1.猫が首輪を嫌がる!その理由は?
1-1.違和感
1-2.素材が合わない
1-3.大きさが合わない
1-4.鈴の音がうるさい
1-5.重い
2.猫に首輪が必要な理由は?
2-1.迷子防止
2-2.飼い猫である証明
2-3.災害時に有効
3.猫が首輪を嫌がる時の対策は?
3-1.猫にとって快適な首輪を探す
3-2.他のもので練習する
3-3.嫌がる様子を見せたらすぐに外す
3-4.鈴や装飾品は外す
3-5.後ろからつける
4.安全な首輪のつけ方のポイント
4-1.適切なサイズに調節する
4-2.安全パーツを使用しているものを選ぶ
5.まとめ
猫が首輪を嫌がる!その理由は?
気合を入れて買ってきた猫の首輪。吟味を重ねて、愛猫に似合いそうな首輪を用意したのに、なぜかつけてくれない。それどころか大暴れして嫌がる愛猫。首輪を嫌がる猫は多いですね。
しかし一体なぜ、猫はあれほどまでに首輪を嫌がるのでしょうか?
◆違和感
猫は五感が優れた動物です。弱点とされる首元に、常に何かが付着しているような感覚があったとしたら、それは猫にとって大きなストレスの元になります。
成猫になってから初めて首輪をつけることは飼い主さんにとって大仕事と考えましょう。それまで何もつけていなかったところに拘束感のある首輪をつけられるなんて、猫にとってはたまったものではないのかもしれません。
◆素材が合わない
首輪の素材にも配慮が必要です。皮などのゴワゴワした素材は猫の柔らかい皮膚には刺激が強すぎます。硬い素材の首輪を長期間つけていた猫の首の毛が擦り切れて禿げていた、という話も聞きます。
私たち人間も、皮膚が擦り切れるような硬い服や靴擦れのできるような靴を毎日身につけているのは嫌ですよね。
◆大きさが合わない
大きすぎてブカブカの首輪は、猫が動いているうちに「猿ぐつわ」や「たすき掛け」状態になってしまう危険性があります。猫が嫌がっていなくても、必ず改善すべき点です。
小さすぎる首輪は猫の首を締め付け、常に首吊りにあっているような気分になることでしょう。
◆鈴の音がうるさい
光の少ない場所で待ち伏せをして狩猟をする猫の耳は高性能です。人間には聞こえないネズミの放つ超音波すら聞きとることのできる耳のそばで、チャリンチャリンと四六時中高い音を聞かされるのは、猫にとって苦痛でしかありません。
「猫に鈴をつけると胃潰瘍になる」というまことしやかな噂もありますが、自然界に存在しない音は動物にとってストレスの原因になることが確認されています。胃潰瘍になる程、猫にとっては嫌なことなのだと考えれば、都市伝説的なこの言い回しにも納得がいきます。
また、猫のてんかんは鈴の音やコップをチーンと鳴らす音などで誘発されるとされています。
人間よりもはるかに優れた聴力を持ち、さらに高音域の感度がずば抜けている猫にとって、首輪の鈴の音は拷問にも等しいものなのかもしれません。
◆重い
首輪に鈴や迷子札をつけていると、おのずから首輪の重量は増していきます。素材が硬くてゴワゴワしたものは重差もあると考えた方が良いでしょう。
体重4kgの猫に100gの首輪をつけるのは、体重60kgの人間に1.5kgの荷物が常に首からぶら下がっているのと同じ。1.5Lのペットボトル一本をぶら下げていることを想像するだけで肩が凝ってきます。猫が首輪を嫌がっても不思議ではありません。
猫に首輪が必要な理由は?
猫にとって不愉快極まりない、首輪。けれど猫にとって必要なアイテムでもあるのです。その理由は…。
◆迷子防止
猫に首輪をつける大きなメリットは、「迷子になった場合に連絡先が分かる」ということです。首輪に迷子札をつけておくことで、迷子になった時の発見率は大きくアップします。
「うちは完全室内飼いだから大丈夫」と思いますか?いくら気をつけていても相手は生きている動物です。ほんの少しの油断から外に飛び出して行くかもしれません。一度外に出てしまえば、野良猫との区別がつきにくくなり、捜索しても発見しにくくなります。
首輪に飼い主さんの連絡先を記入した迷子札を装着しておけば、迷い込んだ先から連絡が入ることが期待できます。外で大きな怪我を負って動けなくなった場合も、保護されれば迅速に連絡を受け取ることができます。猫が迷子になった場合を想定すると、首輪はやはり必要です。
◆飼い猫である証明
首輪をつけるメリットには、「飼い猫であるということを証明する」という点もあります。
外に出ている猫を見た時、首輪があることで、一目で「飼い猫である」と理解できます。もちろん捨てられた野良猫が飼われていた時のまま首輪をつけている、ということもありますが、基本的には飼い猫である可能性の方が高いでしょう。
保健所に収容された時、飼い猫である、迷い猫であるという証明になるとともに、迷子札から所有者がわかり、処分を免れることができます。
◆災害時に有効
万が一の災害時、家屋の倒壊などで猫の居場所がわからない時。避難時に猫と離れ離れになってしまった時。やはり首輪は必要だと考えられます。
猫に首輪が必要な理由は、やはり猫の行方がわからなくなった時の捜索の手がかりになるということ。しかしそのためには必ず首輪に迷子札等で猫の所有者の存在を明確にしておく必要があります。
猫に首輪をつけたら、時々迷子札を確認して飼い主さんの連絡先が読み取れる状態であることを確認しておきましょう。
猫が首輪を嫌がる時の対策は?
