そもそも「肉球」ってどんな役割をしているの?
飼い主さんが何気なく触っている肉球には、猫の生活に欠かせない機能がたくさん詰まっています。かなり高機能な部分なので、大切にしなければいけません。
◆足音を消して忍び足で敵に近づける
敵に気づかれないようにするには、足音を消すのは鉄則。まるで忍者のように、スーッと無音で敵の近くに移動するために、肉球は大活躍します。
ただ、猫には尖った爪があるので、歩くときにカチャカチャと音がしそうですよね。
猫は気配が消せるように、爪を自由自在に出し入れできるのです。歩くときには、爪を引っ込ませ、さらには肉球を膨らませて音を消すことができます。
◆フローリングも安心、滑らないようにできる
よく滑るフローリング材は、猫にとって負担がないのか気になりますよね。
滑り止めの役割を持つ肉球があるから、猫は室内暮らしでも安心。走ったりしても滑って足を痛める危険もないです。
◆衝撃を吸収!「クッション」的役割
運動能力がかなり高い猫は、自分の何倍もの高さをヒョイッと飛び乗ったり、飛び降りたりすることが可能。家のなかなら、キャットタワーでジャンプを繰り返すのも大好きです。
野生の猫は、もっとレベルが高く、塀や屋根などかなり高いところから着地に成功するほどの運動神経を持っています。
ただ、着地のときに全体重を支える細い足に影響がないかという点が心配になりますよね。
人間にとって触り心地のよい「ぷにぷに」は、着地の際に衝撃を和らげるクッション材となっているのでケガのリスクを減らしています。
◆体温の上げ下げを行う
運動や気温の上昇で体温が上がれば、汗を出して体温を調節することができるのは人間。でも、猫には体のあちこちに汗腺があるわけではなく、汗を放出できるのは「肉球」だけ。
暑い時期には、ジメッと肉球が湿っているのが分かるかもしれません。それが猫の「汗」にあたるものなんですね。
◆裏側のセンサーが危険を察知する
私たちが「ぷにぷにしている」と感じる猫の肉球は、とても奥が深く多機能な部分。実は、猫の肉球からはセンサーのような毛があります。
この毛は、歩いたときに危険を素早く察知して、危険を事前に予測できる優れものです。
◆オモチャや獲物のキャッチに役立つ
猫の肉球は、程よく湿っているからこそ、いろいろなものをキャッチするのが得意です。肉球が乾燥していると、上手くつかめないこともあります。
◆身を清潔にキープする
猫と言えばかなり綺麗好き。体を丸めて、自分の被毛をペロペロと舐めている様子を見ることは日常的です。身体が柔らかいので、全身を舐めて毛づくろいしています。
ただ、顔だけはどうしても舌で舐めることができませんよね。
そこで、肉球の活躍です。肉球を舌で舐めて湿らせ、それから顔を洗うかのような仕草をします。肉球が顔のホコリや汚れを綺麗に取り除いてくれるんですよ。
ピンクだけじゃない!肉球色の違いはどうしてなの?
猫の肉球ファンはたくさんいるかと思います。多くの人は、「肉球=ピンク色」とイメージしているかもしれません。
でも、肉球にはたくさんの色があります。
◆猫の肉球にはどんな色がある?
桜の色のような薄いピンクや少し濃い目のピンクといった明るい色から、なかには茶色、こげ茶、黒といった暗めの色まであります。
また、これらの色が少しずつミックスした混合色もあり、見ていると面白いですよ。
◆色の違いは被毛色で違う?
肉球の色が違う理由が気になりますよね。「それぞれの個性なのかな?」と思うかもしれませんが、ある法則が隠されています。
肉球の色は「被毛色」と比例していると言われ、白猫のように被毛全体が淡い色の猫は、肉球もピンクなどの明るめの色となることが多いそうです。
逆に、何の混じりけがない「黒」の被毛色の猫は、肉球も黒に近い濃い色になります。
黒&茶色のキジトラは、黒あるいは茶色の肉球、茶トラは少し濃い目のピンクが多いです。
また、面白いのは、毛の色が「白&黒」「黒&茶」「グレー&黒」など、二色や三色の毛色パターンだと肉球もまだらの色になったりすること。
ピンクと黒、あずき色などがまだらに混じった斑点のある肉球が特徴的です。
毛の色に近い配色で肉球の色が変わるのが不思議ですね。
◆生活環境で変わることもある
肉球へのダメージや色素によって色が変わることもあります。
外への散歩を日課にしていたら、角質に厚みが出て濃い色に変化したと言う具合に、生活の環境によっても変化していくとも言われています。
◆シニアになると色が変化する?
赤ちゃんの頃にはピンクに近くても、加齢とともに黒くなるということもあれば、逆に黒い色の肉球だったのにピンク色のように薄くなってきたなど…。
年齢とともに必ずしも肉球の色が変化するわけではありませんが、色がだんだん変わっても病的な原因ではないケースもあると覚えておくといいでしょう。
肉球の色で「性格」が分かる?
さきほどもお話ししたように、猫の肉球は体の色と似ていますが、肉球の色によっても性格が違うと言われています。毛の色や肉球の色、そして性格との関係は、すべてが当てはまるわけではありませんが、参考程度に見ていくと面白いかもしれませんね。
我が家の猫はいったいどんな性格なのでしょうか?
