猫のサマーカットとは?
夏場は猫にとっても非常に暑く、換毛期で夏仕様の毛に生え替わると言っても、毛は全身を覆っているので暑さ対策が必要となります。
その対策の一つとして行われるのが、サマーカットと呼ばれる猫の毛を本来より短く刈るカットです。
猫のサマーカットには、顔だけ残して全身の毛を短くするカットや、顔や胸の毛を残して短くするライオンカットなどがあります。
その他にも、毛を少し残す場合や、皮膚が見えるまで刈る場合などもあり、大体はこちらの希望をトリミングサロンなどに伝えてカットしてもらう事が多いでしょう。
猫のサマーカットのメリット・デメリット
猫のサマーカットは、全身を覆う毛が短くなったり、無くなって涼しくなるメリットがありますが、反面で皮膚炎やストレスなどのデメリットもあります。
ここではサマーカットのメリット・デメリットについてご紹介していきます。
◆猫のサマーカットのメリット
・サマーカットのメリット①皮膚炎などの予防
猫は夏場になると、暑さから皮膚と毛の間が蒸れて、皮膚炎になってしまう事があります。特に日本の夏は湿気が多いので、蒸し暑い中で過ごしていると皮膚炎になる可能性も高まってしまいます。
サマーカットをする事で、毛の密度も少なくなり、蒸れにくくなるので皮膚炎が起こりにくくなります。
また、サマーカットによって皮膚の状態が見えやすくなるので、皮膚炎などの異常にも気付きやすくなるメリットがあります。
・サマーカットのメリット②汚れがつきにくい、取りやすい
長毛種の猫は、毛が長いために食事中にフードが毛についてしまったり、排泄物がお尻の毛についてしまう事も多くあります。サマーカットはこれらの汚れが付きにくくなる利点があります。
毛が短いので自宅でシャンプーをした場合にもドライがしやすく、暑い中で長くドライヤーをしなくて良いようになるところがメリットです。
・サマーカットのメリット③抜け毛処理がしやすい
長毛種の猫の抜け毛は、人間の衣服やソファに着くととても目立ちます。
サマーカットで毛が短くなる事で、抜け毛の処理がとても楽になるメリットがあります。また、お手入れなどのブラシがしやすくなります。
◆猫のサマーカットのデメリット
・サマーカットのデメリット①直射日光が炎症の原因となる
短く毛を刈ると、皮膚に直射日光が当たりやすくなってしまいます。
猫は日向ぼっこが好きな生き物ですし、気に入っている場所があると、サマーカットしていてもいつものように日の当たる場所でくつろぎます。
この夏場の暑い日差しが直接肌に当たると、紫外線があたり、皮膚が荒れてしまう事があります。
日向ぼっこが好きな猫や、家の中に日の当たる場所が多い場合は、薄手の洋服などを着せて皮膚を守ってあげましょう。
・サマーカットのデメリット②毛づくろいで肌を傷つけてしまう
もともと綺麗好きな猫は毎日毛づくろいをしますが、毛が短くなった事で違和感を感じ、いつもより毛づくろいを沢山してしまう子もいます。
毛づくろいをしすぎると、ザラザラした舌の影響で皮膚を傷つけ、そこから皮膚炎を起こしてしまう事があります。変化に神経質なタイプの猫ちゃんや、毛づくろいをよくする猫ちゃんの場合は注意が必要です。
サマーカットをしてから毛づくろいの多さなど異変に気づいた場合には、エリザベスカラーや服を着せるなどして皮膚へのダメージを防ぎましょう。
・サマーカットのデメリット③ストレスを感じる子もいる
猫によって個体差があり性格もそれぞれですが、サマーカットでストレスを感じてしまう猫もいます。
上記のように毛づくろいの回数が増えたり、皮膚が見えるほどのカットをすると、毛質が変わってしまったり、毛が生えてこなくなる猫もいるそうです。
・サマーカットのデメリット④冬場は低体体温症になる可能性
秋~冬など寒い時期に毛を刈られた状態でいると、低体温症になるリスクがあります。毛が生えるまでの時間を考えるなど、サマーカットをする時期には十分に注意しましょう。
猫のサマーカットの種類は?
◆ライオンカット
ライオンカットは、顔の毛だけを残して全身を刈るトリミングと、顔と胸を残して体を刈るトリミングの方法です。ライオンクリップとも呼ばれています。本来の毛が長いほど、衝撃的な見た目となります。
見た目はかわいらしいですが、先程ご紹介通りカットによる皮膚の露出などで、ダメージを受けてしまう場合もあります。
愛猫のタイプを見極め、トリマーさんと相談しながらカットするようにしましょう。
◆部分カット
毛にフードや排泄物が付いて困っている方には、この部分カットがオススメです。顎下の毛や胸の毛だけを短くしたり、お尻周りの毛だけをカットしてもらいます。
長毛種だと毛が絡まって毛玉になってしまう場合もありますが、ほどけない毛玉の部分だけを刈り取ってもらう事も出来ます。
また、毛玉をコームなどで無理に取ろうとすると、毛根ごと抜けてしまう可能性があるため、バリカンで刈り取ってもらうのがおすすめです。
猫のサマーカットのトリミング方法、料金は?
