猫が髪の毛を舐めてくる、噛む理由は?
人間は「視覚」で捉える情報により愛着を抱きやすい生き物ですが、猫は「嗅覚」によって飼い主への愛着を感じることが多いそうです。
そのため、猫が飼い主の髪の毛に興味を示しているのなら、何かしら特別な意味を持っているような気がしてしまいますよね。
猫が髪の毛を舐めてくる場合や、噛む場合には、どんな理由が隠されているのでしょうか?
◆髪の毛のグルーミングをしている
猫の愛情表現の一つとも言われている、「グルーミング」。子猫の時代に母猫や兄弟猫にしてもらっていたグルーミングの名残が、成猫になっても残っている子はもちろん居ます。
元の家族と離れ、新しい家族となってくれた飼い主に対して、愛情や依存の気持ちが強くなり、自然と髪の毛がグルーミングの対象になってしまうようです。
前述した通り、猫は嗅覚によって愛情を感じるので、汗を掻いてニオイを発しやすい頭皮からの香りは、グルーミングの対象となってしまっても仕方ないのかもしれません。
◆髪の毛で単純に遊んでいる
ゆらゆらと揺れて、シャリシャリと擦れる音が鳴る人間の髪の毛は、猫にとって好奇心をくすぐるおもちゃそのものです。
例えば、グルーミングとして舐めてくる場合でも、目の前で動く毛はやはり若い猫であれば興味を惹かれてしまいますよね。舐めてたつもりが、いつのまにかじゃれた延長線で噛むなんてことも!
一度でもおもちゃとして認識されてしまったのなら、注意が必要です。
◆髪の毛のニオイを好んでいる
人間の頭皮には沢山の毛穴があり、汗を掻くとその毛穴からニオイを発します。髪の毛はその毛穴から生えていますので、どんなに気を遣っていたとしても、嗅覚の優れた猫はたとえ微量であったとしても、ニオイを嗅ぎ取ります。髪の毛を舐めてくる時や噛む時は、このニオイに反応しているとも言われているのです。
また、人が使用するシャンプーの香りは、ハーブ系の成分が含まれている物も多く、そのハーブの香りが猫の大好きなまたたびに近い成分なのだそう。
それを言われてしまうと、舐めたり噛んだりしてくるのは、仕方ないような気もしてしまいますよね。
髪の毛を舐めさせるのはやめた方が良い?
猫が人間の髪の毛に対して執着を持ってしまうのは分かったものの、そもそも髪の毛を舐めてくることや噛むことは、猫にとって害がないと言い切れるのでしょうか?
実は、いくら愛情表現で髪の毛に興味を持ってくれたとしても、舐めたり噛んだりすることによって、猫に悪影響が無いとは言い切れません。
髪の毛を舐めてくることや噛むことによって、猫にどんな影響を及ぼしてしまう可能性があるのでしょうか。
◆シャンプーなどを舐めとってしまう可能性
髪の毛のニオイに猫が反応しているようであれば、頭皮のニオイ以外にもシャンプーやコンディショナーなどのニオイが残っている場合があります。もしかしたら、流しきれずシャンプーなどが残っているかもしれません。
シャンプーは汚れを落とす成分で作られているので、例えオーガニックや無添加と謳われていても、猫が舐めとってしまった場合は安心することは出来ませんよね。
猫の身体を洗うシャンプーは舐めても平気なように、100%植物由来の成分で作られているものがほとんどです。やはり一緒に暮らす家族として長生きしてもらうためにも、髪の毛に着いているシャンプーや整髪料などは舐めさせるべきではないと思われます。
◆髪の毛をそのまま飲み込んでしまう可能性
髪の毛はタンパク質が凝縮された、「ケラチン」という物質で作られています。この物質は人間の体内でも消化することが出来ないのですが、猫はあの柔らかい自分の毛ですら消化出来ず、吐き出してしまうので、人間の髪の毛が体内に入ってしまった場合、消化できるはずがありません。
グルーミングや遊んでいる最中に、万が一髪の毛を誤飲してしまった場合は、体内に蓄積されてしまいます。そして、女性の長い髪の毛を飲んでしまったのなら、消化器官で絡まってしまうこともあるかもしれないのです。
飲み込んでしまった髪の毛を吐きたくても吐けず、ご飯も食べれなくなってしまう可能性も無いとは言い切れませんよね。
