猫が季節の変わり目に元気がない原因とは?注意したい病気

2023.06.17

猫が季節の変わり目に元気がない原因とは?注意したい病気

「うちの猫ちゃん、なんだか季節の変わり目になると元気がなくなるような気がする。」そんな風に思われる方もいらっしゃると思います。 実は季節の変わり目になると猫は心身ともに不調になり、身の回りの変化を嫌う動物なのでストレスを感じやすいのです。 多くの猫は気分やストレスの原因のひとつとして、天候の影響を受けています。季節の変わり目が原因の体調不良についてその理由や対処法についてもお話します。

猫が季節の変わり目に元気がない理由

元気のない猫
猫は季節の変わり目で食欲が落ちることがあります。

季節によっても異なりますが、特に春から夏にかけて食欲がなくなるケースが多いようです。 気温と季節が猫の食欲不振につながり、さらに 夏は暑く、夏バテで食欲が落ちることもあります。

夏から秋への季節に体調を崩す猫も少なくありません。秋の初めは真夏のような暑い日もあれば、急に涼しくなる日もあります。 このような寒暖差に合わせた体温を調節ができず、体力が低下し、免疫力も低下しがちです。

それでは季節の変わり目のパターンで元気がない症状についてご紹介します。


【秋冬から春夏】猫の季節の変わり目に起きること

◆日照時間が増えて発情

春が訪れ、日照時間が長くなると、発情期の野良猫は交尾相手を求めて歩き回ります。猫は犬のように定期的に発情することはなく、日照時間の長さに影響されるのが特徴です。

室内飼いの猫は、家の中を歩き回ったりニャーニャー鳴いたり、縄張りを侵されるのではないかとストレスを感じています。雌猫が威圧的になったり、独特の声でニャーと鳴いたりし始めたら、発情しているサインです。

そのため、春になると野良猫を追い払うための暴走や、縄張りアピールのための尿マーキング、心因性脱毛などが増加します。

また、興奮すると人を襲うこともありますので、興奮した猫には近づかないようにしてください。

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◆換毛期で食欲不振になる

冬から春夏の季節の変わり目は、猫も衣替えの時期です。

真冬の寒さに対応した冬毛が、夏毛に生え変わります。この時期の猫は毛づくろいが原因で体調を崩しやすくなります。冬毛はふわふわで固まりやすく、摂取量によっては、毛球を吐く回数が増え、食欲不振や下痢、嘔吐につながることがあります。

毛球を自力で吐き出せればまだいいですが、胃や腸を塞いでしまうと深刻な事態になります。小まめなブラッシングでケアしてあげましょう。

毛球による以外にも年配の猫は、季節の変化とともに隠れた病気を発症することがあります。また、通常は健康な猫でも、食欲不振、下痢、嘔吐などの消化器症状を発症することがあります。

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◆急激な寒暖差による体調不良

猫は寒さに弱く暖房が効いている真冬は問題なく過ごせても、特に3月の気候は注意が必要です。1週間の気温差が激しいため、寒い日に部屋が思った以上に冷えるとストレスを感じる猫もいます。

寒暖差が激しい春は特に「猫インフルエンザ」や「膀胱炎」に注意が必要です。猫が快適に感じる室温は22~24度前後。天気が悪く、室温が著しく低い日は、暖房をつけて調節してください。お留守番の時は、タイマー機能などで快適に過ごさせましょう。

