【掲載:2018.01.04 更新:2024.06.12】
猫が畳を好きな理由
猫といえば、畳の上でお昼寝している姿がうかぶ方もいるのではないでしょうか。和式のお部屋と猫との組み合わせはとても日本らしいものです。畳の上でゴロゴロしていると、とても好きなのだろうな、と想像できますね。
猫が畳を好む理由はいくつもあります。
畳に使われているい草や藁は、中がスポンジのようなっていて空気を多く含んでいます。そのため保温性も高く、断熱性も高くなっています。
夏には外の熱い空気を遮断してひんやりとして、冬には暖かい空気を逃さず、冷たい空気が入り込むのを防ぎます。そのため、畳の部屋は冷暖房が効きやすいのです。
猫は家の中で一番快適な場所を見つける名人ですよね。和室は、猫にとっての快適空間だと言えるでしょう。
畳は、基本的に自然素材で出来ていて、草の匂いがリラックス作用をもたらすと考えられます。人間でも、い草やワラなど自然の匂いに癒されますね。
ずっと室内飼いで外の世界を知らない猫でも、自然の匂いには癒されるので畳を好きになるのでしょう。
畳は有害物質を除去し、湿度をコントロールすることが出来るので、天然の空気清浄機とも言われます。
二酸化窒素や揮発性有機化合物を吸着するので、部屋の空気を綺麗に保つことが出来ます。また、微生物の繁殖も、い草の抗菌効果で抑えることが出来るのです。
猫も清潔な環境を好みます。空気清浄機のような効果を体で感じるので、畳が好きなのかも知れません。
フローリングの部屋よりも、畳の部屋の方が遮音効果は高いと言われます。い草やワラの中はスポンジ状で、たくさん空気が入っているので吸音効果があるのです。動き回っても足音の振動を吸音してくれます。
和室は他の部屋よりも静かに感じられるはずです。人間よりも音がよく聞こえる猫ですから、防音、吸音効果を人間よりも感じていると考えられます。
畳には、適度な弾力があります。い草の中はスポンジのようになっており、藁をぎゅっと圧縮して作られているので、硬すぎず柔らかすぎずの絶妙な硬さをしています。この独特な柔らかさを猫が好むといわれています。
畳には網目があり、触ると独特の凸凹があります。この感触が、猫にとって気持ちの良いものであると考えられます。
人間でも裸足で上がると感触の違いを感じるものですね。猫の肉球で触るだけで、フローリングなど他の床との違い、気持ち良さを感じているはずです。
猫が畳で爪とぎする理由
ただ畳のある部屋でくつろいでいるだけならいいのですが、猫が畳にイタズラをすることがあります。猫が畳を痛める行為の中でも、爪をとぐ、おしっこをするなどがとてもダメージが大きいものです。
猫が畳の縁や目地をひっかいたり、上で飛び回って表面を傷つけたりするのはなぜでしょう。
凸凹があって爪がひっかかって研ぎやすいので、爪とぎしてしまうと考えられます。
猫の爪とぎは、古い爪を剥がして新しい爪を出すのですが、畳の凹凸がひっかかるので、爪とぎがわりになったと言えるでしょう。
自然の素材であり、い草やワラの匂いがするので、遊びたくなってしまうのかもしれません。家の中でずっと暮らしている猫ですから、天然の草の匂いや触り心地が嬉しいということも考えられます。
畳の上が、飼い主さんが普段からくつろぐような場所なので、猫も気に入ってしまったということもあります。飼い主さんに対して、自分の場所だとマーキングしたり、自己主張したりしているとも考えられます。
わざとでなくても、爪を出して上を走ったり、高いところから飛び降りたりしていれば、爪が引っかかり、結果として表面を痛めてしまうことになります。
他の理由としては、そもそも爪とぎがないので畳で研いでいる、という場合もあります。また、ちゃんと爪とぎがあっても、畳で研ぐ方が好きだからという理由があります。
一度爪とぎだと認識してしまうと、好きになって、畳ばかりで爪を研ぐ猫もいるようです。
猫が畳で爪とぎする時の対策
猫が好んで爪を研ぐようになると、ボロボロになってしまい大変です。お値段的にも、手間的にも、しょっちゅう変えられるものでもないので、しっかりと保護する必要があります。
猫が畳で爪とぎをする場合、どのように対策したら良いでしょうか?猫の爪とぎから保護する方法をご紹介します。
上に、絨毯やカーペット、ウッドカーペットを敷く方法があります。
