1.猫のシミの原因は?
1-1.加齢によるもの
1-2.病気によるもの
1-3.生まれつきの模様
2.猫のシミができやすい場所
2-1.鼻
2-2.耳
2-3.肉球
3.猫にできたシミの見分け方
4.猫のシミを消すには
4-1.できてしまったシミを消すことは難しい
5.猫にシミを作らないためにできること
5-1.お手入れを怠らない
5-2.ストレスを与えない
6.まとめ
猫のシミの原因は?
「シミ」とは皮膚内で作られる「メラニン」といった色素が沈着したものとなりますが、基本的には紫外線を浴び続けることによってメラニンが生成されていきます。
通常であれば新しい細胞へ生まれ変わる「ターンオーバー(新陳代謝)」を繰り返し、シミになることを防ぎますが、さまざまな原因によってターンオーバーのサイクルが乱れてしまうと、本来役割を終えた古い細胞と一緒に剥がれ落ちるはずのメラニンが滞り、色素沈着(シミ)を引き起こすといった仕組みです。
猫の場合は以下のような原因により、シミができると言われています。
◆加齢によるもの
猫のシミの原因でもっとも多いのは、加齢によるものです。
シミができる主な原因として紫外線が挙げられる通り、長い年数紫外線を浴び続けた猫ちゃんは皮膚にダメージを受けて光老化を引き起こし、皮膚細胞の再生能力が低下することによって、メラニンを外に排出する力が弱くなっていきます。
また、加齢だけでなく日常生活の中でストレスを感じている猫ちゃんの場合は、活性酵素が増加しやすくなります。
活性酵素は紫外線を浴びたときやストレスを感じたときに増える物質のため、この物質が健康的な細胞を傷つけることにより、細胞の老化がより進みやすくなるそうです。
◆病気によるもの
一見シミやほくろのように見えても、病気の場合もあるため注意が必要です。
シミだと思ったまま長年放置して光老化が進めば、皮膚はかさかさとしたうろこ状になったり、かさぶたのようになったりすることがあります。
時間の経過とともに進化を見せるシミは、皮膚がんの元になることがある病変となるため、病気を疑う際にはシミ以外の目立つ症状が出ていないかの確認をするようにしてください。
猫の皮膚がんでシミと勘違いされやすく、発症率が高いのが「悪性黒色腫(メラノーマ)」といった病気となります。
◆生まれつきの模様
猫のシミは加齢や病気によってできるだけでなく、猫ちゃんが生まれたときから付いていた模様というパターンもあります。
被毛の薄い場所だけでなく、鼻や口元などは被毛が生えていないため、普段から目につきやすい部分となりますが、たまたま被毛が薄くなった箇所、普段目にしない箇所にシミのようなものを見つけた場合は、元からの模様である可能性が高いでしょう。
また、茶トラの猫ちゃんは遺伝的にメラニンが過剰な状態になりやすく、シミができやすいと言われているため、加齢とともにシミが増えていくといった特徴があります。
猫のシミができやすい場所
猫にも人間と同じようにシミができることが分かりましたが、比較的シミができやすい場所などはあるのでしょうか。
◆鼻
身体の高い位置にあり被毛に覆われていない場所は、人間と同様に猫もシミができやすくなっています。
顔の中心部にある鼻は紫外線の影響も受けやすいため、加齢とともにシミが増えてきたとしても不思議ではありません。
また、鼻だけでなく顔の粘膜(唇・目頭・目の周りなど)にもシミはできやすいため、加齢が進んできた際はその付近の観察を怠らないようにしましょう。
◆耳
猫の耳も頭の上部に付いているため、紫外線の影響を受けやすくなっています。
全体的に薄い被毛を覆っている耳ではありますが、その薄さから強く紫外線の影響が出るとも言われているようです。
単にシミができる程度であれば問題ありませんが、紫外線を浴びすぎると日光皮膚炎(日光過敏症)を引き起こす、皮膚が剥けて腫瘍ができる、皮膚が分厚くなって皮膚がんに進行するといった危険性もあるため注意が必要です。
◆肉球
可愛らしい部位となる猫の肉球ですが、被毛の色によって肉球の模様もさまざまとなるため、よく触ったり観察したりしている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
肉球も皮膚が剥き出しとなっており、床との接触機会が多いことから、色素沈着を起こしやすい場所と言えますよね。
