1.なぜ猫は噛んでくる?
1-1.狩猟本能によるもの
1-2.八つ当たり
1-3.興奮している
1-4.痛みを感じている
1-5.やめてほしい
1-6.飼い主さんに甘えている
2.猫が噛んでくるのをやめさせるには
2-1.まずは噛んでくる原因を探ろう
2-2.原因を取り除ける場合は取り除く
2-3.獣医さんに相談してみる
3.猫に噛まれた時にはどうする?
3-1.猫が本気で噛んだらどうなる?
3-2.猫に噛まれてうつる「人獣共通感染症」
3-3.傷口を必ず洗う
3-4.傷が深い場合は病院へ
4.まとめ
なぜ猫は噛んでくる?
親愛なる愛猫に突然噛まれたとしたら、その理由が分からず悲しい気持ちになってしまう飼い主さんは多いはずです。
しかし、猫からしてみると何かしらの理由があって、「噛む」という行為をすることにより、気持ちを落ち着かせていると考えられます。
猫が噛んでくる際は、どんな理由のもとそのような行動をとるのでしょうか?
◆狩猟本能によるもの
どんなことにも興味を持ち始める子猫や、好奇心旺盛で元気いっぱいな若い成猫は、常に狩猟本能を発揮し、さまざまなものをおもちゃに見立てて遊びます。
とくに飼い主さんが愛猫と一緒に遊んでいるときには、飼い主さんの手や指が狩猟の対象となることが多く、本能が働いて噛んでくることがあります。
また、狩猟本能とは多少異なりますが、発情期のオス猫はメス猫に対して首元を甘噛みしますので、その行為を止めさせようとすると気分を害して噛まれることもあるようです。
◆八つ当たり
物事に失敗したときや、イライラした気分を発散させたいときなどは、何かに八つ当たりをし、その気持ちを落ち着かせたいと考えることは、人間だけでなく猫も一緒です。
このような行動を「転嫁行動」と呼びますが、心の葛藤が原因となり、発散できない気持ちを無関係なものや人にぶつけてうっぷんを晴らし、平常心を取り戻そうとします。
その転嫁行動の対象が飼い主さんとなってしまえば、突然噛んでくるようなことがあっても不思議ではありませんよね。
転嫁行動は放置しておくと、さまざまな問題行動へと発展していく恐れがありますので、しっかりと原因を追究し、ストレスの元を取り除いてあげましょう。
◆興奮している
室内で暮らしている猫ちゃんであっても、鳥や虫といった窓の外からの刺激や、人や車などの騒音による刺激を受け、興奮状態となってしまうことがよくありますよね。
興奮や警戒心が強くなった際の猫は、その物事に対して集中しているため、邪魔をされたと感じてしまえば、噛むことによって気持ちを仕切り直そうとしている可能性が高いでしょう。
何かしらの理由があって夢中になっているのに、急に邪魔をされるようなことがあれば、私たち人間でも良い気はしませんし、猫が同じような感情を抱くことは自然と言えるのではないでしょうか。
◆痛みを感じている
猫は身体に不調を感じるとじっと動かないようにし、体力回復に努めるといった習性を持つ動物となり、ケガや病気などで痛みを感じている際にも、同じように自然治癒を心掛けます。
痛みを感じているときに、飼い主さんから執拗に様子を見に来られたり、身体を触られたりすれば、それ以上構わないでほしい気持ちから噛むといった行動をとるようです。
言葉で痛みを訴えられない分、噛んでくることは防衛本能が発揮している証拠ですので、早急に動物病院を受診するようにしましょう。
◆やめてほしい
言葉で不満を示せない猫は、何かしらの不満を感じた際に噛むことによって、感情を表現することがあります。
とくに飼い主さんが愛猫を撫でているときに、最初は喜んでいたはずなのに急に態度が変わって、噛んでくることはないでしょうか。
このような行動を「愛撫誘発性攻撃行動」と呼び、猫の特性によく見られる行動として知られています。
噛んでくる以外にも、耳が後方に下がるイカ耳や、瞳孔が開きしっぽをバタバタと大きく動かすような仕草が見られる場合には、やめてほしいサインであることを覚えておきましょう。
◆飼い主さんに甘えている
噛むという行為は人間の私たちからすると、否定的な表現として受け取りますが、猫が甘噛みをしてくる場合は、母猫のおっぱいを吸う「吸い付き行動」の延長となり、猫なりの愛情表現と言われているようです。
離乳が早かった猫の場合はとくに、愛情故に噛んでくる子も居るため、飼い主さんのことを母猫のように慕い、信頼関係が築かれている証拠とも言えるでしょう。
甘えたい感情の延長であっても、力加減ができる子とできない子が居るため、噛む力が強い場合は、飼い主さんが母猫の代わりとなってしつけをし、強く噛んでくることがないような対策をしてあげてください。
猫が噛んでくるのをやめさせるには
猫が噛んでくることをやめさせる場合、飼い主さんのしつけが必要不可欠となりますが、言葉が通じない上に人間とは習性の異なる動物のため、現実的に難しいと考える飼い主さんは多いことでしょう。
どのような対処法を用いて、愛猫に噛んでくることをやめさせれば良いのでしょうか。
◆まずは噛んでくる原因を探ろう
