1.猫にマグロを与えても大丈夫?
1-1.少量であれば問題なし!
1-2.マグロの栄養価
2.猫は魚が好き?そのイメージはどこから?
2-1.魚のいない砂漠に住んでいた猫
2-2.昔の日本人の食生活は魚が中心=残飯を猫に与えていた!
3.猫に生魚や刺身を与える時の注意点は?
3-1.青魚を与える量には注意
3-2.川魚には寄生虫がいることも
4.まぐろ好きの猫のためのおすすめおやつ
5.まとめ
【掲載:2017.06.20 更新:2024.01.04】
猫にマグロを与えても大丈夫?
◆少量であれば問題なし!
日本人にはおなじみのマグロですが、少量であれば猫が食べても問題の無いお魚です。
猫を飼っている方ならご覧になったことがあるかと思いますが、マグロ味の猫用フードやおやつなど様々なメーカーから発売されています。
◆マグロの栄養価
猫が元々肉食動物というお話をさせて頂きましたが、その国の人々の食生活からも魚が大好きという猫も数多く存在します。
魚の中でもマグロは猫の健康にもいいと言われているのですが、実際にどのような効果があるのでしょうか?マグロに含まれる成分別に見ていきましょう!
①タンパク質
タンパク質は猫に必要な栄養素の一つで、元々肉食動物である猫にとってとても大切なものです。また、猫の血液や内蔵、筋肉や被毛を作る源であり、エネルギー源でもあります。
そんな猫にとって重要なタンパク質が、マグロには豊富に含まれています。
②タウリン
マグロに含まれるタウリンも猫の体に重要な栄養素で、タウリンは動物性の食材にしか含まれていません。
タウリンは私達人間や犬は体内で合成することができます。しかし、猫はタウリンを体内で合成することが出来ないため、食事から補給する必要があるんです。タウリンは、多くのキャットフードにも含まれています。
タウリンが不足すると目に障害が起きたり、心臓や肝臓の病気になる可能性があるので、タウリンは猫にとって必須の栄養素と言えます。
③ビタミンB6
ビタミンB6の働きは、血液やアミノ酸、脂質や炭水化物の代謝になります。
ビタミンB6が不足すると、猫の皮膚や血液に異常が起こる危険性がある為、キャットフードやサプリメントから補う必要があります。
マグロにはビタミンB6も豊富に含まれています。マグロを与える事で、ビタミンB6を補ってあげることができますね!
④DHA・EPA
私達人間にとっても健康にいいとされる栄養素の、DHAやEPAなどのオメガ3系の脂肪酸は、猫にとっても大切な栄養素です。
神経組織の発達や血液の流れを良くする働きがある為、腎臓系の病気の予防にも繋がります。
しかし、これらは摂りすぎると良くないとも言われているので、与え過ぎには注意しなければなりません。
ただし、マグロに含まれる量は青魚と比べると少ないので、適量であれば害にはなりません。
これらのマグロに含まれる成分から考えると、猫にマグロを与える事でエネルギー源であるタンパク質がしっかり摂れて、必須栄養素であるタウリンの補給や代謝や血液の流れに必要な成分がまとめて摂れる事からも、猫の健康にとてもいい効果が期待できそうです。
猫は魚が好き?そのイメージはどこから?
ご家庭で食事に魚が出ると、猫達がソワソワし始める事はありませんか?
我が家でも焼き魚の日には、愛猫が目を丸くして尻尾もやや膨らんだ興奮状態で「なんですか!この美味しそうな匂いは!」といった様子でテーブルの周りを徘徊します。
魚が好きな猫も多いので、猫は魚が大好物というイメージもありますね。
◆魚のいない砂漠に住んでいた猫
元々猫は肉食動物で、ネズミなど小動物を獲物として暮らしていました。猫の先祖が暮らしていた砂漠にはまず水が少ないので、当然魚はいません。
という事は、猫は元々魚が大好物だった訳ではないんですね!
では、どうして猫は魚を食べるようになったのでしょうか?その答えは、私達日本人の食生活が関係していました。
◆昔の日本人の食生活は魚が中心=残飯を猫に与えていた!
漁港など海に面した地域では、日本人にとって昔から魚が食事の中心でした。
日本食のイメージも、ステーキやパンではなく、焼き魚とお味噌汁と白米といったものが和食と呼ばれますよね。
大昔は当然現在のようにキャットフードなどは出回っていなかったので、猫が食べるものも自分で捕まえた獲物以外は、その地域の人間が食べているものの残飯などでした。
つまり、元々肉食の猫が魚を食べるようになったのは、その地域の人間の食生活の中心が魚であったことが影響しているからなんです。
猫の本来の好みというよりは、日本人のその習慣が『猫=魚好き』を印象付けたといったところでしょうか。
日本人の魚離れが話題となっている現在ですが、猫=魚好きというイメージは根強く残っていますね。
実は日本以外で世界的に見ても、猫が魚を好んで食べるのは、海に面していたり魚が沢山採れる地域限定のようです。一方で、海に面していない国の猫達は、現在でも魚ではなく肉を主食にして生活しています。
猫に生魚や刺身を与える時の注意点は?
