おしりを上げる猫の心理は何？その仕草に隠された4つの理由とは

猫がおしりを上げる理由は？

猫を見ていると、私たち人間の常識とはかけ離れた行動をとることがありますが、その中に「おしりを上げる」といった行為がありますよね。

私たちの日常生活の中ではあまりない行動ですが、猫がどんな意味を込めておしりを上げるのか、すごく興味が湧きませんか？

飼い主に対して愛猫がおしりを向け、おしりを上げるような仕草をするときには、どんな心理が隠されているのでしょうか。

◆信頼の証

まず、猫が飼い主に対しておしりを向けるという行為は、信頼の証となります。

おしりは猫にとって急所(体の中の弱い部分)となるので、危機管理能力の優れている猫は敵におしりを向けることはありません。

たくさんの神経が集まった箇所を飼い主さんに向けるということは、攻撃される危険性が無い相手と認識している証拠です。

信用していない相手に自らおしりを向けることはないので、愛猫がおしりを向けてくれるようであれば、その分愛情で返してあげましょう。

◆挨拶している

おしりを向けながら上げるようなしぐさを見せてくれるときは、挨拶をしている可能性があります。

猫同士の挨拶の中には、相手におしりを向けてニオイを嗅いでもらうという方法があり、親しい間柄でなければこの挨拶は行われないことがほとんどです。

親しい相手であっても優劣がはっきりしている場合は、弱い立場の猫が強い立場の猫に、おしりを向けるのが猫界のルールですので、飼い主さんにおしりを向けて挨拶しているのであれば、しっかり飼い主さんを慕っている証拠とも言えるでしょう。

◆発情期

発情期を迎えるシーズンになると、その特徴としておしりを高く上げるポーズをとる子が居ます。

この行動はと呼ばれ、発情期を迎えた避妊手術を受けていないメス猫に見られる行動となりますが、感覚的刺激に対し脊柱を背屈させる動作となります。

おしりを高く持ち上げる動作は、オス猫を受け入れる態勢となるので、大きな声で鳴いたりロードシスを行ったりする様子が見られる場合は、発情期を迎えたと思って良いでしょう。

◆撫でてほしい

撫でられることが好きな猫ちゃんのほとんどは、背中からおしりにかけて撫でられる際に、どんどんおしりが上がっていき、もっと撫でてほしいアピールをしてくる子が多く居るようです。

おしりはグルーミングの際に自分で舐めることができない上に、しっぽの付け根には神経が集中しているので、普段刺激を受ける機会が少ない場所と言えますよね。

神経が集中している場所を撫でられて、気持ち良いと感じるのは少し不思議な気もしますが、触れられる機会がないからこそ敏感に反応し、その感覚を特別と感じているのかもしれません。

猫のおしりの触り方

愛猫が何かしらの感情を持って、おしりを上げるといった行為を飼い主さんの前でしてきた場合、その後飼い主さんはどのようにして気持ちを返すべきか悩んでしまいますよね。

触ってあげたくてもしっぽの付け根部分には神経が集中していますし、敏感な場所だからこそ飼い主側も慎重にならざるを得ません。

猫がおしりを触って欲しいとアピールしてきた場合には、どのように触ってあげれば喜んでくれるのでしょうか。

◆そっと触る

猫がおしりを向けてきたのであれば、飼い主さんに触ってほしいと思っている証拠ですが、強めに触ってしまえば猫はびっくりして怒ってしまうことでしょう。

自分で触ってほしいとお願いしているくせに、触り方や力加減が気に入らなければ不機嫌になってしまうのは、なんとも自分勝手な気がしますが、その反応こそが猫らしいとも言えますし、そんな猫だから好きという方も多いはすです。

猫の機嫌が悪くならないようにするためには、そっと触ってあげることが一番です。

体のつくりが華奢な猫は、私たちが思っている以上に敏感ですし、優しい力加減で触っているつもりであっても、猫にとっては強すぎると感じることがあるかもしれません。

まずはそっとおしりを撫でるように触り、どれぐらいの力加減が好みなのかを探ってあげましょう。

そっと触ったあとにまだおねだりしてくるのであれば、少しずつ力を入れるなどをして、調整してあげてください。

◆しっぽの付け根をやさしくトントン

しっぽの付け根にはたくさんの神経があり、これらの神経は後ろ足を動かす際や、排便のコントロールをする際に重要な役割を担っています。

神経が敏感に反応した際に、猫には刺激として伝達されますので、おしりを上げてアピールし続けた場合や、もっと触ってと催促し続けてくるのであれば、しっぽの付け根を集中的にトントンしてあげましょう。

