1.ミルクボランティアとは
2.ミルクボランティアの流れ
2-1.動物指導センターで収容
2-2.ミルクボランティア期間
2-3.動物指導センターへ返還
2-4.新たな飼い主さんへ譲渡
3.ミルクボランティアはどんなことをするの?
3-1.ミルクをあげる
3-2.排泄補助
3-3.健康管理・成長記録
3-4.人間・社会への順化
4.ミルクボランティアに参加するためには
4-1.市内、近郊に住み、ペット可能な住居であること
4-2.適正な飼育環境であること
4-3.終日お世話が可能であること
4-4.ペット同伴の場合、ペットの感染予防をしていること
4-5.ミルクボランティア期間終了後、保護施設に返還いただくこと
ミルクボランティアとは
ミルクボランティアとは、施設に保護された子猫を一時的に自宅へ引き取り、哺乳・お世話する活動のこと。
子猫の中でも、生まれたばかりの生後間もない子猫や、離乳前の子猫を対象とし、哺乳期の期間が過ぎたら再び保護施設に返します。
子猫の頃から人間の温かい環境で育つことで、人見知りをせず、人間に対して警戒心を持たなくなることから、新しい飼い主さんのもとへ譲渡されやすくなります。
ミルクボランティアの流れ
全国の保護施設に収容される子猫の数は多く、きめ細かな飼育管理が必要となるため、施設の職員だけでは子猫の飼育を細部まで臨機応変に対応できないのが現状です。
そんな時、ミルクボランティアに参加してくれる方が、子猫を一定期間お世話することで、飼育管理が行き届きます。
ここでは、実際にミルクボランティアに参加する流れについてご紹介します。
◆動物指導センターで収容
全国の保護施設、動物指導センターで犬や猫が収容されます。
動物指導センターとは、人と動物が共存できる豊かな社会を目指し、動物愛護や動物福祉の啓発活動、動物の正しい飼い方・接し方の啓発活動など、人と動物においてのさまざまな事業を行っています。
◆ミルクボランティア期間
収容された子猫のうち、哺乳が必要な子猫(生後1週間~1ヵ月ほど)を約1~2カ月の期間、哺乳期が終わる頃までお世話します。
◆動物指導センターへ返還
哺乳期間を終え、一定期間のお世話が終わったら動物指導センターへ返します。
お世話をした子猫とお別れするのは少し寂しいですが、人間の温もりを感じながら育った子猫のほとんどは、人見知りをせず、譲渡されやすくなるのです。
◆新たな飼い主さんへ譲渡
哺乳期を終えた子猫は、再び動物指導センターに戻り、新しい飼い主さんを探します。
ミルクボランティアの取り組みは、新しい飼い主さんのもとへ命を繋ぐ、とても大切な活動といえます。
ミルクボランティアはどんなことをするの?
では、ミルクボランティアとは具体的にどんなことをしていくのでしょうか? 対象となる子猫は生後間もない赤ちゃんのため、ミルクをあげるのは必須です。 子猫は、自分で上手く排泄することができないので、おしりを刺激して排泄を促します。 子猫の健康状態を管理するのもミルクボランティアの役割です。 特に体重の増減は健康管理の指標となります。毎日同じ時間帯に体重測定を行いましょう。 スキンシップを通して人間に慣れさせます。 子猫のうちから人間に触れ合うことで、安心感やリラックスできることを覚え、落ち着ける環境や場所があることを知ってもらいましょう。これは子猫の健康にも繋がります。
ミルクボランティアに参加するには、各地方自治体の要件や選定基準をクリアしていなければなりません。要件は各地方自治体によってさまざまなので、事前に各地方自治体の要件を確認してから、責任を持ってミルクボランティアに参加しましょう。 ペットや動物の飼育が可能な住まいであり、県内や市内、近郊に住んでいることが求められます。集合住宅や賃貸住宅の場合は、動物飼育許可の書面が必要になる場合も。 また、家族や同居人がいる場合は、同居している全員に動物アレルギーがないか、ミルクボランティアの活動に全員が同意しているかどうかを確認しておきましょう。 子猫をお世話する上で、飼育環境が整備されているかどうかは非常に重要になります。 子猫は生後4~13日ほどで、目が徐々に開いていきます。目が開くようになっても、見えるようになるまでに時間がかかるので、強い光にはとても弱いです。直射日光や、スマートフォンなどのライトやカメラのフラッシュ、刺激の強い光は避け、なるべく薄暗い環境でお世話できるようにしましょう。 また、子猫のお世話に最低限必要なミルク、哺乳瓶、ペットシーツ、ヒーターなどの物資は各地方自治体の保護施設より支給されることが多いです。子猫を迎えに行くなどの交通費は自己負担となりますが、お世話に必要な物資は基本的に支給されるので安心ですね! 哺乳が必要な子猫は1日のうちに最低でも4回ミルクをあげる必要があり、また、体調や体にどんな異変があるかわかりません。 犬を飼っている場合は、狂犬病予防に基づく登録と狂犬病予防注射を実施していることが求められます。猫を飼っている場合は、完全室内飼いで、感染性疾患に感染していないことが求められます。
