1.猫のブリーダーとは
1-1.ブリーダーの仕事内容
1-2.どんな人が向いている?
2.猫のブリーダーになるには
2-1.特別な免許や資格は必要ない
2-2.開業には条件がある
3.猫のブリーダーは大変?
3-1.命を扱う仕事
3-2.お金も時間もかかる仕事
4.まとめ
猫のブリーダーとは
ペットを飼育している方であれば、「ブリーダー(Breeder)」といった言葉を耳にしたことのある方も多くいらっしゃるはずです。
しかし、どのような活動をしているのかよく知らないという方も多いのではないでしょうか。
ブリーダーはその名の通り、動植物の畜産家や育種家を指す言葉となります。
猫のブリーダーの場合は主に特定の猫種を扱う専門性の高い職種となりますが、どのような仕事をしているのかをまずは見ていきましょう。
◆ブリーダーの仕事内容
猫のブリーダーの仕事内容は、販売を行っているだけのペットショップとは異なり、ブリーダーの場合は自分が管理する猫舎にて、繁殖から飼育をしたのちに直売まで行う職業となります。
特定の猫種を扱っているため、その純血種に対しての知識が豊富なだけでなく、培われた経験が備わっていることから猫の専門家とも呼ばれているようです。
猫舎を設けて自らの手で繁殖を行っていくため、親猫となる特定の猫種の母猫と父猫を所有し、交配させて生まれた子猫を飼育し販売を行います。
可愛い猫たちと一緒に過ごせる簡単な仕事のように聞こえますが、正しい知識や豊富な経験が必要となってくるため、伴う労力は相当なレベルと言われているようです。
◆どんな人が向いている?
猫のブリーダーは生半可な気持ちでは務まらないため、猫とともに過ごす毎日の時間が苦にならないといった、責任感の強い方が向いている職業と言えます。
生まれた子猫がそれぞれ自分の手元から離れていくことを前提とし、新しいご家庭でも幸せに暮らしていけるように譲渡日までお世話をし、譲渡後でも飼い主さんから質問が来れば迅速に対応するといった、几帳面な性格こそが信頼に繋がります。
常に猫に対して関心を持ち、知識を蓄えることに煩わしさを感じないといった気持ちが大切となるため、猫ちゃん第一と考えて時間を有効活用できる方が望ましいと言えるでしょう。
猫のブリーダーになるには
ブリーダーの仕事に興味があり、自分も開業してみたいと思った場合、何か特別な免許や資格が必要なのかも気になるところですよね。
猫のブリーダーは、誰でもなれるものなのでしょうか。
◆特別な免許や資格は必要ない
基本的に猫のブリーダーになるために、特別な免許や資格は必要ありません。
知識や経験などがある程度必要とはなりますが、日本では個人で開業をしている方が多く、ネットの普及に伴って一般的な職業になっていったことも事実です。
個人経営者の中には副業や趣味の一環として活動(バックヤードブリーダー)している方も多く、猫を飼育できるスペースがあれば、誰でも始められる仕事とも言えるでしょう。
しかし、これはあくまで日本での話となるため、海外でブリーダー活動を行いたい場合には、その国のルールに従わなくてはいけません。
国によっては専門性の高い職業のブリーダーになるために、専門資格が必須となる場合もあるため、開業へのハードルの高さは全国共通ではないことも覚えておきましょう。
また、特別な免許や資格が必要ないことに間違いはありませんが、そのような制度が明確には設けられていないため、ブリーダーにも役立つ免許や資格を持っていた方が、仕事としての信頼度は上がりやすくなります。
近年ではブリーダーを育成するために、専門教育機関や民間での通信教育システムなどがあるため、それらを利用することによって専門的な知識や技術なども学べますし、ブリーダーを開業する際には利用を視野に入れてみるのもおすすめです。
◆開業には条件がある
猫のブリーダーになるために特別な免許や資格の取得は不要となりますが、開業の際には行政への届け出が必要となります。
動物を販売する際には必ず動物愛護管理法に規定されている、「第一種動物取扱業」の登録が必要となり、登録しないまま対価を得て動物を譲渡してしまえば、無登録営業となって罰則が課されます。
第一種動物取扱業の登録をするためには、事業所ごとに専属の常勤となる「動物取扱責任者」を、1名以上配置することが義務付けらており、動物取扱責任者になるためには以下のような要件をクリアしておく必要などがあるようです。
・所定の動物関連専門学校の卒業認定
・環境省が認めた資格などの取得
第一種動物取扱業の申請方法は、都道府県によって違いがあるため、開業する際にはその地域の動物愛護センターに確認するようにしてください。
また、開業の際には事業を始めるための開業資金、用途地域であるかの確認、税務署への手続き、血統証明書発行のための団体加入なども必要となります。
猫のブリーダーは大変?
