1.猫は菜の花を食べても大丈夫?
1-1.菜の花はどんな植物?
1-2.甲状腺の機能が低下している猫には絶対NG
1-3.食べすぎには要注意
2.菜の花は猫草の代わりになるのか
2-1.猫が食べても良い春の野菜
3.猫に菜の花を与える際の注意点
3-1.食べさせてもいいが少量に留める
3-2.油や調味料は控える
3-3.体調に異変が見られた時には病院へ
猫は菜の花を食べても大丈夫?
晩春から初春にかけて市場に出回り始める菜の花ですが、旬の季節になると食べる機会も自然と増えてきますよね。
猫ちゃんと一緒に暮らしている方であればご存じの通り、猫は人間の食べ物に興味を示すことが多く、菜の花もその対象になりかねません。
何かしらのきっかけで猫が口にしてしまうことがあるかもしれませんが、猫は菜の花を食べてしまっても、問題がないのかが気になるところですよね。
基本的には猫に人間の食べ物を食べさせる必要はなく、菜の花も敢えて猫に与える必要はありません。
苦み成分がある通り、刺激の強い野菜となりますので、猫には不向きな食材であることが分かります。
少量であれば口にしても問題ないことが多いですが、少しでも不安要素が残ってしまうようであれば、愛猫に菜の花は与えないようにしておきましょう。
◆菜の花はどんな植物?
アブラナ科アブラナ属の花の総称となる菜の花ですが、スーパーなどの野菜コーナーで見かける菜の花のほとんどは、食用として品種改良された「菜花(なばな)」という品種となります。
ブロッコリーなどと同じように花や葉茎が食用となる菜の花は、主に辛し和えや天ぷら、おひたしなどにして食べることが一般的ですが、甘くほろ苦い味わいはパスタなどに入れても美味しいですよね。
菜の花は緑黄色野菜のひとつとなるため、β−カロテンが含まれているだけでなく、ビタミンC、葉酸、カリウム、鉄などといった、さまざまな栄養が含まれています。
これらの栄養素によって、皮膚粘膜の健康を維持する、老化防止効果や抗酸化作用を期待できる、赤血球の生成、貧血を予防する、歯だけでなく骨を強くするといった働きをしてくれるようです。
◆甲状腺の機能が低下している猫には絶対NG
さまざまな栄養素の効果が期待できる菜の花ですが、アブラナ科の植物(野菜)には「ゴイトロゲン」と呼ばれる物質が含まれています。
ゴイトロゲンはヨウ素の取り込みを阻害し、甲状腺に悪影響をもたらす物質となるため、過剰に摂取することによって甲状腺ホルモンの分泌まで妨げてしまうようです。
少量の摂取であれば甲状腺機能の異常が起きることはほぼありませんが、もともと甲状腺の病気やヨウ素欠乏症といった病気を患っている子や、甲状腺の機能が低下している猫ちゃんの場合は、リスクを回避する意味合いでも絶対に与えないようにしましょう。
◆食べすぎには要注意
菜の花にも多少のえぐみがありますが、えぐみのもとはアク(灰汁)となっています。
アクの正体は「シュウ酸」となっており、シュウ酸は結石の原因になるため、尿路結石症を患っている猫ちゃんや尿道の狭いオス猫は、控えておいた方が良い野菜とも言えますよね。
菜の花のアクはほうれん草の20分の1程度とも言われているため、そこまで影響が出るわけではありませんが、ゴイトロゲンと同様、悪影響が出てしまうリスクがある以上、猫に与える際にはたくさん与えないように心掛けてください。
菜の花は猫草の代わりになるのか
猫が好む植物として「猫草」が挙げられますが、基本的に市場に出回っている猫草は「えん麦」と呼ばれるイネ科の植物となります。
猫ちゃんの中にはこの猫草を好む傾向の子が多く、食べることによって胃を刺激し、毛玉を排出させるといった役割を担っています。
単純に猫草の味が好きといった子も多いですが、猫草が植物だからといってそのほかの野菜や植物でも同等の効果が得られるかといったら、そういうわけではありません。
猫草は確実に猫に与えなくてはいけない植物ではないですし、好んで食べたがる子に食べさせてあげるだけで十分です。
このよなことを踏まえた上でも、猫草の代わりとして菜の花を猫に与えるべきではないため、猫草の代用品として菜の花は与えないようにしましょう。
◆猫が食べても良い春の野菜
基本的に猫には人間が食べる野菜を与える必要はありませんが、手作りのご飯を愛猫に作っている方であれば、栄養バランスを考える上でも、どのような野菜であれば与えられるのかを知っておきたいところですよね。
とくに春にはたくさんの旬野菜が市場に出回るため、旨味が強くて栄養価も高い野菜であれば、愛猫にも食べさせたいと考える飼い主さんは多いことでしょう。
春野菜は眠っていた身体を目覚めさせるためにも、ほどよい苦みを感じる野菜が多いため、菜の花のように与えることを、控えるべきなのか悩んでしまいますよね。
