伸びる猫たちが話題に!
伸びる猫とは、体を長くして脱力している様子の猫や、前足を突き出して背中を反らせて伸びている猫のことです。
インターネット上では、伸びる猫たちの画像がアップされて、そのつど話題になっています。
ツイッターでも「#伸びる猫」や「#全日本猫伸ばし協会」といったハッシュタグがつけられて、猫が伸びている画像をアップする人たちがなぜかたくさんいます。
インターネットにあげられた、伸びた猫たちの画像の一例をご紹介します。
◆外で寝転がって伸びをする猫
友達から実家の猫の写真送られてきたけど猫ってこんな伸びんの!? pic.twitter.com/qzEioWLMTA
— 夜@スパコミ (@yoruxxchoco) 2016年9月16日
警戒心もなく、横になって思いっきり手足を伸ばしている猫が写っています。一直線に伸びて、後ろの猫もちょっと驚いているかのように見えませんか?
この伸びる猫の画像はあっという間に拡散され、後ろの猫と前の伸びた猫の胴体の長さは同じ、といったよくある騙し絵のような説明がつけられたりして、話題となりました。
◆ソファで寝ながら伸びる猫
日当たりの良いソファで眠っているうちに伸びてしまったのでしょうか。または、伸びをしているうちに眠ってしまったのか?とても気持ち良さそうな顔をしていますね。
バンザイをしたまま、お腹も見せて伸びながら寝ている細くて長い猫です。ちょっとやそっとでは起きないような、安心しきっている感じです。
◆伸びをする黒猫
こちらは、浴槽の中で気持ちよさそうに伸びをしている黒猫です。
まるで飛んでいるかのようなポーズで、体の伸び具合、足の伸び具合、尻尾の曲がり具合とどれも魅力的です。
伸びる黒猫の様子から、どんどんとネットユーザーによるコラージュ画像が作られていっています。みんな、なぜか伸びる猫が大好きということが伺えます。
ただ体を伸ばしているだけとは言え、猫が体を伸ばす姿は魅力的であり、普段の猫からは想像できないような面白さもあります。
猫の体が伸びる(柔らかい)のはなぜ?
猫の体がなぜあんなにも伸びることが出来て、柔らかいのかをご紹介します。
◆猫の体の構造のため
猫が長く伸びることのできる理由のひとつは、猫の骨が人間よりも多いということです。
猫の背中の骨である「胸椎」は13本で人間よりも1本多く、胸椎に連動した「肋骨」も13本で人間より1本多く、さらに「腰椎」は7本で人間より2本多くなっています。
また、完全肉食獣で比較的腸が短いので、脊柱が内臓を支える必要性が低いために、柔軟性がとても高いことも理由としてあげられます。
このために、胴体を弓のようにしならせることが出来るのが、まるで伸びたり縮んだりしているように見える理由です。
実際、背骨と背骨の間の椎間板や、骨と骨を繋いでいる靭帯の柔軟性もとても高く、手足を伸ばしたり体をねじったりすることが可能になっています。
◆猫の皮膚が伸びるため
猫の皮膚は柔らかくて、とてもよく伸びます。特にお腹から後ろ足にかけての皮膚は柔らかくて、「ルーズスキン」と呼ばれている部位です。
個体差はありますが、チーターやライオンといった、大型のネコ科動物にも、このルーズスキンが見られます。
猫が喧嘩をして噛まれた際に、内臓に致命的な傷を負わないためや、早く走る時やジャンプする時など足を伸ばす時に大きく広げられるためというのが、このルーズスキンという部分がある理由だと考えられています。
猫が伸びをする時の理由9つ!
それでは、柔軟性が高く伸びることが出来る体を持った猫は、どんな時にどんな理由で体を伸ばすのでしょうか?
