猫がイカを食べるのはダメ?腰を抜かす理由と与える時の注意点

2022.09.06

猫がイカを食べるのはダメ?腰を抜かす理由と与える時の注意点

猫にイカを与えてはいけない、ということは良く知られていますね。腰が抜けるとか、命にかかわるからという理由を耳にするのではないでしょうか。猫とイカについて、与えても大丈夫なのかと考えている飼い主さんや猫好きの方は多いことでしょう。 猫にとってイカを食べることは本当にダメなのか、加熱するなど与え方によっては気をつければ食べさせても問題ないのか、実際のところはどうなのでしょうか。猫にイカを与えることについて、ご紹介します。

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【目次】

【掲載:2019.09.05  更新:2022.09.05】

猫にイカを与えてはダメ?

イカ

猫にイカを与えて良いかダメか、結論を言うと「生のイカは絶対に与えてはダメ」、加熱したイカに関しては「全くダメというわけではないが、積極的に与えない方が無難」です。これは、猫にイカを与えると、健康に害を及ぼす可能性があるため、というのがその理由です。

◆猫にイカを与えると腰を抜かす?

よく言われている「イカを食べると腰を抜かす」ということは間違いではなく、後述する「チアミン欠乏症(ビタミンB1欠乏症)」の症状によるものだと考えられます。
この腰を抜かすという表現は、猫にイカを与えた際、フラフラとする様子を見た人が言い始めたと言われているからです。

◆イカを食べた影響はそれぞれ異なる

イカを与えると猫に良くない場合があるとわかっていれば、飼い主さんとしては、出来る限り与えない方が安心出来ますよね。
しかし、出来る限りイカを与えないとはいっても、猫の個体差により、イカを食べたことによる影響の度合いは違って来ます。

このような理由から、イカを猫に食べさせてはダメと伝えられている意味は、「イカを食べさせない方が無難であるから」ということになります。


猫にイカを与えると腰を抜かす理由は?

具合の悪い猫

猫は、なぜイカを食べると腰を抜かすのでしょうか。

◆チアミン欠乏症(ビタミンB1欠乏症)のため猫が腰を抜かす

理由としては、生のイカが持つ「チアミナーゼ」という成分が、猫にとって良くないということがあげられます。
チアミナーゼは、「チアミン」というビタミンB1を分解する速度を促進させる酵素で、生のイカに多く含まれている成分です。

イカを食べると猫が腰を抜かすといった説は、猫がイカに含まれるチアミナーゼを過剰に摂取することで、チアミン欠乏症(ビタミンB1欠乏症)になることから来ていると考えられます。
アミン欠乏症(ビタミンB1欠乏症)は人間にもみられる病気です。「脚気(かっけ)」という病名がなじみ深いのではないでしょうか。

◆チアミン欠乏症(ビタミンB1欠乏症)になるとどうなる?

チアミンとは、糖質および分岐脂肪酸の代謝に用いられる「ビタミンB1」です。
猫にとってビタミンB1はとても重要な成分で、人間が必要とする割合の7倍ものビタミンB1が必要だと言われています。さらに食事から摂取する必要があるため、毎日のフードに気をつけなくてはなりません。

チアミン欠乏症になると、「糖と酸素からエネルギーを作り出す」という代謝がうまく機能しなくなるため、脳や筋肉に十分なエネルギーを供給できなくなってしまいます。

簡単に言えば、命にかかわる栄養素が不足している状態になってしまうということになります。

◆チアミン欠乏症(ビタミンB1欠乏症)の症状は?

猫がチアミン欠乏症になると、次のような症状(主に神経症状)が出ます。

・目が回ったようにふらふらと歩くようになる
・食欲がなくなる
・よだれが増える
・首をうなだれるようにする
・瞳孔の反射が遅くなる
・異様な声で鳴き叫ぶようになる
・体を反らしたまま動かずじっとする
・昏睡に陥り、命にかかわる

イカを食べた猫が腰を抜かすという話は、生のイカを食べてチアミン欠乏症になった猫がふらふらと歩くようになったり、体を反らすようになったりしたことから発生したものと考えられます。
「腰を抜かす」という言葉はマイルドで何も知らない人にとっては可愛いとすら思える表現ですが、実際には、猫が腰を抜かすような状態になっている場合、命にかかわる危険性があるのです。
絶対に甘く見てはいけません。

◆どれくらいでアミン欠乏症(ビタミンB1欠乏症)になる?

