1.猫にまつわることわざ
1-1.ことわざ①猫に小判
1-2.ことわざ②猫の手も借りたい
1-3.ことわざ③窮鼠(きゅうそ)猫を嚙む
1-4.ことわざ④借りてきた猫
1-5.ことわざ⑤猫の首に鈴をつける
1-6.ことわざ⑥猫に鰹節の番をさせる
2.猫にまつわる都市伝説
2-1.都市伝説①猫は死が近いことを悟ると姿を消してしまう
2-2.都市伝説②黒猫を見ると不幸になる
2-3.都市伝説③猫が顔を洗うと雨が降る
2-4.都市伝説④猫は水入りペットボトルを嫌う
2-5.都市伝説⑤猫が歳をとると猫又になる
3.まとめ
猫にまつわることわざ
ことわざは、格言や知識、理念や教訓などが含まれた短い文または簡単な言葉で、長い世代、語り継がれてきているものです。
ことわざの中には、猫の性質をうまくついたものやその時代ならではのものなど、猫にまつわる様々なことわざがあります。猫好きなら知っておきたいことわざをご紹介します。
◆ことわざ①猫に小判
値打ちがある物を与えても、その価値がわからないものには全く意味がないのでその貴重な物が役に立たない、無駄だということ。
また、素晴らしいものを見せても、何も反応がないということ。
人間にとっては価値のある小判でも、猫にとっては何の意味も無いもので、欲しがることもありがたがることもない、ということから生まれたことわざです。
◆ことわざ②猫の手も借りたい
とても忙しくて、どんな手伝いでも良いから欲しいというほど人手がない、ということのたとえ。
江戸時代中期の浄瑠璃「関八州繋馬」で、この言葉が初めて使われたとされています。
猫はネズミを捕まえるくらいしか出来ることがありませんが、そんな役に立たないものでも手を借りたいということから来ています。
◆ことわざ③窮鼠(きゅうそ)猫を嚙む
弱いものでも追い詰められて窮地に立たされると、強いものに向かって反撃してくるので、相手が弱い者でも追い詰めてはいけないということ。
このことわざは中国の前漢の時代に書かれた「塩鉄論」という記録にあるものが始まりとされています。
猫に追い詰められたネズミが、絶体絶命になると、勝てないような相手にも最後の力を振り絞って噛みつくことがある、ということから来ています。
つまり、弱い者をあなどってはいけないということと、弱い者を絶体絶命の状態に追い詰めてはいけないということです。
◆ことわざ④借りてきた猫
いつもの状態と違って、静かに大人しくしている様子のことです。
飛鳥時代から奈良時代にかけて、猫は中国から日本に来たと言われています。当時、大切な書物や品物をネズミから守ってくれるということで猫は重宝されました。
そこで、ネズミ駆除をしてもらおうと猫を借りて来たところ、全く動かずじっとしていたということです。この習性が一般にも広まり、ことわざになったと言われています。
猫は慣れない場所や始めての場所に連れて来られて、懐いた人もいない状態だと、危険を感じて動かなくなってしまいます。自分が慣れた場所以外だと、とたんに大人しくなってしまう人の様子を例えて言ったものなのですね。
◆ことわざ⑤猫の首に鈴をつける
計画したことは素晴らしい案に見えても、いざ実行するとなると困難で引き受ける人がいない、ということのたとえです。
出どころは、イソップ物語の寓話から来ていると言われます。仲間を猫に食べられていたネズミ達が相談して、来たことがわかるように首に鈴をつけようという計画を立てたが、では誰がそうするか?となると、誰もやるネズミがいなかったという話です。
そのくらいの他人が嫌がるような難しい物事に進んであたる、というような意味で使われることもあります。
◆ことわざ⑥猫に鰹節の番をさせる
好きなものを近くに置いておくと、過ちを起こしやすい、危なくて油断できない、というような状況のたとえ。
猫は鰹節が好物なので、そばに置いておくと、番をするどころかいつ食べられてしまうかわからない、安心できない、ということから来ています。
宝暦13年、平賀源内作の「根無草」という、当時の世相を風刺した談義本に、「猫に鰹節の番をさせれば必ず失敗する」という意味のことがたとえとして書かれています。
猫にまつわる都市伝説
都市伝説は、近代や現代に噂話のように広がったもので、出どころが曖昧であったり不明であったりするものです。
都市伝説も猫にまつわるものが多数あり、その国ならではの考え方が深く関係していたり、地域によって全く内容がちがうこともあるようです。真偽のほどは分からないものもありますが、猫にまつわる都市伝説をいくつかご紹介します。
◆都市伝説①猫は死が近いことを悟ると姿を消してしまう
猫は自分の死期を悟ると、人の見えないところに隠れて死んでしまうという都市伝説です。
江戸時代中期、大和本草という江戸時代の生物、農学書の項目に書かれていることが始まりと言われます。また、猫が出てくる民話としても、最後に死んだかどうかは定かではありませんが、いなくなった、ということでお話が終わりになるものが多くあります。
【真偽のほどは?】
現実的に猫が死んでしまう場合を考えます。猫は体調不良や病気になると、具合が悪いために敵から襲われないように隠れたり、静かな場所でじっとしていたりします。そのうちに死んでしまうものもいて、「いなくなって死んでしまった」→「死が近いのでいなくなった」という事態が発生したことになります。
