1.猫にブロッコリーを与えても良い?
1-1.ブロッコリーに含まれる成分
1-2.期待できる効果
1-3.猫に与える際のメリット・デメリット
猫にブロッコリーを与えても良い?
ブロッコリーはアブラナ科アブラナ属の緑黄色野菜で、地中海沿岸原産のケールを起源とし、キャベツの仲間であると言われています。
日本でも身近な野菜であるため、日常的に口にしているといった方も多いことでしょう。
見た目がよく似ているカリフラワーの原種となり、これらの野菜と繋がりがあることからも、栄養価が豊富であることが分かりますよね。
ケールの葉が結球してできたものがキャベツとなり、花の部分がブロッコリーとなります。
野菜の中でも栄養価が高いことで知られているブロッコリーは、アクが少なくほのかな甘みを感じるため、野菜が苦手な方でも食べやすい品種の野菜と言えるでしょう。
くせが少ないからこそ猫に与えても問題がないような気がしますが、結論から言いますとブロッコリーは猫に与えたとしても問題ありません。
与える際にはいくつかの注意点はありますが、安全な野菜でもあるため、まずはブロッコリーの成分や効果を知って、ブロッコリーのポテンシャルの高さを知っていきましょう。
◆ブロッコリーに含まれる成分
私たちが普段口にしているブロッコリーは、茎と蕾(つぼみ)の部分となりますが、この蕾は花の蕾がたくさん集まったものとなり、「花蕾(からい)」と呼ばれています。
欧米では「栄養宝石の冠」と呼ばれることがあるほど、ビタミン類やミネラル類、食物繊維が豊富に含まれているようです。
調理の際に捨ててしまいがちな茎の部分は、花蕾よりも栄養価が高く、特にカロテンやビタミンCが豊富なため、茎まで美味しく食べることをおすすめします。
また、ブロッコリーには天然の化学物質といったファイトケミカルの一種となる、「スルフォラファン」が微量に含まれており、さまざまな効果が期待できるそうです。
◆期待できる効果
ブロッコリーにはレモンの約2倍となるビタミンCが含まれており、風邪予防や発ガン抑制効果といった免疫に関わる効果が期待できます。
皮膚や粘膜を丈夫にし、視力の維持やアンチエイジングなどの働きを促すカロテン、エネルギーの代謝を促すミネラル類、貧血予防の葉酸、整腸効果に働きかける食物繊維など、猫にも嬉しい効果がたくさんありますよね。
そして特定の野菜に含まれていて、有用物質と言われているスルフォラファンは、解毒や抗酸化の際に重要な働きをしてくれる、酵素の生成を促す作用があることによって、体内のあらゆる臓器で活躍が期待できるそうです。
◆猫に与える際のメリット・デメリット
私たちが日常的に美味しく食べているブロッコリーは、猫にとっても毒性のある成分などは含まれていないため、安心して与えることができますが、そもそも猫は肉食動物であることからも、敢えて野菜を食べる必要はありません。
そのことを踏まえた上でメリットを挙げるようであれば、やはりブロッコリー特有の栄養素による効果が、期待できるからと言えるのではないでしょうか。
猫にも期待できる効果が多い分、気を付けなければいけないデメリットももちろん存在します。
不溶性食物繊維が多く含まれているブロッコリーは、過剰摂取すれば便秘になることがありますし、辛み成分である「イソチオシアネート」が、胃を刺激して嘔吐の原因となってしまうことも否めません。
豊富なミネラル類も過剰摂取することにより、尿路結石といった病気を発症させることもあるため、メリットとデメリットを飼い主さんがしっかりと考慮した上で、安全に与える必要があると言えるのではないでしょうか。
ブロッコリーの与え方
愛猫へ安全にブロッコリーを食べてもらうためには、以下のことに注意をして与えるようにしましょう。
◆加熱する
海外ではブロッコリーを生で食べることがあるそうですが、日本では加熱して食べることが一般的となるため、猫に食べさせる際にも必ず、加熱してから与えるようにしましょう。
お湯で茹でる調理法だと茹ですぎや栄養素が逃げてしまう可能性が高いため、蒸し焼きや電子レンジでの調理法がおすすめです。
これらの調理法は生の状態のブロッコリーと、そこまで栄養素に変化がなく、旨味も凝縮されますし、何よりもお湯を沸かすといった手間もかかりません。
調理の前には必ずブロッコリーを水洗いして汚れを落とし、調理後にそのまま食べられるような状態にしておきましょう。
◆与える時の量
加熱したブロッコリーは粗熱を取り、ある程度冷ましてから与える必要がありますが、どれぐらいの分量を与えるべきか、という点も気になるところですよね。
ブロッコリーは加熱をしたとしても、一房が大きいため、猫が食べやすいように細かく切り刻むことも大切です。
ブロッコリーは猫の年齢などによっても、与える分量が変わってくるため、愛猫にはどれぐらいの分量が与えられるかを知っておくと安心ですよね。
子猫の場合は、体が発育途中となり、消化器官なども発達していませんので、敢えて与えない方が無難と言えるでしょう。
健康な成猫の場合は細かく刻んだブロッコリーを、小さじ1杯程度を目安にして与えるようにしてください。
高齢の猫の場合は子猫同様、さまざまな臓器に負担をかける可能性が高いため、与えない方が無難となり、ブロッコリーに含まれる成分である「ゴイトリン」は、甲状腺の機能を低下させる作用があるとも言われています。
年齢的にも高齢の猫は甲状腺の病気に注意したいですし、健康に良いとしても与えないようにしてください。
ブロッコリーのスプラウトは与えても良いの?