◆伸びをする理由①動く準備のため
猫が素早く動くためには、瞬発力が必要です。なぜかというと、獲物を撮る時や敵から逃げる時に、素早く動けるようにしておかなければならないからです。
いざという時に力を出して、体がすぐ動かせるようにしておくために、準備運動のようなもので、体を伸ばしていると考えられます。
◆伸びをする理由②体や血液の循環を良くするため
体を伸ばすことで血行が良くなるとも考えられますので、これから動くために体を伸ばして血液を巡らせていると言えるでしょう。人間が運動前にする、ストレッチと同じ理由があるということですね。
例えば、眠って休んでいた猫が、起き出して伸びをすることがよくありますね。
これは、体を伸ばすことで、さてこれから活動するぞ、といった時に、筋肉や関節の準備をしているのです。
さらに、眠る時間が長い猫は、それだけ、体を動かさないで過ごす時間も長くなります。
眠りから起きて動く前には、手足を伸ばして、背中も伸ばして、準備をすることは自然なことだと言えるでしょう。
◆伸びをする理由③体内に溜まった毒物を排出させるため
猫の伸びには、体内に溜まった老廃物や毒物を流すための、デトックス効果もあるようです。
猫が伸びをする事で筋肉の動きが良くなって、同時に体の中の毒物や老廃物を流す事が出来ると考えられます。
伸びをすると、血流やリンパの流れが良くなります。血液中には二酸化炭素や乳酸などの老廃物が溜まりますが、伸びをして血流を良くすることで、流れが滞らないように流す役割をしているということです。
猫がデトックスを考えているわけではありませんが、体を伸ばすと気持ちよくなるため、なぜか自然に行動していると考えられます。
◆伸びをする理由④緊張をほぐそうとしているため
他の猫に出くわして緊張した時や、慣れない人が近づいた時にも、伸びをすることがあります。
緊張をほぐそうとしているか、なにかあったら攻撃しようか、といった気持ちの現れと見られます。
もし猫に近づいた時に、緊張した感じで体を伸ばし始めたら、もしかしたら攻撃されることがあるかも知れません。しばらく離れて観察したほうが良いでしょう。
◆伸びをする理由⑤リラックスするため
猫は、緊張した体をほぐして力を抜くために、伸びをしていると考えられます。
固まったりこわばったり、または運動で疲れた筋肉を休ませ、人間がするストレッチの目的と同じように、筋肉や関節を伸ばしているのです。
筋肉を伸ばしたり、関節を動かしたりすると、気持ちいいものですよね。猫も伸びをすることで、気持ち良さを感じているのでしょう。
◆伸びをする理由⑥安心している
お腹を出すということは、安心しているからという理由も考えられます。
安全だと思っているからリラックス出来ますし、お腹を出すようなポーズで体を伸ばすことが出来るのです。
猫は前足を顔から上の方に伸ばしたり、後ろ足をしっぽと同じ方向にまっすぐに伸ばすことができたりしますので、まるで人間のように伸びて寝ていることもあります。
猫が眠っている時に、脱力して体を伸ばしたままでいられるのも、とてもリラックスしているためだと言えるでしょう。
脱力して伸びるのは、室内で飼われている猫に多く見られます。野良猫の場合、安心している伸びはよっぽど安全な場所を確保しているものでなければ、なかなか見られないでしょう。
◆伸びをする理由⑦寝る前の準備をするため
これから寝ようかな、といった眠る前の準備のような理由で、伸びをすることもあります。
眠くなって、安心してきたぞ、といった気持ちの証拠です。体の伸ばした後、ベッドやお気に入りの場所でお昼寝を始める合図です。
リラックスという意味では、相手に対してアピールしていることもあります。
伸びをすることで、相手の猫や人に対して、私は危害を加えませんよ、リラックスしていますから、といった態度を見せているのです。
◆伸びをする理由⑧気分を切り替えるため
猫が獲物に集中していて、取り逃がしてしまった後や、猫じゃらしで遊んでいて飽きた時などに、伸びをすることがあります。
これらは、気分を切り替えたり、落ち着こうとしたりするためにするのではないかと考えられています。
誰かに追いかけられたり、飼い主さんに叱られたりといったあとにも、気分転換するために体を伸ばしているのです。
気持ちの切り替えのための行動としてグルーミングを始める猫もいますが、体を伸ばすこともそのうちの1つと言って良いでしょう。
◆伸びをする理由⑨飼い主さんに甘えたい
気分を切り替えるという意味では、大好きな飼い主さんが外出から帰ってきた時など、甘えたい気持ちを抑えるために、あえて伸びをしているといった場合もあります。
本当は飛びついて甘えたいのですが、伸びをすることで落ち着いて自分を抑えている場合があると考えられます。
猫が伸びをする理由まとめ
猫の体は柔軟性があり、関節もよく動くため、体を伸ばした時には、とても長くなったように見えます。
伸びをする理由は、単純に気持ちよく伸ばしているといった以外にも、猫の心を表す様々な意味もあるのです。
リラックスしている場合もあれば、気分を変えようとしている場合もありますから、猫の気持ちまでを見極めるのは難しいかも知れませんね。
様々な姿で猫好きを魅了してしまう、猫の伸びる姿ですが、猫にとっては大切な行動のひとつです。
猫が体を伸ばして面白い格好や可愛いポーズをしていると、ついつい写真を撮ることのほうに気持ちがいってしまいがちですね。
飼い猫が伸びるところを見かけたら、写真を撮るだけではなく、どんな気持ちなのか、なぜ伸びをしているのかを想像してみるのも面白いかも知れません。
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