イカをどの程度食べるとチアミン欠乏症になるのかは、猫によって体内に蓄えているチアミンの量に個体差があるため、一概には言えません。

普段からチアミンの少ないフードを食べている猫であれば、少量のチアミナーゼを取り入れただけでも、チアミン欠乏症になるかも知れないからです。

◆イカ以外の魚介類にも注意が必要

イカ以外にも、ビタミンB1不足をもたらす原因になる食材がたくさんあります。
例えば、二枚貝やカツオ、マグロなどもこのチアミナーゼを含んでいます。つまり、イカだけでなく、二枚貝やカツオやマグロを食べても、猫は腰を抜かすことがあると言っても良いわけです。
イカや魚介類を生で与える時には、猫の飼い主さんとしては注意が必要でしょう。

◆タコは大丈夫なの?

イカとセットで思い浮かぶ魚介類といえばタコですが、猫に与えてもよいのでしょうか。答えは絶対にダメです。
生のタコはイカ同様、チアミナーゼが含まれていますのでアミン欠乏症(ビタミンB1欠乏症)を引き起こす恐れがあります。
また、加熱した場合はタコの身が固くなり、消化不良を引き起こしてしまうこともあります。また、猫は食事の際、食べ物をあまり噛まず、丸呑みしてしまう習性のある動物です。
固くなったタコをそのまま飲み込んで、窒息してしまう可能性もありますので注意が必要です。


キャットフードのイカは大丈夫?

飼い主さんが気になるところとしては、「イカなどの魚介類を含むキャットフードは大丈夫?」ということではないでしょうか。

◆加熱処理されているから大丈夫

キャットフードの場合には加熱処理がされているため、イカのチアミナーゼについて心配する必要は少ないと言えるでしょう。チアミナーゼは加熱により活性を失うからです。
しかし、猫によってはアレルギーや消化不良を起こす可能性もありますので、気になる場合は様子を見ながら与えるようにしましょう。

◆イカは猫に必要な栄養素も含んでいる

実際イカは、タンパク質やカルシウム、タウリンやDHAなど、猫に必要な成分を含んでいる食材でもあります。
そのため、市販されているキャットフードの中には、イカが含まれているものも多く出回っています。

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チアミン欠乏症の症状が出てしまったら?

子猫と魚

もし猫がイカを食べて、チアミン欠乏症の症状が出たらどうしたら良いでしょうか。

◆すぐに動物病院へ

チアミン欠乏症による症状は、生のイカを食べてから数時間で発症することが多いと言われています。

ふらついたり、よだれが出たり、瞳孔が開きぎみになったり、痙攣したりするという症状が見られたら、出来るだけ早く動物病院に連れて行き、獣医さんに診てもらいましょう。
その時は、猫がイカを食べていたことと、食べてからどのくらい時間が経っているか、どのくらいの量を食べたかを伝えてください。

治療法は、ビタミンB1を注射や内服で投与して、嘔吐や痙攣などの症状をやわらげる処置をします。

◆命にかかわる場合もある

猫を放置している時間が長いと、症状はどんどん悪化していき、1日か2日以内には命にかかわる状態になってしまうこともあります。

猫にチアミン欠乏症の症状が少しでも見られたら、軽く考えずに、必ず動物病院に連れていくようにしてください。

◆猫の食事を改善しよう

イカに限らず、猫に毎食かつおぶしを与えているとか、マグロの刺身をたくさん与えているといった場合は危険です。

徐々に総合栄養食の安全なキャットフードに切り替えて、チアミン欠乏症にならないようにしてあげる必要があります。


猫がチアミン欠乏症になるのを防ぐには?