ブロッコリーの名前が入った「ブロッコリースプラウト」ですが、ブロッコリーよりも栄養価が高いと注目を集めていますよね。
スルフォラファンの含有量もブロッコリーの約20倍と言われており、豊富な栄養摂取が見込めますが、スルフォラファンは辛み成分となるイソチオシアネートの一種となるため、胃腸を刺激する可能性が高いことからも、与えることは控えておくべきと言えます。
形状が猫草に似ていることからも、興味を示す猫ちゃんは多いかもしれませんが、体長を崩してしまう恐れがあるため、購入後は猫の目の届かない場所で保管するなどをし、興味を示さないような工夫も必要となってくるでしょう。
猫にブロッコリーを与える時の注意点
たくさんの栄養摂取が期待できるブロッコリーではありますが、栄養価が高いからといって必要以上にたくさん与えることはおすすめできません。
猫は元々肉食動物ですし、野菜をはじめとする植物の分解が苦手なため、大量にブロッコリーを食べてしまえば消化不良を起こし、愛猫に辛い思いをさせてしまうことへと繋がります。
ほかにもブロッコリーが原因で、アレルギーを引き起こす可能性もゼロではありませんので、初めて与える際には少量を意識し、食後の経過観察も大切なってきますよね。
また、ブロッコリーはくせの少ない野菜のため、さまざまな料理にも使用する機会が多くなりますが、味付けされたブロッコリーは絶対に与えないようにしてください。
ブロッコリー自体に猫へ対しての毒性がなかったとしても、ほかの食材や調味料などによって中毒症状を引き起こすこともあるため、調理の際には十分に気を付けるようにしましょう。
体調を崩した時の対処法
もし愛猫がブロッコリーを食べて体調を崩した様子が見られた場合には、ブロッコリーのどの成分が作用したかなどは、素人では判断しにくいため、様子をみるようなことはせずに、早急に動物病院を受診してください。
ブロッコリーをどのように調理し、いつどれぐらいの分量を食べて、食後どのような症状が出たのかを細かく獣医師さんに伝えましょう。
ブロッコリーだけでなく、人間の食べ物を猫に与える際には、細心の注意を払う必要があり、与える際には飼い主さんの管理下のもと、与えることを徹底しておくと安心です。
まとめ
ブロッコリーは大変栄養価が高く、日ごろから積極的に食べるべき野菜と言えますが、猫にとっても嬉しい栄養素が豊富なため、興味を示す猫ちゃんには是非食べさせてみたいと考える飼い主さんは多いはずです。
しかし、日常的に総合栄養食を食べて必要な栄養素を補っている猫にとって、ブロッコリーによる栄養摂取は必要がないとも言われています。
効果が期待できるメリットが多い反面、猫が気をつけるべきデメリットも多数存在しているため、愛猫の健康面を守るためにも、敢えて与えないといった選択の方が懸命かもしれません。
健康な猫ちゃんでブロッコリーに興味を示し、食べたがる子であれば毎日与えることは避け、ご褒美的に与えることを心掛けて、加熱したブロッコリーを小さく切り刻み、キャットフードに少量をトッピングするような形で与えてみましょう。
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