猫が噛んでくることが多々ある場合には、噛むことによって飼い主さんが何かしらの反応を示してくれることを理解し、噛むことで自分の気持ちを伝えようとしている可能性があります。
コミュニケーションの一環として噛んでくる場合は、飼い主さんに構って欲しかったり遊んで欲しかったりがほとんどですが、何かしらの原因によって突然噛んでくるときは、原因を探る必要があると言えるでしょう。
噛んでくることをやめさせるためには、飼い主さん自身が原因を探り、愛猫がどんな気持ちだったのかを考えてみることが一番の近道となります。
◆原因を取り除ける場合は取り除く
飼い主さんとの遊びの延長で噛んでくる際には、猫と距離をとって遊べるようなおもちゃに切り替えるなどをし、興奮している場合には、邪魔をしないで見守ることを心掛けてください。
転嫁行動で噛んでくるようであれば、イライラやストレスの原因を取り除き、穏やかな気持ちで生活できるような環境づくりも大切となってきます。
そしてケガや病気といった体調不良による噛みつきは、かなり深刻な状態であることのサインとなりますので、早急に動物病院を受診するようにしましょう。
◆獣医さんに相談してみる
原因を探って対処を試みても、愛猫が噛んでくる場合には、一人で問題を抱え込むのではなく、獣医師さんに相談してみてはいかがでしょうか。
動物に関する知識が豊富な獣医師さんであれば、自分では考えられなかったようなアドバイスを頂ける可能性がありますよね。
かかりつけの動物病院がある場合は、愛猫の性格や体質なども把握してくれているはずですので、まずは愛猫の健康状態を確認してもらいましょう。
猫に噛まれた時にはどうする?
愛猫に噛まれるということは、痛みもそうですが、やはりショックな気持ちが大きく出てしまうはずです。
しかし、噛まれた瞬間に叱ったり叩いたりしても、猫には逆効果になってしまうことが多いため、そのような対処法はおすすめできません。
猫に噛まれた場合、どのようにして対処すれば効果的なのでしょうか。
◆猫が本気で噛んだらどうなる?
人間よりも体が小さい猫であっても、肉食動物であるため噛む力はとても強く、本気で噛まれれば皮膚に穴があき、そこから出血していきます。
傷口から細菌が侵入し、炎症を起こせば大きく腫れあがり、痛みが伴って自然に治すことは難しいでしょう。
このようなことからも、普段から「噛むと痛い」ことを教えるために、どんな力加減であっても噛まれた瞬間に大きな声で、「痛い!」と表現することを心掛けてください。
猫は大きな音を嫌がりますし、大好きな飼い主さんが普段出さないような声を出せば、噛むという行為がしてはいけないことだと、徐々に理解してくれるはずです。
学習能力が高い猫だからこその対策とも言えますので、根気よく続けていくようにしましょう。
◆猫に噛まれてうつる「人獣共通感染症」
猫と一緒に暮らしている以上猫から人間に感染する、「人獣共通感染症(ズーノーシス)」も視野に入れておかなければいけません。
その中でも猫に引っ掻かれたり噛まれたりした後に発病する「猫ひっかき病」は、猫に寄生するノミが媒介者となり、どの猫でも保有する可能性が高い細菌となるため、注意が必要と言えるでしょう。
猫自身に病原性のない菌ではありますが、人間に感染すれば微熱や倦怠感が長く続き、リンパ節や関節に痛みを伴いますので、生後間もない赤ちゃんやお子さん、免疫の落ちた高齢者の方はとくに気をつけなくてはいけません。
◆傷口を必ず洗う
猫に噛まれたらまず、細菌を押し出すようにして傷口をしっかりと洗い流し、出血している場合にはその場所をガーゼなどで止血し、消毒するようにしましょう。
傷が軽度であったとしても、自身の体調に変化がないか毎日確認し、様子を見るようにしてください。
◆傷が深い場合は病院へ
愛猫に噛まれた傷が深い場合は、猫ひっかき病以外の感染症を患う可能性も高いため、自然治癒を試みるよりは、早急に病院を受診し、適切な治療を行ってもらいましょう。
深い傷を放置したままにしてしまうと、細菌やウイルスが体内にどんどん侵入していくこともあり、さまざまな影響を人体へともたらします。
とくに痛みが伴う場合は、体が危険だと悲鳴をあげている証拠ですので、我慢をせずすぐに病院を受診するようにしましょう。
まとめ
愛猫が噛んでくると、嫌われているのかと不安になってしまいますが、猫がどんな気持ちで噛んでいるのかを改めて考えてみると、不満な気持ちだけでなく愛情表現で噛んでしまうこともあるようです。
そう考えると微笑ましい気もしますが、力加減を知らない猫ちゃんの場合には、人獣共通感染症の危険を伴うため、やはり噛まれないような対策を、普段から心掛けておくべきと言えますよね。
日頃から愛猫の行動をよく観察し、どんなときに噛んでくる傾向があるのかを見極め、噛まれないような生活環境を整えて、お互いストレスフリーな生活を心掛けてみてはいかがでしょうか。
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