猫のハゲ、脱毛は病気かも。猫の皮膚ガン「肥満細胞腫」の症状、治療法とは?

2016.10.04

猫のハゲ、脱毛は病気かも。猫の皮膚ガン「肥満細胞腫」の症状、治療法とは?

頭や首周りに脱毛があって、そこにしこりができていたら「肥満細胞腫」という病気かもしれません。病名に「肥満」という語が入っているから、肥満に関係ある病気なのかな?「腫」という語が入っているから、ガンなのかな?でも、「脱毛と肥満って、なにか関係あるの?」と疑問をもたれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、早期発見・早期治療すれば根治も期待できる、そんな病気である肥満細胞腫についてお話していきたいと思いますので、参考にして頂ければ幸いです。

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肥満細胞腫ってどんな病気?

肥満細胞腫の猫

肥満細胞腫というと、肥満という言葉が入っているので肥満に関係のある病気なのかと思ってしまいそうですが、実は肥満とは関係のない、猫ちゃんやワンちゃんがかかる「皮膚腫瘍」の1つということです。

肥満細胞腫は、肥満細胞という顆粒を持っている細胞が増殖してガン化し、しこりを作る病気です。
皮膚に発生する「皮膚型」と内臓に発生する「内臓型」があり、同じくらいの確率で発生します。さらに分類すると、「組織球型」と「肥満細胞型」というものがあり、肥満細胞型はさらに「緻密型」と「広汎型」というものに分類することができます。

組織球型は比較的良型のものが多く、自然に消えることもあるそうです。しかし、肥満細胞型の方は再発や転移など悪性の傾向にあるようです。そして、肥満細胞型の広汎型は、手術後に再発や転移がみられることがあり、肥満細胞型の緻密型よりも病後の経過はよくないそうです。悪性の場合は、転移しやすいということなので、生命の危険に関わるようです。


肥満細胞って?

この肥満細胞というのはアレルギーと関係の深い細胞で、本来は体の免疫反応に関わる正常な構成細胞です。

組織の障害に対する炎症反応に重要な役割をはたしていて、ヒスタミンやヘパリンなどの細胞質内に顆粒を持ち、その顆粒を放出することによって炎症や浮腫などの症状を引き起こす細胞です。そして、この顆粒の量やタイプの違いによって良性や悪性、中間型に分けられます。

この肥満細胞ですが、私たち人間であれば花粉症やアトピーなどの症状はでても腫瘍化することはないそうですので、やはり私たち人間と猫ちゃんやワンちゃんの体は違うところがたくさんあるようですね。

また、猫ちゃんとワンちゃんでは、悪性である確率や治療に対する反応性が違っているということです。ここではワンちゃんの肥満細胞腫に関しては、ワンちゃんは重篤な症状を示すことがあるそうです、ということだけお伝えしておきます。


肥満細胞腫はどこにできる?

先程も触れましたが、この腫瘍ができる場所は皮膚であったり、脾臓・肝臓・小腸などの内臓にできるそうです。

猫

皮膚に発生するものについては頭や首にできることが多く、あまり大きくはないようですが、脱毛してしこりができるということです。皮膚腫瘍の中では比較的よく見られる腫瘍で、比較的良性のものが多いということです。

これに比べて、脾臓や腸管などの内臓に発生するものは、特に脾臓に発生する確率が一番高く、次いで腸での発生が多いそうです。そして、こちらは常に悪性だそうです。

また、内臓にできたものが皮膚に転移したり、逆に皮膚にできたものが内臓に転移する場合もあるので、早期発見・早期治療が必要ですね。


肥満細胞腫の症状は?

皮膚の肥満細胞腫の場合はかゆみがでることがあり、猫ちゃんがひっかくことがあるそうです。肥満細胞腫としては特に特有の症状というのはなく、無症状や、軽い食欲不振や嘔吐、元気がなくなるなどの非特異的な症状だけの場合が多いようです。そのため腫瘍を発見するのに時間がかかることもあります。


うちの子は大丈夫?

シャム猫

この腫瘍は、年齢が高くなると共に発生率が高くなるようで、中高齢の猫ちゃんに多く見られます。どの品種の猫ちゃんに発生率が高くなるという差はあまりないそうですが、女の子より男の子の方が僅かにですが多いそうです。

また、皮膚にできる場合、内臓にできる場合と比べると発生する年齢が比較的若いようです。また、皮膚に発生する場合は、シャム猫が比較的多いそうです。参考までに、うちのシャムちゃんやその親猫ちゃんもかからなかったですし、周囲のシャム猫ちゃん達がかかったというお話も聞いていないです。


肥満細胞腫の治療法は?

注射

治療方法は、皮膚型の場合、少しの浸潤であっても十分なマージンをとって切除します。切除した後は、副腎皮質ホルモン薬を投与して再発防止をします。
切除した部分の組織検査をしてマージン部分に腫瘍細胞が残っていたり切除ができない場合は、放射線治療や科学療法が適応される場合もあるそうです。

脾臓の肥満細胞腫の場合は、脾臓の摘出手術をすると延命できるそうですが、脾臓摘出後の生存期間は12~19ヶ月だそうです。
腸管型は、脾臓型よりも悪く侵襲性が強いため発見した時には既に転移している場合が多く、短期間で死にいたってしまったり、外科治療が可能な場合でも非常に困難だそうです。

肥満細胞腫は、早期で全身に影響を受けていない重篤な状態でない間に治療ができれば、根治も期待できます。そのためには、早期発見が鍵になってくると思います。早期発見ができるかどうかは、飼い主さんにかかってくると思いますので、症状を軽くみて見逃さないように、普段から猫ちゃんの様子を観察したり、定期健診を受けさせてあげるなどをおすすめします。


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SchrodingersCatWachan

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生きてる半分以上にニャンのいる生活をしている、ニャン大好きな神戸のおばさんです。 現在は居ないのですが、ニャンの居る生活をしたい!と家族を説得中です!(=・・;=)キビシソウデスガ


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