「少しの経過観察が、命も及ぼす危険な病気に…“下痢”にご用心」

2015.12.23

「少しの経過観察が、命も及ぼす危険な病気に…“下痢”にご用心」

寒い季節になりました。 急激な気温の変化と言うのは、温度調節が出来ない動物たちにとって一番体調不良になり やすい時期です。よく患者さんにこんな質問を受ける事があります。

Q)下痢は命取りになると聞きました。下痢をしやすい子は、注意した方がいいのでしょうか?

と言う質問です。
実は「下痢」を甘く見ているととんでもない病気に発展する場合が多いです。
わんちゃんの病気の中で一番多い症状と言っても過言ではありません。
この質問者の場合、早急に病院に行っていただき、原因を見つけなければなりません。
下痢とは糞便中の水分含有量が増加したために糞便が液状の状態のことを言います。
回数の増加する場合が多く、時に粘膜を伴い、匂いがきつくなる。
原因は様々あるため、原因に合った治療が望ましいです。
少し柔らかい便も下痢の前兆の事が多いため注意が必要です。

026359

実は「下痢」にも種類があります。
1.ストレスによる下痢
2.寄生虫による下痢
3.ウィルスによる下痢
4.細菌による下痢
5.膵炎による下痢

飼い主さんに分からなくても、多くの場合「脱水症状」が見られる場合が多いので、病院で、水分補給はもちろんの事、急激が慢性下痢かにより検査方法はかわるものの、糞便検査、レントゲン検査、血液検査、超音波検査などをする必要があります。
また、他の症状や経過があまりに長いことがあると下痢とは他に違う病気が合併している可能性があるため、しっかりと診断していかないと命の危険もあります。
特に、子犬の場合「下痢しやすいから」と思いがちなので、要注意です。
「下痢」を甘く見ないでください。
一番、危険な病気の1つである事を認識していただければと思います。

 おすすめ記事 


 皮膚腫瘍(皮下腫瘍)


 エキノコックス症はご存知ですか?


 ◎ペットと生活する上で一番多い悩み「アレルギー」について◎”>

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
Dr.佐藤 貴紀

Dr.佐藤 貴紀

幼い頃から大の動物好きで、獣医を志す。 麻布大学獣医学部卒業後、西荻動物病院、dogdaysミッドタウンクリニックにて副院長をつとめる。 また、獣医生命科学大学内科学教室において循環器を主に学ぶ。 2008年7月に「白金高輪動物病院」開業。 2011年4月に「中央アニマルクリニック」開院。 専門は「循環器」。全国に約60人しかいない(2013年5月現在)「日本獣医循環器学会認定医」の一人。 専門外来を特徴とし、確定診断にもこだわり、かかりつけ医を推進している。 誠実でやさしい人柄と確かな技術に惹かれて、全国の飼い主さんから相談が絶えず寄せられている。

関連するキーワード


記事に関するお問い合わせはこちら