猫に歯磨きは必要?
猫の歯磨きをした事がない方は、「そもそも猫に歯磨きなんて必要なの?」と疑問に思ってしまいますよね。
猫に歯磨きは必要なのか、答えは「YES」です。
◆野良猫と飼い猫の食事のちがい
「歯ブラシが無い大昔や野良猫は、歯磨きをする機会もないのにどうしているの?」と思われるかもしれません。
野生の猫達は、肉や魚を食べて生活しているため、歯周病の元となるプラークが溜まりにくい傾向にあります。
しかし、現代の飼い猫達はドライフードを初め、柔らかいウエットフードやおやつを食べて生活しているので、細かいゴミが歯垢となって歯の隙間に溜まりやすくなっているんです。
◆猫は歯周病になりやすい
猫は、人間と比べると歯垢が歯石になるのも早く、歯周病や歯肉炎になりやすいと言われています。
歯周病や歯肉炎が進行すると、歯が抜け落ちたり、細菌が歯周ポケットから血管を伝って、臓器にダメージを与えてしまう危険性もあります。
猫ちゃんの口の中を定期的にチェックして、飼い主さんが歯垢を取り除いてあげるようにする習慣をつけましょう。
猫の歯磨きのコツは?
◆成猫になってからの歯磨きは難しい
猫の歯磨きは、永久歯が生え揃う6ヶ月頃までに歯ブラシに慣れさせておくと、抵抗する事もなくすんなり磨かせてくれるようになります。
しかし、歯磨きする習慣がないまま大人になって、いきなり歯ブラシでゴシゴシしようとしても抵抗されるのは当たり前です。人間でも何の説明もないままよく分からない行動を取られると恐怖心を覚えますよね。
大人になってから猫の歯磨きをするには、コツが必要になってきます。
◆口に触ることから慣れさせる
歯磨きする習慣の無かった猫に、いきなり歯磨きさせようとしてもなかなか素直にさせてくれません。
まずは、準備期間として、口元を触る事に慣れさせるという所から始めて下さい。
多くの猫は口の中を触られる事を嫌いますので、まずは愛猫がリラックスしている時に口元や歯を触り、徐々に歯ブラシやガーゼなどを歯に当てて様子をみましょう。
猫が嫌がる事を続けて口元すらも触らせてくれなくなってしまっては元も子もないので、無理やり押さえつけて歯ブラシで磨くのは避けて下さいね。
◆嫌がる前に辞める
早く歯磨きに慣れさせたいと焦ってしまうと、慣れるどころか歯磨きが嫌いになってしまう可能性があります。
嫌がった様子を見せていなくても、「もうちょっと!」と欲張らずに「この辺で!」と嫌がる前に終わらせ、また次の日に様子を見てステップアップして行きましょう。
「また嫌な事されるのかな!?」と警戒されるよりは、「あれそんなに嫌じゃないのよね」と思ってもらえれば、徐々に慣れて歯磨きを嫌がらなくなるかもしれませんね。
猫の歯磨きの方法は?
猫の歯磨きの方法は、大きく分けて2つあります。
まず1つ目は、ガーゼや歯磨きシートを使う方法、そして2つ目は、歯ブラシを使う方法です。
◆ガーゼや歯磨きシートを使った歯磨き
まずは、猫の口元や口の中を触る事に慣れさせてから始めるようにします。
水で湿らせたガーゼや歯磨きシートを人差し指に巻き付け、猫の歯の表面をこするようにして歯垢を拭き取って下さい。
一気に全て終わらせようとすると嫌がってしまう事もあるので、必要なら休憩を挟みながら部分ごとに拭いていきましょう。
拭き取りが終わって余裕があるようでしたら、歯石予防のペーストを塗ってあげるとベストです。
◆歯ブラシを使った歯磨き
歯ブラシを使った猫の歯磨きの場合、永久歯が生え揃う頃までに歯ブラシに慣れさせておくと楽になります。ガーゼや歯磨きシートに慣れてきたら、歯ブラシにチャレンジしてみましょう。
猫の歯磨きは、猫用の歯ブラシが売られています。飼い主さんが持ちやすく、毛先が柔らかいものなら問題ありません。
また、歯磨き粉を使用する場合は、人間用ではなく猫専用のペーストを使用するようにしましょう。
歯ブラシに慣れさせるためにも、まずは歯ブラシにつけたペーストを猫に舐めて貰い、歯ブラシが嫌なものではないと印象付ける事が大切です。
歯ブラシに慣れてきたら歯と歯ぐきの歯周ポケットや歯石の出来やすい奥歯も念入りに磨きます。力は入れず、斜め45℃を意識し、小刻みに磨くようにして下さい。
こちらもガーゼや歯磨きシート同様に、最後に歯石予防のペーストを塗ってあげましょう。
◆愛猫に合った方法で歯磨きしましょう
どちらの方法でも歯垢が落とせれば問題ありませんが、歯ブラシを使った方が歯垢は落としやすいと言われています。
ただし、歯ブラシの方が慣れるまでの期間や難易度が高くなって来るので、どうしても歯ブラシを嫌がる場合には無理強いせず、ガーゼや歯磨きシートを利用されてみて下さい。
◆猫の歯磨きの頻度は?
頻度としては、人間と同様毎食後が望ましいですが、中々猫の歯磨きを毎食後にしてあげる時間が取れない方も多いかと思います。
歯垢が歯石に変化するのは3日と言われているので、毎日が難しい場合にも2~3日に1回は歯磨きをしてあげるように心掛けましょう。
猫が歯磨きを嫌がる場合はデンタルおやつがおすすめ!
猫の性格によってはどうしても歯磨きを嫌がるという場合があります。
嫌がることを無理強いしては猫のストレスになってしまいますし、猫が歯周病になると食欲が無くなったり、もっと大きな病気を引き起こし兼ねません。
そこで、歯磨きシートや歯ブラシ以外にも、おやつやおもちゃなどのデンタルケア商品をいくつかご紹介させて頂きたいと思います。
●グリニーズ 猫用
原材料は天然素材にこだわった猫用のデンタルおやつです。
味のバリエーションも豊富なので、美味しくおやつを食べてコミュニケーションをとりながら愛猫のデンタルケアができちゃいます。
●プラクト ねこちゃんの歯みがきデンタルクランチ
噛むことで歯垢を落としお口をすっきり保ちます。フレーバーもまぐろとかつおの2種がありますので、ネコちゃんの好みに合わせて選べます。
キリンの35年の研究から生まれたプラズマ乳酸菌配合で、お腹の健康にも配慮されています。
●ペットキッス オーラルケア
噛むだけで愛猫のデンタルケアができちゃうおやつ。
にぼし、カニ風味かま、ササミジャーキー、ササミ&チーズなど、種類が豊富なのも嬉しい。
●まゆ歯みがき
猫が遊びながら楽しく歯磨きができるじゃらしタイプのデンタルケア商品で、天然素材のまゆ玉が歯の汚れをかき取ってくれます。
スティックタイプやロングひもverもあり、またたびの実入りで音も香りも猫まっしぐらな商品になっています。
まとめ
今回は猫の歯磨きの必要性とやり方、嫌がる場合の対策についてご紹介させて頂きました。
綺麗好きで毛繕いを欠かさない猫ですが、流石に歯ブラシを手に持って自分で磨く事はできません。飼い猫は野生の猫達と違って食べカスが溜まりやすい食事をしているわけですから、愛猫に健康で長生きして貰うためにも歯磨きする習慣をつけてあげましょう。
毎日は時間が取れないという飼い主さんは、歯磨きタイプのおやつやおもちゃを上手に使い分けてみて下さいね。
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