猫に秋刀魚を食べさせても大丈夫?調理法や注意点、猫と楽しめる秋の味覚をご紹介!

2021.07.08

猫に秋刀魚を食べさせても大丈夫?調理法や注意点、猫と楽しめる秋の味覚をご紹介!

秋の旬の食材はたくさんありますが、その中でも脂がのった秋刀魚はとても甘みがあっておいしい食材です。焼き魚にしてもおいしく味わえる秋刀魚を、猫が欲しがることがあると思います。猫は魚が好きというイメージが強いですが、秋刀魚を猫が食べてもいいのでしょうか。猫に秋刀魚を与える時の調理法や注意点についてご紹介します。

猫に秋刀魚を食べさせても大丈夫?

焼いた秋刀魚

もちろん調理法などに注意は必要ですが、基本的には猫に秋刀魚を食べさせても問題はありません。

秋刀魚には、EPADHAなど猫に必要な脂肪酸が含まれています。また、秋刀魚からは良質なタンパク質が摂取できます。他にもカルシウム、ビタミンD、ビタミンA、ビタミンB12などたくさんの栄養素が含まれているので、基本的には猫が食べても問題のない食材です。

◆秋刀魚を食べることによる効果は?

EPAは、エイコサペンタエン酸と呼ばれる脂肪のことで、血液をサラサラにしてくれ、血流をよくする効果があります。心筋症や血管が詰まる病気の予防にもなります。

DHAは、ドコサヘキサエン酸と呼ばれており、EPAと同じで血液をサラサラにしてくれ、血流をよくする効果と、悪玉コレステロールを減らす効果もあります。また、脳細胞の活性もよくなり、頭の回転もよくなるといわれています。

秋刀魚の成分などを見ると、飼い主さんにも猫にもいいこと尽くしの食材です。家で飼われている猫のご飯はキャットフードが主流になっているので、たまには猫に違うご飯をあげると猫が喜ぶかもしれません。


猫に秋刀魚を与える時の調理法・注意点は?

ダイニングに座る猫たち

秋刀魚は焼いても、煮てもどちらの調理法でも大丈夫です。秋刀魚を煮るのならば、煮汁と秋刀魚の身をいっしょに加えてスープ風にすれば、水分も同時に摂れるのでとてもいいですね。

秋刀魚の細かい骨は柔らかいですが「もしも喉に刺さったら…」と考える飼い主さんは、フードプロセッサーやミキサーを使って骨が喉に刺さらない程度に砕くのも1つの調理法です。猫の好みに合わせて作ってあげてください。

猫に秋刀魚を食べさせるのには問題はありませんが、猫に秋刀魚を食べさせる場合はいくつか注意しなければいけない点があります。

◆秋刀魚の塩焼きはダメ

人が秋刀魚を食べる分には塩や醤油で味をつけるのは構いませんが、猫にはやめましょう。

人の味つけは猫にとってはとても濃い味つけで、塩分の摂りすぎにつながります。人が食べるために焼いた秋刀魚を「少しだけなら」という考えはよくありません。人と猫の腎臓の働きかたは違うので、猫が塩分を摂りすぎると腎臓に負担がかかってしまい、人以上に猫は腎臓に害を受けてしまいます。

秋刀魚の塩が強いならば、1度お湯で秋刀魚を煮ましょう。煮ることによって塩をとることができます。

◆生の秋刀魚を食べさせる時は内臓を取る

秋刀魚の内臓には「アニサキス」などの寄生虫がいる可能性があり、猫に秋刀魚を生で与えた時、猫が中毒になる場合があります。充分に焼いてしまえば問題はありませんが、猫に秋刀魚を与える時には内臓は丁寧に取り除いたほうがいいでしょう。

◆秋刀魚の骨には注意

猫が骨を知らずにそのまま飲み込んでしまい、骨が喉に刺さることがあります。

人は秋刀魚を食べる時に骨を上手に取って食べますが、猫はそのまま口に入れることが多いです。野良猫など普段からそのまま魚を1匹食べている猫なら骨があることをわかっており、身だけを食べキレイに骨を残す猫もいます。ですが、飼い猫はキャットフードを食べていることが多く、魚を食べることには慣れていないと思います。

猫に秋刀魚を与える時は、骨がないか必ず飼い主さんが確認してからあげましょう。

◆秋刀魚を与えすぎない

秋の秋刀魚は脂がのっていて、意外にもカロリーが高いです。秋刀魚1匹のカロリーは250キロカロリー前後といわれて、秋刀魚の大きさや重たさ、脂ののり具合によってカロリーは変わってきます。

肥満の猫や老猫に秋刀魚を与える際は、量にも注意してください。

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秋刀魚の食べ過ぎには注意!

秋刀魚には、豊富な栄養素がたくさん含まれていて飼い主さんや猫にとてもいいこと尽くしの食材です。

ただ、秋刀魚を始めとするマグロ、ブリ、サバ、イワシなどの青魚は、少量なら猫の体にとてもいい働きのある栄養素を摂ることができますが、食べ過ぎには注意が必要です。

◆食べ過ぎは肥満につながる!

猫が青魚を食べ過ぎると太りやすくなります。なぜかというと、肥満タイプの猫に多い病気で「黄色脂肪症」になる可能性があるからです。「イエローファット」とも呼ばれていて、ビタミンE不足により、猫の体の脂肪が酸化されて炎症が起きる病気です。

◆黄色脂肪症の症状、予防法は?

