに限らず、人間の食べ物を猫に与えることは、極力避けた方がよいでしょう。
かまぼこと同じく、味が濃く、塩分や糖分の摂りすぎにつながるからです。
さらに、一度与えてしまうと、味を覚えてねだるようになり与えすぎにつながるほか、盗み食いなどから誤飲事故を引き起こす可能性もあります。
猫にとって有害でないものであっても、ごく少量を、たまに与える程度に留めておきましょう。


猫には猫用のかまぼこを与える

猫にかまぼこを食べさせたいときには、猫用のかまぼこがおすすめです。
日本では、ペットフードに関する基準があまり厳しくないため、逆に良くないとする意見もありますが、少なくとも塩分など調味料の摂りすぎを避けることはできるでしょう。

◆さまざまな商品が販売されている

猫用のかまぼこと聞くと、「そんな商品があるの?」と疑問に思う飼い主さんもいるかもしれません。
しかし、現在は、かまぼこを使った様々な商品が販売されています。
「カニ風味」や「マグロ風味」など味の種類も豊富で、減塩タイプもあります。食べやすくスライスされた「干しかま」タイプが一般的です。
また、2021年11月22日「わんわんにゃんにゃんの日」に、山地蒲鉾(香川県観音寺市)から、犬猫のためのすり身100%のかまぼこケーキが発売されました。
原材料には、スケソウダラやイトヨリダイ、タラなど、人用の製品に使用されているすり身を100%使用しています。製菓用の着色料で、まるでケーキそのものの形に仕上げられていて、とてもプリティ。大きさも手のひらサイズで、ちょこっと与えるのにピッタリです。
ケーキのほか、骨型や魚型の小さなかまぼこも同時発売されており、ワンちゃん、猫ちゃんのオヤツにおすすめです。
お魚が大好きで、かまぼこを欲しがる猫ちゃんに、特別な日のおやつとしてあげてみてはいかがでしょうか?

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◆おやつの与えすぎには注意する

猫は、総合栄養食と新鮮な水を与えていれば、必要な栄養を摂ることができます。
このため、おやつを与える量には注意が必要です。おやつを与えすぎると、それだけでお腹が張ったり、おやつばかりを欲しがったりして、必要な総合栄養食を十分に食べなくなる可能性があります。
すべてのおやつの合計が、1日に必要なカロリーの1~2割以内になるように調節しましょう。


かまぼこ以外に注意が必要な食べ物

ここでは、かまぼこに似ている食べ物で、注意が必要なものについてご紹介します。

◆ちくわ

ちくわも、魚介加工品として、かまぼこと同じく食卓に登場することの多い食品です。
一般的な焼きちくわの場合、含まれる食塩相当量は2.1g、つまり2.1%で、キャットフードに含まれる量よりはるかに多いことが分かります。
また、弾力を増す目的で使用されるでんぷんにも注意が必要です。安価な商品では、加工物である「加工でんぷん」という添加物が使用されています。日本の食品安全委員会の調査で、適切な使用であれば安全性に対する懸念はないとされていますが、EUでは、加工に用いられる化学薬品によっては発がんの危険性があることを指摘する声もあります。
使用される化学薬品の量に対する制限もないため、体の小さな猫に与えるのは避けた方がよいでしょう。

◆カニカマ

カニカマは、「カニ風味のかまぼこ」です。つまり、かまぼこを猫に与えない方がよいように、カニカマも猫に与えるには注意が必要な食品です。
塩分過多のリスクのほか、カニ風味を出すために使われるカニやエビのエキス、卵などによるアレルギーのリスクもあります。
また、注意したいのは、包装しているビニールです。カニカマは通常、筒状の薄いビニールで覆われていて、うっかり出しっぱなしにしておいたカニカマをイタズラしているうちに、包装ごと食べてしまう恐れがあります。うんちと一緒に排出されればよいのですが、喉に詰まったり、腸に詰まって腸閉塞になったり、命に関わる事態になる可能性があります。
気道に詰まらせて苦しそうにしている場合には、すみやかに気道を確保して、すぐに獣医師さんに連絡してください。誤飲したビニールが見えず、時間が経過している場合も、その後の対応を獣医師さんに相談しましょう。

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猫とかまぼこのコラボレーション「にゃんかま」

猫が食べられるかまぼこではありませんが、なんとも可愛く、猫好きさんなら一度は食べてみたいと思いそうな商品があります。
それが、「にゃんかま」です。にゃんかまは、生地蒲鉾(富山県黒部市)が発売している猫の肉球をかたどったかまぼこです。
富山ならではの「細工蒲鉾」の伝統技術から作られたもので、ふにふにと触りたくなる形と柔らかさが特徴です。中にはクリームチーズが入っていて、一口噛むと口の中にチーズの風味が広がります。おやつやおつまみにピッタリですね。
箱も、猫をモチーフにした特製のもの。お子さんや猫好きさんへのプチギフトやお土産にも、おすすめです。


まとめ

魚のすり身が原料であるかまぼこが好きな猫ちゃんは、少なくないでしょう。独特の弾力がある食感が好きな子もいるようです。
しかし、人間用の製品には、塩や糖などの調味料や、様々な添加物が使用されています。過剰な塩分は、腎臓への負担を増し、高血圧や心臓病を引き起こすリスクがあります。また、過剰な糖分は、肥満や糖尿病の原因となる可能性があります。
かまぼこを欲しがる猫ちゃんに、人用の製品を与えるなら、一口程度の量を細かく切ったものを月に1~2回与える程度に留めておきましょう。
かまぼこ好きの猫ちゃんのおやつには、かまぼこを使っている猫用オヤツをあげるようにした方が、安心です。様々な商品が販売されているので、愛猫の好みのおやつを見つけてあげて、楽しいおやつタイムを過ごしてくださいね。



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SHINO

SHINO

保護犬1頭と保護猫3匹が「同居人」。一番の関心事は、犬猫のことという「わんにゃんバカ」。健康に長生きしてもらって、一緒に楽しく暮らしたいと思っています。


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