1.猫に生姜は食べても大丈夫!
4.生姜の与え方
4-1.少量
4-2.すりおろす
4-3.生と加熱どっちの方が良い?
猫に生姜は食べても大丈夫!
「生姜(しょうが)」は私たち人間には欠かすことのできない食材となりますが、ニンニクやネギなどと同様に、薬味として使用する機会が多いため、猫には与えてはいけない食べ物として認識している方は多いはずです。
これらには強い香りと辛みがありますが、ネギ類、ニンニクやユリ科の植物にも含まれている成分を「硫化アリル」と呼び、猫にとって害となります。
それに対し、生姜の辛み成分は主に「ジンゲロール」という成分となり、猫に害となるものではありません。
このほかにも生姜は猫にとって害のある成分は含まれていないため、生姜を猫が食べても問題ないと言えるでしょう。
ただし、生姜は漢方薬にも使われるほどさまざまな効果が期待される、刺激の強い食材となります。
与えすぎてしまうと効果を発揮するどころか、強い刺激によって体調不良を起こしかねないため、食べさせる際には適量を心掛けて与えるようにしてください。
生姜に含まれる成分と期待できる効果
生姜はショウガ科ショウガ属の多年草となっていて、スーパーなどでも1年中購入できる野菜となります。
市場に出回っているのは主に根茎部分となり、独特な形状が目を引きますよね。
生姜の90%は水分となりますが、主な栄養成分は「ビタミン類」「カリウム」「リン」「カルシウム」「マグネシウム」「食物繊維」「マンガン」などとなり、生姜特有の栄養成分が「ジンゲロール」「ショウガオール」「シネオール」「ジンゲロン」となります。
さまざまなビタミン類が含まれているため多少の効果は異なりますが、主に皮膚や粘膜を正常に保つ働きをしてくれる上に、強い抗酸化作用も期待できます。
カルシウムやマグネシウムなどのミネラル類は、骨および歯の成長を手助けして強化し、体内で過剰になっているナトリウム量を排出させてくれるようです。
便通を整えてくれる食物繊維や、骨だけでなく神経を強くするマンガンなど、さまざまな効果が期待できるのも嬉しいですよね。
また、生姜には生姜特有の栄養成分が含まれており、それらの成分は血流を促進する作用や強い殺菌作用が期待でき、老廃物を体外に排出するといった手助けをしつつ、胃腸の調子を整えてくれる働きをしてくれるようです。
生姜はマタタビの代わりにもなる?
生姜は猫に与えても問題のない食べ物であることが分かりましたが、一方で生姜はマタタビの代わりにもなると言われています。
猫ちゃんが大好きなマタタビは、マタタビ科マタタビ属の植物となりますが、生姜とどのような共通点があるのかが気になりますよね。
猫好きの方であれば「猫がマタタビのニオイを嗅いで酔っぱらう」といった、イメージをお持ちかと思いますが、マタタビには「アクチニジン」や「マタタビラクトン」と呼ばれる匂い成分が含まれ、個体差はありますがこの成分によって脳が刺激され、恍惚状態になるといった仕組みです。
生姜の香り成分となっているのが「シネオール」といった成分となりますが、この成分に反応しているのかは定かではないものの、実際に生姜のニオイを嗅いで興奮する猫ちゃんが一定数存在するといった報告がある通り、マタタビと似たような効果が得られると言えるのではないでしょうか。
しかし、マタタビに対してすべての猫ちゃんが反応を示すわけではないですし、生姜に反応する猫ちゃんの方が圧倒的に少ないため、無理やり嗅がせるようなことはやめておくようにしてください。
その反面、生姜に対して強い興味を示す猫ちゃんの場合は、そのまま生姜を大量にかじってしまう恐れもあるため、生姜を扱う際には愛猫の反応を見ながら調理するようにしましょう。
生姜の与え方
生姜に興味を示す猫ちゃんには、さまざまな栄養を摂取できることから、実際に与えてみたいと考える飼い主さんもいらっしゃるはずです。
猫に生姜を与える際には、どのようにして与えれば良いのでしょうか。
◆少量
生姜には強い香りと辛味成分があるので、猫に与える際には少量からを心掛けてください。
たくさんの栄養成分による効果を期待していたとしても、個体によっては少量であっても刺激が強く、下痢や嘔吐の原因になってしまう可能性も否めません。
適量といった分量も猫ちゃんの年齢や体重により異なりますが、ティースプーンの1/6~1/4程度を目安にして、愛猫の様子をしっかりと観察しながら与えるようにしましょう。
◆すりおろす
猫に生姜を与える際には細かく刻んで食べさせるよりも、すりおろした方が与えやすくなります。
すりおろすことによって消化吸収がよくなる上に、フードと混ぜても違和感がなくなるため、手作りのご飯を作ってあげるときにも重宝しますよね。
とくにウェットフードとの相性は抜群となりますので、生姜を与えたいと考えた際には必ず、すりおろしてから与えるようにしてください。
◆生と加熱どっちの方が良い?
