1.猫がネズミを狩る理由は?
1-1.餌として捕まえている
1-2.遊びで捕まえている/獲物を貯める
2.猫がネズミを飼い主に持ってくる理由は?
2-1.飼い主のことを子供のように思っているため
2-2.安心できる場所で食べようとするため
3.猫がネズミを食べる危険性4つ!
3-1.ネコ条虫症
3-2.エキノコックス
3-3.トキソプラズマ
3-4.回虫症
4.猫がネズミを捕ってくる時の対処法は?
4-1.叱らない
4-2.室内飼いにする
4-3.定期的に健康診断をしてもらう
4-4.鈴をつける
猫がネズミを狩る理由は?

◆餌として捕まえている
猫はネズミを退治してくれる貴重な生き物として、穀物庫や航海に出る船、書物の保管庫、農場などで飼われていました。
ネズミは、猫にとっての餌、獲物です。猫は肉食で、ネズミをはじめ、小鳥や蛇、魚、トカゲ、カエル、またバッタなどの虫も食べることがあります。
猫にとってネズミは、体全部を食べて栄養が摂れる、完全栄養食と言って良いでしょう。
◆遊びで捕まえている/獲物を貯める
野生の多くの肉食獣は、お腹が空いた時だけ狩りをして、満腹になると体を休めて、無駄なエネルギーを使わないようにして生きています。一方猫は、満腹の状態でも獲物を狩る特殊な生き物です。
肉食である猫は、なぜかお腹がいっぱいでも、ネズミを狩ることがあります。狩ったネズミは、満腹なために食べられることなく、猫のおもちゃになってしまうこともあります。
その後、遊びに飽きるとネズミ放置することもありますし、お腹が空いてくると、捕まえておいたネズミを食べることもあります。
なぜ猫は満腹なのに獲物を捕まえるのか?ということについては、2つのことが考えられます。
まず、猫の胃袋は小さいため、一度に少量しか食べることができません。そして獲物はいつでも捕まえられるとは限りません。
そのため、お腹が空いていなくても、ネズミを捕まえておこうという気持ちが働くのでないかということです。
もう一つは、猫が成猫になっても子猫のような性質を持ち続けるため、遊びとしてネズミを追いかけて捕まえるのだということです。
空腹を満たす目的がないのに、エネルギーを使ってネズミを追いかけるのは、子猫が夢中で遊んでしまうのと同じことだと考えられます。
猫がネズミを飼い主に持ってくる理由は?

猫が捕まえたネズミを飼い主のもとに持ってくることがありますが、なぜ猫はそのような行動をするのでしょうか?
◆飼い主のことを子供のように思っているため
猫が飼い主のことを獲物も取れない子供のように思っているため、ネズミを捕まえて持ってきてくれているという説があります。
野良猫は、母猫がネズミなどの獲物を捕まえて子猫のもとに持ってきて狩りの練習をさせますが、同じ感覚だと言えるでしょう。
また、オス猫とメス猫では、子供のいるメス猫のほうが、獲物を獲る頻度や確率が高いということです。子猫を育てていくために、母猫が狩りに行こうとする気持ちが強いためだと考えられます。
◆安心できる場所で食べようとするため
猫がネズミを捕まえた時、その場ですぐ食べることは少なく、落ち着ける場所に持って行くという行動が見られます。
虫や小さな爬虫類などであればその場で食べることもありますが、ネズミといった猫にとっては大きな獲物を捕まえた時には、カラスなどや他の猫の目につかないところに運んでからゆっくり食べるとされます。
そのため、飼い主さんのところにネズミを持ってきたものの、取ろうとすると猫はまたどこかに持っていってしまいます。
飼い主さんに持ってきたのではなく、自分がいつも過ごす場所に持ってきていただけということですね。
猫がネズミを食べる危険性4つ!
飼い猫がネズミを食べることは、あまり良くないことだと言えます。
ネズミは色々な寄生虫や病原菌を持っている可能性があるので、ネズミを食べると何らかの病気にかかったり、体調を壊したり、食中毒になったりする可能性があるからです。
猫がネズミを食べたことで考えられる病気は次のようなものです。
◆ネコ条虫症
条虫症は、節を持った細長い虫が猫の体内に寄生して、嘔吐や下痢などの症状が出る病気です。腹痛もあるため食欲もなくなり、元気がなくなってきます。
ネコ条虫は、ネズミを中間宿主として、そのネズミを食べた猫を最終宿主として寄生します。
治療するには、条虫の駆除剤を与え、嘔吐や下痢の対処療法をすることになります。
◆エキノコックス
エキノコックス症は、猫がエキノコックスという条虫に寄生されることで感染する病気です。エキノコックスに感染したネズミやリスなどを猫が食べることで感染します。
エキノコックスに感染した猫の便と一緒にエキノコックスの卵も排出され、それが何らかの形で人間の口に入ると、人間もエキノコックスに感染することがあります。
エキノコックスに感染すると、猫では下痢程度であまり大きな症状は見られません。
しかし、人間が感染すると、5年から20年といった潜伏期間の後で、肝機能障害や呼吸器症状、神経症状が出ることがあり、放置すると命にもかかわるおそれがあります。
猫がエキノコックスに感染した場合は、駆虫薬で成虫を駆除することができます。ネズミなどを猫が食べることのないようにすることが、予防につながります。
◆トキソプラズマ
トキソプラズマ症は、猫がトキソプラズマという寄生虫に感染してなる病気です。人獣共通感染症で、人やほかの動物にも感染する場合があります。
猫がトキソプラズマに感染すると、下痢が見られますが、健康であればその後は大きな問題が起こらない場合が多いとされます。
しかし、子猫や体力のない老猫、免疫力の落ちている猫だと、下痢や嘔吐、発熱、黄疸、咳などが見られ、悪化すると神経症状が出てくることもあります。
トキソプラズマに感染したネズミや小鳥を猫が食べる、または感染した猫の便についた卵を何らかの形で口に入れる、といったことで感染します。
治療には抗菌薬がいくつか使われ、下痢や嘔吐の対処療法が行われます。
◆回虫症
猫の回虫症はよく見られる病気で、猫回虫という寄生虫に寄生されることで起こります。
回虫は猫の小腸に寄生して栄養分をとってしまうため、猫は元気がなくなり、やせて、毛艶も悪くなります。また、回虫は食道を通ることがあるので、咳や嘔吐した時に、幼虫が出てくることもあります。
子猫が回虫に寄生されると、下痢が繰り返され、体重が増えずに健康的に成長できず、お腹が膨れて見えることもあります。
回虫は地面や水たまりなどに、幼虫が入った卵の状態で生存しています。この卵が猫の口に入ったり、卵を食べたネズミや小鳥を食べたりすることで、回虫に感染します。
回虫症は、駆虫薬で駆除することができます。下痢や嘔吐の症状に合わせた治療も行います。
猫がネズミを捕ってくる時の対処法は?

