【尿路結石】冬は猫のおしっこの病気に要注意!気をつけたい症状や水分補給対策は?

2021.12.27

【尿路結石】冬は猫のおしっこの病気に要注意!気をつけたい症状や水分補給対策は?

おしっこの病気の中で、尿路結石・尿管結石は人間の病気としても聞きなじみがあると思います。お腹の痛みでのたうち回る、おしっこと一緒に石が出る、血尿が出るなど、痛々しいイメージがつきものです。人でもかなりの激痛がある病気ですが、実は猫ちゃんも人と同じように尿路結石になる事があります。猫の病気の中でも比較的かかりやすいとされ、特に冬場に多く見られます。秋~冬の寒い時期にかけての猫の尿路結石 の対策についてご紹介します。

【目次】
1.猫に多い病気「尿路結石」とは?
 1-1.秋~冬はおしっこの病気になりやすい?
 1-2.尿路結石の代表的な2種類
 1-3.こんな症状はない?尿路結石チェック!
2.猫のおしっこの病気を予防するには?
 2-1.水の新鮮な状態を保つ
 2-2.器を変えてあげる
 2-3.飲みやすい高さに置く
 2-4.お湯を与える、水に風味を加える
 2-5.尿路結石に配慮したフードを与える
 2-6.ウェットフードを与える
 2-7.水分量の多いおやつを与える
3.トイレ環境を見直すことも大切!
 3-1.ポイント①トイレの場所
 3-2.ポイント②トイレの数
 3-3.ポイント③トイレのサイズとタイプ
 3-4.ポイント④猫砂の種類
 3-5.ポイント⑤トイレ環境は常に清潔に!
4.愛猫の様子をよく見て病気を防ごう!

猫に多い病気「尿路結石」とは?

猫 おしっこ 尿路結石

尿路結石とはどのような病気なのでしょうか?

簡単に説明すると、おしっこの中にできた結晶が集まる事で尿結石となり、できた尿結石が尿道に詰まったり、膀胱を傷つけてしまう状態です。尿結石が尿道に詰まることでおしっこを体外に排出することができなくなり、最悪の場合、早ければ3日ほどで死に至る事も…。

だからこそ、猫ちゃんが病気にかからないよう、飼い主さんが生活習慣、環境など気を付けることが大切です。

◆秋~冬はおしっこの病気になりやすい?

猫はもともとどのような環境で暮らしていたかご存知ですか?実は、猫は砂漠などの水の少ない環境で暮らしていた動物です。その為、水分をあまりとらなくても大丈夫な体の造りをしています。水分を多く取らなくても体に負担がかからないよう、飲んだ水分を濃縮して濃い尿を出すようになっているのです。

しかし、寒い冬の時期になると水を飲む回数も減り、水分摂取量も減ってしまいます。おしっこの回数や量が減る事で、尿がより濃くなり、腎臓にかかる負担が増え機能障害を引き起こしやすくなります。その結果、尿路結石や膀胱炎、慢性腎不全などのおしっこの病気になってしまうのです。これが冬場にかかりやすいとされる理由です。

◆尿路結石の代表的な2種類

猫の尿路結石にはいくつか種類がありますが、代表的なものは2つです。

①マグネシウム由来の『ストルバイト結石』
②カルシウム由来の『シュウ酸カルシウム結石』

『ストルバイト結石』は、主に1歳~6歳までの成猫期、『シュウ酸カルシウム結石』は、7歳~11歳の高齢期~老齢期の猫に多く見られます。
これは、猫の年齢によって、マグネシウムやカルシウムを摂取できる量が変わり、過剰摂取する事によって消化されなくなってしまう為です。

また、メスよりオスのほうが尿路結石にかかりやすいといわれています。オスの尿道は細くて長く、そして先端がさらに細くなっているため、結晶が詰まりやすくなっているからです。先ほど記した年齢のオスの猫ちゃんを飼っている飼い主さんは、特に気を付けるようにしましょう。

その他、キャットフード以外のおやつの与えすぎも原因になることがあります。猫ちゃんの健康維持の為に、年齢に応じたキャットフードやおやつを選ぶ事が重要です。

◆こんな症状はない?尿路結石チェック!

