1.猫に水菜を与えても良い?
1-1.水菜に含まれる主な成分
1-2.期待できる効果は?
1-3.アレルギー
1-4.猫に水菜を与えるデメリット
猫に水菜を与えても良い?
旬な時期でなくとも、一年中スーパーなどで安価に入手できる水菜は、味の主張もそこまで強くないので、さまざまな料理に取り入れている方も多いのではないでしょうか。
生でも加熱しても食べられる上に、水分量も多いので、猫に与えても問題ないと考える方が居ても不思議ではありません。
猫は野菜や植物を消化するのが苦手な動物と言われていますが、現代を生きる猫たちは時代に上手く順応して進化してきていますので、少量であれば水菜を与えても大丈夫です。
そのような背景には雑食である人間とともに生活をしてきたことや、キャットフードの質の向上などが関係しているとも言えるでしょう。
もちろん何の知識もないまま、人間の食べ物を好きなように猫に与えることはおすすめできませんが、水菜の成分や効果などを理解し、安全に与えられる自身があるようであれば、愛猫が水菜に興味を示す際に与えてみるのもおすすめです。
◆水菜に含まれる主な成分
水菜は水分量が約90%と多いので、あまり栄養価が高くない野菜と思わることが多いですが、実はたくさんの栄養素が含まれているアブラナ科の野菜となります。
冬が旬の野菜となり、市場に出回っている水菜のほとんどはハウス栽培なので、一年中低価格で入手できる有難い野菜と言えるでしょう。
水分が多いことからも淡色野菜と思われがちですが、β-カロテン(ビタミンA)の含有量が基準を満たしていることもあり、にんじんやほうれん草などと同じ緑黄色野菜に分類されます。
色がそこまで濃くない野菜だからと、そこまで栄養価を気にせず摂取していた方にとっては、嬉しい情報となるのではないでしょうか。
水菜にはβ-カロテン以外にも、ビタミンCや葉酸といったビタミン類、カリウムやカルシウム、鉄やリンなどのミネラル類、食物繊維などが含まれているようです。
◆期待できる効果は?
ビタミンAに変換されるβ-カロテンとビタミンCが合わさることにより、相乗効果が生まれるので、強い抗酸化作用が期待でき、免疫力が上がると言われています。
ビタミン特有の効果となる、皮膚の粘膜を健康に保つ働きもしてくれますし、造血作用のある葉酸や鉄分は貧血予防にも効果を発揮してくれることでしょう。
ミネラルの中でもカルシウムはとくに不足がちと言われていますので、この成分を効率よく摂取できれば、骨や歯の形成を手助けし、精神を安定させる働きをしてくれます。
ほかにも腸内環境を整え毛玉を排出させてくれる食物繊維や、水分の含有量も高いことからも、飲水量の少ない猫にぴったりな野菜と言えるでしょう。
◆アレルギー
水菜は猫にも安心して食べさせられる野菜ではありますが、食べ物や花粉のアレルギーを持っている猫ちゃんには、多少の注意が必要となります。
野菜の中でもアブラナ科の植物は、アレルギーを発症する可能性が高く、生のまま水菜を食べた際には体がアレルゲンに反応し、口腔内にできものができたり、痒みがでたりすることがあるので、安易に食べさせてしまうのは危険です。
また、水菜が持つアレルゲンは花粉のアレルゲンの構造と似ており、アレルギー物質に対する抗体となるIgE抗体が反応して、交差反応を起こすことがあるとも言われています。
そのため花粉のアレルギーを持っている猫ちゃんが、水菜を食べることによってさまざまな症状を引き起こす可能性も否めませんので、もともと何かしらのアレルギーを持っている場合は、水菜を与えない方が無難と言えるでしょう。
◆猫に水菜を与えるデメリット
現代の猫たちがいくら時代に順応してきたとしても、体の構造上、野菜をはじめとした植物の消化吸収が得意ではないことに変わりはないので、大量に水菜を与えることはおすすめできません。
消化に必要な酵素を持っていない猫が水菜をたくさん食べてしまえば、消化不良を起こし、かわいらしい猫のお腹に不調を来すことになってしまいますよね。
水分や食物繊維が多いということは、便を柔らかくさせる効果が期待できますが、猫によっては下痢や軟便となり、期待以上の効果が表れてしまう可能性も否めません。
何事もほどほどが一番となりますので、栄養はしっかりと総合栄養食のキャットフードから補給するように心掛け、水菜はフードのトッピングやおやつ程度に留めておくようにしましょう。
水菜の与え方