生の生姜は強い香りと辛味があるため、生のまま生姜を猫に与えても良いのかが気になるところですよね。
結論から言ってしまえば、猫に生姜を与える際には生でも加熱したものでも、どちらを与えたとしても問題ありません。
もちろん猫ちゃんの個体差があるため、少量を様子見ながら与えることに変わりはありませんが、生姜の辛み成分となるジンゲロールは、加熱するとショウガオールやジンゲロンといった成分に変化するため、どの栄養素を多く猫に与えたいかによって、調理方法を変えてみるのもおすすめです。
血流の促進といった効果を得たい場合は生のまま、身体をあたためたいときには加熱するなど、その時々に合わせて工夫してみましょう。
これからの寒い季節には、以下のようなレシピもおすすめです。
猫ちゃんにとって安全な食材のみで作られている上に、飼い主さんも同じものを飲むことができるため、ホッと一息つきたいときに作ってみてはいかがでしょうか。
猫に生姜を与える際の注意点
猫に生姜を与える際には、すりおろしてから与える、適量を守る以外に注意するべきことはあるのでしょうか?
◆与えすぎない
生姜は猫が食べても問題ない食材ではありますが、独特の香りと辛味といった刺激の強い食材となるため、たくさんの栄養効果を期待して与えすぎてしまうと、かえって体調不良を起こしやすく、下痢や嘔吐などの原因になってしまうことも否めません。
与えるときは必ず少量を基準とし、毎日は与えないようにしてください。
そしてすべての猫ちゃんが生姜に興味を示すわけではないため、生姜の香りを好まない猫ちゃんには、好みを優先して無理に与えないようにしましょう。
◆食物アレルギー
人間の食べ物を猫に与える際にはどのような食材であっても、アレルギー症状が出る可能性を理解しておかなくてはいけません。
基本的に人間の食べ物は猫にとって食べる必要はありませんので、はじめて口にする食材を与える際には、細心の注意を払う必要がありますよね。
生姜もアレルギーを発症させる可能性があることをしっかりと把握し、食べたあとの様子を観察するだけでなく、その後も数日間何かしらの症状が出ていないか観察してあげてください。
アレルギー物質は血流に乗って全身を回るため、症状が出るのに時間がかかる場合があるということを覚えておきましょう。
◆生姜の加工食品は与えない
手軽に使用できる生姜チューブなどは使い勝手が良いですが、食品添加物や防腐剤が含まれているため、猫に与えることはおすすめできません。
生の生姜よりも栄養成分が少ないですし、愛猫の安全を考慮する上でも与えない方が無難です。
また、砂糖を使ったガリに興味を示す猫ちゃんは多いようですが、ガリにもたくさんの添加物が使われていますので、それらの加工品も猫には与えないようにしてください。
まとめ
さまざまな料理に使用されている生姜ではありますが、さわやかな香りと独特の辛味は食欲を刺激し、寒い冬の季節だけでなく夏の暑い季節にも重宝する食材ですよね。
少量であれば猫が食べても問題のない食べ物となりますが、大量に摂取してしまうと体調を崩すリスクも少なからずあるため、興味を示す猫ちゃんの場合のみ、少量を与えてみることをおすすめします。
猫にも嬉しい効果が期待できるとしても、生姜を摂取することによって体調を崩しては元も子もないため、愛猫の好みや体調を考慮した上で与えるべき食材と言えるでしょう。
どんなに栄養価の高い食べ物を与えるにしても、猫ちゃんの健康を損ねないことこそが最優先となるため、日常生活の中で愛猫の好みをしっかりと把握しながら、必要な食材のみを上手に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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