猫にメロンを与えても大丈夫?効果と注意点をご紹介!

2024.02.27

猫にメロンを与えても大丈夫?効果と注意点をご紹介!

メロンが好きな猫ちゃんは意外に多いようですが、与えても大丈夫なのか気になりますね。メロンはキュウリやスイカと同じウリ科の果物で、猫が食べても大丈夫な食材のひとつです。90%近くが水分であるため、水分補給におすすめですが、糖分を多く含むので食べ過ぎは肥満の原因になります。今回は、猫にメロンを与えてもいいのかについて、栄養成分や期待される効果、与え方などとともにお伝えします。

猫にメロンを与えても良い?

ハチワレのグレー猫

夏に旬を迎えるメロンは、猫に与えてもよい果物のひとつです。

ここでは、メロンに含まれる成分や期待される効果とともに、デメリットについても解説します。

◆メロンに含まれる主な成分

メロンは、キュウリやスイカと同じウリ科の植物です。キュウリやスイカと同様に水分が豊富で、約87%の水分を含みます。

メロンは品種が多く、夕張メロン、クインシーメロン、マスクメロン、アンデスメロンなど有名なものも多いですね。

これらの多くの品種において、最も多い栄養素は糖質です。

<メロンの栄養素>
糖質:10.3g
食物繊維:0.5g
ビタミンB6:0.11mg
ナイアシン:0.8mg
葉酸:24μg
ビタミンA(緑肉種:12μg、赤肉種:300μg)
ビタミンC:25mg
カリウム:350mg

など、さまざまな栄養素が含まれています。

β-カロテンは、ビタミンAの仲間に分類されるビタミンAの前駆体です。

果肉が緑の品種(緑肉種)では140μgであるのに対し、オレンジ色の品種(赤肉種)では3600μgが含まれています。

このβ-カロテンの差が、緑肉種と赤肉種のビタミンAの量の差として現れています。

※露地メロンを生食した場合の可食部100gあたりの含有量(出典:日本食品標準成分表2020年版)

◆期待できる効果は?

では、メロンを猫に与えることでどんな効果が期待されるでしょうか?
メロンにはスポーツドリンクと同じ成分が含まれているため、猫に必要な水分や栄養素を効率的に摂ることができる点が最大のメリットと言えるでしょう。脱水症状や熱中症になりやすい夏が旬なので、これらの予防に適しています。
まず、9割が水分であることから、効率的な水分補給が可能です。猫は元々あまり進んで水を飲まない動物なので、水分補給の補助として活用するのもおすすめです。
カリウムには腎臓の働きを良くして水分の代謝を促す効果があるため、利尿作用が期待されます。排尿の回数が増え、老廃物が尿と一緒に排出されるため、膀胱炎や腎炎の予防効果があります。
また、主成分である糖質は他の果物に比べて少なく、比較的ローカロリーです。
赤肉種に豊富に含まれるβ-カロテンは、抗酸化物質として知られています。抗酸化作用は、体内の余分な活性酸素を抑制する作用です。老化防止につながり、皮膚の健康を保って毛並みや毛艶を良くしてくれる効果が期待できます。また疲労回復を促して、免疫機能を高めます。
メロンは比較的低カロリーの果物なので、ダイエットの必要な猫ちゃんの健康的なおやつとしてもおすすめです。

◆猫に与えるデメリット

基本的に猫にとって害となる物質は含まれていないため、安心して与えることができる果物ですが、デメリットもあります。
与えすぎると水分の過剰摂取となり、胃腸に負担がかかります。その結果、下痢や嘔吐といった症状が現れることがあります。
食物繊維が消化不良につながり、下痢になることもあり、注意が必要です。
また、メロンのカリウム含有量はスイカの3倍になり、腎臓や心臓に病気がある猫にはNGです。
腎臓病の猫はカリウムを排出しにくく、体内に余分なカリウムが溜まってしまって「高カリウム血症」を引き起こすリスクがあります。高カリウム血症は不整脈や頻脈を起こすため、最悪の場合、心停止する危険もあるのです。
心臓に疾患がある場合も、カリウムの血中濃度が上がりすぎてしまうと不整脈や頻脈を引き起こすリスクがあります。
さらに、果糖が多く含まれるため、与えすぎると肥満や腎臓・泌尿器系の病気、糖尿病などになるリスクが高まります。
ウリ科の植物は、ブタクサ(イネ科)の花粉に含まれるアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)と似た構造の物質を含んでおり、アレルギーを起こす可能性があります。特に、ブタクサのアレルギーを持つ猫は、メロンでもアレルギーを起こす可能性が高いです。


メロンの与え方

お皿に乗ったメロン

ここでは、メロンの適切な与え方をご紹介します。

◆メロンは冷やしすぎないようにする

人が食べるときにはよく冷やしますが、猫に与える際には冷やし過ぎないようにしましょう。冷凍したものも、良くありません。
冷たいものを食べると、お腹が緩くなり、下痢につながることもあります。なるべく常温に近い温度で与えてください。

