子猫を健康的に育てたい!どのような育て方を心掛けるべきなの?

2025.01.13

子猫を健康的に育てたい!どのような育て方を心掛けるべきなの?

保護猫活動や野良猫を保護したときにその猫が子猫だった場合、一度でも子猫を育てたことのある方であれば、ある程度の育て方が分かりますが、初めて子猫を育てるといった方には、少しハードルの高さを感じてしまうかもしれません。 子猫は成長が速くとても繊細でデリケートな生き物となりますが、か弱い命を助けるためにも精一杯お世話をしたいものですよね。 子猫を迎え入れることが決まったとき、どのような育て方を心掛けて毎日の生活をともにすれば良いのでしょうか。

子猫を迎える準備

茶トラの子猫

子猫を迎えることが決まった際には、すくすく育ってもらうためにも生活環境を整えておく必要がありますよね。

室内はどのように整え、どのようなアイテムを準備しておくべきなのでしょうか。

◆子猫が生活するスペースを準備

子猫は小さいからとそこまで生活スペースは要らないようにも感じますが、著しい成長ペースを見せてくれるため、生後1ヶ月齢を過ぎたころには自由に歩くようになり、徐々に活発に動きまわるようになるため、始めからある程度の生活スペースを準備しておくと安心です。

目がまだ開いていない場合やよちよち歩きの子猫の場合は、大きめの段ボールなどに隔離して一時的なお世話をしていても大丈夫ですが、自由に歩きまわるようになってからは、箱から脱走したり狭いところに入り込んだりするようになってしまいます。

子猫の安全を確保するためにも、人通りの多い出入口や音が気になるテレビのような電化製品の傍などは避け、部屋のコーナー半畳ぐらいのスペースを囲い、その中で自由に行き来できるような生活スペースを設けましょう。

その後、徐々に行動範囲を広げていくことがベストですが、誤飲やケガを事前に防ぐ目的として、危険な物は室内に置かないようにしつつ、隙間などの狭いスペースに入らないような工夫をしておきましょう。

◆必要なアイテムの準備

生活スペースを確保したあとには、子猫を育てる上で必要なアイテムを準備してあげてください。

生まれたての子猫を迎え入れた際には、食事や排泄を自ら行うことができないため、すべて飼い主さん自身が手助けをしなくてはいけません。

そのため、子猫用粉ミルク、シリンジ、哺乳瓶、排泄を促す際に使用するガーゼなどが必須となります。

自らご飯を食べられるようになった際には、子猫用キャットフード(総合栄養食)、ご飯と飲水用の食器、猫用トイレと猫砂、寝床といったアイテムは迎え入れる前に準備しておくと安心です。

すぐではなくても準備をしておくべきアイテムは、猫用の爪とぎ、ケージ、キャリーバッグなどとなります。


子猫の食事

ミルクを飲むキジトラの子猫

子猫の成長期間となる1歳齢までは、食事内容にも気を付けなくてはいけません。

健康的に成長してもらうためにも、しっかりとその月齢(ライフステージ)に合ったフードを選ぶようにしましょう。

◆子猫用フードの選び方

子猫の育て方の中でもっとも重要なのは、毎日の食事といっても過言ではありません。

1歳齢までの成長スピードは目まぐるしいほどの速さとなるため、成長段階に合ったフードをしっかりと与えるようにし、健康的な成猫になれるように飼い主さんは努めてあげてください。

子猫の成長期間は大きく分けて3つ(授乳期・離乳期・成長期)に分類できますが、この期間を参考にフードを選ぶようにしましょう。

◆食事のスケジュールと量

生後4週齢ごろまでは授乳期となり、母猫の母乳を飲んで育ちますが、母猫がいない子猫の場合は飼い主さんが子猫用ミルクを与える必要があります。

1週齢までは少量のミルクしか飲めないため、5~10cc程度のミルクを約3時間おきに与えますが、徐々にミルクを欲しがる量も増えていくため、分量を増やしつつミルクを与える間隔を調整していきましょう。

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3週齢前後は離乳期に突入するとともに、乳歯が生え始めてミルク以外の食べ物にも興味を示すため、ミルクと併用しながら子猫専用(幼猫用)のウェットフードを与えるようにし、徐々に幼猫用ウェットフードに移行していきます。

ここから2ヶ月齢ぐらいまでが離乳期となりますが、ウェットフードは子猫用ミルクよりも水分量が少なくなるため、フードと一緒に飲み水も必ず準備しておくようにしてください。

その後2ヶ月齢を過ぎたころには成長期に突入し、子猫は著しい成長を遂げていきます。

たくさんのエネルギーを必要とすることからも、成長期の子猫用フードは高たんぱくで高脂質、高カロリーの商品が多く販売されています。

総合栄養食のウェットフードとドライフードを併用しつつ、徐々に硬いフードだけでも食べてもらえるように心掛けておきましょう。

猫ちゃんの成長具合や体重によって給餌量は異なりますが、授乳期のように夜中にご飯を与えるようなことはせず、飼い主さんの生活に合わせた時間帯に、3~4回程度に分けてご飯を食べさせてあげてください。