い草やワラなどの素材や匂いが好きなのであれば、爪を研ぐことがなくなります。
和室の雰囲気を大事にしたい、という飼い主さんの希望がありますよね。その場合は、ゴザを敷くという方法もあります。
ゴザの場合は、ゴザに爪とぎをされてしまうかもしれませんが、畳よりも比較的手軽に交換することが出来ます。
猫用に、ミニサイズの爪とぎがあります。そちらを気に入ってもらうという方法もありますので、試してみると良いかもしれません。
もちろん、よく売られているダンボールや麻縄を巻いた爪とぎなどを置くのも対策になります。
畳で爪とぎをする場合は、別にちゃんとした爪とぎを置き、最初はキャットニップなどで興味を畳から逸らすようにして誘導してみてください。
猫が畳でおしっこする理由
猫がトイレ以外でおしっこしてしまう理由はいくつかあります。
第一に、トイレが気に入らない、トイレが綺麗にされていないなど、トイレそのものの問題です。
もし畳だけにおしっこをするという事は、猫トイレよりも気に入ってしまったとか、臭いがついていてトイレと認識してしまっている、などの理由もあります。
畳で爪とぎをする時と同様に、マーキング行為でおしっこする場合があります。
発情期でマーキングをする場合は、色々な場所にもおしっこをかけます。特に畳は尿が中まで染み込んでしまうので、臭いをとることが難しいのです。
トイレ以外の場所で粗相してしまう場合、猫にストレスがあったり、病気にかかっていたりする可能性もあります。
猫が畳でおしっこする時の対策
猫が畳でおしっこをする場合、どのように対策したら良いでしょうか?
素材や匂いが好きでおしっこをしている場合は、表面を隠すことには効果があり、十分保護になります。
ただ、絨毯などの上からでもおしっこをするようであれば、もちろん染み込んでしまいます。その場合、間に防水シートを敷いて、下まで影響がないようにするという方法があります。
防水マットやはっ水マットを上に敷くという方法があります。これでおしっこをされても、畳は保護できて、掃除も簡単に出来ます。
ジョイントタイプは繋げて置けますが、繋ぎ目から尿がもれることもあります。ただ、汚れた場所だけ変えればすむので経済的でもあります。
また、クッションフロアを敷くことも保護になります。防水であり、適度にクッション性があるので猫に安心です。汚れを取りやすいので、掃除もしやすいでしょう。
猫の粗相は、トイレのしつけにも繋がる事ですので、あきらめずにトイレトレーニングをしてください。しつけが出来るまでは、しっかりと保護しましょう。
保護する対策を取りながらも、しつけでも問題を解決するように頑張ってみることをおススメします。
おしっこをしてしまうのが、イタズラなどではなく、病気のせいである場合も考えられます。
猫は泌尿器系の病気にかかりやすく、尿のトラブルも多いと言われます。猫に元気がない、頻繁に尿漏れをしている、という状態なら、すぐ病院に連れて行きましょう。
もしすでにおしっこをされていたら、放置してはいけません。尿の臭いが残っていると、またおしっこをしてしまう可能性があります。
もし尿がついたばかりだったら、すぐに拭き取りましょう。尿が奥まで染み込むと、雑菌が繁殖して、さらに悪臭がする原因になります。中まで入った尿は、小麦粉をかけて尿を吸わせてから掃除機で吸って雑巾でふき取り、ドライヤーで中まで乾かしましょう。
おしっこを畳の上でする場合には、掃除をこまめにして、尿の臭いがしないようにしておくことが大切です。
まとめ
猫が畳を好きになる理由は、人間が好んで使う理由とほぼ同じです。良さが猫にもわかると考えると面白いですが、イタズラされるのは困りますね。
畳を猫の爪とぎや尿から保護するには、上に何かを敷くのが一番確実です。どんなものを選ぶのかは、その部屋でどのように過ごしたいかによって違ってくるでしょう。
猫が畳の上で寝転んだり、遊んだりしているのは、日本らしい素敵な光景かも知れませんね。イタズラされるかも、と心配することなく、猫と過ごしたいものです。
飼い主さんの暮らしと猫の習性と、うまくバランスが取れるような畳の保護対策が出来るように願っています。
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