猫にじゃがいもを与えたい!与える際に注意すべき問題点はあるの?

2022.02.16

猫にじゃがいもを与えたい!与える際に注意すべき問題点はあるの?

昔はお米の代わりとして主食にもなっていたじゃがいもですが、私たち人間の食卓には欠かすことのできない野菜となりますよね。 焼いてもよし、煮てもよし、揚げてもよし、蒸してもよしな上、メインにも脇役にも徹してくれるその仕事ぶりは、日ごろから常備しておきたい野菜ナンバーワンと言えるのではないでしょうか。 子どもからお年寄りまで広く食されているじゃがいもは、猫に食べさせても問題がないのかも知りたいところですよね。 猫にとってじゃがいもは、果たして安全性の高い食べ物と言えるのでしょうか?

猫にじゃがいもを与えても良い?

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じゃがいもは別名「馬鈴薯(ばれいしょ)」とも呼ばれ、「地下の茎」と呼ばれる部分が食用とされており、ナス科ナス属の植物となっています。

じゃがいもとナスが同じ種類の野菜に分類されるのは、なんとも意外な感じがしますが、ナス科の野菜の中にはほかにも、トマトやピーマンなどが存在しています。

その中でもじゃがいもは、キャットフードの原料として使用されていることもあり、猫が食べても安全な野菜と言われているようです。

じゃがいもは一年中収穫され、比較的安価で手に入りやすいことからも、栄養価が高ければキャットフードの代わりとして、愛猫に与えたいと考える方はいらっしゃることでしょう。

普段から口にする機会の多いじゃがいもではありますが、主にどんな成分が含まれているかは以下の通りです。

◆じゃがいもに含まれる主な成分

じゃがいもの主成分は「でんぷん(炭水化物)」となるため、お米や麺類と同じように主食に分類されています。

じゃがいもを食べた後は血糖値がゆっくりと上昇していきますので、穏やかに消化を促してくれることからも、腹持ちが良い食材として重宝されていますよね。

糖質が多く含まれているので、高カロリーなイメージが定着してはいますが、100gあたりのカロリーが170Kcal程度のご飯に対して、じゃがいものカロリーは80kcal程度となりますので、意外と低カロリーであることが分かります。

また、こちらも意外と思われるかもしれませんが、みかんと同じぐらいのビタミンCが含まれており、ほかにもカリウムや食物繊維といった栄養素が含まれている、栄養価の高い野菜と言えるでしょう。

◆期待できる効果は?

猫がじゃがいもを食べることによって期待できる効果は、何といってもカロリーを抑えて、肥満や糖尿病といった生活習慣病を予防できることではないでしょうか。

猫は健康であればビタミンCを肝臓内で合成できますが、病気などで合成できない猫や高齢の猫などは、食事からビタミンCを摂取する必要があります。

本来ビタミンCは熱に弱いですが、じゃがいもに含まれるでんぷん質がビタミンCを守ってくれるので、加熱してもビタミンCが損なわれないことは嬉しいですよね。

豊富なビタミンCは猫の皮膚や被毛を守ってくれますし、塩分を排出させるカリウムが豊富なのも、猫にとっては利点のある食材と言えるでしょう。

◆アレルギー

猫にも人間と同じように食物アレルギーがありますので、じゃがいもに含まれる何かしらの成分に反応し、アレルギー症状が出てしまう可能性があります。

じゃがいもを与えた後に、全身を痒がる様子や、下痢や嘔吐といった症状が出ている場合は、すぐに動物病院を受診するようにしてください。

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◆猫にじゃがいもを与えるデメリット

猫にとって嬉しい栄養素が豊富なじゃがいもではありますが、じゃがいもを与えることによって生じるデメリットも存在します。

じゃがいもから発芽した芽や皮などには、「ソラニン」と呼ばれる有害物質が含まれています。

このソラニンを猫が摂取することにより、下痢や嘔吐といった症状を引き起こし、重症化すれば胃腸炎や腸閉塞を発症させ、意識障害を起こす可能性があるからです。

ソラニンを大量に摂取すれば、最悪の場合死に至るケースもあるので、じゃがいもを扱う際には細心の注意を払わなくてはいけません。

また、ナス科の植物にはメリットとなる健康に良い栄養素が多く含まれていますが、ソラニンとは別のデメリットとなる、有害物質「アルカロイド」が必ず含まれています。

この成分は毒性が強く、殺虫作用がある天然毒素が含まれているので、健康体の猫が摂取する分には大きな影響が出ないと言われていますが、健康状態が著しくない猫が摂取すると、消化の問題を起こすとも言われているようです。

このようなデメリットが少なからず存在することを、しっかりと理解した上で、安全に猫へ与える分には問題ありませんので、上手にじゃがいもを活用されてみてはいかがでしょうか。