では、尿路結石にかかっているのか?以下の症状がないか簡単にチェックしましょう。

①頻繁にトイレに行く、以前より回数が増えた
②何度もトイレに入るがおしっこをしない、または出にくい
③おしっこしながら痛がって鳴く、時間がかかる
④おしっこの色が正常ではない色をしている(ピンク色や赤色、白濁)
⑤おしっこにキラキラと結晶のようなものが見える
⑥以前より元気がなくなった
⑦お腹を触ると嫌がる

上記のような症状があれば要注意です。早めに獣医師さんに相談しましょう。


猫のおしっこの病気を予防するには?

秋~冬は、水分を取らない事でおしっこが濃くなり、結晶や結石ができるリスクが高まります。逆に、しっかり水分補給をしておしっこをどんどん出すようにすれば、尿路結石やおしっこの病気の予防に繋がります。尿路結石やおしっこの病気を予防する為には、水分補給が非常に大切なのです。

しかし、「猫はコタツで丸くなる」と歌われるように、寒い冬の時期は猫の活動量も減り、代謝が下がる事で水分を積極的に取りにくくなってしまいます。また、冬は寒さで水を飲むのが億劫になったり、冷たい水を嫌がることで水分補給をしにくくなります。

そこで、冬でも猫ちゃんの水分補給ができる対策をお伝えします。

◆水の新鮮な状態を保つ

基本的なことではありますが、案外忘れがちな水の交換。最低でも1日に2回、夏場は3回換えてあげましょう。

お仕事が忙しく、なかなか交換が難しい飼い主さんは循環式給水器を使うのも一つの方法です。水を循環させ、新鮮でおいしい状態を維持してくれます。また、猫は本能的に『流れている水は新鮮』ということを知っていると言われています。循環式給水器を使う事で水を飲むようになってくれる事もあります。

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◆器を変えてあげる

猫の中で、器にヒゲが当たるのを嫌う子がいます。そんな子の場合、お椀のような深めの器より、平たくて浅い器方が水を好んで飲んでくれる事が多いです。

また、水をおいしくしてくれる器、という物も販売されています。可愛い猫ちゃんの為に、購入を検討されてみてはいかがでしょうか?

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◆飲みやすい高さに置く

水の器をどこに置いているか?飼い主さんによって、床に直接だったり食器台に置いたり様々です。猫の骨格や身長も、それぞれ違うので、他の猫ちゃんと同じように置いていても飲みやすさは変わります。水の器を飲みやすい高さの物に換えたり、食器台などで高さをつけて、水分補給しやすい環境にあげましょう。

また、家の中の複数箇所に水の容器を置いてあげると、猫ちゃんがどのような場所で水を飲む事を好むかがわかります。中には、静かな場所にでないと落ち着かず飲んでくれない場合もあります。飲みやすい場所を探してあげるといいでしょう。

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◆お湯を与える、水に風味を加える

よくお風呂場に来て浴槽のお湯を飲んだり、露をなめる猫ちゃんがいます。これは飲むのに丁度いい温度だからです。猫も人間と同じように人肌程の温度を好みます。特に寒い冬の時期は水が冷えやすいので、与えるお水にお湯を足してぬるま湯にして人肌程度に温めてからあげてみてください。

また、またたびなどの風味を少量加えることで、水に興味を持たせる方法もあります。

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◆尿路結石に配慮したフードを与える

猫は、健康維持に必要なマグネシウムやカルシウムなどのミネラルを含むさまざまな栄養素を摂取します。しかし、過剰に摂取したり、摂取したミネラルのバランスが悪いと、おしっこに排泄されるミネラルが増えてしまい結晶化・結石化してしまいます。年齢によって消化・吸収できるミネラル量が変わるため、尿路結石を防ぐ為には、年齢に応じてマグネシウムやカルシウムの摂取量を調整することが大切です。

子猫~成猫期にはマグネシウムを低減しているフードを、高齢期にはマグネシウムの低減に加えてカルシウムの含有量にも配慮しているフードを選びましょう。

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◆ウェットフードを与える

水分の多いウェットフードを与えて水分補給するのもお勧めです。ドライフードは水分量10%以下なのに対して、ウェットフードは80%以上あります。フードを食べながら水分補給できるので、水を飲むだけの場合より多く水分補給できているという研究結果もあります。
ただし、ウェットフードは傷みやすいので、食べ残しは早めに片付けてあげましょう。