自分も猫のブリーダーになってみたいと考えたとき、開業の条件がクリアできるようであれば、可愛い猫たちと一緒に暮らせるチャンスと考える方もいらっしゃることかと思います。
実際にブリーダーを開業した場合は、喜びよりも大変さが多いものなのでしょうか。
◆命を扱う仕事
結論から言いますと命を扱う仕事となるため、楽しいことばかりではありません。
親猫には避妊や去勢手術をすることなく、計画的な交配を行っていくため、オスとメスの発情サイクルなどを知っておく必要がありますし、発情にともなうストレス緩和といったケアも重要となってきます。
犬ほど猫は鳴き声が大きいわけではありませんが、鳴き声や臭いは近隣トラブルになりやすい要素となるため、それらの対策も十分に行っていく必要がありますよね。
不妊手術をしないということは、病気のリスクも上がりますし、母猫に関しては出産の負担もかかってくるため、出産後のケアなども積極的に行わなくてはいけません。
子猫の発育にも常に気をかけ、母猫が上手に子育てをできない場合には、自分の時間を割いて全力で子猫のお世話をしなくてはいけないですし、深い愛情がないと務まらない仕事と言えるでしょう。
そして、可愛い絶頂期の子猫を売りに出す寂しさとも付き合っていかなければならないため、中途半端な気持ちではできない仕事となっています。
◆お金も時間もかかる仕事
誰でもやろうと思えばできる仕事ではありますが、たくさんのお金や時間がかかるため、猫を繁殖させるための元金しか用意できない場合や、自分の時間も大切にしたいと考えている方にはおすすめできない職業です。
きちんとした知識を持って交配させ、交配後も猫だけではできないケアをブリーダー自ら手助けする必要があるため、親猫だけでなく生まれてきた子猫たち1匹1匹と誠実に向き合っていかなければいけません。
発情期が来るたびに出産させて子育てもすべて母猫に丸投げし、ある程度子猫が大きくなったら販売するだけで良いと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、現実はそう簡単なものではないですし、人が関与しないでケアが行き届いていない子猫には買い手がつかない場合もあります。
ブリーダーを通して子猫を買いたいと考えている方のほとんどは、その子の特徴や飼育環境だけでなく、ブリーダーの知識や人間性も考慮して購入を検討する方も多くいます。
子供を生ませれば生まれた数ほど儲かる仕事ではないですし、母猫の負担も考えないで繁殖を繰り返す場合や、飼育管理が徹底されていないブリーダーは、必ず顧客の信頼を失っていくことでしょう。
時間を惜しまずしっかりと愛情を注ぎ、一生のおうちが決まるまで飼育やケアにもお金をかけられるブリーダーこそ、さまざまな方から選んでもらえるようになります。
まとめ
知っているようで詳しくは知らない、猫のブリーダーについてまとめさせていただきました。
猫のブリーダーになるためには、特別な免許や資格が必要ないかわりに、開業するための必須条件がありますので、開業を考えている方は開業地域の動物愛護センターに、申請条件を必ず確認するようにしてください。
ペットショップなどの市場に出回る猫ちゃんも、原則ブリーダーの手によって繁殖されているため、奥の深い仕事であることが分かります。
そのため、ブリーダーの中にはお金目的を優先的に考えて、猫の負担を考えない悪質ブリーダーも一定数存在しているようです。
悪質ブリーダーと優良ブリーダーを見分けることは難しいですが、ブリーダーから子猫を購入する際には、親猫の情報や飼育環境をオープンにしているだけでなく、質問をした際にも親身になって応えてくれる、飼育のアドバイスを行ってくれるようなブリーダーを選ぶようにしてください。
猫ちゃんとの出会いは一生の宝物となりますので、猫ちゃんにしっかりと愛情を注いでくれているブリーダーさんを見つけてくださいね。
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