このようなことからも、肉球の模様は変わりやすい(とくにピンクやまだらの肉球をした猫ちゃんの場合)ため、鼻や耳だけでなく肉球にもシミがないかの確認も一緒にしてみましょう。
猫にできたシミの見分け方
愛猫にシミのようなものを見つけた場合、そのまま放置していても良いのか、早急に動物病院に連れていくべきか、なかなか判断が難しく悩まれる飼い主さんは多いのではないでしょうか。
基本的に平面的で皮膚の一部のようにつるっとした状態のシミで、飼い主さんが触れても猫ちゃんが痛がったり痒がったりすることがなければ、加齢などでできたシミとなるためそのまま様子見でも問題ありません。
しかし、以下のような様子が見られる場合には、病気が隠れている場合もあるため、飼い主さんの不安を拭うためにも、早めに動物病院を受診するようにしてください。
・ぷっくりと盛り上がっていて形がいびつ
・皮膚との境界線が不明瞭
・シミの周囲にただれや赤み、腫瘍などがある
・フケをともなっている
・食欲不振や元気がないなどの症状が見られる
猫のシミを消すには
私たち人間はシミができる前にビタミンを積極的に摂取したり、シミができてしまったあとにもさまざまなケア方法があったりしますが、猫にシミができた場合にも同様のお手入れ方法でシミは薄くなるのでしょうか。
◆できてしまったシミを消すことは難しい
人間と猫では身体の構造や消化の仕組みも違うため、紫外線によるケアを同じように行ったからといって、シミが薄くなるということは基本的にありません。
皮膚にできてしまったシミは、人間も同様にすべてキレイに消すことは難しいですし、レーザー治療は猫には行えませんので、できる限り日頃からシミができないような予防をしておくことが一番です。
猫にシミを作らないためにできること
加齢でできてしまうシミはある程度仕方ない生理現象と言えますが、愛猫に健康で長生きしてもらうためにも、日頃からシミができないような対策をしておくことは大切です。
どのようなことに普段から気をつけておけば、愛猫をシミから守ってあげられるのでしょうか。
◆お手入れを怠らない
猫は日向ぼっこが大好きな動物ではありますが、紫外線をたくさん浴び続けてしまえばメラニンが増加しやすくなり、シミの元となってしまいます。
日焼け止めなどを使うことも猫はできませんので、部屋のカーテンは遮光カーテンにする、陽が当たり続ける場所に寝床を作らないなどの工夫をしてあげてください。
もちろんまったく日向ぼっこができない状態も、猫ちゃんにとってはストレスとなってしまうため、臨機応変に対策をしてあげるようにしましょう。
そして、被毛のケアなどは猫自身のセルフグルーミングに頼るだけでなく、猫ちゃんの手が届きにくい目の周り、口回り、あごの下などは、飼い主さんが適切なケアを行って常に清潔を保ってあげてください。
◆ストレスを与えない
ストレスを受けると活性酵素が増え、皮膚や細胞にダメージを与えていきます。
このようなことからも日常的に愛猫がストレスを感じないような、生活環境を整えておきたいものですよね。
そのためには愛猫自身の性格をしっかりと把握し、どのように接していけば負担をかけないかなどの配慮も必要となってきます。
ストレスはシミの原因になるだけでなく、さまざまな病気を誘発する可能性があるため、猫ちゃんだけでなく飼い主さんも、ストレスフリーな生活を送れるように心掛けておくようにしましょう。
また、ストレスの異変は猫の身体にも現れやすいため、愛猫とスキンシップを図りながらボディチェックをし、異変が見られれば早めに動物病院を受診するようにしてください。
まとめ
猫も人間と同じようにシミができることがありますが、紫外線が主な原因となり、加齢やストレスでもシミはできてしまうようです。
平面で形が変わらないようなシミであれば、そのまま様子をみても問題はありませんが、大きさが変わったり形がいびつだったりするシミは、病気の可能性もあるため注意が必要となります。
できてしまったシミを消すことは難しいですが、日頃からシミを作らないような予防は可能となるため、愛猫の皮膚を守る目的でも、日常的に適切な予防法を用いて対策をしておきたいものですよね。
紫外線を浴びすぎないことはもちろん、ストレスを溜めないような工夫も大切となるため、愛猫の負担にならない範囲でしっかりと予防をしていきましょう。
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