1.猫は寒がり?
1-1.筋肉量が少ない
1-2.猫の祖先は砂漠で暮らしていた
1-3.マイペースで我慢をしない
2.猫が寒いときに見せる6つのサイン
2-1.猫の寒いサイン①丸まっている
2-2.猫の寒いサイン②飼い主さんにくっついてくる
2-3.猫の寒いサイン③毛が逆立っている
2-4.猫の寒いサイン⑥水を飲まない
2-5.猫の寒いサイン⑤震えている
2-6.猫の寒いサイン⑥暖房器具から離れない
3.猫の寒いサインに気付いたら
3-1.部屋の温度を適温にする
3-2.病気になっていないか確認する
3-3.きちんと水分補給ができるようにする
4.まとめ
猫は寒がり?
「猫はこたつで丸くなる」と童謡で唄われている通り、猫は寒さに弱いといった認識をされている方は多いのではないでしょうか。
実際に寒い冬を迎えるとストーブの前を陣取り、身体全体があったかくなっている猫を見ると、とても寒さに強い動物だとは思えませんよね。
他にも、猫が寒さに弱いと言われている所以は、以下のような理由が考えられています。
◆筋肉量が少ない
猫は筋肉量が少ない動物と言われており、筋肉量が少ない=体温を生み出す熱源が少ないことから、寒さを感じやすいといった傾向があるようです。
とくに加齢が進むと身体が冷えやすくなる上に、免疫力も下がって病気を発症しやすくなるため、健康体の若い成猫時代に運動する時間を設けたり、高たんぱく質な食事を意識したりして、ある程度の筋肉量を増やしておくことが理想と言えるでしょう。
「猫はこたつで丸くなる」といった歌詞が描かれている童謡の「ゆき」では、寒がりな猫の対比として雪が降り積もる中、喜びながら庭を駈け回る犬が描かれている通り、日常的に散歩をしている犬は筋肉量が多く、猫よりも寒さに強いことがうかがえます。
◆猫の祖先は砂漠で暮らしていた
猫(イエネコ)の祖先は砂漠地帯で暮らしていた「リビアヤマネコ」と言われており、水辺が少なく乾燥していて暑い環境で生活していたことからも、暑さや乾燥に強いと言われています。
厳しい環境で生き抜く術は備わっていましたが、野生時代の名残りが現代の猫たちにも引き継がれているため、四季のある日本で生活をしている猫ちゃんのほとんどは、寒い季節には無駄に動かないようにして、熱が逃げないような工夫をする子は多いようです。
しかし、寒い国で暮らしている猫種の中には、寒さに強い純血種も存在しているため、すべての猫が寒さに弱いとは言い切れないと言えるでしょう。
◆マイペースで我慢をしない
猫が寒さに弱いと言われている所以には、猫の性格も大きく関係しています。
基本的に猫は自由気ままでマイペースな子が多く、我慢をしないため、自分の感情に従順といった傾向が強いようです。
夏の暑い季節には家の中の一番涼しい場所を探して眠りますし、寒い季節には暖かく寝心地の良い場所を探して、熱を逃さないように工夫して眠ります。
いつの間にかストーブの前や、こたつを占領されてしまうことも多く、そんな猫の自由奔放さが寒がりと思われる原因とも言えるでしょう。
猫が寒いときに見せる6つのサイン
猫は寒さに弱いことが分かりましたが、寒いと感じたときにどのような「寒いサイン」を見せてくるのかも気になるところですよね。
寒い季節には愛猫から以下のような寒いサインが出ていないかを確認し、落ち着いてゆっくり眠れるような環境を整えてあげましょう。
◆猫の寒いサイン①丸まっている
やはりもっとも猫の寒いサインとして挙げられるのは、丸まっている姿ではないでしょうか。
手足やしっぽを身体の内側にしまい、体表面積を少なくすることによって、貴重な熱が逃れるのを防ぎます。
とくに飼い主さんの前では無防備な姿をさらし、お腹を見せていたり伸びていたりしながら寝ている子が、丸まって眠っている場合には、寒いサインとして受け取ってあげると良いでしょう。
◆猫の寒いサイン②飼い主さんにくっついてくる
猫は基礎体温が38度前後となり、人間の体温よりも高いことが知られていますが、寒いと感じたときは人間(飼い主さん)の体温を求める傾向があります。
寒い季節に飼い主さんの膝に乗りたがったり、抱っこをせがんだりするときは、人間の熱(体温)で温まろうとしている証拠となり、くっつくことで得られる相乗効果によって、さらなる温かさを求めていると言えるでしょう。
寄り添ってくれる愛猫の姿はとてもかわいらしいですが、その心理が寒いサインだとしたら、その気持ちをしっかりとくみ取ってあげたいものです。
◆猫の寒いサイン③毛が逆立っている
驚いたわけでもなく威嚇をしているわけでもないのに、猫の毛が逆立っているときは、寒いサインを出しているのかもしれません。
猫の被毛は立毛筋(りつもうきん)と呼ばれる、筋組織が収縮することにより逆立ちますが、あえて被毛を逆立てさせて身体の周りに空気の層を作り、保温層を用いて体温を保ちます。