◆食べれる大きさにカットする

人が食べるような大きさで与えず、ドライフード程度の大きさにカットするか、薄くスライスして与えると猫ちゃんが食べやすいです。
潰したりミキサーにかけたりして、舐めたり飲んだりできるようにしても良いでしょう。果汁をゼラチンでゆるく固めると、タンパク質も一緒に摂れるのでおすすめです。

◆ウェットフードに混ぜる

カットした果肉や果汁を、ウェットフードに混ぜて与えるのもおすすめです。


猫にメロンを与える時の注意点

◆適量を守る

前述の通り、他の果物に比べてローカロリーとはいえ、主成分が糖分なので、食べ過ぎは肥満や糖尿病につながります。また、下痢などの原因にもなりかねません。
必ず適量を守って与えてください。
適量の目安は、体重4kgの猫の場合で、1日大さじ1杯程度です。愛猫の体重に合わせて、加減してくださいね。

◆皮は与えない

種は柔らかく、そのまま食べても大丈夫ですが、皮は非常に硬くて飲み込むことができません。誤って飲み込むと、胃や消化管の中を傷つける可能性があります。最悪の場合、腸閉塞から死に至ることも。
必ず皮を取り除いて与え、取り除いた皮はすぐに猫が届かない場所に捨てましょう。

◆少量から与える

前述の通り、メロンはアレルゲンを含むので、猫によっては痒みや下痢などのアレルギー反応が出ることがあります。
初めて与えるときには、ごく少量のみを与え、体長に変化がないか様子を見守りましょう。


体調を崩した時の対処法

メロンは猫に与えても大丈夫ですが、前述の通り、アレルギーを引き起こしたり、食べ過ぎによる下痢など胃腸の不調を起こしたりする可能性もあります。
かゆみや下痢・嘔吐など体調の変化が見られた場合には、まず動物病院に連絡をしましょう。症状とともに、いつ、どのくらいの量を与えたのかを伝えて、様子見をしていいか、受診するべきか獣医師さんに相談してください。


「メロン○○」を与えるのは厳禁

メロンパン

メロンと言えば、メロンパンやメロンアイスなどを思い出す人もいるでしょう。
しかし、これらは果物のメロンとは全く関係がない人間用の加工食品です。
メロンパンはマスクメロンのような格子柄をつけたパンであり、当然メロンの成分は含まれていません。炭水化物が多く、糖分、塩分も高いので、決して与えないでください。
市販されているメロンアイスも、同様に、メロンの栄養素を含んでいません。冷たい乳製品なので、下痢を起こす可能性があります。また、糖分が多いので、猫の健康にとって良くない食べ物です。


なぜメロンが好きな猫がいるの?

メロンを食べる白猫のイラスト

メロンに惹かれる猫は少なくないようで、ネット上にはメロンを食べる猫ちゃんの写真や動画が紹介されています。
では、肉食動物である猫が何故メロンを好むのでしょうか?
これには、諸説あります。
猫は、優れた嗅覚によって食べていいものかどうかを判断しているうえ、甘味を感じる能力が低く、メロンの甘さには興味がないと考えられます。一方、メロンの匂いに含まれる揮発性アミノ酸の多くが、肉に含まれるアミノ酸と一致することが分かっています。猫は、優れた嗅覚によって食べ物を「味わう」ため、肉と同じような香りのするメロンに惹かれるのかもしれません。
また、人と生活することで本来必要としない食べ物を口にする機会ができ、さまざまな食材や食品を好むようになったことも、理由の一つだと言われています。


まとめ

たくさんのメロン

メロンは、スイカやキュウリと同じウリ科の植物で、猫にとって安全な果物です。
9割近くが水分であり、カリウムが豊富で、スポーツドリンクと同様の栄養素が含まれています。このため、脱水症状や熱中症などの予防に効果的です。
猫はもともと水分摂取をあまりしない動物なので、あまり水を飲まない子の水分補給の補助として活用すると良いでしょう。
一方、主成分は糖質であり、肥満や糖尿病につながるリスクがあります。また、高カリウム血症を引き起こす可能性があるため、腎臓や心臓に病気を抱える猫には与えないようにしましょう。
与える際には、少量をカットしたりミキサーにかけたりして、適量を守るようにしてください。総合栄養食であるキャットフードを食べていれば、必要な栄養素を摂ることができるので、栄養バランスを崩さないように、あくまでおやつとして与えましょう。
旬の時期には比較的手ごろな値段で出回るので、飼い主さんと猫ちゃんが一緒に食べられる健康的なおやつとして、楽しんでください。

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SHINO

SHINO

保護犬1頭と保護猫3匹が「同居人」。一番の関心事は、犬猫のことという「わんにゃんバカ」。健康に長生きしてもらって、一緒に楽しく暮らしたいと思っています。


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