じゃがいもの与え方

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じゃがいもはデメリット部分をしっかり理解しておけば、猫に与えても問題のない野菜となりますが、与える際には以下のような点にも注意しておきましょう。

◆加熱する

じゃがいもを口にするときは、私たち人間でも生で食べることはないので、必ず加熱してから猫に与えるようにしてください。

じゃがいもの栄養素は熱に強いので、蒸かすか茹でるかの調理方法がベストと言えるでしょう。

極論を言えば購入してきたばかりのじゃがいもが、猫にとってはもっとも安全な状態となりますので、できれば新鮮なじゃがいもだけを利用するようにし、安心した気持ちでじゃがいもを食べさせてあげましょう。

◆味付けはしない

じゃがいもだけでなく、すべての食べ物に対して言えることではありますが、猫に人間の食べ物を与える際には、味付けがされたものを与えてはいけません。

ポテトチップスやフライドポテトなどはとても美味しいですが、大量の油や調味料が使用されているので、猫の健康を害してしまう可能性が高いからです。

たとえ欲しがっても味が付いているじゃがいもは与えないようにし、熱を加えたプレーンな状態のものだけを与えてあげてください。

◆小さくカットする

じゃがいもは一つがとても大きいので、猫に与える際には一口大に小さくカットしてあげましょう。

ドライフードと一緒に与えたいのであれば、キブル(粒)の大きさに合わせるのがベストです。

◆マッシュにする

歯の弱い猫ちゃんや高齢の猫ちゃん、普段のご飯がウェットフードの猫ちゃんの場合は、じゃがいもをマッシュ(潰す)して、ペースト状にしてから与えるのがおすすめです。

食欲のない猫ちゃんに与えたいときは、鶏や魚を水で煮て出汁をとり、そこにペースト状のじゃがいもを入れて混ぜれば、じゃがいものスープのできあがりです。


皮は与えても良い?

じゃがいもの皮には豊富な栄養素がたくさん含まれていますが、有害物質も同じように含まれているので、猫に与える際にはしっかりと取り除いてから与える方が無難です。

また、皮は消化にも良くないので、肉食の猫が大量に食べてしまうと消化不良を起こす危険性が高くなりますよね。

少しでも危険なリスクを回避するためにも、皮は完全に取り除き、安全な箇所だけ食べさせてあげるようにしてください。


じゃがいもを与える時の注意点は?

じゃがいもが発芽して芽を出している場合には、その箇所とその周辺を取り除いてから調理をする必要があります。

発芽した部分には毒素が含まれており、この毒素は加熱したところで無毒化はしませんので、必ずきれいに取り除いてから調理することを心掛けておきましょう。

そして、調理されたお惣菜などにもじゃがいもはよく使用されていますが、それらも味付けがされている料理となるので、猫がどんなに欲しがったとしても与えてはいけません。


体調を崩した場合の対処方法は?

もし愛猫がじゃがいもを食べて体調を崩した場合、じゃがいものどの成分によって異変が生じたのかは、素人判断ではとても難しいので、症状を悪化させないためにもすぐに動物病院へ連れていってあげてください。

その際には、「いつ」「どのような状態のじゃがいもを」「どれぐらい食べた」「その後どんな症状が現れた」などを、明確に獣医師さんに伝えることにより、早期の治療が可能になるはずです。

健康に良いと思って与えたじゃがいもにより、体長を崩してしまっては本末転倒となりますので、少しでも愛猫の様子が思わしくないのであれば、様子をみるようなことはせずに、早急に動物病院を受診するようにしましょう。


まとめ

じゃがいもは主食として扱われることが多いことから、カロリーが高くあまり猫に与えるべきではない食材のようにも感じますが、意外とカロリーは低く、栄養価も高いので、高齢や食欲の落ちた猫ちゃんにとっては救世主となる食材と言えるのではないでしょうか。

猫にも嬉しい栄養素が豊富に含まれている反面、猫にとって危険な成分も同時に含まれているので、取り扱いの際には細心の注意が必要となります。

もちろんこちらの記事でご紹介させていただいた、与え方や注意点、デメリットを考慮した上で与える分には問題ありませんので、最初は少量から与えるようにし、楽しく食事ができるような工夫をしてあげてください。

また、病気の猫ちゃんの栄養補給目的で、じゃがいもを利用したい場合には、必ず獣医師さんに相談し、どのように与えるべきかを教えてもらうようにしましょう。

素人判断で与えてしまえば、どんなに栄養価の高い食材も効果を発揮してくれませんので、必ず正しい知識を持ってから、安全に与えることを心掛けてあげてくださいね。



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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。


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