やはり猫の安全や健康を考えるのなら、舐めてくる姿や噛む姿がたとえ可愛かったとしても、やめさせるべきではないでしょうか。
◆有害物質を飲み込んでしまう可能性
人間が使用する整髪料などには、猫にとっての有害物質(添加物)が多く含まれています。やはりシャンプーやコンディショナーなどと同じように、猫の体内に入ってしまうのは、あまりよろしくないでしょう。
女性の方であれば、洗い流さないトリートメントやオイルなどを使用していうる方も多いのではないかと思います。洗い流さないという時点で、猫にとっては危険ですし、舐めたり噛んだりすることはやめさせるべきではないでしょうか。
また、髪の毛に潤いを与えてくれるオイル(精油)は、猫にとっては大変危険です。オイルの成分を猫は上手く代謝することが出来ず、中毒を引き起こす可能性もあるのです。
やはり何としてでも猫の髪の毛への執着は、対策を考えてやめてもらうしかありません。
猫が髪の毛を舐めてくる、噛む時の対策
猫が髪の毛を舐めてくる時や、噛む時の対策として、飼い主はどんなことをすべきだと思いますか?
「舐めないでね」「噛まないでね」なんて言葉はもちろん通用しませんし、愛情を表現してくれているのに叱ることも出来ません。言葉で言っても猫には伝わることはまずないので、行動で舐めたり噛んだりしてほしくないということを、示していく必要があるのです。
どんな対策が効果的と言えるのでしょうか。
◆髪の毛を隠す
猫が髪の毛に興味を示すのなら、髪の毛を隠してしまうのが一番手っ取り早い方法です。
しかし、地毛だとウィッグのように取り外しが出来ないので、髪の毛の長い女性であれば髪の毛を結わえておくまとめ髪がお勧めです。
それでも頭皮に近い部分の髪の毛はどうしても剥き出しのままなので、猫がまだその部分にも舐めてくる場合や噛む場合には、帽子などでガードしてみてはいかがでしょうか。
夏場は暑いので、髪の毛に潤いを与えることの出来るナイトキャップや、タオルで髪の毛を包んでしまうことで対策が可能となります。
夜寝てる時間や、早朝に舐めたり噛まれたりするという方は、ナイトキャップは持っていると便利なアイテムですよ。
◆柑橘系のニオイ成分を髪の毛に付ける
猫は柑橘系の香りをとても嫌っています。少しかわいそうですが、敢えて柑橘系の香りがするシャンプーやコンディショナーを使用してみるのも良いかもしれません。
整髪剤やヘアコロンなどを使用するのであれば、自分の肌に合った上で、柑橘系の香りの製品を選ぶようにしましょう。
◆猫草やおもちゃを与えてみる
髪の毛に依存しやすい猫は、やはり飼い主に対して甘えたい、かまってほしいと思っている子が多いようです。そのため、別に興味を引ける物を与えてみてはどうでしょう?
髪の毛のシャリシャリという音と噛むことに執着しているのであれば、猫草を与えてみるのも良いかもしれません。胃の中に溜まった毛玉を吐き出す役割も担ってくれるので、一石二鳥です。
そして新しい物好きでもある猫には、興味を引きそうなおもちゃを用意してあげても良いでしょう。髪の毛をおもちゃとして認識しているのなら、効果は得られるのではないでしょうか。
まとめ
人間の髪の毛に興味を持つ猫には、ちゃんと納得出来る理由があったようです。
ただ単純に気まぐれで舐めてくることや噛むことをしているのではなく、もしそれが愛情表現だったとしたら、これ以上の幸福なことがないかもしれません。
しかし、その依存が可愛いからといって、そのまま依存させたままでいると、何かしら猫の身体に悪影響を及ぼしてしまう可能性が出て来てしまいます。大切な家族であるからこそ、やはり意を決してやめさせる努力は必要となってきます。
人間も猫もお互いにデメリットしかないとも言えるので、もし愛猫に髪の毛を舐めたり噛んだりしてくる癖があるのなら、早急に対策を練るようにしましょう。
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