人でいうところのダウンジャケットを着用している状態となるため、寒い季節に愛猫の被毛が逆立っているときは、寒さを感じている証拠と言えるでしょう。
◆猫の寒いサイン⑥水を飲まない
猫はもともとあまり水を飲まない動物として知られ、さらに個体差はありますが、冬のような寒い季節には、さらに飲み水に口を付けない子が多くなります。
寒さによって活動量は少なくなるため、飲水量が減ってしまうのは仕方のないことですが、放っておくと脱水症状や膀胱トラブル、腎臓への負担に繋がってしまう恐れがあるため、できるかぎり食事などで水分を摂取できるように工夫してあげてください。
◆猫の寒いサイン⑤震えている
私たち人間も寒さを感じて震えることがありますが、猫が震えている場合には注意が必要です。
猫は前述してある通り我慢をしない動物となるため、寒いと感じれば自ら暖かい場所を求めて移動しますが、移動せずにブルブルと震えているとしたら、異常事態と言えるでしょう。
震えは寒いサインとは言い切れないため、愛猫の様子をしっかりと観察をして、体調が優れないようでしたらすぐに動物病院を受診するようにしてください。
◆猫の寒いサイン⑥暖房器具から離れない
冬場にはさまざまな暖房器具が活躍しますが、猫は寒さを感じると暖かい場所に移動する傾向があるため、暖房器具のそばから離れないようになります。
猫ちゃんの中には電源が入るタイミングを狙って、暖房器具を占領する子も多く、その姿を見ると「冬がきたな」と感じる飼い主さんも多いのではないでしょうか。
しかし、猫の場合は鼻で温度を感じ取るため、ホットカーペットや床暖房などを利用する際には、低温火傷にも注意をするようにしましょう。
猫の寒いサインに気付いたら
愛猫の寒いサインに気付いたとき、飼い主さんはどのようにして寒さを解消してあげるべきか、悩まれる方も多いのではないでしょうか。
寒いサインの対策方法としては、以下のような対策が有効となります。
◆部屋の温度を適温にする
猫も人間も寒暖差が激しいと体調を崩しやすくなるため、猫ちゃんの居るご家庭では室温を一年通して一定の温度に設定しておくようにしてください。
猫ちゃんの年齢や体調にもよりますが、猫が快適に過ごせる温度は28度前後となり、湿度は50~60%ぐらいが適していると考えられています。
外気を取り入れやすい扉は閉めるようにし、窓には断熱シートを貼る、厚いカーテンを用いるなどをして、防寒対策をしておくこともおすすめです。
愛猫に健康で長生きしてもらうためにも、室内の温度が急激に変化しないように心掛けておきましょう。
◆病気になっていないか確認する
猫の震えは寒いサインに見えて異常事態であることが考えられるため、体調が悪いのか、病気になっていないかの確認も大切です。
体温低下や衰弱による痙攣(けいれん)の可能性も否めませんし、病気によって非常に体調が悪かったり、強い痛みを感じたりしていることも考えられます。
また、ストレスやパニック状態などでも震えることがあるため、普段から愛猫の様子をよく観察するようにし、少しの変化にも気付けるようにしておきましょう。
◆きちんと水分補給ができるようにする
猫は少ない水分量でも効率よくオシッコを凝縮できるため、もともと飲水量が少ない動物として知られています。
とくに寒い季節には冷たい水を避ける傾向が強くなりますが、まったく飲まなくても良いというわけではないため、冬場であってもしっかりと水分補給ができるような工夫をしなくてはいけません。
健康な猫ちゃんの場合、体重1kgにつき50ml前後の水分が必要となるため、水をなかなか飲まないようであれば、食事などから水分補給を促すようにしましょう。
人肌程度に温めたぬるま湯を与えても良いですし、ウェットフードやササミなどを茹でた汁など、愛猫の嗜好を考慮しながら、美味しく水分が摂取できるように努めてあげてください。
まとめ
身体を丸くして眠る姿がかわいらしい猫ではありますが、丸まって眠るのは寒いサインであることも多く、そのほかにも寒いときにはさまざまなサインを見せてくれます。
寒がりといったイメージが定着している通り、寒さが苦手な猫ではありますが、猫と一緒に暮らしている方であれば、寒い季節になればさまざまな工夫をして、寒さ対策に励んでいることでしょう。
室内の温度調節はもちろん、外気を取り込みやすい場所の防寒や、水分をしっかりと補給できているかなどの確認も大切です。
また、震えが出ているときには病気の可能性もあるため、普段から愛猫の様子を観察することを怠らず、すぐに異変に気付いてあげられるようにしておきましょう。
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