1.猫に牛乳を与えても大丈夫?
1-1.お腹を壊す猫がいる
1-2.肥満につながることがある
1-3.牛乳にアレルギーを持つ猫もいる
1-4.心臓の負担になることもある
1-5.結石ができる可能性がある
2.猫に牛乳を与える効果は?
2-1.水を飲んでくれない時の水分補給
2-1.フードをあまり食べない時の栄養補給
2-1.おやつとして
3.猫に牛乳を与える時の注意点
3-1.猫用の牛乳を与える
3-2.下痢をする猫には与えない
3-3.継続して与えない
3-4.たくさん与えない
3-5.冷たい牛乳を与えない
4.乳酸菌は猫の体にいいの?
4-1.腸内環境を改善する乳酸菌
4-2.人用の牛乳にはほとんど含まれていない
4-3.乳酸菌がとれる食材
4-4.乳酸菌の食材は少量ずつが基本
猫に牛乳を与えても大丈夫?
牛乳は、猫に与える際には注意が必要です。その理由としては次のものがあげられます。
◆お腹を壊す猫がいる
牛乳にはたくさんの栄養素が含まれていますが、猫にとっては乳糖のラクトースという成分が問題になることがあります。
猫は、牛乳に含まれるラクトースを分解する酵素(ラクターゼ)をもたないものがたくさんいます。ラクターゼを体内に持たない猫が牛乳を飲むと、牛乳をしっかり消化、吸収することができないので、下痢を起こします。
猫によって個体差があり、牛乳を飲んでも全く問題ない猫もいますし、少量飲んでも下痢をする猫もいます。そのため、高齢の猫や子猫に牛乳を与える時には特に注意が必要だと言えます。
子猫にミルクを与える時にも、牛乳だけを与えて育てようとしても、猫に必要な栄養素が足りないので、発育不良を起こしてしまいます。ミルクしか飲めない授乳期の猫には、牛乳を与えない様にして、子猫用のミルクを与えなくてはなりません。
◆肥満につながることがある
牛乳には脂質も含まれているので、牛乳のあげすぎは猫の肥満につながります。栄養価が高いことも牛乳の特徴ですが、普段の食事にさらに牛乳を追加してしまうと、摂取カロリーが高くなるおそれもあります。
また、おやつとして牛乳を与え続けるだけでも、猫を肥満にさせてしまう可能性があります。
◆牛乳にアレルギーを持つ猫もいる
猫が牛乳を飲んで下痢をした場合に、乳糖をうまく分解できないといった理由以外に、牛乳にアレルギーを持っているという場合も考えられます。
どんなものにアレルギーを持つかは猫によって個体差がありますので、気になる場合には牛乳を与えず、動物病院で検査をしてもらうと良いでしょう。
◆心臓の負担になることもある
牛乳にはナトリウムが含まれています。ナトリウムの含まれる牛乳を摂取し続けることで、心臓病の猫や高齢の猫の心臓への負担が増大する可能性があります。
メーカーによって牛乳に含まれるナトリウム量は異なりますが、猫の体調に影響が出るかも知れません。このような理由から、水分補給として、水のように継続して牛乳を与えるのは良くありません。
猫に水を与えて、飲んでもらうことはとても大切なことです。牛乳だけで水分を摂らせるということも良くありません。
◆結石ができる可能性がある
猫は尿結石になりやすく、それが牛乳の与えすぎによるものである場合があります。
猫の結石には、マグネシウムを主成分とした結石である「ストラバイト尿結石」や、カルシウムを主成分とした「シュウ酸カルシウム尿結石」があります。
牛乳にはマグネシウムとカルシウムが含まれているため、与えすぎることで、猫に結石ができやすくなると考えられます。
猫に牛乳を与える効果は?