基本的に水菜は小さじ1杯程度の少量であれば、猫に与えても問題のない野菜となりますので、与えるときは効率よく栄養素を摂取させてあげたいものですよね。
私たちは生で食べたり加熱したりして、クセのない味わいを楽しみますが、猫にはどのようにして与えれば良いのでしょうか。
◆生で与える
水菜には水に溶けやすい成分となるカリウムや、さらに熱にも弱いビタミンCなどが含まれていますので、煮たり加熱したりせず、生で与えるのが理想的です。
ビタミンCは猫自身が体内で合成できるため、猫にはさほど必要な栄養素とは言えませんが、子猫や加齢が進んだ猫の場合は生成が難しいので、水菜から摂取できれば効率が良いと言えるでしょう。
また、水菜に含まれる食物繊維も水に溶けやすい水溶性食物繊維となるので、このようなことからも、猫に与える際にも生で与えるのが一番です。
◆細かくカットする
縦に長い水菜をカットせずに猫に与えてしまえば、喉に詰まらせてしまう危険性もありますので、必ず細かくカットしてから与えるように心掛けてください。
猫は食べ物を噛み千切って飲み込むような食べ方をしますし、事前にカットしておけば嚥下などの不安も軽減できますし、飼い主さん自身も安心して与えられるのではないでしょうか。
◆キャットフードに混ぜる
猫草のように飼い主さんの手から与えるのも良いですが、興味を示さない猫ちゃんに食べさせる場合には、キャットフードに混ぜて与えると良いでしょう。
フードの上にトッピングするというよりも、ドライフードの場合はキブル(粒)と混ぜ合わせるようにし、ウェットフードの場合も軽く混ぜ、食べやすさを重視してあげてください。
水菜を与える時の注意点は?
水菜は栄養面の効果が強く期待できるので、猫にも積極的に与えたい野菜となりますが、その栄養素が猫に悪影響を及ぼす可能性もあるようです。
前述した通りアレルギーを持っている猫ちゃんや、食物繊維・水分含有量の効果により消化不良を起こしてしまうケース、さらに深刻な状態に陥ってしまう恐れもあるため、注意しなくてはいけません。
カリウムやカルシウムなどのミネラル類が豊富なことからも、腎臓を含む泌尿器に問題がある子が水菜を大量に摂取してしまえば、尿石症といった病気を発症してしまうことがあるので、愛猫の健康管理も怠らないようにする必要がありますよね。
また、水菜を含むアブラナ科の野菜には、「ゴイトロゲン」と呼ばれる成分が含まれていますが、この成分はヨウ素の吸収を阻害して、甲状腺ホルモンの分泌に悪影響をもたらします。
甲状腺の病気や問題を抱える猫ちゃんにとっては、危険を冒してまで食べさせるべき食材ではないので、愛猫の安全を第一優先に考え、危険が伴いそうな猫ちゃんには、水菜を与えることは控えるようにしましょう。
体調を崩した場合の対処方法は?
万が一愛猫に水菜を与えて体調を崩した場合には、猫の体に負担をかけないためにも、動物病院を受診して、的確な治療を行ってもらうようにしてください。
水菜が原因だと飼い主さんが分かっているのであれば、様子をみた分だけ時間が無駄になってしまいますので、不安要素を取り除くためにも、獣医師さんに診てもらった方が安心できるのではないでしょうか。
水菜を何時ごろどれぐらい食べ、どのような症状が出たかを冷静に獣医師さんに伝えるようにし、1分1秒でも愛猫に負担をかけないよう心掛けるようにしましょう。
まとめ
普段猫が口にしている総合栄養食のキャットフードは、猫に必要な栄養素がバランスよく配合されているので、元気な猫ちゃんであれば猫用フードを食べるだけで健康維持が可能となります。
敢えて人間の食べ物を与えて栄養を補う必要はありませんが、何かしらの理由で総合栄養食を食べられない猫ちゃんや、老化が進んで栄養が不足しがちな猫ちゃんには、別の方法で足りない栄養素を補ってあげる必要がありますよね。
そのようなときに活用したいのが、栄養豊富な野菜類となります。
とくに水菜は雑味が少なく、猫が食べても特に問題がない野菜と言われているので、様子を見ながら少量与えてみるようにしてください。
危険性の少ない水菜ではありますが、猫ちゃんの中には食べさせると危険が及ぶ子も少なからず存在しますので、そのこともしっかりと踏まえた上で、安全且つ効率的に水菜を食べさせてあげてみてはいかがでしょうか。
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