◆猫に原因になる食品を与えないようにする

チアミナーゼを含む食品を猫に与えない様にすることで、チアミン欠乏症を防ぐことができます。
生のイカはもちろん、ハマグリなどの二枚貝やカツオ、マグロなどを猫に与えない様にしましょう。

また、ゼンマイやワラビにもチアミナーゼが含まれています。猫があやまってかじってしまうことのないように気をつけてください。

◆チアミン(ビタミンB1)を含むフードを与える

同じ食材を与え続けることでチアミン欠乏症になることが考えられますので、イカとかつおぶしだけ、マグロだけ、といったごはんの与え方をしている場合は、それを見直しましょう。

総合栄養食のキャットフードには、猫に必要な量の栄養が含まれています。もちろんチアミンも含まれていますので、バランスの取れた食事を与えることができます。


猫にイカを与える時の注意点

焼いたイカ

イカを猫に与える時は、どんな時でしょうか?

手作りのごはんを与える時に、材料として使用する場合が考えられますね。また、食卓にイカが出た時に猫が寄ってきておねだりをする…といった場合も考えられます。

猫にイカをどうしても与える必要がある時には、次のことに気をつけましょう。

・イカを加熱する 生はダメ!(アニサキスにも注意が必要)
・イカは少量で、長期間続けて与えない
・スルメ、さきいかにも注意

◆イカを加熱する 生はダメ!(アニサキスにも注意が必要)

チアミナーゼは酵素の一種ですので、加熱することで失活します。チアミナーゼを含む魚介類を与える必要がある場合は、生の部分がないように加熱してから与えましょう。
焼いたり、ゆでたり、炒めたりして、小さくしてから少量を与えてください。塩や醤油などといった人間用の調味料も、猫にとっては塩分が多すぎるため、使ってはダメです。

また生のイカを与えるリスクはチアミン欠乏症だけではありません。
近年ニュースなどで話題になることが多い、アニサキスにも注意が必要です。
お刺身やお寿司など、魚介類を食べた後に激しい腹痛を起こすことで有名な寄生虫アニサキスですが、人のみならず猫にも同様の症状を引き起こす可能性があります。
人間でも激しい腹痛で救急搬送され、入院する事態になることもあるほど強い症状が現れますので、猫ちゃんにも同様の痛みが襲うと考えられます。

アニサキスはイカ以外にも、サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケなどの魚介類に寄生します。

愛猫ちゃんに新鮮なお魚を与えたい気持ちもわかりますが、アニサキスは冷凍・加熱で死滅します。
猫ちゃんの安全を考えて、絶対に生では与えないようにしてください。

◆イカは少量で、長期間続けて与えない

少量にするのは、イカは消化の良い食材ではないので、猫が消化不良を起こす可能性があるためです。
さらに主食として適しているわけではないので、少量といっても継続して長期間与えることは、猫にとって良いことはないと考えられます。

◆スルメやさきいかにも注意

加熱してあるからスルメは大丈夫かというと、スルメやさきいかもダメで、気をつけた方が良いものです。

チアミナーゼについては問題ないと考えられますが、塩分が多いことと、食べると体内で膨張するので胃に良くない、ということです。やはり、出来る限りイカは与えない方が良いということになります。

◆与え方を必ず守って!

もちろん、イカにもタンパク質やカルシウム、タウリンやDHAといった猫に必要な栄養素は含まれています。

ただ、チアミン欠乏症を招く恐れがあることを考慮すると、イカを食べることが安全とは言えません。
総合栄養食のキャットフードはイカの持つ栄養素をきちんと含んでいますから、キャットフードでバランスの取れた食事をさせたほうがはるかに安全です。

猫にイカを与える時には、「生はダメ、少量で、必ず加熱してから与える」ということと、必ず与えるべきものではない、ということを頭に置いて下さいね。

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猫がイカを食べるのはダメ?のまとめ

よく聞かれる猫にイカを与えてはダメという説には、しっかりと理由があることがおわかりいただけたのではないでしょうか。

食べさせても問題なかった、という猫もいるかも知れませんが、少量与えても、食べた猫にとっては害があるかも知れません。
また、一度イカを与えて大丈夫だったからといって、さらに与えると、猫が体調を壊してしまうかも知れません。

つい甘やかしてしまうこともありますが、イカを含め、猫に害のある食べ物を出来るだけ与えないように、日々気をつけていってください。



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ねこちん

ねこちん

ひろった猫たち、トータル5匹と暮らしています。猫の写真を撮り、猫のイラストを描くのが好きです。

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