その後、成猫になるにつれて給餌量を増やし、1日分の食事を2~3回に分けて食事時間を設ける(毎日同じ時間)ようにすると、ご飯の時間をしっかり覚えてくれるようになります。

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子猫の健康管理

子猫を育てる上では、毎日の成長に敏感になりつつ、しっかりと健康管理を行うことが大切です。

健康管理をしていく中で、以下のような管理を徹底していきましょう。

◆こまめに状態を確認

愛猫が健康的に成長できているかを確認するためには、体重の確認がポイントとなってきます。

成長期に入ると身体の臓器や骨格などが発達していくため、どれだけ適切にご飯を食べられているかの確認は重要となってきますよね。

健康的な身体をつくるためには、日々の食事を管理することが最優先となるため、毎日しっかりと体重を測定し、十分な栄養が得られているかの確認をしてあげてください。

◆ワクチン接種

子猫の健康的な身体をつくるためにも、ワクチン接種は欠かせません。

動物病院では混合ワクチン(コアワクチン)を8週齢で1回、12週齢で2回の接種が推奨されています。

幼少期の子猫はとくに免疫が低く感染症を患いやすいため、健康に育ってもらうためにも有効な手段と言えるでしょう。

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子猫のしつけ

ぬいぐるみで遊ぶ白い子猫

子猫の育て方で気をつけておきたいのが、どのタイミングでしつけを行うかということです。

親猫と一緒に暮らしている子猫であれば、親の行動を見ながら自らも真似をしてさまざまなことを覚えていくようになりますが、親猫の居ない子猫の場合は種の異なる飼い主さんが色々と教えなくてはいけません。

子猫が適切な社会行動を学習する期間を「社会化期」と呼びますが、2~7週齢ぐらいに順応性が高くなるため、さまざまなことを覚えながら性格が形成されていきます。

そのため、社会化期の時期はしつけを行うためのベストタイミングとなり、これから一緒に生活をともにしていく飼い主さんが親代わりとなって、たくさんのことを教えていきましょう。

◆トイレのしつけ

基本的に猫はしつけが必要ないと言われるほど学習能力が高い動物となる上に、生活の中でも重要なトイレの仕方は、砂をかけるといった習性が本能に刻まれているため、トイレ本体と猫砂を準備しておけば自然と使用してくれる子がほとんどです。

しかし、排泄はニオイのついた場所で行うものとして認識されるため、一度でも飼い主さんが望まない場所で排泄してしまえば、その場所で繰り返し排泄する可能性が高くなります。

生後3週齢ぐらいまでは自力で排泄ができなかった子猫も、徐々にひとりで排泄できるようになっていくため、しつけを行う際にはやはり社会化期がベストと言えるでしょう。

静かで落ち着ける場所に猫用トイレ(子猫がひとりでも入れる低さのもの)を設置し、ソワソワしてしゃがみ込むような姿を見せたら、飼い主さんは子猫を抱きかかえて猫用トイレに連れていってあげてください。

これを何度か繰り返すうちに、子猫は「ここがトイレなんだ」と認識してくれるはずです。

最初はトイレットペーパーや新聞紙を細かくして猫砂代わりにしても良いですし、徐々に猫砂にシフトしていくとトイレのしつけが完了します。

うまく排泄ができたときにはほめてあげるようにし、トイレで排泄するのは良いことだと理解してもらいましょう。

子猫のトイレの選び方!しつけはどうやって行う? 子猫のトイレの選び方!しつけはどうやって行う?

◆噛み癖や引っかき癖の直し方

子猫の育て方でもっとも難しいしつけが、噛み癖や引っかき癖の直し方です。

もともと猫は狩猟本能を持ち合わせており、狩りをする中で獲物を噛んだり引っかいたりして、仕留めるといった習性が身についているため、興奮したときや恐怖を感じたときにこのような行動をしたとしても不思議ではありません。

歯の生え変わり時期(3~6ヶ月齢前後)に噛んでくるときは、子猫特有の習性としても受け取れますが、引っかくことが常習化してしまえば、一緒に生活をしていく中でも飼い主さんは苦痛を感じてしまうはずです。

飼い主さんが生活している中で、手や足などにじゃれてくるようであれば、すぐにその部位を隠して遊ぶ対象ではないことを無言で伝えます。

幼少期から飼い主さん自身の手で遊んでしまうと、手が楽しい遊び道具と認識されてしまうため、必ずおもちゃを使って遊ぶようにしてください。

また、ひとり遊びができるおもちゃをいくつか準備しておく、社会性や加減を知るためにも複数の猫と一緒に飼うなどが解決策となりますが、多頭飼いが難しい場合にはやはり飼い主さんが根気強く教えていくしかありません。

愛猫に噛んだり引っかかれたりした瞬間に「ダメ」などの言葉で伝えるようにし、すぐに遊ぶことを止めて子猫から距離をおくようにします。

どんなにかまってほしそうにしていても相手にはせず、20分以上経ってから遊びを再開するようにしてください。

このようなしつけを繰り返すことによって、噛んだり引っかいたりすれば遊んでもらえないと認識するようになるため、心が痛むかもしれませんが根気よく続けていくようにしましょう。

子猫の噛み癖の原因3選!どのように対処すれば噛まなくなるの? 子猫の噛み癖の原因3選!どのように対処すれば噛まなくなるの?


