猫の腰トントンとはどういうもの?
猫のしっぽの付け根を撫でてあげたり、軽くトントンとたたいてあげると、猫はしっぽから徐々におしりを上げ、目はトロ~ンとしてきます。
猫はしっぽの付け根を触ると、なぜこのような状態になるのでしょうか。
◆猫のおしりは神経が集中している!?
猫のしっぽの付け根付近には、仙骨という骨があり、その中に脊髄が通っています。この脊髄から枝分かれした神経が生殖器などに繋がっているので、腰をトントン刺激すると猫は気持ち良くなるという仕組みです。
猫の中でも、メス猫の方が腰トントンを喜ぶ傾向があります。腰トントンは生殖行為の刺激に似ていると言われているので、メス猫に腰トントンをすると、生殖行為と同じように腰を上げるポーズをとります。発情期を経験した事がある猫は特に腰トントンを気持ちよく感じるようです。
しかし、全ての猫がこのような状況になるわけではなく、例えば子猫に腰トントンをしてあげてもあまり反応はないようです。
◆腰トントンを嫌がる猫もいる
発情期を経験せずに避妊や去勢手術をした猫は、腰トントンをしてあげてもさほど気持ち良いとは感じないようです。
また、気持ち良いと感じないだけではなく、腰トントン自体を嫌がる猫もいます。
先ほど説明したように、しっぽの付け根は神経が沢山集まっているいわば急所です。馬尾と呼ばれ、尾骨神経、骨盤神経、下腹神経、陰部神経、坐骨神経などたくさんの神経があり、後ろ足の動かし方や、排便のコントロールする神経が集まっているので、猫にとってはとても大事な部分なのです。
人にあまり慣れていない猫は、おしりだけでなく体を触られるだけで緊張します。緊張している猫の急所を触ろうとすれば、猫は嫌がりますよね。
腰トントンを嫌がる猫がいたら、急所に触らないでという意思表示なのです。
腰トントン以外にもある猫が触られて喜ぶ場所とは?
腰トントンとは別に、猫が気持ちよく感じるポイントはどんなところがあるのでしょうか。
猫が人に触れられて気持ち良いと感じる部分は、顔周り、あごの下の2か所です。この2か所をご自分の家の猫ちゃんや、猫カフェの猫ちゃんにマッサージしてあげましょう。今以上に仲良くなるかもしれませんよ。
◆喜ぶ場所①顔周り
猫をよく観察していると、猫同士舐め合っていることがあります。そんな時はとても気持ちよさそうにしています。猫は気持ち良いと感じるポイントを舐めあったり、自分では届かないところを舐めてもらったりするのです。
例えば、母猫は子猫のおでこをよく舐めることがあります。これは、人間に例えるとお母さんに「いいこ、いいこ」としてもらっているように見えますね。おでこも猫にとって自分で舐めることが出来ないところなので気持ちの良いポイントなのです。
◆喜ぶ場所②あごの下
自分で舐めることが出来ないところといえば、あごの下も気持ち良いポイントです。猫のあごの下をカリカリと撫でてあげるとあごを突き出して気持ちよさそうにしてますよね。これはまさに気持ち良いというサインなのです。
◆撫でてアピールも見逃さないで
気持ち良いサインとは別に、「撫でてアピール」も見逃さずにいてあげましょう。
猫の「撫でてアピール」とはどんなものがあるのでしょうか。一番わかりやすいところですと、足の周りをスリスリしながら寄ってくる時や、目の前に来てゴロンとお腹を出している時、ゴロゴロと喉を鳴らしている時、前足をフミフミと動かしている時などがあります。
こういった状態の時はリラックスしていて、尚且つ甘えたい状態なので、撫でてあげてスキンシップを取ってあげましょう。
猫が触られて嫌がる場所とは?
では、逆に猫が触ってほしくない場所はどんなところがあるのでしょうか。
◆嫌がる場所①ひげ
猫の個人差もありますが、ひげは猫にとってとても重要な役割を担っています。猫はひげで周りの距離を測ったり、獲物がどこにいるかいち早くレーダーのような役割を持っています。
また、ひげを切ってしまうと、方向感覚が鈍り、少しの高低差のあるところへもジャンプできなくなってしまうのです。ひげをむやみに触るのは辞めましょう。
◆嫌がる場所②お腹
次にお腹です。赤ちゃんのうちから触り続けていれば、問題なく触らしてくれるのかもしれませんが、ある程度大きくなってから飼い始めた猫だったり、自分の家の猫ではない場合、お腹を触ることを嫌がることも。
猫がゴロンとお腹を見せて、地面に背中をスリスリしている場面はよくありますが、これは「お腹を触って」という意味ではない時もあります。お腹を出したからと言って、むやみに触ろうとするのは止めましょう。ガリッとやられてしまいますよ。
◆嫌がる場所③後ろ足
比較的前足は触らしてくれる子でも、後ろ足を触ろうとすると嫌がることがあります。嫌がっているのに、しつこく触ろうとすると、猫キックされます、くれぐれも注意しましょう。
猫が気持ち良いマッサージ方法とは?
猫のしっぽの付け根をマッサージするときは、シャンプーするときのように、指の腹でカキカキしてあげるか、軽く叩くようにマッサージしてあげると、気持ち良くなり、おしりが上がってきます。
その他、ブラッシングの時にブラシの毛先を使って軽く叩いてあげるのもおすすめのマッサージ方法です。
また、マッサージをしてあげる状況もとても大切です。リラックスしている状態であれば、マッサージを素直に受けてくれますが、気が立っている時やお腹が空いている時、または、体調がすぐれない時などは、せっかくマッサージしてあげても、逆効果になってしまいます。
猫がリラックスしているかどうかをきちんと見極めてから触ってあげましょう。
猫の腰トントンまとめ
いかがでしたか?
猫のしぐさは一つ一つ可愛いですが、その行動にも理由があることがわかりました。今度猫に遭った時に、腰トントンを試してみるのもいいかもしれません。
ただし、しっぽの付け根は体中の神経が通っていますので、何事にもやりすぎには注意しましょう。
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