また、ウェットフードはドライフードに比べて栄養価が比較的低い傾向にあります。その為、いくら猫ちゃんの水分補給の為であってもウェットフードだけ与えていれば栄養が不十分になってしまいます。栄養面を考えると、ドライフードをお湯でふやかしたり、ササミなどのゆで汁をかけてあげるのもいいでしょう。

ウェットフードを与える時は、朝はウェットフード、夜はドライフードを与えるなどして、調整してあげましょう。

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◆水分量の多いおやつを与える

高齢や病気の猫ちゃんで水を飲む元気が無い時などは、高栄養のペーストなどを舐めさせる事もお勧めです。脱水時に不足しがちな栄養分なども含まれています。

また、塩分の強いおやつを与えるのは避け、おやつを与えすぎないようにすることも大切です。尿路疾患に配慮されたおやつもありますので、そちらを与えると安心です。

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トイレ環境を見直すことも大切!

猫 おしっこ 尿路結石

猫はきれい好きな動物で、トイレに関してもこだわりがあります。気に入らないと使ってくれなかったり、使いはするけれどストレスを感じている、という事も。

そこで、猫ちゃんに合わせたトイレ環境のポイントをまとめました。

◆ポイント①トイレの場所

猫ちゃんが過ごす部屋にトイレは設置されていますか?猫ちゃんが行きにくい場所などにあると、我慢してしまうこともあります。いつでもトイレに行けるルートが確保されている場所に設置しましょう。

また、騒々しい場所への設置はNGです。洗濯機やキッチンなどの生活音が響く場所。人通りが多い廊下も嫌います。静かで落ち着ける場所に設置してあげましょう。

◆ポイント②トイレの数

トイレの数は『猫の数+1』が理想的です。特に多頭飼いしている飼い主さんはトイレが足りているかチェックしてください。トイレが複数あれば、掃除が間に合わない場合でもキレイなトイレを選んで使用できます。

◆ポイント③トイレのサイズとタイプ

サイズは基本的に大きいほうが好まれます。トイレの縁に乗りながらおしっこをする猫ちゃんの場合、トイレが小さくて窮屈に感じているかもしれません。今より少し大きいサイズのトイレを試してください。

また、トイレには屋根付きのタイプと屋根なしのタイプがあります。キレイに掃除がされていれば、猫の好みに大きな差はないという研究結果もありますが、屋根付きの場合匂いがこもりがちなので嫌がる猫ちゃんも多いとか…。

基本的には屋根なし、大きめ、縁は浅めのトイレが自然環境に近いとされていますが、好みもありますので入りにくそうにしている時は別のタイプを試してみてあげましょう。

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◆ポイント④猫砂の種類

猫砂は種類が多く、猫の好みも異なります。トイレボックスと同じように好みの砂を選んであげてください。

基本的には、粒子が細かくて匂いがなく、固まりやすい砂を好みます。商品によってはトイレに流せる砂もありますが、これは毛につきにくく長毛種にもおすすめです。

最近ではシステムトイレといって、トイレがスノコ状になっており、おしっこが砂を通過して下にしいたシートに吸収される構造の物もあります。システムトイレは掃除回数も減り、おしっこのにおいも抑えてくれるので非常に便利です。しかし、システムトイレ特有の大きめの猫砂を嫌う猫ちゃんもいます。

飼い主さんの利便性だけではなく、猫ちゃんの好みをしっかり確認し、おしっこしやすい環境を選んであげたいですね。

◆ポイント⑤トイレ環境は常に清潔に!

清潔に保てていないとトイレ環境を嫌ってしまうだけではなく、トイレで繁殖したばい菌が感染を起こす事で膀胱炎などのおしっこの病気にも繋がります。

こまめに掃除をし、清潔で適切なトイレ環境を整えてあげることが重要です。

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愛猫の様子をよく見て病気を防ごう!

猫が冬に尿路結石を発症しやすい理由とその対策についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

猫は痛みを我慢してしまう動物なので、尿路結石を発症していても痛みを隠し、発見が遅れてしまう場合があります。
大事な猫ちゃんのためにも、日頃から愛猫のトイレの様子等をしっかり確認し、水分補給できるよう環境を整えてあげましょう。



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