1.猫も歯みがきが必要?
1-1.猫のお口の環境事情
1-2.猫も気を付けたい歯周病
1-3.若いうちからチャレンジしよう!
1-4.歯ブラシだとハードルが高い猫ちゃんにおすすめ猫用歯磨きシート
1-5.歯みがきの王道「猫用歯ブラシ」
1-6.歯みがきの強力な助っ人「猫用歯磨き粉と歯磨き剤」
1-7.おいしいオーラルケアなら猫用の歯磨きおやつ
2.猫の歯みがきにおすすめな「歯磨きシート」
2-1.歯ブラシよりも簡単に歯みがきができる
3.歯磨きシートを使用した歯みがき方法
3-1.指にシートをしっかりと巻き付ける
3-2.歯を1本ずつ優しくなでる
3-3.歯磨きシートで歯みがきができたら
3-4.歯磨きシートを使うときの注意
3-5.無理やり行わない
3-6.歯みがきはどのくらいの頻度でする?
4.猫の歯みがきが難しい時は
4-1.まずは顔を触るところから
4-2.歯磨きおやつを使って
4-3.歯磨きおもちゃ(歯磨きtoy)も上手に利用
5.まとめ
猫も歯みがきが必要?
猫に歯みがきって必要なの?そんな疑問が浮かんでいませんか?
結論からいうと猫ちゃんに「歯みがきは必要」です。
特に奥歯には歯垢や歯石がつきやすく、悪化させると歯周病になる危険性もあります。歯が抜けてしまったり、炎症で食べ物が食べられなくなって体力が落ちてしまうのです。
猫ちゃんの健康のために、歯みがきは大事な習慣にしてほしいことなのです。
◆猫のお口の環境事情
お口のトラブルの「虫歯」は、主食にキャットフードを食べていて、甘い食べ物を与えていない猫ちゃんならリスクは高くありません。
虫歯になりやすい甘い食べ物を食べていないなら、面倒な歯みがきなんて必要ないと思ってしまいますね。しかしながら、歯垢や歯石はキャットフードを食べていても付着してしまいます。
本来猫は肉食です。
生のお肉を引きちぎりながら食べていると、歯の表面についた汚れが取れやすいのです。
また、生のお肉は飲み込むスタイルで食べているため、噛む回数も少なめで食べ物が口の中に残って汚れが付着することも少ないといえます。
しかし、キャットフードは固形で小さく、水分を含むと柔らかくなりやすい性質を持っています。キャットフードはほぼ丸飲みする確率が高いものの、咀嚼することもあり噛むことで細かな食べかすがでます。
キャットフードは、生のお肉に比べると食べカスが残りやすく、歯の表面をこすって汚れをとることがありません。栄養面では大変優れた食品なのですが、食べかすが口の中に残ると歯垢や歯石になり、口内のトラブル歯周病(歯肉炎や歯周炎など)の原因になってしまうのです。
◆猫も気を付けたい歯周病
猫ちゃんの口臭がする、よだれがひどいなどの様子が見られたら、歯周病かもしれません。
歯周病の初期は、痛みもなく進行します。しかし症状が進行してしまうと、歯肉炎や歯周炎といった炎症を起こし最終的に歯を失ってしまうのです。
歯周病は、痛みで食事が食べられなくなったり、歯を失うことで食べられるものが限られてしまったり健康に悪影響のある怖い病気なのです。
最初はゲル状の食べかすだった柔らかな歯垢が固まって歯石になってしまうと、飼い主さんのお手入れでは完全に取れなくなってしまい獣医さんのお世話になることに。
そうなってしまうと、全身麻酔をかけて手術で歯石を除去することになってしまいます。
猫ちゃんにとって全身麻酔は身体に負担がかかりますし、保険に入っていても予防に分類されてしまい保険適用外だったりする場合もあり費用もばかになりません。
歯みがきで歯垢をためない、できてしまった歯垢を取り除くことが歯周病の予防にとって欠かせません。
◆若いうちからチャレンジしよう!
米国獣医歯科学会(American Veterinary Dental Association)では、70%の猫ちゃんは3歳までに「歯周病」を発症するという研究結果が報告されています。この研究結果からも、できるだけ早い段階から歯みがきをすることが望ましいのです。
猫ちゃんの歯みがきについて必要とわかっているものの、口の中を触ることを嫌がる習性があります。猫ちゃんが大人になってから「いざ歯みがきをしよう」とすると、猫ちゃんも飼い主さんも大変というケースが多いです。
歯みがきは、子猫のうちから習慣にしておくのがベスト。乳歯から永久歯が生え代わる、生後4ヶ月から半年頃までに慣らしておきたいですね。
とはいえ、薬を飲ませるために口を開けようとしても、ものすごい抵抗をされた経験を持つ飼い主さんは少なくないはずです。まして、歯みがきとなったら一瞬口を開けるでは済みません。猫ちゃんとの格闘になる予感がしてきませんか?
