猫がじっと見つめてくるのはどんな気持ち?知っておきたい理由と対応

2022.03.19

猫がじっと見つめてくるのはどんな気持ち?知っておきたい理由と対応

猫ちゃんがキャットツリーの上からや、飼い主さんの足元でじーっと見つめてくることがよくありませんか?じーっと見つめてくると「なぁに?」と猫ちゃんに聞いてみたくなりますね。なぜ見つめてくるのか、見つめてくる理由と猫ちゃんの気持ち、飼い主さんの対応について解説します。

猫がじーっと見つめてくる理由は?

見つめてくる猫

飼い主さんにとって、猫ちゃんがじーっと見つめてくる姿はかわいくてたまりませんね。おしゃべり好きな猫ちゃんもいますが、飼い猫の場合あまり声をださない猫ちゃんも結構います。飼い主さんのいうことをある程度わかっている猫ちゃん。
一方、飼い主さんは猫ちゃんの鳴き声で判断できるパターンは少ないため、猫ちゃんはなにかを飼い主さんに伝えたくて見つめてくるのではないでしょうか。
なぜ猫ちゃんがじーっと見つめてくるのか、いくつかのケースをご紹介します。猫ちゃんの気持ちを理解しておくことで、よりよい関係を築くきっかけになるかもしれません。

見つめてくる猫ちゃんにどう応じたら良いかもお話します。

◆飼い主さんの様子を観察

猫ちゃんは、飼い主さんの行動を観察していることがあります。単純に飼い主さんが何をしているのか気にしていることもあれば、飼い主さんの手元にある新聞や裁縫道具、編み棒など動くものに興味を持っていることもあります。

新聞をぐしゃぐしゃにしたり、編み棒や針に誘われて手を出すこともありますね。かわいい瞳で見つめてくるとつい見つめ返してみたくなりますが、じっと見つめ返さず好きなだけ観察をさせてあげましょう。

猫ちゃんが見つめてくるとき、飼い主さんが見つめ返す行為については後ほどご説明します。

◆おねだりをしている

見つめてくる理由で一番飼い主さんにとってわかりやすいのは、何かをおねだりしているときではないでしょうか。お皿の前に座り込んでいたり、ご飯の保管場所の前でじっと見つめてくることもあります。遊んでほしいとき、お気に入りの玩具の前で見つめてくることも。要求するものが明確な場合は、飼い主さんも対応がしやすいですね。

◆不満やヤキモチをやいている

おねだりもそうですが、飼い主さんに不満がある場合もじっと見つめてくることがあります。トイレの砂が掃除されていなかったり、新入り君が来て自分より注目されていてヤキモチをやいているなど、猫ちゃんにとってストレスがある状態の時見つめてくることがあります。

要求するものの場所やアイテムに関係なくじっと見つめてくる時は、いつも習慣にしているのに今日はしていないことがないかも確認してみましょう。
猫ちゃんには、時間や習慣にとても厳しい子がいます。朝起きる時間やごはんの時間、飼い主さんの外出時間や帰宅時間など、時間厳守でルールを守って生活しているかのような猫ちゃん。
規則正しい猫ちゃんにとっては、イレギュラーな出来事は受け入れられないことがあります。いつもと違うことはストレスになり見つめてくることがあるのです。

◆警戒している

基本的に新しいものが嫌いで、家具などの配置が変わることも好まない猫ちゃんもいます。新しいおもちゃを買っても、全く無視されてしまった経験のある方も多いのではないでしょうか。警戒心が強い猫ちゃんは、知らない人の訪問も神経を尖らせてしまいます。

あまり人見知りしない猫ちゃんでも大きな音を出す車やサイレン、玄関のチャイムには反応することがあります。高い場所や隠れるように見つめてくるときは、何かを警戒している確率が高いでしょう。

いたずらをして飼い主さんにひどく叱られたときも、飼い主さんの怒りの静まるまで警戒していることがあります。耳が後ろに向いて伏せてしまっているときは、怖がっているので落ち着くのを待ったほうがいいかもしれません。優しく声をかけて緊張をほぐしてあげてください。

何かを警戒しているときは気持ちが高ぶっていることもありますので、撫ぜてあげようと不用意に手を出したりするとびっくりさせてしまうことがあります。優しく声をかけて緊張をほぐしてあげて、驚かせないようにしてあげましょう。


猫が見つめてきたらどうする?