最初からすんなり首輪をつけられる猫がいると思えば、とことん嫌がる猫もいます。一部の猫にとって、首輪はストレスにしか感じられないものです。しかし先に書いたように猫の首輪の必要性は無視できません。
猫が首輪を嫌がる場合、どんな対策を取れば良いのでしょうか。
◆猫にとって快適な首輪を探す
硬くて重い首輪は猫にとって不愉快なものでしかありません。できるだけ柔らかく、軽い素材の首輪を選びましょう。
また、ノミ・ダニ予防の首輪や香り付きの首輪を嫌がる猫もいます。どうしても嫌がる場合は、別の首輪を根気よく探して見ましょう。
◆他のもので練習する
首輪にこだわらず、軽くて柔らかい素材でできているもので首輪の練習をします。髪を束ねるシュシュやバンダナ、リボンなどを利用してはいかがでしょうか。
ただし紐状のものは猫の窒息や誤飲の事故の可能性があるので、安全のためにも必ず目の届くところで試してください。
◆嫌がる様子を見せたらすぐに外す
首輪を嫌がるのは当たり前と考え、猫が嫌がるようであればすぐに外します。そしてしばらくして猫が落ち着いたらまたつけて見ます。根気よく何度も繰り返して見ましょう。数日間繰り返せば、だんだん慣れて来る可能性があります。
◆鈴や装飾品は外す
首輪のストレスを少しでも軽減するために、音のする鈴はできるだけ外しましょう。迷子札もぶら下がるタイプではなく、首輪に直接貼り付けたり、書き込めるものがおすすめです。できるだけ猫に違和感を感じさせないように、余計なものは全て外します。
◆後ろからつける
首輪をつけるときは猫の後ろ側からにしましょう。前から首輪をつけようとすると猫は嫌がります。猫の視界に首輪が入らないようにして、そっと後ろ側からつけてみます。
もし途中で猫に気付かれて逃げ出されたら、そこで一時終了。しつこく追いかけ回してしまうとますます首輪を嫌がるようになります。
安全な首輪のつけ方のポイント
◆適切なサイズに調節する
首輪が引っかかって、猫が窒息をしたり怪我をするという事故事例があります。
サイズが大きすぎる首輪は、猫が嫌がって外そうともがく際に口にひっかかって「猿ぐつわ」のようになり、口や歯を傷つけます。片方の前足が首輪に入ってしまい、「たすき掛け」のようになって首から脇にかけて切り傷のような怪我を負うこともあります。
猫は上下運動が盛んで、狭い場所にも器用に入っていきます。そんなとき家具などに首輪が引っかかっると、首吊り状態で窒息する場合があります。何かに首輪が引っかかると猫はパニックになり、暴れてしまってさらに首が締まる、ということも想像できます。
安全のために猫の首のサイズに合うように首輪を調節しましょう。最適なサイズは、猫の首と首輪の間に人の指が2本入る程度です。
また、装着しているうちにだんだん緩んだりしない首輪を選ぶことも大切です。子猫の頃から首輪をつけている場合は、成長に合わせて首輪のサイズも調節してください。
◆安全パーツを使用しているものを選ぶ
犬の首輪と違い、猫の首輪は一定の負荷がかかることでプラスチックのバックルが外れるようになっています。
これは首輪に何かが引っかかったとき、猫の窒息を防ぐための安全パーツです。セイフティ・バックルといって、約3Kgの負荷がかかると自然に外れるようになっているのですが、実際どれくらいの力で外れるのか飼い主さん自身が試して、安全性を確認してから猫につけるようにしましょう。
まとめ
自由気ままな猫にとって、首輪は束縛を象徴するような代物で、嫌がる猫に無理やりつけることは可哀想に思えてしまうかもしれません。完全室内飼いだから、首輪は必要ない、とも思ってしまいます。けれど万が一、愛猫が迷子になった時のことを考えると、飼い主さんの情報が書かれている首輪は猫の安全を守るためにも必要です。
子猫のうちに首輪を着けるようにすると、猫の首輪に対する違和感も少なくすむようです。少しでも猫のストレスを少なくするためにも、首輪は猫に負担のかけないものを選びたいものですね。
ネットショップにはいろんな首輪が販売されています。工夫されているところ、いいな、と思ったところを取り込んで、自分でオリジナルの首輪を作ってみるのも良いですね。
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