具合が悪くなった時、人間や他の動物のいない静かな場所に行くのは動物の本能と言えます。死期を悟ったから人間の見えない場所にいく、というわけではないと考えられます。
◆都市伝説②黒猫を見ると不幸になる
黒猫を見かけただけで不幸になる、目の前を横切ると不幸になる、などの都市伝説です。
中世ヨーロッパで魔女狩りが行われていた時代、「黒猫は魔女の使いが変身したものである」という考えから、不幸の象徴とされたことが理由と考えられます。
さらに、暗闇で猫を見かけると、目が光を反射して闇に浮かんだように見えます。黒猫は体が闇に溶け込み、余計に目だけが浮いているように見えることから、より不吉なもの、怖いものと感じる人が多かったのでしょう。
【日本での都市伝説】
古くからの日本でも、猫のことを、不幸になると言わないまでも、不思議な力を持っている生き物であると考えられていたようです。
これは、撫でると静電気が起きて光ったり埃が吸い付いたりすることと、黒猫の場合よくその光が見えた、ということが原因だと考えられます。
ただ、西洋ほど不吉に思うことは無かったようです。
例えば、宇多天皇御記という話の中に、前の天皇からいただいた黒猫を大事に飼っていたという話が記されていることからも、黒猫が特別悪く扱われていたということはないようです。また、江戸時代では、黒猫を抱いていると、肺結核や恋の病などに効くと信じられており、川柳でも歌われていたという話もあります。
1970年代以降、ヨーロッパからの情報が日本によく入ってくるようになり、黒猫は不吉という俗説が都市伝説として聞かれるようになったと考えられます。
◆都市伝説③猫が顔を洗うと雨が降る
猫が顔を洗っていると、近いうちに雨が降る、という天気予報のような都市伝説です。
この都市伝説については、明治時代ごろから俗説として伝えられていたようですが、出どころはよくわかっていないようです。
【真偽のほどは?】
実際に猫が顔を洗うと雨が降るのかどうかということの真偽については、信憑性はあまりないと言えるのではないでしょうか。
猫はグルーミングを頻繁にしていますので、顔を洗うことも多いでしょう。晴れていても、雨が降っていても、グルーミングで顔を洗うことはあると言えます。
そこで、湿度や水滴と、顔の毛との関係で、雨が降ることと顔を洗うという行為が結びつけられたのではないかと考えられます。
雨が降り出しそうな天気になり湿度が高くなって来ると、ヒゲに違和感を感じたり、湿気で重さを感じたりするのでより念入りに顔を洗うことに繋がるのかも知れません。
◆都市伝説④猫は水入りペットボトルを嫌う
玄関や室外機の近く、花壇、庭の畑、電柱の周り、塀の上などに、水入りのペットボトルが置かれている光景を目にしたことがある方が多いのではないでしょうか。
「猫は水入りのペットボトルを嫌う」という都市伝説を信じる人たちが、猫よけのために置いたものと考えられます。
元は、1980年代にアメリカで一般の人から雑誌に投稿された「犬は水入りのビンを恐れる」という話のようです。
その後、この都市伝説がヨーロッパに伝わり、なぜか犬から猫に変わって、さらに日本にも伝わってきたものと考えられます。
【真偽のほどは?】
この説は、信用している人も多いことから、テレビの情報番組や特集などでも検証されました。実験の結果、ペットボトルの水を怖がるということはなく、この都市伝説は真実ではないという答えが出ています。
ただ、効果はないと検証された後でも、効果があると信じてペットボトルを置いている方々がいるのも真実です。水の反射を嫌う、静電気を嫌うなど、効果があるとされる根拠がいくつもあげられています。
この都市伝説で、猫が傷つけられることはありませんが、太陽の光を集めることで、火事につながるおそれがあることが指摘されています。
◆都市伝説⑤猫が歳をとると猫又になる
猫が歳をとると、猫又と言われる妖怪(のようなもの)になるという都市伝説です。
猫又になると、「体が大きくなりしっぽが二つに分かれる」「人間の言葉がわかるようになる」「二本足で立って踊る」「人を襲う」などと言われています。
平安の時代から、鎌倉、室町とずっと猫又と思われる存在が、伝承や書物などにみて取れます。
江戸後期の画図百鬼夜行という浮世絵や絵画では、猫又をモチーフとされたものがあります。特徴的なものは、手ぬぐいをかぶって二本足で立ち、踊りを踊るというものです。
また、「耳嚢」という随筆の中でも「十年ほど生きた猫であればみな人間の言葉が話せる」と寺の和尚さんに猫が語った、という話があります。
平安から江戸時代の長い期間をかけて、その存在は人々の中に噂や伝説として定着し、完成したものと考えられます。
現代の猫は、江戸時代よりもはるかに長生きをしていると考えられます。果たして、皆さんの飼っている中で、猫又になったものがいるでしょうか?
まとめ
猫にまつわることわざ・都市伝説から、有名なものを集めてみました。
ことわざには、猫のイメージが象徴されたものが多いですよね。うまく性質や習性をとらえ、表現しているとも言えます。都市伝説は、もともとが不確かな出どころで広まっている噂のようなものですから、信じるかどうかは人それぞれですね。
猫好きであれば、どちらも気になるものではないでしょうか。都市伝説は、今後も何か猫に関係したものが出て来るかも知れませんね。
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