猫に与えるのには注意が必要な牛乳ですが、猫にとって良い効果もあります。猫に牛乳を与える効果を考えてみましょう。
◆水を飲んでくれない時の水分補給
猫はあまり水をよく飲む生き物ではないので、水をたくさん飲ませることが難しいとされます。
水分補給をさせるためにウェットフードを与えたり、流れる水を与えたりするといった他に、牛乳を与えて水分補給をさせるという方法もあります。
ただし、牛乳だけ水代わりに飲ませれば良いというわけではありませんし、水はしっかり飲んでもらう必要があるので、バランスを考えなければいけないでしょう。
◆フードをあまり食べない時の栄養補給
牛乳にはたんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミンやミネラルがバランス良く含まれていて、栄養補給には最適です。食の好みにうるさい猫が食事を取らなくなった時に、牛乳を与えるという方法もあります。
もちろん牛乳だけを与えていれば良いわけではないのと、子猫には牛乳だけを与えるのは良くないので、注意してください。
◆おやつとして
主食とは別におやつとして、牛乳を与えることができます。
猫用おやつとして、にぼしやチューブ状のもの、鰹節などがありますが、その中で牛乳をたまに与えるといった与え方が良いでしょう。
猫に牛乳を与える時の注意点
◆猫用の牛乳を与える
猫用の牛乳、猫用ミルクが販売されていますので、そちらを与えるのが安心でしょう。
猫用ミルクは、乳糖がカットされているほか猫に必要な栄養素が加えられているものもあり、猫が飲むのに適したものになっています。乳糖を分解できないことによる下痢の心配をしなくて良いでしょう。
◆下痢をする猫には与えない
猫が牛乳を飲んで下痢をしてしまう場合には、少量だとしても与えない方が良いでしょう。下痢をする猫は乳糖を分解することが出来ないということなので、与え続ければさらに悪化する可能性もあります。
下痢だけでなく、嘔吐したり何か異常が現れたりしたらアレルギーかも知れませんので、動物病院に連れて行きましょう。
◆継続して与えない
牛乳を飲んで下痢をしなかったとしても、毎日、また毎食など続けて与えることのないようにしましょう。
継続して与えることで肥満になったり、尿結石になる可能性が増えたり心臓に負担がかかったりする可能性もあります。
◆たくさん与えない
たまにしか与えないとしても一度にたくさん牛乳を飲ませることは良くありません。
猫にとって良い栄養素もありますが、カロリー過多になったり、高齢猫であれば心臓に負担がかかったり、普段は起こさない下痢を起こすかも知れません。
普段の食事にさらにたくさんの牛乳を与えることで、肥満につながる可能性もあります。大切な主食のフードを食べる量が減ることもありますので、牛乳の量は少なめにしておきましょう。
◆冷たい牛乳を与えない
牛乳や猫用ミルクを与えるとしても、あまり冷えすぎたものを与えるのは良くありません。猫のお腹が冷えるため、下痢になったり、体調を崩したりする可能性があります。
逆に温めた牛乳も、猫の胃にはよくありません。冷蔵庫から出して少し時間を置いた、常温くらいにしたものを与えるとよいでしょう。
乳酸菌は猫の体にいいの?
◆腸内環境を改善する乳酸菌
乳酸菌は、猫が必ずしも摂らなければいけない栄養素ではありませんが、健康状態を維持したり改善したりする可能性はあります。
猫が乳酸菌を摂ることで、腸の環境が改善されて、腸内にある悪玉菌が作るとされる有害物質が減ります。さらに、下痢や便秘の改善、整腸作用、口臭や歯肉炎予防などの効果が期待できます。
◆人用の牛乳にはほとんど含まれていない
牛乳を飲ませれば乳酸菌も摂れるかと思われそうですが、牛乳は製品にするために殺菌処理がされているので、一般に販売されている牛乳には、乳酸菌はほぼ含まれていません。
そのため、猫用のミルクやおやつなどに乳酸菌を後から加えられたものか、ヨーグルトを与えることで、猫に乳酸菌を摂らせることができます。
◆乳酸菌がとれる食材
乳酸菌が摂れる食材としては、ヨーグルト、味噌、醤油、チーズ、キムチなどの発酵食品があります。その中で猫に与えられるものとしては、ヨーグルトだけが比較的安全だと言えるでしょう。
ヨーグルトは牛乳に乳酸菌や酵母を混ぜ、発酵させて作られている発酵食品です。低脂肪か無脂肪の無糖タイプであれば、人間用のヨーグルトを少量だけ、猫に与えても良いでしょう。
少量とは、ティースプーンに一杯ほどが限度です。少しペロペロと舐めるとなくなる程度で良いでしょう。
◆乳酸菌の食材は少量ずつが基本
猫に乳酸菌の含まれた食材などを与える時には、一度獣医さんに相談してから与えるようにすると安心です。
子猫や老猫などには特に、与える時には少量から与えて、食べた後の猫の様子に注意しましょう。下痢や嘔吐、体をかいたり、発疹などが見られたりしたら、アレルギーの可能性もありますので、動物病院で診てもらいましょう。
猫に牛乳を与えることのまとめ
猫に牛乳を与えても良いのですが、効果を考えても、積極的に与えるほどのことではありません。さらに牛乳を与える時には、注意をして与えなければいけないということです。
また、子猫のミルクとしては、牛乳だけでは栄養が足りないため、適していないということです。猫には牛乳というイメージもありますが、あまり良くないことも多くあるということですね。
牛乳を飲みたがる猫の場合には、猫用のミルクを与えるようにして、下痢の心配がないようにした方が良いでしょう。
牛乳を飲んでも平気な猫もいますので、一概に牛乳は良くないとは言えませんが、猫が健康に過ごせるように気をつけて与えるようにしましょう。
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