格闘しなくてすむように、猫ちゃんの歯みがきにおすすめのアイテムや使い方についてご紹介します。
猫ちゃんの歯みがきアイテムもたくさんあります。
歯ブラシ、歯みがきジェル、歯磨きシートが代表的なアイテムです。
◆歯ブラシだとハードルが高い猫ちゃんにおすすめ猫用歯磨きシート
猫用歯磨きシートは、指に巻いて使うシートタイプの歯みがきアイテムです。
シートには、猫ちゃんの好きなフレーバーの歯磨き剤が染み込ませてあるものが主流になっています。
◆歯みがきの王道「猫用歯ブラシ」
一般的なのはブラシタイプで、ヘッドの小さい猫専用歯ブラシがあります。
歯みがきに慣れた猫ちゃんなら、大きさ毛の柔らかさなど好みのものを小児用歯ブラシで代用することもできます。ブラシタイプ以外にも、歯の上を転がして使うローラータイプ、柔らかいスポンジタイプなど選択肢はたくさんあります。
ブラッシング中に遊びのスイッチが入って、玩具のように扱う猫ちゃんもいるので歯ブラシも飼い主さんが楽しい雰囲気で遊びのように動かして慣らすのもいいかもしれません。ただし、本気で遊びすぎ注意ですね。
◆歯みがきの強力な助っ人「猫用歯磨き粉と歯磨き剤」
人のように、歯ブラシとセットで歯磨き粉や歯磨き剤という必要はありませんが、歯みがきが好きになってくれるように、猫ちゃんが好きなフレーバーが配合されているものもあります。猫ちゃんの口腔環境に合った配合がされている歯磨き粉や歯磨き剤ですので、必ず「猫専用」と表記されているのものを選んで使いましょう。
歯みがきが苦手な猫ちゃんのために、飲み水に混ぜて使う液状歯磨き剤や少々難易度がありますが口の中に散布するスプレータイプなどもあります。おすすめのポイントは、歯みがきの後すすがなくてよいものが主流ということ。こちらも念のために、すすぐ必要がないかどうか購入前に確認しておきましょう。
◆おいしいオーラルケアなら猫用の歯磨きおやつ
飼い主さんにとっておそらくもっとも簡単で、猫ちゃんにとっても嬉しいオーラルケアの方法が歯磨きおやつでしょう。しっかり噛ませるようにできていて、歯垢を除去できる素材や形状になっています。
おやつに取り入れてみるのもいい方法です。
猫の歯みがきにおすすめな「歯磨きシート」
歯ブラシだとハードルが高い猫ちゃんにおすすめの歯磨きシートについてご紹介します。なんといっても手軽に使えることが大きなポイントです。
◆歯ブラシよりも簡単に歯みがきができる
歯みがき初心者の猫ちゃんや、歯ブラシ嫌いの猫ちゃんのオーラルケアにおすすめなのは歯磨きシートです。直接指で歯肉や歯に触れるので扱いが簡単で、歯ブラシのように向きを変えたりうっかり口内を突っついてしまうなどのトラブルの心配もありません。
スキンシップの延長で、先ずはオーラルケアに慣れてもらうために利用されています。歯磨きシートひとつでOKというお手軽さが嬉しいですね。歯磨きシートは歯ブラシより手軽に歯みがきができるアイテムなのです。
歯磨きシートには、シート状のものだけではなく指サックの形状をした歯磨きシートや指サック歯ブラシといった、飼い主さんがオーラルケアをしやすいように開発されたアイテムもあります。
歯磨きシートを使用した歯みがき方法
いきなり歯ブラシで磨くのは難しい猫ちゃん、歯みがき初心者の猫ちゃんには少しずつ時間をかけて慣らすことが必要です。歯みがきが嫌だと刷り込んでしまわないように気をつけてあげましょう。
それでは、歯磨きシートを使用した歯みがきの方法をご紹介しましょう。
◆指にシートをしっかりと巻き付ける
歯磨きシートの使い方で一番重要なのは、しっかり指に巻くことです。
猫ちゃんがあまり抵抗なく歯磨きシートでの歯みがきをさせてくれるのは、飼い主さんの指に違和感を感じていないからです。シートを隙間なく指にしっかり巻き付け、ゆるみがない状態で歯みがきをしましょう。
シートがゆるんできたら必ず巻き直してください。口の中でシートがほぐれてしまうと猫ちゃんにとっては不快ですし、条件反射でごっくんと飲み込んでしまう危険があります。
◆歯を1本ずつ優しくなでる
シートを使う反対の手で猫ちゃんを動かないように支えておきます。猫ちゃんの顔の向きは、飼い主さんと真正面ではなく横か同じ方向を向くように後ろ向きで抱っこするのがいいでしょう。
飼い主さんの真剣な眼差しは、正面を向いて目があう猫ちゃんに不安感を与えてしまうこともあります。歯の状態や口の中をしっかり確認して磨きたいのは山々ですが、猫ちゃんに不安や嫌な記憶を残さないような体勢が望ましいですね。
シートを巻きつけた指で、食べ残ったフードや汚れを優しくなぜるように1本1本拭き取っていきます。歯石が付いていない段階なら、人の歯みがきのようにガシガシする必要はありません。
◆歯磨きシートで歯みがきができたら
猫ちゃんは、飼い主さんが褒めてくれるのがよくわかります。歯みがきが終わったら大げさなくらい猫ちゃんを褒めて(おだてて)あげましょう。歯みがきの後にご褒美をあげるのも効果的「歯ブラシ=いいこと」と覚えて貰えばストレスが減ります。
◆歯磨きシートを使うときの注意
歯磨きシートを使うとき、指にしっかり巻くとお話しました。後ひとつ、猫ちゃんの様子(そろそろ嫌がりそうなど)を観察しながら使ってください。うっかり猫ちゃんに指を噛まれないように気をつけてくださいね。
◆無理やり行わない
ネコちゃんがシートを嫌がるときは、猫ちゃんの好きなフレーバーの歯磨き剤のジェルなどをつけてみましょう。抵抗感を和らげてくれます。まずは焦らず、歯の裏まで磨かせてくれなくても無理強いするのは逆効果です。第一歩は表側の部分を拭き取るようにして、徐々に範囲を広げ慣れるまで待ちましょう。
◆歯みがきはどのくらいの頻度でする?