また、真夏に多い熱中症ですが、気温差が激しく「真夏日を観測」する春から夏の時期も注意が必要です。急激な暑さに対応しきれず食欲不振や脱水症状がみられます。

食欲不振や体調が悪そうにしている場合は、毛球、消化器系、気温差によるのトラブルなどを想定して早めに獣医師に診てもらいましょう。

◆人のくしゃみへのストレス

花粉症の人にとって春は憂鬱な季節ですが、大きなくしゃみを怖がる猫もいます。 人間のくしゃみは大きくて爆発音に似ており、猫は嫌いなのです。

場合によっては、猫が怖がってくしゃみをした人を襲うこともあるので、花粉症の時期は猫と距離を置いたほうがいいかもしれません。

花粉症の症状によっては、くしゃみを抑える薬を飲むのも一理あります。猫にとって最大のショックは、抱きしめられてリラックスしているときにくしゃみをすることです。

くしゃみで猫が怖がらないように、マスクをして対策するか、それでもくしゃみが治まらないならば抱っこしたり、近寄ったりしないでください。


【春夏から秋冬】猫の季節の変わり目に起きること

季節の変わり目のネコ

◆寒暖差によるストレスや体調不良

季節の変わり目で朝晩の気温差が激しく、なぜか元気をなくしてしまう猫も多いようです。
夏から秋の季節の変わり目も体調を崩しやすい時期です。

◆食事量の変化に注意

夏から秋にかけての季節の変わり目によく現れる症状は、嘔吐、下痢、食欲不振です。高齢の猫は、この時期に以前は隠れていた病気を発症する可能性があります。

涼しくなってきて食欲旺盛でホッとしていると、夏の暑さで弱った胃腸に負担がかかり、下痢や嘔吐を伴うことがあります。季節の変わり目はスタミナや免疫力が低下し、高齢の猫は隠れた病気を発症したり、持病のある猫は症状が悪化したりします。

涼しさで食欲が増す場合もありますが、夏の暑さで弱った胃腸が働きすぎて下痢や嘔吐を起こすことがありますので注意しましょう。

また、秋の始まりは夏の毛が冬毛に変わる時期です。春先同様、毛づくろいが原因で摂取量によっては毛球を吐く回数が増えますし、食欲不振や下痢、嘔吐につながることがあります。

いつもは病気などしたことがない健康な猫でも、この時期に食欲が落ちてきたり元気がなくなったりする様子なら、できるだけ早く医師の診察を受けることが鉄則です。

室温と湿度を毎日快適に保ち、快適に休める環境を整えましょう。


季節の変わり目に注意したい猫の病気

季節の変わり目に病気になる猫が多い傾向があります。もちろん個体差はありますが、夏から秋、冬へと季節が変わると、猫は泌尿器系の症状が多いのです。

具体的には、季節が夏から秋、冬に変わると、猫は血尿、頻尿、膀胱炎などの下部尿路疾患を発症するケースが増えます。

◆特発性膀胱炎

気温が下がってくると、多くの猫が特発性膀胱炎を患っています。

猫が頻繁にトイレに行くようになり、おしっこはしているのにあまり排尿していないように見える場合は、膀胱感染症である可能性が非常に高いため、すぐに獣医師の診察を受けてください。

膀胱炎に多い特発性膀胱炎の原因はよくわかっていませんが、ストレスが要因の一つと言われています

猫は暑さ寒さに順応できる動物ですが、寒さであまり運動をしたくない猫は水を飲んだりおしっこをしたりすることを控えてしまいがちです。

寒くて動きたくないという小さなストレスが蓄積し、特発性膀胱炎の発症につながる可能性もあります。水分を取らなくなり、尿が少なく膀胱で長い時間留まってしまうことによる感染症や炎症が起こりやすいのです。

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◆下部尿路疾患

下部尿路疾患とは、膀胱から尿道に及ぶ疾患を指します。 下部尿路疾患は、ストレス、食物の質、水分摂取により、膀胱感染症や尿路結石のリスクを高めます。

一般的に確認されている結石は、ストルバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)結石とシュウ酸カルシウム結石の2種類です。

石の成分であるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル量が調整されていない食品や、ミネラル分の多い煮干しなどのおやつを食べている猫は要注意です。

尿路疾患の症状は「血尿」「 頻尿(トイレに頻繁に行く)」「よくトイレに行くけど出ない。」「尿が泡立つ」といった特徴があります。

重症の場合は、嘔吐、嗜眠も症状として現れるのでチェックポイントとして覚えておきましょう。これらの症状に気づいたら、膀胱感染症や尿路結石の可能性が非常に高いです。

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◆毛球症

毛球が排出されずに胃の中にとどまり、胃腸障害(嘔吐や食欲不振)を引き起こしたり、腸管を塞いで腸閉塞を引き起こしたりすると、毛球症として知られています。

うまく排出できず、毛球が体の中にとどまると、お腹の中で毛球が増え続け、食欲や元気を失ってしまいます。 また、腸管に流れ込んでどこかで詰まると、腸閉塞のリスクがあります。

基本的に長毛種の猫(長毛種)は吐きやすい傾向があります。長い髪は短い髪に比べて絡まりやすく、同じ本数でも抜け毛の量が多くなるため、結果として考えられます。

また、換毛期(通常は春や秋などの季節の変わり目前後)は毛の生え方が異なる時期で、毛が抜けやすくなり、毛球が抜けやすくなります。

◆ノミ・ダニ対策

ノミやダニは屋内外のさまざまな場所に生息しています。犬や猫はノミやダニに寄生されやすく、体は密に毛で覆われているため、見つけるのが困難です。知らず知らずのうちにノミやダニが寄生している可能性が高いです。