◆叱らない
猫がネズミを捕ってきた時には、叱ったり、大声を出したりしないようにしましょう。
猫は飼い主さんのために持ってきている場合もありますし、安全な自分のなわばりに持って帰って来たかったという場合もあります。
叱ったり大きく反応したり褒めたりすると、さらにネズミや小鳥を捕ってくるようになったりするほか、飼い主さんとの信頼関係が壊れることになったりします。
猫がネズミを持って来たら、とりあえず受け取っておいて、食べてしまう前に片付けるようにしてください。
◆室内飼いにする
猫を完全室内飼いにすることで、外でネズミを捕ってくる機会がないようする方法です。
猫の安全のためにも、室内飼いはおすすめです。野良猫や保護猫など、外で暮らしていた猫でも、室内飼いにしても十分幸せに生きて行くことができます。
猫が欲求不満にならないように、キャットタワーなどを置いて上下運動が出来るようにし、ねこじゃらしなどで遊んであげるようにしてくださいね。
◆定期的に健康診断をしてもらう
猫が外でネズミを捕まえて持ってきたら、できるだけ、猫が食べてしまう前に見えないところに片付けるようにします。ネズミを食べることで、感染症や体調不良になるのを防ぐためです。
見ていないところでネズミを食べてしまっている可能性もあるため、動物病院で寄生虫がいないかなどを検査してもらったほうが良いでしょう。
猫トイレの掃除をする時にも、便に虫がいたりしないか確認するようにして、何か異常があれば、すぐに獣医さんに診てもらってください。
家で猫に餌を十分にあげていたとしても、外でネズミを捕まえることはあるので、室内飼いに切り替えることが一番です。
◆鈴をつける
もし猫に首輪をつけていないようであれば、鈴がついた首輪をつけてください。鈴が鳴ることで、ネズミや小鳥などの小動物が猫に気づき、捕まえられにくくなるようにしましょう。
首輪は、引っかかると外れるタイプのものを選んで、外で何かに引っかかっても無事に帰って来られるようにしてくださいね。
猫がネズミを捕ってくることのまとめ
猫にとってネズミを捕ることや食べることは本能から来るものなので、外に出た猫がネズミを捕まえるのは仕方ないことです。また、家に捕まえたネズミを持ち帰って来ることも、飼い主さんに愛情があったり、家を安心でいる場所だと思っていたりするためだと言えます。
ただし、ネズミには寄生虫がいることもありますし、人間にとっても衛生的とは言えません。
ネズミを触ったら手を洗い、もし猫がネズミを食べたりかじったりしていたら、動物病院へ連れて行きましょう。ネズミを食べた後に下痢や嘔吐したり、体調が悪くなったりした時も、できるだけ早く病院で診てもらいましょう。
そして完全室内飼いにすることが、ネズミによる害から猫を守る一番の方法だと言えるでしょう。
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