じっと見つめてくる猫ちゃんを飼い主さんが見つめ返す行為についてご説明します。まず、猫ちゃんの習性をご紹介しますね。

猫ちゃん同士でじーっと見つめ合うのは、お互いを威嚇しているサインです。にらみ合いからうなり合いになり、やがてケンカに発展します。一番最初にガンの飛ばし合いをするのは、人間のガチなケンカのパターンに似ているかもしれないですね。

もともと猫ちゃんは平和主義で、力関係がはっきりしているときは無駄な争いはしません。目があっても、目をそらして「敵意はない」ことを相手に知らせます。
じーっと見つめている猫ちゃんが緊張状態や臨戦態勢にある場合は、飼い主さんといえど長い間見つめ返してしまうと「敵意あり」と勘違いされてしまいます。

かわいい猫ちゃんが見つめてくるのに、見つめ返さないではいられないのが人情ですがアイコンタクトは猫ちゃんに飼い主さんの愛情表現と受け取ってもらえないのです。

視線をそらすのが敵意のないことを証明する手段です。でもそらしてばかりでは、かわいい猫ちゃんの様子が脇見でしか見られなくなってしまいます。ちょっと残念ではないでしょうか。

では、猫ちゃんが見つめてきたらどうしたらいいのでしょう?ポイントをお話します。

◆長く見つめ返すことは避ける

猫ちゃんが見つめてくるときは、長く目を合わせないことが望ましいのですが「かわいい様子を見ていたい」という誘惑には勝てないですね。

そんなときはゆっくり「まばたき」をしてみましょう。猫ちゃんが対象を見つめながらまばたきするのは、リラックスしている状態です。親猫と子猫の愛情表現に、まばたきがあることがわかっています。
信頼できない相手なら視線を一瞬でもそらすことはできません。信頼しているからこそできる仕草なのです。ゆっくりしたまばたきは、猫ちゃんにとって「愛情表現」。猫ちゃんにまばたきで愛情表現をしてみましょう。また猫ちゃんが飼い主さんにまばたきの仕草をしていたら、こちらからもまばたきで返してあげましょう。

◆猫の要求をくみ取る

猫ちゃんが見つめてくる理由でご説明した「要求」「不満」は、対応できるものは応えてあげましょう。忙しいときに「構ってほしい」と要求されていると、ついつい後回しにしてしまいがちですね。
でも猫ちゃんはほんの数秒撫ぜてあげたり、抱っこしてあげると満足することもあります。長く撫ぜたり抱っこがだめな猫ちゃんも多いですから、ほんのちょっと手を止めて相手をしてあげられないでしょうか。

トイレの掃除やお水を変えてという要求は、できるだけその場で応じてあげましょう。トイレは我慢していることがあり、粗相の原因にもなります。またお水は十分に飲まないと泌尿器系の病気の原因になってしまうこともあります。

お腹が空いたときの要求は、猫ちゃんの体重の適量を工夫して与えてみましょう。日に2回が一般的ですが、決まった時間まで我慢してガツガツ食べると吐きやすい子もいます。適量を与えると同時に、フードの大きさ、回数を柔軟に調整してあげましょう。


猫が何もない所を見つめている

猫ちゃんが誰もいない部屋のほうや、壁などをじーっと見つめていることがありませんか?同じ視線の先を見てもなにもない(ハズ)ということが結構多いのです。

◆優秀な聴覚と嗅覚が備わっている

猫ちゃんの聴覚と嗅覚は、人間より数倍もしかしたら数十倍優れていると言われています。野生のハンターの能力として、獲物を見つけるための聴覚や嗅覚は退化していないのでしょう。いつもと違う音や匂いから危険を察知する能力にも優れています。

帰宅する家族の足音や車の音を聞き分けて、誰よりも早く玄関でお迎えする猫ちゃんもいます。いつもと違う場所へ行って帰宅すると、いつも足元にすり寄ってお迎えしてくれるのに一切近寄ってこないことがありませんか。匂いも敏感に嗅ぎ分けるため、いつもと違う匂いがすると警戒しているのです。
仲良しの兄弟猫ちゃんの片方を動物病院に連れて行って、帰ってきたらお留守番の猫ちゃんがものすごく威嚇して怒って近寄らせないことがあるのも匂いが原因の可能性があります。

◆ホラーな状況ではない?

「まさかなにか見えるの?」とついついホラーな状況を想像してしまいますが、ホラー的な要素があるわけではありません。猫ちゃんに備わっている人間を超えた優れた感覚が理由なのです。

猫ちゃんが何もない空間をじーっと見つめているときは、その方向に人間には聞こえない音がしているか、なにかの匂いが漂っているということが考えられます。または、人間のようにただぼ~っとしているだけということもあるのではないでしょうか。「なにか怖いものを見えているの?」と怖がらなくても大丈夫ですよ。


まとめ

猫ちゃんが飼い主さんをじーっと見つめてくる理由についてお話しました。

・飼い主さんにおねだりなどの要求があるとき
・不満や嫉妬などを訴えているとき
・警戒しているとき

そんな猫ちゃんの視線に対して、ゆっくりまばたきして愛情表現をすることをおすすめしました。猫ちゃんからの視線(要求や訴え)には、ケースに応じて対処してくださいね。

また、猫ちゃんがじーっと見つめてくるからといって、長い間見つめ返してしまうとと「敵意」があると勘違いされることがありますのでご注意くださいね。猫ちゃんの気持ちを汲み取ってより良い関係を築いてください。



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にゃんこ

にゃんこ

長年一緒に暮らした長女猫(17歳)と長男猫(11歳)を看取り、今は脱走癖のある次男猫とちょっとどんくさい次女猫と暮らしています。


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