ペットが頻繁に地面を引っ掻いたりこすったり、毛に黒い鱗ができたり、脱毛したり、発疹や傷がある場合は、ノミやダニがいる可能性があります。

ノミについて

ノミがつかないように「猫を室内で飼っている」と考えている飼い主さんもいるかもしれませんが、ノミが室内に侵入することは珍しいことではありません。

また、外ではノミの成虫や幼虫、卵をよく見かけますし、茂みや草むらに近づくとノミが体に付着し、家の中にノミが持ち込まれることもあります。

ただし、ノミはすぐに猫を襲うわけではありません。ノミは成虫になってから猫に寄生しますが、成虫で存在するノミは全体の5%程度、残りの95%は湿気のある場所では幼虫、卵、蛹として生きていると言われています。

ダニについて

ダニはクモです。ダニは人間にとってアレルギーの原因となることが知られていますが、猫にも悪影響を及ぼします。

ダニには、ダニ、耳ダニ、牛ダニ、疥癬ダニなど、さまざまな種類があります。耳ダニなどは、ペットショップや母猫から感染し周囲に広まってしまうケースもみられます。

ノミやダニの対策

ノミやダニの寄生は、飼い主にさまざまな症状を引き起こす可能性があります。 最も一般的なのは、かゆみ、発疹、アレルギーなどの炎症性皮膚疾患です。これらは、猫に寄生しているノミやダニに刺されることで起こります。

体に付着してしまうとノミやダニが室内に侵入し、住みつきやすくなります。ノミの成虫は猫の体に寄生します。したがって、まだ寄生していない卵、幼虫、蛹を未熟なうちに家から取り除くことが重要です。

定期的に掃除機をかけるなどして部屋を清潔に保ち、ノミやダニが繁殖しにくい環境を作りましょう。掃除機だけでなく、粘着テープを使用することもおすすめします。

部屋の掃除だけでなく、換気や温度・湿度の管理も大切です。また、ノミやダニは熱に弱く、60度以上になると死んでしまいます。したがって、猫の使うシーツやカバー類、毛布などはお湯で洗い、乾燥機で乾燥させると効果があります。

ノミやダニは湿気を好むため、乾燥機がない場合は、直射日光で乾かすのも良いでしょう。この場合は両面をよく乾かしましょう。

ノミやダニに刺されると、人間に重篤な病気を引き起こす可能性があります。ノミ・ダニの除去スプレーなども有効です。しかし室内に散布するタイプは、家具を痛めたり、吸い込んでしまう心配もあります。

ベストな予防法は、獣医師が処方した予防薬を定期的に投与すること。ノミやダニが猫に寄生するのを防げます。

市販の予防薬もありますが副作用が心配ですので、どの薬をいつ投与するかについては、獣医師に相談することをおすすめします。

また猫にノミやダニが付着しているのを見つけた場合は、できるだけ早く獣医師に連れて行きましょう。症状に合った害虫駆除剤を処方してもらい、ノミやダニを駆除しましょう。


まとめ

季節の変わり目で猫の不調を予防するためにできることは、エアコンなどを適切に使い、温度と湿度を快適に保ちましょう。

猫はあまり水を飲まない傾向がありますが、気温が下がって涼しくなると、さらに水を飲む量が少なくなる可能性があります。水分の摂取不足は膀胱炎などが起きやすくなりますので、猫に水を飲むように勧めてください。

食欲不振の猫には、食器を幅の広い、または背の高いボウルで食べやすいようにする、ドライフードをウェットフードに変えてみる。冷たい食べ物を温かい食べ物に変えるなどして、食欲が増進するように工夫うしてみてください。

毎日の食事に少量のおやつやふりかけを加えることもおすすめで、抜け毛を抑え、食欲不振や毛球による下痢・嘔吐の原因を解消する効果があります。

また季節の変わり目は、ノミやダニの繁殖しやすい気温でもあります。もし、持ち込んでしまっても、掃除や洗濯をこまめにして清潔な状態を保ち駆除していきましょう。



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にゃんこ

にゃんこ

長年一緒に暮らした長女猫(17歳)と長男猫(11歳)を看取り、今は脱走癖のある次男猫とちょっとどんくさい次女猫と暮らしています。


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