◆濃い色の肉球の猫は「活発系」
肉球の色が黒や茶色など濃い色の猫は、いつも元気に動くタイプと言われています。
毛の色が濃い子は、行動的なタイプが多いと考えられているので、やはり被毛の色との関係は大きそうですね。
飼い主さんと一緒に遊ぶのも好きで、活発な傾向かもしれません。
◆明るい色の肉球の猫は「穏やか系」
肉球と言えばピンクのイメージがありますが、白に近い淡いピンクの肉球は、柔らかそうで可愛い色ですよね。
そんなピンク色の肉球の持ち主は、穏やかでおとなしい雰囲気を持つ子が多いです。
そもそも肉球がピンクの猫は、被毛の色も明るめです。外の世界では目立つ色で敵に狙われやすいため、警戒心が強く臆病な性格の子が多いのではないかと言われています。
でも、穏やかな性格なので人間とも仲良くできる人懐こさもあります。
◆明るい色&濃い色が半々の混ざりの猫は?
それでは、肉球の色が混ざっている猫はどうなのでしょう。この場合、濃い色と明るい色の肉球の性格を半々にした感じと言えそうです。
◆肉球の色で性格を断定することはできない
毛の色、肉球の色など、猫の体にはそれぞれの個性があります。人間も髪の色や肌の色、目の色など国によって違いがありますが、必ずしも性格について決めつけることはできませんよね。
飼い主さんの猫への関わり方、生活する環境で猫の性格もだいぶ変わるので、「言われてみれば近いかもしれない」程度に当たっていることもあるかもしれませんが、参考程度に楽しく考えましょう。
生活環境が違えば、肉球の硬さも変わってくる~触り心地にも変化が…?
触ったときの柔らかい感触が気持ちよいので、いつまでも「ぷにぷに」を撫でていたいものですよね。実は、猫の生活環境によって、そのぷにぷに感にも少し変化があるのです。
◆室内飼いと外で暮らす猫の肉球のちがい
基本的に完全室内暮らしの家庭猫は地面に足をつける習慣がないので、肉球の表面も柔らかさをキープできます。
一方で、外に散歩に行く習慣がある猫たちは、硬い土やアスファルトに合せて歩ける肉球が必要になるので、表面が厚くなっています。
◆室内飼いでも肉球ケアを大切に
家のなかで暮らす猫はぷにぷにした感触が魅力的ですが、歩くという点ではその柔らかさからケガのリスクが高まります。
家のなかでは、危ないものを猫の歩くところに置かないなど、猫が肉球のケガをしないような配慮をしてあげましょうね。
肉球の色が突然変化したら不調のサイン?
肉球は、いつも床や地面に触れている大事な部分。衝撃吸収や滑り止め、体温調節など多機能かつ生活に欠かせないパーツです。
衝撃を吸収するクッション材の機能があるので、猫の肉球は丈夫だという印象が強いかもしれません。
でも、肉球のケアが悪いと変化することもあります。
肉球の不調を気づかずにいると、「クッション」「滑り止め」と言った機能が半減し、猫がケガをするリスクも高くなります。
肉球にどんな変化があったら注意すべきなのでしょうか。
◆赤くなっている
ケガが原因で肉球の表面がめくれていたり、出血や腫れで赤く変色していることがあるでしょう。
屋外へ出ることが習慣の猫なら、ジャンプの着地や他の猫とのケンカ、さらには地面に落ちているガラスなどがケガの原因になることも多いです。
肉球は、皮膚炎が重症化すると治りにくい場所です。ケガをしていないか、帰宅したら肉球の裏をいつも確認してくださいね。
◆急に薄い色になった
ふだんから薄いピンク色の肉球なら気づきにくいかもしれませんが、いつもは濃い色の肉球なのに薄い色になっていれば血の巡りが悪くなっているかもしれません。
この時に考えられるのは、貧血でしょう。
肉球の色の薄さだけで判断は難しいですが、その他にも体全体に白い部分が見られるかと思います。舌が白くなってきたなど、体の色の変化に気づいたら検査をした方がいいでしょう。
また、他の病気の合併症にもなっている貧血の場合、体重の変化や下痢など、他にも不調が表れます。
いつもと違う様子があったら、獣医師に相談してみてくださいね。
肉球のケアの方法!ハンドクリームならぬ「肉球クリーム」
◆肉球の乾燥に注意!
室内で猫を飼うときには、乾燥に注意しましょう。
特に、冬にはエアコンやストーブで空気が乾燥しがちです。猫の肉球にある水分も失われがちで、カサカサと触り心地も悪くなることもあると思います。
また、肉球の乾燥は、飼い主さんの触り心地が悪くなるだけではありません。滑り止めの効果も減って、家のフローリングで転んだり、キャットタワーの着地で滑るなどケガにも繋がります。
乾燥しがちな時期には、適切なケアが必要です。
◆猫用の肉球クリームアがおすすめ
そこで、猫の肉球ケアでおススメなのが肉球クリーム。
乾燥対策でハンドクリームを使う飼い主さんも多いかと思いますが、その「猫版」です。猫の肉球に優しく浸透し、内側から表面を保護してくれますよ。
触ったときに「カサカサ乾燥している」と気づいたら、ペット用の肉球クリームを使ってみましょう。ペット用なら、万が一猫がなめても安心です。
ただし、含まれている成分が違うので、人間のハンドクリームの代用はやめてくださいね。愛する猫のため、安全・安心なものを使って優しくケアしましょう。
まとめ
多くの人が大好きな肉球。ふだんは、単にぷにぷにした感触にウットリするだけですが、重要な部分と知ると大切に扱わなければと気持ちが高まりますよね。
体調が悪くなって、肉球の色や触り心地が変わることもあります。
健康面を知ることにも繋がる部分なので、触るだけでなく、目で見ながら、いつもと違うかもチェックしてみてくださいね。
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