猫が魚も好きだからといって、どんな与え方をしてもいいという訳ではありません。愛猫が欲しがっていると可愛くてついついお刺身をあげたくなってしまう飼い主さんも多いと思いますが、猫に生魚を与える時にはいくつか注意点があります。
マグロは猫の健康にもいいとお話させて頂きましたが、愛猫に生魚や刺身を与える場合には以下の注意点を守るようにしましょう。
②与える頻度に注意
③味付けをしない
まず、猫に生魚やお刺身を与える際に1番注意したいのは与える量です。
魚には猫の体にも効果的な成分が含まれていたり栄養価の高い食べ物ではありますが、与え過ぎると猫の健康に害になってしまうこともあります。
例えば、以下の病気に注意が必要です。
・チアミン欠乏症
・イエローファット
これらは、猫が生魚を食べすぎてしまう事でかかってしまう危険性のある病気です。
私達人間でも美味しいものはついつい沢山食べたくなってしまいますが、食べ過ぎると危険と知らない猫達は、与えられたら美味しくてお腹一杯食べてしまう事でしょう。
愛猫が病気になって苦しむのを防ぐためにも、飼い主さんが量をコントロールし、少量を餌などに混ぜて与える事をお勧めします。
ご褒美として愛猫にお刺身を与えたいと思う飼い主さんもいらっしゃるかと思いますが、良かれと思って与えて愛猫が体調を崩してしまったり、病気になってしまっては意味がありません。
病気の心配以外にも、生魚の美味しさに味をしめてしまい、それ以外のご飯やいつもの決められたキャットフードを食べなくなってしまう可能性もあります。
生魚やお刺身はおやつやご褒美としてほんの少し与える程度にし、日常的に与えたり主食にするのはやめましょう。
私達人間は生魚をお刺身として食べる際に、醤油やワサビなどを付けて食べますが、猫に与える時は味付けをする必要ありません。
猫にとってはお刺身そのものが特別であり充分ご馳走ですし、醤油を付けて与えたりすると塩分の摂りすぎになってしまいます。
また、マグロ漬けやカルパッチョなどの元々味付けがされているお刺身は人間にとって美味しいものですが、猫には塩分や油分が多過ぎるので、これらも与えるのは控えましょう。
◆青魚を与える量には注意
魚の中にはイワシやアジなどの青魚もありますが、青魚にはDHAやEPAなどが豊富に含まれており、これらは適量摂る分には健康にいいとされています。
しかし、猫は人間よりも遥かに小さい個体なので、うっかり与え過ぎてしまった場合、青魚に含まれる不飽和脂肪酸によって体内の脂肪が酸化してしまい、イエローファットという病気になってしまう事もあります。
◆川魚には寄生虫がいることも
川魚は、海のお魚よりも寄生虫がいる可能性が高いと言われています。
特に内蔵に潜んでいる事が多いのですが、内蔵以外に寄生虫がいることもあります。
寄生虫によって猫がアレルギーやその他の病気になってしまう事もあるので、与える際には内臓は避け、十分に加熱するなどして与えるようにすると安心です。
まぐろ好きの猫のためのおすすめおやつ
まぐろを使ったジャーキータイプのおやつ。
そのまま持ってコミュニケーションにも、ちぎって少しずつ与えることもできる便利な商品です。
メーカー | コジマ | 原産国 | 日本 | 保証分析値 | 粗たんぱく質:28.0%以上、粗脂肪:6.0%以上、粗繊維:2.0%以下、粗灰分:8.0%以下、水分:30.0%以下 | 代謝エネルギー | 272kcal/100g |
まぐろと玄米粉のみを使用した無添加液状おやつ。
5つのNo=「No増粘剤 No着色料 Noグルテン No甘味料 No調味料」で安心して愛猫に与えられます。
メーカー | リバードコーポレーション | 原産国 | 日本 | 原材料 | まぐろ、玄米粉 | 保証分析値 | たんぱく質:7.0%以上、脂質:3.8%以上、粗繊維:1.2%以下、灰分:3.0%以下、水分:85.0%以下 | 代謝エネルギー | 約10kcal/本 |
入っているのは新鮮なまぐろとビタミンEのみ。
上質なまぐろの白身をふんだんに使用したウェットフードです。
メーカー | STIサンヨー | 原産国 | 日本 | 原材料 | まぐろ、ビタミンE | 保証分析値 | 粗タンパク質:14%以上、粗脂肪:0.5%以上、粗繊維:0.5%以下、粗灰分:2%以下、水分:86%以下 | 代謝エネルギー | 26kcal/袋 |
まとめ
結論として、猫は少量であればマグロを食べてもOKです!
猫は元々肉食動物と言いますが、飼い猫にとってはなかなか野生の動物を捕まえて食べる機会はなく、キャットフードが主流です。
キャットフードにもお魚が使われているのでその匂いからも魚が好きな猫は多いですが、いくら魚が好きだからといって与え過ぎて猫が病気になってしまったら、猫も飼い主さんも辛い思いをする事になります。
現代の猫達はキャットフードから充分栄養素を補給出来ていますので、猫に生魚やお刺身を与える際には量をコントロールし、与え方にも注意してあげて下さいね。
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