オス猫とメス猫の性格のちがい
出産、子育てを一手に引き受けるメス猫は、子猫を守るため常に警戒心を持ち、猫にも人間にも一定の距離感を持つ傾向にあります。子猫が成猫になっても、1匹で過ごすことを好むことが多いようです。
一方、オス猫は発情期にメス猫を求めて積極的にアピールする能力に長けています。気ままに動き回り、好奇心旺盛で本能のままに自分の欲求をすぐに行動に移します。喜怒哀楽が表面に現れやすく、やんちゃで活動的です。成長するにつれて、やんちゃな部分が収まり、しっかりとした面も現れてきますが、メス猫に比べれば自由奔放な性格と言えるでしょう。
オス猫は甘えん坊ってホント?
◆甘えん坊はオス猫の性格のせい?
飼い猫の場合、オス猫の好奇心や欲求は飼い主さんに向かいます。「遊んで」「お腹が空いた」「そばにいて」アピール力に長けたオス猫は、メス猫よりもまっすぐに飼い主さんに気持ちをぶつけてきます。閉鎖された空間で唯一の対象である飼い主さんに、ゴロゴロスリスリニャーニャーと全力でアピールしてきます。
こんなところが「オス猫は甘えん坊」と思われる理由の一つかもしれませんね。
◆去勢したオス猫はもっと甘えん坊になる?
性別に限らす、去勢後に性格が変わってしまう猫は多いようです。「去勢前に比べて甘えん坊になった」ということもよく聞かれます。
去勢前のオス猫は、子孫を残さなければならない、と、気持ちはメス猫にまっすぐに向かっています。
しかし、去勢後はメス猫への関心が薄れ、飼い猫の場合、オス猫の気持ちはいつも面倒を見てくれる飼い主さんの方に向かいます。「ご飯をくれる」「頭を撫でてくれる」「病気になったら看病してくれる」飼い主さんがメス猫よりも居心地の良い存在であると気づいたオス猫は、ますます甘えん坊に拍車がかかります。
また、まだ子猫の性格を保っている時期に去勢手術を行うと、成猫になっても子猫のままの性格でいるとも言われています。去勢後は人間との境界が曖昧になってきて、自分を人間と思い込んでしまう猫もいるということですから、人間の子供のように甘えん坊になってしまうのかもしれませんね。去勢後のナーバスな気持ちの猫が甘えてきたら、思いっきり甘えさせてあげてくださいね!
◆甘えん坊だけど、面倒見も良いオス猫
去勢手術後のオス猫は、縄張り争いやメス猫争奪戦の必要性を感じなくなるせいで、甘えん坊になり、穏やかで優しい性格になります。
多頭飼いの場合、オス猫の意識は他の猫にも向かいます。猫同士の相性もありますが、去勢後のオス猫は自分より年下の猫に対して面倒見の良い、まるで母猫のような一面を見せることもあります。新しく迎えた猫はオス猫の方が早く受け入れて面倒を見てくれます。
甘えん坊すぎなのは病気かも?
オス猫は甘えん坊になりやすいのですが、あまりにも度がすぎる場合は「分離不安症」という病気かもしれません。
飼い主さんへの依存が強い猫の病気で、飼い主さんが留守になると粗相をしたり、柱や家具、壁を引っかいたり、一日中泣き続けたり、といった問題行動を起こします。
主な問題行動は以下の通りです。
・大きな声で鳴き続ける
・物を落として壊したり、傷つける
・トイレ以外で粗相する
・不妊手術が済んでいても服や壁にスプレー行為をする
・自分の身体を過度に舐めたり、噛みついて傷つけたりする
・人に対して攻撃的になる
・不安から食欲がなくなったり、食べて吐いたりする
・特発性出血性膀胱炎などを起こす
このような症状が出たら「分離不安症」の可能性があります。甘えん坊すぎる猫のわがままだろう、などと思わず、早めに獣医さんに相談することをお勧めします。
まとめ
オス猫が甘えん坊になるのは、オス猫の性格のためのようですね。もちろんメス猫も甘えん坊さんはたくさんいます。
飼い主さんが困ってしまうような甘え方には改めてしつけが必要になりますが、時間が許される限り、甘えん坊の猫に付き合ってあげたいものですね。
– おすすめ記事 –
・甘えん坊な種類のおすすめ8猫種!甘えるときのたまらないしぐさは? |
・「尿閉」って知ってる?オス猫は特に注意したいおしっこの病気 |
・高貴な甘えん坊!?シャム猫のなんともかわいい性格・特徴とは? |
・ダイエットすると飼い猫が甘えん坊に!?2016年上半期に発表された猫に関する研究・ニュース4選! |