ここではサマーカットのトリミング方法や料金についてご紹介していきます。
◆トリミング方法は?
短毛種の猫や長毛種でも毛が絡まっている時、皮膚が見えるまで短くする場合にはバリカンを使用します。
◆トリミングしてもらう場所は?
★ペットサロン
ペットショップに併設しているサロンや、トリミング専用のサロンがあります。猫のトリミングは扱っていないお店もあるため、下調べしておきましょう。
★動物病院
動物病院でトリミングサービスを行っているところもあります。我が家はかかりつけの動物病院がトリミングもしているため、いつもそこでシャンプーやトリミングをしてもらいます。
動物病院の場合は、猫の健康状態を見てシャンプーやトリミングを行ってくれたり、預けている間に体調不良が起こった場合も対応してもらえるのが利点です。
◆トリミングの料金
トリミングの料金はお店によって違いがありますが、シャンプーのみの場合は、短毛種が5900円~、長毛種が8200円~の料金が多いようです。
シャンプーとカット両方をお願いする場合は、9200円~10700円ぐらい料金がかかります。短毛種と長毛種で料金を分けているお店や、トリミングはどちらも同じ料金のお店もあります。
シャンプーだけの場合も、耳掃除、爪切り、肛門嚢搾りなど、家では難しいケアもしてもらえる事が多いです。
自宅でも愛猫のカットをできる?
お店や病院でトリミングを頼むとやはり料金がかかります。そこで、ちょっとしたカットはご自宅でしてみるのもオススメです。
◆手軽で安心なバリカンのカット
自宅で猫をカットするのに便利なアイテムは、ペット用バリカンです。
ペット用のバリカンは色々と種類があり、ハンディタイプの小さなものや、コードを繋ぐパワフルなもの、掃除機と引っ付けて使えるものなどがあります。
掃除機やドライヤーなど機械音が苦手な猫ちゃんには低騒音、低振動などのペット用バリカンを選ぶと猫ちゃんのストレスを軽減できるでしょう。
◆バリカンを使用する時の注意
バリカン使用の際、力で猫を押さえつけたりすると、次回からバリカンを見ただけで逃げてしまうこともあります。猫の皮膚はとてもデリケートなので、怪我には十分に注意してください。
猫が嫌がったら中断し、ご機嫌な間に素早くカットしてあげましょう。バリカンを使用する際は、顔や手足、尻尾のカットはしない様にしましょう。
◆大人しい猫ちゃんにはハサミでカット
普段から爪切りや耳掃除などで嫌がらない大人しい猫ちゃんには、ハサミを使用したカットが行えます。我が家も基本されるがままな猫なので、ハサミでカットをします。
全身を満遍なくカットするのはプロ以外は難しいので、自宅でハサミを使用する場合は、部分的に気になる部分をカットします。
体の場所別、愛猫の自宅カットの方法!
自宅でできるカットの方法についてご紹介していきます。
◆毛玉のカット
長毛種の場合は、絡まってほどけない毛をカットすることが多いです。毛玉は喉やあごの下、脇の下、お尻、胸の内側、お腹、耳の後ろなどにできやすい傾向にあります。
我が家はハサミを使いますが、肌のギリギリから切ろうとすると、猫が動いた時に肌を傷つけてしまう恐れがあります。
そのため、毛玉カットは毛玉の先端や中程を少しずつカットしてほぐしていくと、肌を切ってしまう心配が少なくなります。
バリカンの場合は、毛玉の根元部分にそっとバリカンを押し当てて、剥がしていく様な感じで刈ります。ギュッと当てすぎず、ちょっと刈っては離しを繰り返し、皮膚が引っ張られたり猫が痛いと感じない様にしてあげましょう。
◆お尻周りのカット
特に長毛種だとお尻周りの毛も長く、下痢をした場合に汚れやすくなります。飼い主の掃除の負担も増えますし、猫自身もウンチがついて気持ち悪く感じていると思います。
バリカンを使用する際には、猫のしっぽの根元部分を優しく持ち上げ、毛の流れに沿ってゆっくりとカットします。
ただし、お尻を触られるのが嫌いな猫ちゃんも多いので、様子を見ながらカットしていきましょう。
お尻周りの毛をハサミでカットするには、大人しい猫でも難しいので、二人がかりで一人が支え、もう一人が慎重にカットしていくのがいいかと思います。
警戒心の強い猫ちゃんだとハサミは危ないので使用は控えましょう。
◆足裏カット
足裏カットとは、肉球の間から伸びている毛をカットすることです。
短毛種だと気になる方は少ないかもしれませんが、長毛種は肉球の間の毛もかなり伸びます。肉球から飛び出す毛もまた魅力ではありますが、そのままにしておくとフローリングなどツルツルした床で走った際に滑りやすくなります。
猫が滑りやすくなると、高いキャットタワーから飛び降りた時や、勢いよく走った時に滑って腰を痛めたり、うまく着地出来ない恐れがあります。
肉球から出ている毛をカットするには、ハサミだと肉球を傷つける恐れがあるため、小さめのバリカンなどで刈ってあげましょう。
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