やさしくトントンした後に、しっぽをピーンと立てて背中をゾクゾクとさせているのであれば、気持ち良いと感じている証拠です。

また、しっぽの付け根にはフェロモンを出す分泌腺があり、猫はこのニオイを出す分泌腺を触られると喜ぶ傾向にあるとも言われています。

分泌腺は猫の顔にもありますので、アゴや頭を撫でられると喜ぶのは、この分泌腺の影響によるものと言われているようです。

しっぽの付け根をトントンされた際の刺激は、メス猫が生殖行為(交尾)で得られる刺激に似ているとの見解もあります。

おしりを上げる行為をするのはメス猫に多いと言われてはいますが、オス猫でも喜ぶ子はもちろん居ますので、喜ぶ猫に対しては望み通りにしてあげたいと考える飼い主さんは多いことでしょう。

●あわせて読みたい

>>【腰トントン】猫のおしりや腰をトントン。これって猫は気持ちいいの？<<

猫のおしりを触るときの注意点

愛猫がおしりを向けて、触ってほしいとおねだりしてくるのは、飼い主さんにとってもとても喜ばしいことではありますが、触る際に力加減や触り方を注意しなくてはいけないので、ほかにも何か注意する点があるのかも気になるところですよね。

猫に不快な思いをさせないためにも、おしりを触る際にはどんなことを心掛けておく必要があるのでしょうか。

◆突然触らない

愛猫が飼い主さんにおしりを上げてみせる機会が多く、触られることが好きだからといって、突然おしりを触るのはご法度です。

猫にもちゃんと気持ちや気分がありますし、何よりも触ってほしいと思ったときには、自分からおしりを向けてアピールしてきますので、突然触る必要なんてありませんよね。

背中などを撫でてあげているついでに、おしり付近を優しく撫でる程度であれば問題ありませんが、いきなりおしりにだけスポットを当てて、触ることは避けるようにしましょう。

◆強い力で叩かない

おしりを触る際には、力加減がとても重要となってきます。

しっぽの付け根に神経が通っているということは、敏感に反応しやすいということなので、その刺激を気持ち良いと思う子が居れば、くすぐったいと思う子も居るでしょうし、痛いと感じる子が居ても不思議ではありません。

個体によって気持ちよさの感覚は異なりますし、あまり強い力で叩いてしまうと不快感が増すだけの猫ちゃんは多いはずです。

敏感な場所ということを触る際には再認識し、喜んでくれる力加減を心掛けて触れるようにしてあげてください。

◆長くやりすぎない

最初は気持ち良かったとしても、長々としつこく触られ続けてしまうと、気持ち良いものもただただ不快な気持ちになってしまうことはよくあります。

何事も適度が大切ですので、長くやりすぎないように心掛けておくことも大切です。

おしりを触ってリラックスしている様子であれば問題ありませんが、しっぽを下げて腰が引けるような動作をしたり、しっぽを横に振り出したりしてきたら、「そろそろ止めて」のサインとなります。

それでも続けてしまった場合はストレスが溜まる上に、表情もこわばって引っ掻くことや噛んでくることもあるので、飼い主さんが怪我をしないためにもほどほどで止めることが一番です。

◆おしりを触られるのが苦手な子もいる

おしりを触られるのを喜ぶのはメス猫が多いとお伝えしましたが、すべてのメス猫がおしりを触られて喜ぶわけではありません。

メスでもおしりを触られて嫌がる子はもちろん居ますし、オス猫でも触ってほしいと要求してくる子ももちろん居ます。

好みは猫それぞれですし、すべての猫たちが同じ感覚を持ち合わせていることはないので、おしりを向けてくる子やおしりを上げる子以外には、敢えて触ってあげる必要はないでしょう。

大切なのはその子の性格を熟知し、何が好きで何が嫌いかを理解しておくことです。

嫌がることを続けてしまえば、どんどん嫌われてしまうだけですので、愛猫の気持ちを尊重して望み通りに応えてあげるようにしましょう。

まとめ

おしりを飼い主さんに向けてくる子や、上げるといった動作をしてくる子は案外多いです。

一瞬おしりを向けられると、「嫌われているのかな？」といった気持ちになってしまいますが、この行動は好意的な意味が込められているので、気持ちを返してあげたいと思う方も多いことでしょう。

その気持ちに応える方法として一番効率的なのが、おしりを撫でてあげることではありますが、力加減などの個体差が大きく出るので、一番喜ぶ方法で触ってあげたいものですよね。

日頃から愛猫がどうすれば喜ぶのか、どうしたら嫌がるのかをしっかりと観察し、喜んでもらえるような撫で方を習得してみてはいかがでしょうか。

–　おすすめ記事　–