春の野菜の中には菜の花だけでなく、「たけのこ」「ふき」「新たまねぎ」「新じゃがいも」「新ごぼう」「アスパラ」「セロリ」「春キャベツ」などがあります。
この中で猫が食べても比較的安全な野菜と言われているのが、「春キャベツ」です。
春キャベツは芯まで柔らかいため、消化不良も起こしにくいですし、みずみずしさもあることから生でも美味しく食べられますよね。
ビタミンが豊富に含まれていることからも、免疫力を高めてくれるため、猫ちゃんにも是非食べさせてみたい春の野菜と言えるでしょう。
しかし、春キャベツは菜の花と同様アブラナ科の野菜となるため、ゴイトロゲンが多少なりとも含まれています。
甲状腺機能の異常が起こる可能性もあるため、愛猫の健康第一に考えるのであれば、無理に与える必要はありません。
また、春野菜の中でも新たまねぎは猫にとって、もっとも危険な野菜となるため、猫には絶対に与えないようにしてください。
猫に菜の花を与える際の注意点
もし、愛猫が菜の花に興味を示した場合には、注意点を守りさえすれば与えてみてもOKです。
前述してある通り、甲状腺機能に異常のある猫ちゃんや、尿路結石症のリスクのある猫ちゃんには不向きとなる野菜のため、健康体でアレルギーがない猫ちゃんにのみ、与えることを心掛けておくようにしましょう。
◆食べさせてもいいが少量に留める
健康な猫ちゃんであれば菜の花を食べても、害が出ることはほとんどありませんが、与える際には必ず少量のみを心掛けてください。
ほんのりと苦みがある野菜となるため、私たち人間にとっては美味しく感じる味わいだったとしても、猫には少し刺激の強い野菜であると言えますよね。
また、尿石症の原因となりえるシュウ酸は、水溶性となっているため、茹でることによって含有量を減らすことができます。
菜の花を猫に与える際には必ず加熱をするようにして、冷ましてから食べやすい大きさに切るなどをし、キャットフードにトッピングするなどをして与えるようにしましょう。
◆油や調味料は控える
菜の花を料理に使う際には、アク抜きをするために塩を入れた熱湯で茹でますが、そのような下処理をした菜の花は、猫には絶対に与えないでください。
少量の塩であっても猫には塩分過多になってしまう可能性が高く、腎臓や心臓などの臓器に負担をかけてしまうためおすすめできません。
また、油や調味料を使っている菜の花も、猫が食べてしまえば臓器への負担がかかる上に、塩分過多となりますので、味付けをしてある調理済みの菜の花は猫に食べさせないようにしましょう。
◆体調に異変が見られた時には病院へ
旬の時期には食卓に出す機会も多くなってくる菜の花ですが、取り扱いの際には愛猫に食べられないような工夫が必要となってきます。
飼い主さんの目の届く範囲内で、適切な調理法を用いて湯がいた菜の花であれば、少量与えても問題がありませんが、何かしらのきっかけで生のまま口にした場合や、調味料を使って料理した菜の花を食べてしまった場合には、何かしらの症状が出てしまう可能性も否めません。
愛猫の健康を守ってあげられるのは飼い主さんだけとなるため、菜の花を与える際には必ず、食べ始めから食べ終わりまでしっかりと観察をし、その後目立ったような症状が出ていないかの確認をしてあげてください。
万が一、愛猫が菜の花を食べたあと、体調に異変が見られた場合にはすぐに動物病院を受診し、どれぐらいの量を何時間前に食べたのか、どのような症状が出たのかを獣医師さんに明確に伝えて、適切な治療を受けるようにしましょう。
まとめ
春になるとさまざまな野菜が旬を迎えますが、その中でもより春を強く感じる旬野菜と言えば、菜の花を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
菜の花はほどよい苦みもあり、さまざまな料理にも使える食材のため、食卓に出される機会が自然と増えていきますが、猫が居るご家庭では与えてもいいのか、与えるべきではないのかなど、悩まれる飼い主さんもいらっしゃることかと思います。
基本的に人間が口にする食べ物は猫に食べさせる必要がない上に、菜の花は猫にとって刺激の強い食べ物となるため、敢えて与える必要はありません。
とくに甲状腺の病気や尿石症の病気を患っている子、その疑いがある子などに与えてしまうとさまざまなリスクが高まるため、絶対に与えないようにしてください。
健康な猫ちゃんであれば、少量食べさせる程度でしたら問題ありませんが、猫に対して安全な調理法で下処理をしてから与えるようにしましょう。
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