青魚に含まれるEPA、DHAは猫の体にとてもいい働きのある栄養素が含まれていますが、食べ過ぎるとビタミンE不足になり、ビタミンE欠乏症になります。

黄色脂肪症になると、猫の胸やお腹の辺り、足の付根に硬いシコリができます。シコリができることで動きがゆっくりで歩きにくくなってしまい、飼い主さんが触ろうとすると嫌がったりします。他には、発熱することや、食欲が落ちてくるといった症状も出てくる場合があります。もしもシコリを見つけたら動物病院で診てもらいましょう。
 
黄色脂肪症は猫の食生活の偏りが原因で起こる病気なので、偏食に気をつけていれば特に問題はありません。あまり頻繁に青魚を猫に与えるのは控え、飼い主さんは猫の食事が偏らないように気をつけましょう。


猫にも与えられる秋の味覚は?

剥いた栗

秋には旬の野菜・果物・魚などいろいろあります。夏の疲れを取るにも栄養が豊富な食材を摂るのがいいでしょう。旬の食べ物に猫が食べられる食材・食べられない食材はあるのでしょうか。

◆栗

栗にはビタミンB1が多く含まれていて疲労回復に役立ちます。ビタミンCも多く、良質のでんぷんに包まれているので栗を加熱しても壊れにくいのが特徴です。その他にカリウム(高血圧防止)、ビタミンB2(老化予防)など豊富な栄養素が含まれており、エネルギー補給には最適な食材です。食物繊維が多いので便秘の解消にも効果的です。

注意点は、カロリーが高いことです。大きな栗1個で約35キロカロリーあります。また、食物繊維が多いので、与えすぎると逆に下痢の原因にもなります。肥満の猫や老猫に与える場合は、量に注意してください。

◆柿

柿にはビタミンCとβ―カロテンが豊富に含まれています。ビタミンCとβ―カロテンを同時に摂ることで強い抗酸化作用が期待できます。抗酸化作用によって、老化を抑えることや遅らせることができるといわれています。
また、猫は体内でビタミンCを合成できるので与える必要はないといわれていますが、子猫や妊娠中の母猫、授乳中の母猫の場合は、ビタミンCが通常より多く必要です。柿はこのビタミンCを摂るには最適な食材です。

注意点は、食物繊維が多いので与えすぎると逆に下痢の原因にもなってしまうことです。また、柿の皮は剥いて、種を間違って飲み込まないためにも与える前に種は取っておきましょう。

◆かぼちゃ

かぼちゃには抗酸化作用のあるビタミンC、ビタミンE、β―カロテンを多く含んでいます。茹でて、皮と種を取り除いて与えます。かぼちゃの皮にもβ―カロテンが含まれているので、食べやすいサイズに調理して猫の好みに合わせて与えましょう。

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◆しいたけ(キノコ類)

しいたけやキノコ類は、原則として人が食べても害がないキノコであれば、猫も食べても害はありません。

しいたけやキノコ類にはレンチナンとβ―Dグルカンという多糖類が含まれています。レンチナンはがん細胞の増殖を抑える効果があるといわれており、β―Dグルカンは免疫力を高める効果があるといわれています。食物繊維が多いので便秘の解消にも効果的です。

ただ、猫はもともと肉食動物のため、植物を摂っても上手に消化する働きが備わっていません。消化不良を起こしてしまい、下痢や嘔吐を引き起こす可能性がありますので、消化しやすいように工夫をしましょう。

しいたけやキノコ類は焼いてもいいですが、90%以上が水分です。焼きすぎると水分がなくなるので、できれば茹でる調理法がいいでしょう。
しいたけやキノコ類にはコシがあり、長い時間茹でても柔らかくならないことがあります。猫が食べやすいように細かくすることをおすすめします。フードプロセッサーやミキサーでペースト状にすると消化しやすくなります。


猫に与えてはいけない秋の味覚は?

◆茄子

茄子にはアントシアニンが豊富に含まれています。抗酸化作用があり、血栓ができるのを防いでくれるので、人にはとてもよい食材です。しかし、猫の場合、灰汁によってアレルギー反応を起こす場合があるようです。灰汁が強いので、茄子は与えない方がいいでしょう。

◆葡萄(レーズン)

葡萄を食べると嘔吐や下痢、腎機機能障害などを引き起こす原因になるといわれています。

まだはっきりとした原因は分かっていませんが、アメリカの調査機関では犬や猫に対して有毒性があると認められています。犬が葡萄を食べたところ、腎不全が認められ『ブドウ中毒』と診断された事例があります。葡萄を食べた後に高リン血症、高カルシウム血症になるのが特徴のようです。

葡萄や干し葡萄(レーズン)は猫に与えるのは大変危険ですので、注意しましょう。

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最後に…

秋の旬の秋刀魚を飼い主さんと猫と一緒に食べられるのは楽しい時間の過ごし方だと思います。秋刀魚は塩分やカロリーが高いため、猫の調理方法には気をつけましょう。個体差はありますが、猫に1日に与える量は様子を見ながら調整してください。

他にも、秋の旬の食材には猫が食べられる物が多いので、猫の好みに合わせて飼い主さんが調理するのもいいでしょう。ただ、食べられない食材もあるので安易に猫に与えるのはよくありません。食べられる食材・食べられない食材なのか飼い主さんは必ず確認してくださいね。



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猫を飼いはじめて20年。完全な猫派です。 今まで4匹の猫と過ごしてきました。現在は2匹の猫と楽しく過ごす毎日です。 ツンデレされて20年。猫の行動1つ1つが大好きで、ずっとツンデレにやられてしまっている人間です。


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