子猫の遊び

ソファの上でおもちゃで遊ぶ女の子と黒い子猫

狩猟本能を持ち合わせている猫となるため、社会化期を迎えた子猫は全力で好奇心の赴くままに行動する上に、遊ぶ姿勢も常に全力です。

そんな子猫に対して飼い主さんは、どのようにして遊びに付き合っていけば良いのでしょうか。

◆適切な遊び方と時間

好奇心が湧くままに行動へ移してしまう子猫ではありますが、興味を示す対象が多いことからも、一緒に遊ぶ時間がとても大切になってきますよね。

愛猫を思う気持ちとしては望まれる通りに付き合ってあげたいところですが、遊びたい気持ちに全力で付き合ってしまえば、飼い主さんの時間や体力が費やされるだけでなく、これが通常だと子猫は勘違いして覚えてしまうようになります。

しっかりとメリハリをつけるためにも、遊ぶときは本気で一緒に遊ぶようにし、精神面を安定させてあげられるように努めていきましょう。

個体にもよりますが、1回に遊ぶ時間は10~15分程度を目安とし、1日に3回程度一緒に遊ぶことが理想となります。

可能であれば遊ぶ時間をある程度決めておき、遊んでもらえる時間帯を覚えてもらうことによって、その時間帯に遊んでほしいアピールをしてくれるはずです。

獲物を狩るようなじゃれ遊びに興味を持ち始める年ごろとなるため、子猫の狩猟本能をくすぐるようなおもちゃを使う、飼い主さん自身が隠れて興味を持たせるようなかくれんぼなど、楽しい遊び方は潤沢にあるため、愛猫の好みや性格に合わせて遊んであげるようにしましょう。

◆子猫におすすめのおもちゃ

子猫の狩猟本能をくすぐるためには、面白い動きをするようなおもちゃで遊んであげることが一番です。

しかし、好奇心旺盛な子猫には、遊んでいく最中に壊れてしまうようなおもちゃよりも、知育玩具のようなおもちゃが理想的となります。

飼い主さんが一緒に遊んであげられるおもちゃ、ひとりでも遊べるおもちゃなど、いくつか準備しておくと安心です。

●ニャンコロビー

ニャンコロビー 「追う」「見る」「聞く」「嗅ぐ」「触る」といった、遊びで五感を刺激します。
猫との暮らしを素敵に彩るインテリアスタイルで、ナチュラルでかわいいデザインです。

知育玩具だけでなく爪とぎとしても活用できるニャンコロビーは、社会化期を迎えた子猫のために用意をしておきたいおもちゃと言えるでしょう。

遊ぶことによって五感を刺激するため、ひとり遊びデビューにももってこいとなります。

●まゆ歯みがき じゃらし

ニャンコロビー 「追う」「見る」「聞く」「嗅ぐ」「触る」といった、遊びで五感を刺激します。
猫との暮らしを素敵に彩るインテリアスタイルで、ナチュラルでかわいいデザインです。

噛み癖がある子猫には猫じゃらしといったおもちゃが狩猟本能をくすぐりますが、遊ぶだけでなく歯みがき効果のあるおもちゃもおすすめです。

こちらの商品は天然素材で作られているため、子猫にも安全に考慮しながら遊んであげられますよ。


子猫の成長

目まぐるしい成長を遂げる子猫ではありますが、どれぐらいの時間を費やせば成猫といったおとなの猫になるのでしょうか。

◆子猫はどれくらいで成猫になる?

一般的には生後4ヶ月齢ぐらいまでに、成猫の標準体重の50%程度まで成長しますが、その後は個体にもよりますが10~12ヶ月ぐらいまで成長が続き成猫になっていきます。

メインクーンなどの大型の猫種は2~3年ほど時間を費やして成猫となりますが、どのような猫種であっても子猫の期間は健康を左右するほど大切な時期となるため、食事内容だけでなく生活環境を整えて生活をともにしていきましょう。

◆フードの切り替えを忘れずに

子猫の身体を健康的に形成していくためには、やはり食事が何よりも重要となってきます。

授乳期、離乳期、成長期といった成長期間に分類されているように、成長に欠かせないタイミングとなるため、キャットフードの切り替えを忘れないようにし、健康な成長への手助けをしてあげてください。

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まとめ

子猫の育て方にはたくさんのポイントがあり、目まぐるしい毎日を飼い主さんは過ごすこととなりますが、その分愛らしい期間を逃さず堪能できますし、成長していく過程を一番傍で見られるのは飼い主冥利に尽きるのではないでしょうか。

成猫になるまでの期間を充実させることによって、丈夫な身体づくりにも繋がりますし病気をしにくくなりますので、飼い主さん自身も育てる過程を楽しみながら、元気な猫ちゃんに育てていきましょう。

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たぬ吉

たぬ吉

小学3年生のときから、常に猫と共に暮らす生活をしてきました。現在はメスのキジトラと暮らしています。3度の飯と同じぐらい、猫が大好きです。


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