食べたものが歯に歯垢になって付着して、歯垢になり歯石になるのは一週間以内です。
一度歯石になってしまうと、歯みがきでは取り除くことができなくなってしまうため、歯石になる前に除去することが重要です。
そのため歯みがきは、食後にとまではいいませんができれば毎日するのがベストです。毎日が無理なら2日に一度か3日に一度はケアしてあげましょう。
猫の歯みがきが難しい時は
猫ちゃんが嫌がったら「無理じいしない」「中断する」ことが大事です。
◆まずは顔を触るところから
最初はスキンシップで首をなぜる延長で、表面から口の周辺をマッサージしてみましょう。口の周辺に触って上から歯の部分を触わることに慣れてきたら、唇とめくって口が開くように試していきましょう。
指に猫ちゃんの好きなフレーバーの歯磨き剤や、おやつのジェルなどをつけて興味を引くといいでしょう。猫ちゃんが口に指を入れても大丈夫になったら、少しずつ指を口の奥まで入れて歯の外側からなぞってみましょう。そして歯や歯ぐきを触ることができるようになったら、歯磨きシートを指に巻いて使ってみましょう。
◆歯磨きおやつを使って
どうしても口の中を触らせてもらえない、そんな猫ちゃんにはできることから始めましょう。簡単ですぐできる神アイテムが歯磨きおやつです。おいしいおやつでオーラルケアができるというスグレモノ、おやつを噛むことで歯の汚れを除去してくれるようにできています。
この歯磨きおやつは猫ちゃんにあげるときにコツがあります。あげたまま放置しては効果があがりません。飼い主さんが手に持ったまま、猫ちゃんが長い間噛めるようにするのがポイントです。
特に奥歯のケアは、横からおやつが口に入るように角度や位置を調整してみましょう。味やフレーバーもたくさんあり、猫ちゃんの喜ぶものを選んでおいしくオーラルケアができます。
ただ、与えすぎると体重が増えてしまう心配があるので、猫ちゃんにとっての適正量はしっかり守りましょう。
◆歯磨きおもちゃ(歯磨きtoy)も上手に利用
歯磨きおやつと同様に、どうしても歯磨きが嫌いな猫ちゃんにお試ししてみてはというのが歯磨きおもちゃです。猫ちゃんがおもちゃに噛み付いたときに、歯の表面をお掃除してくれる素材で作られています。ヘチマや繭玉といった天然素材のものや、マイクロファイバーといった最新技術素材まで様々です。
飼い主さんと猫ちゃんが楽しく遊べて、オーラルケアもできる一石二鳥の歯磨きおもちゃ。猫ちゃんにとっても、飼い主さんにとっても、ストレス解消や運動不足解消にもなりますね。
ただし、激しく遊んでしまうとちぎれて欠片を誤飲する危険もあります。強度のしっかりしたおもちゃを選ぶ、遊ぶ前に確認してメンテナンスや買い替えなどの対応をしてあげましょう。
まとめ
猫ちゃんの歯みがきの必要性をご紹介しました。
初心者猫ちゃんにも使いやすい歯磨きシートはおすすめです。歯みがきに慣れるために、ご紹介したアイテムの中にある猫ちゃん専用の歯磨き粉や歯磨き剤を付けて使ってみてもいいでしょう。
歯みがきをしっかりしていても、なんだか口臭が気になったり、よだれがひどいといった様子があるときは何かしら口腔トラブルを抱えている可能性もあります。獣医師さんに相談してみましょう。
歯石の除去手術の他にも汚れた歯の状況によっては、必要なケアをしてもらえる動物病院もあります。口腔トラブルの適切な処置をしてもらうと安心です。また、歯みがきのコツを実演してもらったり、アドバイスしてもらうなどお願いしてみてもいいですね。
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