哺乳期を終え、ミルクボランティア期間が終了したら再び保護施設に返します。 ミルクボランティア期間中に気を付けたい子猫の病気として、ウィルスによる風邪の症状や寄生虫感染があります。これらは一般的に母親の猫から病気をもらってきている可能性が高いですが、注意が必要です。 ミルクボランティアに参加するということは、子猫の健康と安全を第一に、保護施設に返還するまでの間は責任を持って管理するということです。 特に哺乳期の間は、誰かの力を借りなければミルクを飲んだり、排泄をすることができません。途中で子猫のお世話を放棄したり、無責任な行為は認められません。 子猫のお世話に必要な最低限の物資は保護施設から支給されますが、その他に必要なものが出てきた時や医療費、交通費などは自己負担になることが多いので、事前に資金を用意しておくと臨機応変に対応できます。 ミルクボランティアの取り組みは、新しい飼い主さんのもとへ命を繋ぐ活動です。身寄りのない猫というだけで、毎日多くの命が失われています。 その小さな命が早期に失われる前に、私たちができる取り組みとして、ミルクボランティアという選択があります。 まだまだ、ミルクボランティアの取り組みが浸透していない自治体もありますが、少しでも興味がある方は、お近くの保護施設や動物指導センターに問い合わせてみましょう。
子猫にミルクをあげる他に、もちろん基本的なお世話をする必要があります。
また、健康状態のチェックなど、動物指導センターに返還するまで責任を持って子猫の面倒を見る必要があります。◆ミルクをあげる
だいたい3~4時間おきに、最低でも1日4回ほどミルクをあげます。
子猫の体重や体調によってミルクを飲む量は変わってきますが、飲む回数が少なく、1日あたりに必要なミルクの量を下回ってしまうと栄養失調の原因となります。
しっかりと子猫の健康管理をしながら、ミルクをあげましょう。◆排泄補助
本来は母猫が子猫のおしりを舐めて排泄を促しますので、その代わりに、ぬるま湯に浸したガーゼやウェットティッシュなどを使って、おしりを軽く刺激してあげます。
この時、子猫のおしりを擦らないように注意しましょう。
生後21日前後からは、だんだんと自力で排泄ができるようになってくるので、トイレの場所を覚えさせてあげましょう。教えなくてもトイレの場所を覚えてくれる猫もいますが、トイレを決まった場所でしてくれるようになると、新しい飼い主さんに譲渡した時、お世話しやすい環境づくりに繋がります。◆健康管理・成長記録
体や被毛が清潔であるか、体調は悪くないか、ミルクをしっかり飲むか、排泄の回数は普段通りか、など毎日観察・計測する中でちょっとした異変にすぐに気づけるようにしましょう。
また、ミルクをあげる前後や排泄の前後など、同じ条件であるのが大切です。キッチン用の計量器で測ると細かい数値まで計測できるのでおすすめです。
ミルクをしっかりと飲み、栄養が吸収されていれば1日あたり5~20gずつ体重が増えていきます。ミルクを飲んだあとに排泄ができたか、日頃から健康管理の記録をしていきましょう。◆人間・社会への順化
もともと猫は警戒心の強い性格なので、恐怖や嫌悪感を覚えると強いストレスを感じて体調を崩してしまうことがあります。
少しずつ成長する子猫に適したスペースを作り、段ボール箱を使ったおうちを作ったり、おもちゃなどで一緒に遊んであげましょう。さまざまな経験をすることで、子猫のうちから人間や環境に慣れやすくなります。
また、人間と触れ合うことや、環境へ順応していくことは、子猫の今後の新しい人生において非常に大切になります。
ミルクボランティアに参加するためには
ここではミルクボランティアに参加するための主な要件をご紹介します。◆市内、近郊に住み、ペット可能な住居であること
ミルクボランティアに参加する以上、必然的に子猫中心の生活になってくるので、家族や同居人の協力は必須です。◆適正な飼育環境であること
衛生面において、子猫を安全かつ健康的にお世話ができる状態に整えておきましょう。◆終日お世話が可能であること
ミルクボランティア期間は、なるべく子猫から目を離さず、お世話をする必要があります。
とはいえ、家からまったく出ないことにもいかないので、長時間の外出は避けながら、なるべく短時間で用事を済ませましょう。比較的家の中で過ごすことができる方、特に専業主婦やリモートワークの方に向いているといえます。◆ペット同伴の場合、ペットの感染予防をしていること
また、必要に応じてワクチン接種を行っているかどうかも求められる自治体もあるので、事前に確認しておきましょう。◆ミルクボランティア期間終了後、保護施設に返還いただくこと
ミルクボランティアに参加する上で当たり前のことですが、生後間もない子猫のお世話をするうちに愛着が湧き、引き渡すのが心苦しくなってしまうことがあります。
しかし、新しい飼い主さんのもとへ安心して譲渡することを目的に行っている活動のため、必ず返還いただくことを前提としています。
子猫の気を付けたい病気
症状として、鼻水やくしゃみがでる回数が多い、目やにが多くてなかなか目を開くことができない、食欲がなく体重が増えない、排泄の際に下痢をする、脱毛の症状があるなど、当てはまるような症状がある場合は、保護施設や近くの動物病院を受診しましょう。
ミルクボランティアに参加する時の注意点
また、ミルクボランティアはボランティア活動の一環として募集しているため、基本的に報酬などは発生しません。
哺乳期の子猫のお世話はかなりの労力が必要なことを十分に理解して、ミルクボランティアに参加することを決めましょう。
まとめ
生まれたばかりの子猫からお世話をするのは少し難易度が高いと感じてしまいますが、各地方自治体では、ミルクボランティアに参加するための講習会や研修会が定期的に開催されるなど、最近ではサポート体制が整っている都道府県が多いです。
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